好録音探求

主にクラシックCDの録音について書いています。
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ベートーヴェン:交響曲全集(イゴール・マルケヴィチ版による)
飯守泰次郎指揮/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
2010年3月31日(No.4,7), 7月15日(No.6,8), 11月11日(No.1,3), 12月28日(No.9), 2011年7月13日(No.2,5) 東京オペラシティコンサートホール,東京メトロポリタンシアターメインホール(No.9)
FOCD6014/8 fontec (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
マルケヴィチ版とはどういうものかについて,飯守氏自身が解説書で次のように述べています。

ベートーヴェンの交響曲の演奏スタイルは,現在大きく2つの流れに分かれていて,その違いが非常に大きくなってきています。作曲当時の状況に忠実であろうとする古楽器的アプローチに対し,200年の歴史を通して発展してきた伝統的な演奏スタイルは,当時の楽器の性能等による制約に着目し,改革者としてのベートーヴェンの本質に立脚して,彼が本当に表現したかったことを汲んで実現しようとするものであり,マルケヴィチ版は後者にあたります。

聴いてみるとまさにその通りで,ベーレンライター校訂版を用いた10年前の全集が古楽器的アプローチであったのに対し,今回の全集は1960〜70年代の巨匠の演奏を彷彿とさせるような路線であり,同じ指揮者,同じオーケストラによる演奏とは思えない全く違うアプローチのものでした。10年前に古楽器的アプローチといいつつもモダン・オーケストラでの新しい表現に挑戦した指揮者がなぜ今この路線なのか少し疑問に思いましたが,これは伝統的アプローチを極めたマルケヴィチ版を検証する実験プロジェクトであり,将来に出るであろう「飯守版」に向けての一つの通過点に過ぎないのではないかと勝手に思っている次第です。10年後を楽しみにしたいと思います(^^;。

さて肝心の録音ですが,拍手まで入ったライヴ録音で,飯守氏のうなり声までしっかりと入っています。残響を抑えて自然な感じで録られていてそんなに悪くはないのですが,全体にくすんでいてなんだかパッとしません。というより漫然とただ収めただけという感じで,録音エンジニアの思いが全く伝わってこない,面白味のない録音です。この点でも10年前の全集の方が私にとっては魅力があります。なお,9曲の中では,第9番が比較的良好でした。

あと解説書が最悪...保険の約款なみに文字が小さすぎて全く読む気になりません。せっかく良いことが書いてあるのに。読んで欲しい,伝えたい,という意志が全く感じられません。楽曲の解説を省略してでも飯守氏のコメントや本盤についての解説の文字を大きくして読みやすくすべきです。10年前の全集から全く改善されていません(改善する気もないのでしょう)。

タグ : [交響曲]

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モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
モーツァルト:ディベルティメントK.136-138
宮本文昭指揮/オーケストラMAP'S
録音:2012年1月19-20日 トッパンホール
KICC 995 (P)2012 King Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
元オーボエ奏者の宮本文昭氏が組織した弦楽アンサンブル(コンサートマスターは矢部達哉氏)を指揮しての演奏。ピリオド・アプローチが普通になった今日においては逆に珍しくなってしまったモダン楽器によるモダン流儀の演奏で,驚くほどオーソドックスと言えるのではないでしょうか。刺激的ではありませんが,隅々にまで神経が行き届き,細やかに表情付けされていて素晴らしい音楽に仕上がっていると思います。

さて録音なのですが,第一印象は良くありませんでした。残響が多く明らかにホールのキャラクターが前に出すぎていたからです。リアルといえばリアルなのかもしれませんが,ホールトーンが優勢すぎて弦楽器の本来の美しさ,質感がかなり損なわれていると思います。しかし,何度も聴いているうちに,こんな録音もアリかなと思うようになってきました。弦楽アンサンブルの響きの魅力は意外にもそれほど失われていないのです。ウェットで豊潤な残響を好む方には優秀録音と言えるかもしれません。もちろん私としてはこういう録音を積極的に肯定するつもりはありませんし,もっと弦楽器の生々しい質感を大切にして欲しいと思っています。

また,いわゆるピラミッド型と言えそうな中低域の充実した録音で,また録音レベルも高く,オーディオ的な面でもなかなか興味深い楽しめる録音です。

タグ : [管弦楽曲]

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スタンリー:協奏曲集作品2
ロイ・グッドマン指揮/パーリー・オブ・インストゥルメンツ
Recorded on 25, 26 November 1988
CDA66338 (P)(C)1989 Hyperion Records Ltd. (輸入盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ジョン・スタンリー(John Stanley 1712-1786)は英国の作曲家,オルガン奏者。この作品の原題は“Six Concertos in Seven Parts”であり,ソロ楽器が2つのヴァイオリン,チェロ,ハープシコードの曲(4曲)と,ソロ楽器がオルガンの曲(2曲)があります。曲調は合奏協奏曲のような感じです。

この作曲家の曲はこれしか聴いたことがありませんが,実に爽やかで心地よく響く良い音楽です。その昔,ハイペリオンのサンプラーに第1番の終楽章が収録されていて,その素晴らしい音楽に感動してこのディスクを買ったことを今でも良く覚えています。どの曲も良いのですが,やっぱりヴァイオリン,チェロがソロで活躍する曲が良いですね。演奏も明るく快活で気持ちがよいです。

録音ですが,残響過多で私としてはあまり好きな録音ではありません。ただ,伸びやかな弦楽器の音色は辛うじて確保されているのでギリギリ許容範囲というところです。ある意味,バロックの雰囲気が良く出ていると言えるかもしれないので,残響が許せる方であれば問題ない録音だとは思います。もちろん私としてはもっとすっきりと見通しよく明瞭に録って欲しいのですが。

このディスク,私はハイペリオンのものを持っていますが,今はヘリオスレーベルから発売されているようです。
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ベートーヴェン:交響曲第1番,第2番,第4番,第5番
カール・ベーム指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1970年,1972年
439 681-2 (P)1970,1972 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

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ベートーヴェン:交響曲第6番,第7番,第8
ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番(*),フィデリオ序曲(*)
カール・ベーム指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カール・ベーム指揮/シュターツカペレ・ドレスデン(*)
録音 1971年,1972年,1969年?(*)
437 928-2 (P)1969,1971,1972 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

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ベートーヴェン:交響曲第3番,第9
カール・ベーム指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1970年,1972年
437 368-2 (P)1972 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp
※SHM-CDによる全集(没後30周年記念): HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

1970〜1972年に録音された全集です。伝統的なスタイルでスケールが大きい安定感のある演奏ですね。今時の演奏と比べるとやはり全体に遅めで重厚であり,ワクワクするような演奏ではありませんが,なにかホッとするような安心感はやっぱりあります。最初に触れたのがこういう演奏だったからかもしれません。ウィーン・フィルの美しい響きも堪能できます。

録音ですが,曲により多少のばらつきはありますが,やはりこの時期のドイツ・グラモフォンらしい明快なろくおんです。音楽のエッセンスを適切に抽出し,わずかに誇張気味に味付けがしてある好録音です。残響が少し多めに入っている曲もありますが,残響を抑え気味にした第7番あたりが最もよいと思います。

演奏・録音とも良質な全集だと思います。

あと,シュターツカペレ・ドレスデンと録音した序曲には驚きました。私のベームへのイメージを覆すに十分なアグレッシブな演奏です。この中では明らかに浮いています。録音も楽器にグッと近づき,残響をほとんど取り入れずにタイトに捉えています。少し誇張しすぎにも思いましたが,クオリティ的に少し落ちるのが残念なものの,これは面白いと思いました。
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集,弦楽三重奏曲全集
スズケ四重奏団 Suske Quartet
1967年7月, 1968年7月,10月 ベルリン(Op.59),1975年5月〜1980年1月 ドレスデン(Op.59以外)
0002742CCC (P)1969-1981 VEB Deutsche Schallplatten Berlin (C)2004 edel CLASSICS GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
本全集を2010年3月に紹介した時にはHMV Onlineではすでに廃盤になっていました。こんな超名盤を廃盤にするとは!と思っていましたが,なんとHMV Onlineに再プレスがアナウンスされていました!5/20発売とのことです。

すでに所有しているので私には関係ないのですが,それでもこの再プレスはうれしく思います。
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シューベルト:弦楽四重奏曲全集
シネ・ノミネ四重奏団 Quatuor Sine Nomine
録音 1989-1994年
Cascavelle VEL 3115 (輸入盤)
好録音度:★★★★〜★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
実は言うと,シューベルトの弦楽四重奏曲は少し苦手です。特に第12番以降でしょうか。底の見えない井戸を覗いたときのような怖さというか,奥底の深さというか,得体の知れない病的な精神世界を感じるというか...とにかく何とも言えぬ不気味な感情が湧いてくるのです。そしてこの演奏は今まで聴いた中で最もそれを強く感じます。感情の起伏の激しさ,深く広がる抒情感...ある意味それだけこの演奏は優れていると言えるのかもしれません。

録音ですが,響きが楽器音に被って少し音色を損なっているものの,楽器音をしっかりと捉えているため印象は悪くありません。どちらかといえば1989-1990年に録音された1〜3枚目が良く,1994年に録音された4, 5枚目は響きが増えて音の劣化度合いが増しています(この音作りが上記のような印象を増幅しているような気がします)。残響による影響が許容できる方には優良な録音かもしれません。
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ベートーヴェン:交響曲全集
クリト・ザンデルリンク指揮/フィルハーモニア管弦楽団
録音 1981年 No.1 Studio, Abbey Road / Kingsway Hall, London
QIAG-5007 (P)2012 タワーレコード企画盤“Excellent Collection”
好録音度:★★★★
参考: Tower Records
タワーレコードの企画盤です。こういう貴重な録音を頑張って復刻してくれることに感謝です。

演奏は全体にやや遅めのテンポですが,音楽はとてもよく引き締まっていて堅固で壮麗な建築物を思わせるような趣があり,品格があってとても立派です。最近のピリオドアプローチのベートーヴェンからするとかなり古めかしく感じてしまう旧世代に属する演奏といえますが,良いものは時代やスタイルを超えて訴えかけてくるということを実感します。モダン・オーケストラの怒濤のごとくたたみかけてくる豊潤で厚みのあるサウンドに圧倒されますね。

録音ですが,やや残響が多めですが,基本的な音の捉え方は悪くなく,弦楽器と管楽器の比率も適切(弦楽器の豊潤な質感が良く伝わってくる)で,まずまず良いのですが,いかんせんやっぱりEMIレーベル...鮮度に乏しく冴えません。これは本当に惜しいです。

タグ : [交響曲]

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コープランド:アパラチアの春
コープランド:交響曲第2番「短い交響曲」
コープランド:静かな都会
コープランド:3つのラテン・アメリカン・スケッチ
オルフェウス室内管弦楽団
Recorded: March 1988, Performing Arts Center
Brilliant Classics 9207 (P)1989 DG (C)2010 Brilliant Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

ドイツ・グラモフォンからリリースされていたディスクのライセンス発売。値段も安い!(さすがブリリアント・クラシックス)。こういう再発売は大歓迎です。

コープランドは大学時代に「ビリー・ザ・キッド」組曲を演奏したことがあります(よくこんな曲をやったものだと今更ながら感心します)が,このディスクの曲は初めて聴くものばかりでした。コープランドは近代の作曲家ですが,和声的には自然なので聴きやすいです。アパラチアの春などなかなか楽しめました。

録音ですが,同楽団の他のものとほぼ同様ですが,若干音の捉え方が弱い気がします。美しく見通しよく捉えているのですが,質感の捉え方が少し弱めでわずかに物足りなさがあります。まあしかし小編成の透き通るような演奏を引き立てる録音には違いがないので,少しオマケですが四つ星半です。
以前にジョン・キングのウクレレによるバッハ無伴奏ヴァイオリンと無伴奏チェロのディスクを紹介しました。ウクレレとは思えない素晴らしい演奏に衝撃を受けました。


ウクレレによるバッハ無伴奏チェロ組曲第1番よりプレリュード

そして二度目の衝撃。ウクレレがこんなに表現力豊かな楽器だったとは! ビートルズ(というよりジョージ・ハリスンか)の「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」,いやはや,これは素晴らしい!驚きました。


ウクレレによる「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」

ジェイク・シマブクロ(Jake Shimabukuro)というウクレリスト?は全く知りませんでしたが,もっと聴きたくなりました。

タグ : [YouTube]

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