好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」作品35
グスターボ・ドゥダメル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
Philharmonie, Großer Saal, Berlin, 4/2012, 1&2/2013
00289 479 1041 (P)2013 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(Zarathustra), ★★★★(Till Eulenspiegels, Don Juan)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

とちらかというとベルリン・フィルにしてはやや控え目な表現に徹しているように思いますが,その分細部まで緻密に作り込んでいるように感じます。私の好みからするともう少しダイナミックで躍動的に演奏して欲しいと思うのですが,ツァラトゥストラならまあこれでもありかなと思います。そういう点でティルとドン・ファンは少しもの足りないかな...

録音ですが,ツァラトゥストラと他の曲では少し異なります。ツァラトゥストラは少し楽器の捉え方が弱く,もう少し質感を強めに出して欲しいとは思いますが,低域から高域までレンジ感があり,音に伸びも感じられます。個人的には弦楽器をもう少し前に張り出すように録って欲しいところです。また密度感があるのも今どきの録音です。まずます良好です。

一方ティルとドン・ファンはツァラトゥストラに比べると精彩に欠け,音が曇りがちで全体にこぢんまりとしています。こちらはわずかながら良くありません。
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ブルックナー:交響曲全集
シモーネ・ヤング指揮/ハンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団
2006-2015年 ハンブルク,ライスハレ
OC 026 (C)2016 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

10年近くの年月をかけて完成された全集で,改訂版の多いブルックナーの交響曲において基本的に初稿で構成され,習作の扱いを受けている第00番,第0番を含む,という特徴のある全集です。このあたりは皆様の方がよくご存じだと思います。この中で第4番は以前取り上げていました(→こちら)。私はブルックナーはほとんど聴かないのですが,このブルックナーは録音が結構良かったので,これを機会に全集を買って聴こうかどうしようかと長い間悩んでいたところ,たまたま少し価格が下がっているのを見つけたので思い切って入手することにしました。

まだほんの一部しか聴けていませんが,斜め聴きした限りでは,録音が長期にわたっているにもかかわらず概ね印象は揃っており,多少のばらつきはあるものの,そこそこ良好に思えました(このあたりは聴き進めていくうちに変わっていくかもしれません)。時間をかけて少しずつじっくりとブルックナーを味わってみようかと思います。
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R. シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
R. シュトラウス:メタモルフォーゼン(23の独奏弦楽器のための習作)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/NHK交響楽団
2016年2月17,18日 東京,サントリーホール
SICC 10219 (P)2017 Sony Music (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

R. シュトラウスの交響詩ツィクルスの第3弾。第1弾第2弾も取り上げていました。ツァラトゥストラはR. シュトラウスの中で最も好きな曲なので,これがリリースされるのを楽しみに待っていました。そして期待を裏切らない見事な出来だと思います。統制の取れた弦楽器,鳴りと安定感の素晴らしい金管,この曲を演奏するのに不足はないですね。メタモルフォーゼンは弦楽器のみで演奏される曲で,弦楽オーケストラが好きな私なのですが,混沌としていて掴み所がなく,この曲はちょっと苦手です。

そして録音ですが,傾向的には前2作と共通しており,残響感を少し抑え気味にして密度高く音を詰め込みスケールの大きなサウンドに仕立てています。私としては少し音を詰め込みすぎていて見通しと分離が良くなく飽和感があり(実際に飽和はしてないと思いますが)伸びや透明感に欠け,もう少しすっきりしたサウンドに仕上げて欲しいとは思うのですが,これが今どきの優秀録音なのかもしれません。でもまあ良好な部類に入ると思います。
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番,第12番
ウェールズ弦楽四重奏団 Verus String Quartet
January 20 & 21, March 31, 2017, Kanagawa Prefectural Lake Sagami-ko Exchange Center
FOCD9752 (P)(C)2017 FONTEC Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ウェールズ弦楽四重奏団は2006年に桐朋学園の学生により結成され,2016年で結成10周年,現在メンバーは30歳代というまだまだ若い四重奏団です。技術力が高く,アンサンブルが整っており,和音の響きもとても美しいです。演奏にキレがあり,さらに情感豊かで,そういう点で今回のディスクの中では第12番の第2楽章が特に印象に残りました。とはいえ真面目一本槍で音楽がまだまだちょっと堅苦しいようにも思います。

録音ですが,残響は少しあるものの控え目であり,直接音主体に明瞭に録っています。特に優れているとは思いませんが,欠点もなく弦楽四重奏曲の録音としてまずまず良好と言えると思います。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集に向けての第1弾とのことで,今後の録音も楽しみに待ちたいと思います。

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R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」
エマニュエル・クリヴィヌ指揮/ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
2015年録音
ALPHA 236 (P)2015 (C)2016 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

録音のみのコメントです。このディスクはまずまずの好録音でした。邪魔になる残響が少なく,各楽器の明瞭感,分離勘が良く,音の伸び,透明感も良好です。低域も伸びているのですが量感は少なめでもう少しあっても良いかなとは思います。こういうキレの良い録音は聴いていて気持ちが良いですね。

ツェムリンスキーの人魚姫は「アンデルセンの童話による全3楽章の幻想曲」という副題が付いているようで,初演後出版されずに約80年間埋もれており,1980年に楽譜が発見されたとのことです。このあたりの経緯がHMV Onlineの曲目紹介で詳しく触れられていましたので,ご興味があればご参照ください。もっと気味の悪い音楽かと思ったのですが,意外に聴けました。好きになれるかどうかは別ですが(^^;。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
リカルド・オドリオゾラ Ricardo Odriozola (Violin)
Herdla Church Askøy, Norway, March 27th 2004 - September 30th 2006
品番なし Amethyst Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amethyst Records

CD試聴記」からの転載記事です。

意欲がよく伝わってくる,勢いのある演奏。 技術的にものすごく上手いというわけではありませんが, 自己の技術の限界を見極めて破綻寸前まで攻めてぎりぎりで踏みとどまっているという感じで, その結果なかなか聴き応えのある音楽に仕上がっています。 パルティータ第3番は弾き込み不足なのか少し粗が目立つのが残念ですが,それ以外の曲は良いと思います。

録音ですが,残響のまとわりつきがやや気になるものの, オンマイク気味で直接音が支配的なためニュアンスもしっかりと聴き取れるまずまずの好録音です。ただしオーディオ的な品質は「並」です。

リカルド・オドリオゾラ氏の詳細はよくわかりませんが現在ノルウェーにお住まいのようです。 自主制作盤のようで,Amethyst Recordsから注文して入手しました(支払いはPayPalのみ)。 ノルウェーからご本人の名前(サイン入りの送り状も同封)で送ってきました。
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バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
チェチーリア・ベルナルディーニ Cecilia Bernardini (Violin)
ジョン・バット指揮/ダンディン(ダニーデン)・コンソート
2014年11月17日~20日 グレイフライアーズ教会(エジンバラ)
CKD 519 (P)(C)2015 LINN RECORDS (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

バロック・ヴァイオリンによる演奏。流麗で美しく技術的にもとても上手い演奏なのですが,協奏曲としては今ひとつ押しというか自己主張が弱く控え目すぎる感じがします。室内楽だと思って聴けば良いのかもしれませんが,う~ん,ちょっと物足りないです。

録音ですが,残響が多く基本的には私の好きな録音とは方向が違うのですが,楽器音の滑らかで伸びのある音色はそれなりに聴くことが出来るのと,残響がマイナス方向ではない取り入れ方になっていると思いましたので,少し甘い評価ですが四つ星半としました。LINN RECORDSは残響が多めであまり好きではないのですが,これを含め最近のものは好録音的に少し良くなってきているように思います。
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モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」
メロス四重奏団 Melos Quartet
1976年2月(No.16,17),11月(No.14,15),1977年6月(No.18,19) シュトゥットガルト,リーダーハレ
F90G 50403/5(415 870-2) (P)1977/78 Polydor International (国内盤)
好録音度:★★★★☆,★★★★(No.18,19)
参考: Amazon.co.jp

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モーツァルト:弦楽四重奏曲集「プロシア王」
モーツァルト:弦楽四重奏曲K.499「ホフマイスター」
メロス四重奏団 Melos Quartet
Stuttgart, Liederhalle, 2/1979(K.589), 6/1980(K.590), 2/1981(K.499), Bamberg, Zentralsaal, 5/1983(K.575)
431 153-2 (P)1981,1984 Polydor International (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(K.589),★★★★
参考: Amazon.co.jp

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モーツァルト:弦楽五重奏曲全集
メロス四重奏団 Melos Quartet
Franz Beyer, Piero Farulli (Viola)
Bamberg, Zentralsaal, 7/1986 & 12/1987, Neumarkt, Reitstadel, 11/1989
431 694-2 (P)1987/1988 Polydor International (P)1990 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

メロス四重奏団のモーツァルトは,以前に第17番,第19番を収めた廉価盤を取り上げていました(→こちら)。堅実で高水準な演奏を聴かせてくれる同四重奏団の演奏は結構好きで,ここに挙げた弦楽四重奏曲集,弦楽五重奏曲集を手に入れて聴けたことは大変うれしいことなのです。とても残念なことに,同四重奏団の録音は現役盤が少なく,これらの中では弦楽四重奏曲の第17番,第19番,昨年1月に弦楽五重奏曲が限定盤の分売で発売されている程度ですね。こういうド直球の演奏はもうあまり好まれないのでしょうか。残念なことです。

録音ですが,この中では弦楽四重奏曲集の第14番~第17番と弦楽五重奏曲K.589が好録音です。少し音の捉え方が濃すぎるきらいはありますが,残響を抑え,極めて明瞭に楽器の音色を捉えています。それ以外の楽曲は少し音場成分が増えて楽器の音色が曇りがちです。好録音に共通しているのが,プロデューサがDr. ルドルフ・ヴェルナーという人ということで,やっぱりレコーディングを担当するプロデューサによって録音の音づくりが変わってしまうというのがよくわかりますね。1981年以降はデジタル録音に移行していますが,録り方の質に進歩が見られないのも残念なことです。

なお,実は「プロシア王」は先日取り上げた経年劣化?のCDです。貴重なディスクなのにCD2がまともに聴くことが出来ないのが残念でなりません。

ブログ読者様からの情報ですが(有り難うございました!),プロシア王の最初のディスクはドイツプレスで内周までメッキののある真空釜によるものだそうですが,私が持っているものは連続蒸着式のもので異なるようです。パッケージにはMade in West Germanyとあるのですが,ディスクレーベル面にはMade in U. K.とあり,イギリスプレスのもののようでした。なおハイドン・セットと弦楽五重奏曲は内周までメッキのある真空釜のものでした。これらは経年劣化はほとんど見られませんでした。
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
セーゲルスタム:交響曲第289番“When a Cat Visited”
レイフ・セーゲルスタム指揮/トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
The Turku Concert Hall on 2-5 November 2015 & 4-7 January 2016
ABCD 403 (P)2017 ALBA classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ブラームスの4つの交響曲にセーゲルスタムの新作交響曲4曲を抱き合わせで収録していくというプロジェクトの第2弾。以前に第1弾をレビューしています(→こちら)。

演奏は第1番同様ゆったりしたテンポで進んでいくのですが,良く言えばのどかなのですが,さすがにこれは音楽が沈滞して前に進みません。私としてはもう少し若々しい推進力ある演奏が好きなので,これはちょっときついです。第1番は良かったのですが,この第2番は私には合いませんでした。

セーゲルスタムの交響曲は...ノーコメントということでやっぱりご勘弁を(^^;。猫役のヴァイオリンを日本人奏者が担当しているとのことです。

そして録音ですが,第1番と同日の録音のようで評価は変わりません。個々の楽器の音色を素直に,そして明瞭に質感良く捉えており,残響感はあるものの鑑賞の邪魔になるようなことはなく,トータルとしてよくまとまった好印象の録音です。欲を言えば,もう少しすっきりと見通しよく録ってくれていたら良かったのに,とは思いますが。だいぶオマケですが四つ星半です。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
フランチェスコ・テオピーニ Francesco Teopini (Classical Guitar)
1967年7月 スイス
28 December 2014 - 14 January 2015, Palazzo di Assisi, Perugia, Italy
95424 (P)(C)2016 Brilliant Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

クラシック・ギターによる演奏。 実に生真面目に丁寧に仕上げています。 教科書的で遊びがなく,またギターを活かすような独自編曲もあまりされていません。 あまりワクワクする演奏ではないのですが,じっくり聴くには良いと思います。 技術的にもそつがなく全く問題ありません。

録音ですが,少し残響はあるものの,ギターそのものの響きを素直に捉えた好録音です。 これも特に優れているとは思いませんが,欠点が少なく,音楽の鑑賞を阻害する要素がほとんどないのが良い点です。
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番作品95,第14番作品131(弦楽合奏版)
ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
Little Tribeca in Vichy, September 2016
AP152 (P)2016 (C)2017 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの先行試聴です。チャイコフスキーの弦楽セレナーデが演奏も録音も大変良かったので,これも聴いてみました。なお,HMVとTower Recordsは8/10の発売,Amazonでは7/14の発売となっており,Amazonの方が若干早く発売されます。

演奏は期待通り,精緻で緊密なアンサンブルでこの弦楽四重奏曲の名曲を弦楽合奏で綴っていきます。弦楽合奏であることを活かし弦楽四重奏より幅の広い音楽を実現していて聴き応えがあります。曲としては作品131の方が弦楽合奏に向いている気がしますし,実際こちらの方が出来がよいと思います。

録音ですが,残響控え目で各パートを明瞭に質感豊かに捉えている点は良いのですが,前作のチャイコフスキーに比べると音色がやや金属的で自然さに欠けます。平均水準以上ではあると思うので四つ星半評価ですが,音色の面でちょっと納得できないところが残ります。前の録音に戻して欲しいところです。

とはいえ,トータルの出来はなかなか良いと思います。今後,弦楽合奏の名曲を一通り録音してくれることを期待します。(録音はチャイコフスキー同等に戻してぜひ欲しいですね)
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モーツァルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/シャンゼリゼ管弦楽団
12-15 April 2012, MC2, Grenoble/France
PHI LPH 011 (P)(C)2013 Outhere (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

古楽器オーケストラによる演奏ですが,とても流麗でスマートであり,音色は古楽器のそれであってもモダン楽器オーケストラ以上にモダンな印象があります(もちろん私個人の勝手な感想ですが)。古楽器は苦手な方ですが,こういう演奏であればそういう私でも全く問題なく楽しめました。

そして録音ですが,残響は多めでやや遠くから全体のまとまりを重視したような録り方で,個々の楽器の質感は感じ取りにくく,また分離感もあまりないため,私の好きな録音とは少し異なります。中低域の量感が結構あるのですが,響きは締まっているので中高域への影響もあまりなく良好と言えます。もう少し弦楽器に音量と質感をもう少し強めに録って欲しいところですが,全体の音色は崩れておらず滑らかで伸びもあり,まあ許せるかなというところです。
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モーツァルト:初期弦楽四重奏曲集Vol.1
収録曲: KV 80, 155, 159, 169, 170
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
20.06.-22.06.2016 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 307 1975-2 (P)(C)2016 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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モーツァルト:初期弦楽四重奏曲集Vol.2
収録曲: KV 156, 157, 168, 173
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
21.11.-23.11.2016 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 307 1976-2 (P)(C)2017 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

モーツァルトの初期の弦楽四重奏曲から9曲です。まだ4曲ありますのでVol.3が近いうちに出ると思いますが,とりあえずこの2枚のレビューです。ライプツィヒ弦楽四重奏団のモーツァルトはハイドン四重奏曲とプロシア王四重奏曲はすでに発売されています。ホフマイスターは第14番~第23番まで収録したセットには収録されているようでした(これは1枚ずつ買い揃えてきた者としては少々腹立たしいですが)。初期のVol.3がリリースされれば全集が完結すると思います。

この四重奏団は結成からの歴史も長く,常に安定したスタンダード路線の高水準の演奏を聴かせてくれていますが,この演奏も同じ路線であり,個性を主張するようなところはなく,曲そのものの魅力を誠実に,そしてサラッと爽やかに表現して聴かせてくれます。長く付き合えそうな演奏で私は好きですね。

そしてこの録音がまた良いのです。残響感はそれなりにあり音場感もありますが,直接音が主であり,クリアで透明感のある音色が堪能できます。過去リリースされてきたモーツァルトのディスクよりも一段良くなっています。室内楽の録音として標準的な印象であり,その中で上手くまとめた好録音だと思います。

Vol.3のリリースが楽しみです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
杉江洋子 Yoko Sugie (Violin)
13-16 December 2016
LeavesHMO HMOC 17839/40 (P)2017 ヒビキミュージック (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

バッハだからといって何か特別なことをされているという感じではありません。 今まで長い年月をかけて積み重ねてこられた手法, すなわちベストパフォーマンスを発揮できるご自身のやり方でこの曲に向き合われたのではないかと思います。 その結果,ごく自然に語りかけてくるような,陰影に富む味わい深い演奏に仕上がっています。 ピリオド奏法を取り入れる演奏が多い昨今, モダン楽器の伝統的なスタイルの延長線上でこのような優れた演奏が生み出されたことを大変うれしく思います。

そして録音ですが,少し残響があり,やや距離感があるために残響の影響を受けているのですが, それでも直接音が主体であり,ニュアンスも伝わってきますし楽器の質感も感じ取ることが出来ます。 もう少し音色に透明感と伸びが欲しいところですが,それでもソロ楽器の録音としてかなり良好な部類に入ると思います。

ということで,演奏も録音も良い,長く聴き続けたいと思える良盤でした。

杉江洋子さんは京都出身,幼少の頃からコンクールで優秀な成績を収められ, 京都堀川音楽高等学校,東京藝術大学・大学院を卒業,神戸室内合奏団,大阪センチュリー交響楽団を経て, 現在は京都市交響楽団の第二ヴァイオリン副首席奏者を務められているとのことです。
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シューベルト:交響曲第8番ロ短調D759「未完成」
シューベルト:交響曲第9番ハ長調D944「ザ・グレイト」
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1963年10月7,8,11日,11月5-8日 ウィーン,ゾフィエンザール
UCCD-7223 (P)1964 Decca Music Group Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

録音のみのコメントです。「新世界より」の録音からおよそ2年後の1963年の同顔合わせによる録音。新世界に比べてわずかに及ばないところはあるにせよ,これもほぼ同じ傾向の好録音でした。未完成よりもグレイトの方がほんのわずかですが良好のように思いました。

もちろんオーディオ的なクオリティは現代の録音の方がずっと高いのですが,音楽をより魅力的に伝える録り方をしているという点でこれらの録音は大変優れていて,それは音楽を収めるメディアのクオリティ以前の問題としてずっと大切なことだということを教えてくれているように思います。現代の録音は録り方の方向性がちょっと違う方に向いてしまっている気がしてなりません。と,これらの録音を聴いて思ってしまいました。

過去の優秀録音から全く学ぼうとしていないように思えるのですが,なぜなんでしょうね...
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ニコライ・マドヤン Nikolay Madoyan (Violin)
録音不明
品番不明 (P)2014 Nikolay Madoyan (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple MusicYouTube

CD試聴記」からの転載記事です。

オーソドックスで力強くまた整然とした立派な演奏です。 技術的にもかなり巧いです。 演奏上の傷はいくらか散見されるものの,全体のできの良さのほうが勝っているのでほとんど気になりません。特にパルティータ第2番,ソナタ第3番あたりの充実ぶりはなかなかのものです。

録音ですが,残響はやや多く残響時間もかなり長いのですが, 楽器音の直接音成分が支配的で残響はその後方にふわっと広がるように取り入れられているため, 印象は悪くありません。 音色は残響のまとわりつきの影響を受けてやや変化していますが,ニュアンスや質感は十分に伝わってきます。 もう少し直接音に透明感があれば良かったのですが。 でもこれは残響量の割に良いと思います。 私の好みではありませんが,上手く録っていると思います。

この録音,YouTubeでは全曲が公開されており,ディスクでの発売もありそうに見えるのですが,本当にあるかどうかはわかりませんでした。Amazon.co.jpApple Musicでは前半の3曲のみ公開されているという中途半端な状態です。

これを全曲扱いにするか迷いましたが,演奏も録音もそこそこ良かったので,ちゃんと全曲公開されることを期待して全曲扱いとしました。

演奏者のマドヤンはWikipediaによると,1973年生まれアルメニア出身のヴァイオリニストとのことです。
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シューマン:交響曲全集
ロビン・ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団
2013年11月25日, 26日, 30日 & 12月1日-3日 パース・コンサート・ホール(イギリス)
CKD 450 (P)(C)2014 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

室内管弦楽団ならではの小回りの利いた躍動感ある小気味よい演奏ですね。アンサンブルも良いと思います。先日取り上げたサヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデンとは対極にあるように思います。こちらは今風に仕上げられていますね。

録音ですが,残響は控え目で低域もだらしなく響くことがありません。タイトでややドライな仕上げです。マイク位置が少し遠いのか,良く言えばまとまりのある,全体が良く溶けあった音なのですが,その代償としてやや楽器の質感が希薄になって力強さ,実在感は失われています。これでも十分好録音だと思うのですが,あえて言わせてもらえば,もう少し個々の楽器の質感を強めに捉え,もう少し存在感のある音で録っていればなお良かったと思います。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
デネス・ジーグモンディ Denes Zsigmondy (Violin)
1995年5月
CD JBS 1001/2 Juneau Bach Society (輸入盤)
好録音度:★★★★☆

CD試聴記」からの転載記事です。

気力の漲る意欲的な演奏。 年齢からくる技術的な衰えか,キレが良くないところが散見されますが,ほとんど気になりません。 むしろ勢いのある演奏で味わい深く感じさせるところなど長年の積み重ねを感じさせます。

録音ですが,少し残響が多めなのですが,直接音が主であるため明瞭感の低下や音色への影響は少なく,印象は悪くありません。 もちろん残響を抑えてもっとクリアーに録って欲しかったところですが,これでも十分許容範囲です。

ジーグモンディ氏は1922年生まれ,ハンガリー出身,2014年に亡くなられたとのことです。 これは73歳くらいでの録音になります。

本ディスクは残念ながら現在は入手が難しい状態で,音楽配信も見つけることが出来ませんでした。
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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
小山実稚恵 Michie Koyama (Piano)
2017年2月7-10日 軽井沢大賀ホール
SICC 19032 (P)(C)2017 Sony Music Japan International (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2017年はアルバム・デビューから30周年で,通算30枚目のアルバムで,初の全曲バッハ,とのことです。私自身は小山さんのディスクはおそらく初めて聴きます。情緒的表現,感情移入は極力抑え,音は短く歯切れ良くはっきりと,上品ですがどちらかといえばストイックに淡々と弾いているように思います。この点,先日取り上げたベアトリーチェ・ラナの演奏とは対照的です。そのせいもあってか,バッハの曲の構造が浮き彫りのようにはっきりと見えてくるようです。気に入りました。

録音ですが,残響は控え目で楽器の音を明瞭に捉えている点は良いのですが,うっすらとベールが被ったようにわずかに音色がくすみ,すっきりと伸びと透明感ある音になっておらず,また,少し音が硬いのが不満です。マイナスポイントが少ないので四つ星半としましたが,正直言うともう少し何とかならなかったのかととても惜しく思います。

最後にリピート表です。すべてのリピートが実行されていました。完璧です。

演奏時間 約75分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○○
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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(アコースティック・ギター編曲版)
スティーヴン・ハンコフ Steven Hancoff (Acoustic Guitar)
録音不明
品番不明 (P)(C)2015 (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

アコースティック・ギター編曲による演奏。 ナイロン弦のクラシック・ギターによる演奏はよくありますが, スチール弦のアコースティック・ギターによる演奏は滅多に見かけません。 しかも全集ということで,アコースティック・ギターが好きな私にとっては大変うれしいディスクです。この曲集とアコースティック・ギターって,実は結構相性がいいじゃないか!と思ってしまいます。

ギター版ということもあって結構ベース音や和音の追加があります。 ごくまれにあれっ?というような和音がありますが,ほぼ違和感なく聴くことができます。技術的に特に優れているということはありませんが,全く問題はありません。

さて録音ですが,スタジオの残響のない環境で極めてクリアーに明瞭に録っています。 アコースティック・ギターの録音としてはごく普通だと思います。 スチール弦のきれいで伸びのある響きを堪能できます。

詳しくはわからないのですが,ハンコフ氏はジャズ・ギタリストのようです。 編曲および演奏自体はジャズ的なところは全くありません。
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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988(ジャズギター編曲版)
Andy Fite
(P)2011 Andrew J Fite
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple Music

Apple Musicでの試聴です。メディアでの販売があるのかどうかはわかりませんでした。ゴルトベルク変奏曲のジャズギター編曲版で,一人で多重録音しているものと思われます。

ジャズ風に拍子を変えたりリズム・パターンを変えたり,難しいところは原曲をとどめないほど編曲したり...(^^;。技術面含めてまぁいろいろと難のある演奏ですが,終始ニヤニヤしながら楽しませていただきました。これに関してはリピートを省略しすぎているとかそんな野暮なことは言いません。演奏者の挑戦に拍手!

録音ですが,このようなジャンルは普通に録れば普通にこれくらいのレベルの録音になります。特に優れているということはありませんが,録音にストレスを感じることなく楽しめるという点で普通に良い録音だと思います。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
五嶋みどり MIDORI (Violin)
2016年8月8日-11日 ドイツ,ケーテン城
Accentus Music ※NHK BSプレミアムでの放送
好録音度:★★★★☆(Sonata No. 2, 3, Partita No. 2)~★★★★★(Sonata No. 1, Partita No. 1, 3)

CD試聴記」からの転載記事です。

これは2017年の3月にNHK BSプレミアムで放送された番組の感想です。 本CD試聴記では放送番組は基本的には取り上げていないのですが,これは特別に感銘を受けたので取り上げることにしました。 ちょっとタイミングを逸した感はあるのですが...ご了承願います。

演奏自体は2013年の全集とほぼ変わらぬブレない一貫した素晴らしい演奏です。 この演奏を映像で鑑賞出来るのはまさに至福と言うほかありません。

そしてさらに特筆すべきはその録音です。 この曲集はバッハがケーテン宮廷楽長だった頃の作品ということで, 五嶋みどりさんがゆかりの地であるケーテン城を訪れ,城内の幾つかのフロアで録音をされています。 吹き抜けのやや容積のあるフロアでの録音もありますが,小さめの部屋での録音もあります。 コンサートホールやや教会の録音のような豊かな響きは全くありません。 これが好録音につながっています。

ソナタ第2番,第3番,パルティータ第2番はやや広めのフロアで録音されているためか,また, 少しマイクポイントが遠めなのか,部屋の響きが少し感じられますが, ソナタ第1番,パルティータ第1番,第3番はほとんど響きがなく,適正な距離感で極めて明瞭に録られています。 弓が弦に触れるときの微妙な音や左手の運指に伴う演奏雑音を含め,演奏者の発するあらゆる音が克明に聴こえてきます。 質感,音色,ヌケの良さ,どれも申し分ありません。

特に後者は私が理想とする好録音にかなり近いです(→「好録音について考える」をご参照ください)。 残響がないから鑑賞に向かない,音楽的に劣る,といったことは全くありません。 残響の有無と音楽性とは基本的に無関係であるということを,この録音は見事に証明してくれています。

ソナタ第3番とパルティータ第2番がARTE concertというサイトで公開されていました。 録音がベストの楽曲の方ではないので上記の感想が伝わらないかもしれませんが。

この人類の宝のような映像作品,ぜひディスクで発売して欲しいものです。
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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲作品72

ヴラディーミル・ユロフスキー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
2014年1月22日 ロンドン,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール,2015年9月3,4日 ロイヤル・アルバート・ホール(序曲)
LPO0096 (P)2017 LPO (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Mujsic

まだメディア発売前ですが,一足先にApple Mujsicで試聴しました。

ロンドン・フィル自主制作のベートーヴェンといえばクルト・マズア指揮の第1番,第4番がとても良かったのですが,このベートーヴェンも期待に違わずスピード感のある小気味よい演奏でした。この演奏におけるロンドン・フィルの編成がよくわからないのですが,大編成のサウンドながらとてもよく統率されていてアンサンブルにブレが見られず絞り込まれた編成のごとくビシッと決まっています。今後の録音にも期待します。

録音ですが,残響が少しあって楽器音にまとわりつき音離れが少し良くないのですが,個々の楽器は明瞭に録られており,残響感の割には音色に癖がないのが良い点です。私としてはもう少し残響の影響を減らしてすっきりと見通しよく録って欲しいのですが,これなら多くの人に受け入れられやすい録音だと思います。まずまずの好録音と言えると思います。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ナタン・ミルシテイン Nathan Milstein (Violin)
26 & 31 March 1954(Sonata No.1), 6 February 1956(Partita No.1), 27 December 1956(Sonata No.2), 23-24 March 1954(Partita No.2), 5, 16, 17 March 1956(Sonata No.3), 28 December 1955(Partita No.3), Studio A, 46th Street Studio, NY.
ZDMB 64793 2 3 (P)1955-66 (C)(P)1993 Angel Records(compilation and digital remastering) (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

恐ろしいほどにキレが良く,その潔さが痛快極まりなし! 変な言い方ですが,過剰なまでにコントロールが効きいたオーバーシュートする音楽表現が何とも言えません。 最も覇気のある充実した時期の巨匠の強烈な個性に圧倒される,ものすごく尖った演奏です。 リピートの省略が多いのが残念ですが,時代を思えば仕方なしですかね。

これは1回目の全集録音で,一般的には1973年の2回目の全集の方が評価が高いと思いますが, この1回目の録音も捨てがたいです。 私はむしろ1回目よりこちらの方が好きかもしれません。 ミルシテインの全盛期の魅力がこの全集に凝縮されていると思うのです。

録音はスタジオでのモノラル録音で,わずかに残響が感じられる曲もありますが,その影響はほとんどありません。 少し距離感があって,そのためにわずかに明瞭感,鮮明さが落ちているのが残念ですが, それでもこの時期のモノラル録音としてはかなり良好な状態と言えると思います。 演奏をストレートに生々しく伝えてくれる点を大きく評価しました。 好録音です。

もちろん1950年代半ばの録音なのでクオリティは良いとは言えませんし, マスターテープの問題と思われる音の曇りが感じられるところもあります。 古い録音なのでこれは仕方ありません。

この演奏は時々復刻はされているようですが,もしかしたら今は現役盤がないかもしれません。 入手困難ではないと思いますが...
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モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」,第12番,第14番
エドナ・スターン Edna Stern (Piano)
アリー・ファン・ベーク指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
ZZT100901 (P)2009 Zig-Zag Territoires (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。前エントリからのオーヴェルニュ室内管弦楽団つながり&ジャケ聴きです(^^;。

まず録音のコメントです。すっきりとした癖のない自然なサウンドが魅力の好録音です。残響が適度に抑えられ,見通しが良く,そこそこキレもあります。録音自体はあまり主張しませんが,演奏を邪魔せず音楽を素直に伝えてくれるこういう録音が良いのです。いつまでも音楽に浸っていたくなります。

そして演奏なのですが,端正で上品です。粒立ちの美しいタッチが印象的ですが,あくまでも控え目です。オーケストラも若干音の長さを短めに刈り込んで整然と見通しよく演奏し,ソロの美しさを引き出しています。良いと思います。
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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
シベリウス:弦楽四重奏曲 ニ短調 作品56「親愛なる声」(弦楽合奏版)
ロベルト・フォレス・ヴェセス指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
2016年5月3-6日 クレルモン=フェラン,オーヴェルニュ管弦楽団施設
AP139 (P)(C)2016 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicで試聴して演奏も録音も大変良かったので,今年の1月に試聴レビューしていました。ディスクを買うかずっと迷っていたのですが,やっぱりこれは手に入れておきたいということでAmazonから入手しました。Tower RecordsとHMVでは5月の発売になっています。今聴きながら書いているのですが,これはやっぱり買って正解の盤でした。



Apple Musicでの試聴です。Amazon.co.jpでは2月17日の発売になっていて,HMVやTower Recordsにはまだ出ていませんでした。

おぉ,これはなかなかイイぞ! 演奏自体は真っ当なスタンダード路線であり,アンサンブルは優秀で,丁寧でニュアンス豊かで美しい。シベリウスの弦楽合奏版は初めて聴きましたが,違和感なく聴けました。

録音ですが,特に特徴があるわけではありませんgな,欠点らしい欠点がなく,弦楽器の魅力を上手く捉えた好録音だと思います。低域から高域までレンジ感もありますし,楽器の質感の捉え方も標準的で良好です。残響もそれなりにありますが,マイナス要素にはあまりなっていません。

これはディスクを入手してじっくり聴いてみたくなりました。

(記2017/01/08)
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
トーマス・ツェートマイアー指揮/スタヴァンゲル交響楽団
2015年 ノルウェー,スタヴァンゲル・コンサートホール
3816-2 (P)(C)2017 SSO Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

近年指揮でも活躍しているというヴァイオリニストのツェートマイアーの指揮したブラームスの交響曲ということで聴いてみました。オーケストラの規模がよくわからないのですが,少し小さめの編成のように締まった小気味の良いスピード感のある演奏でした。指揮者の意思が行き渡りよく統率されていると思います。勢いがありながらフォルテでも粗くなったり飽和したりすることがなく余裕をもって鳴らしきっているところも良いと思います。

さて録音ですが,残響は多めですが,低域の響きが抑えられているためか,だらしなく響くことがなくドライで締まっています。ただやはり残響自体は多いため,見通しは良くありません。残響量の割には音色のバランスは整っているので,印象は悪くありません。もう少し残響を抑えてすっきりと見通し良くしてくれたらずっと良かったのではないかと思うのですが。少し甘いですが四つ星半です。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ミシェル・ロス Michelle Ross (Violin)
December 4 and 5, 2013; January 31 - February 2, 2014; March 19-21, 2014 at the American Academy of Arts and Letters, New York
TROY1662/63 (P)(C)2017 Albany Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconAmazon.comApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 しなやかで伸びのあるフレージングが素晴らしい好演奏。 滑らかな音の移り変わり,音色の美しさも特筆できます。 技術的にも優れ,コントロールが隅々まで行き届いています。 これは出色の出来映えで,思わず聴き惚れてしまいます。

録音ですが,若干の響きのまとわりつきはあるものの,楽器音を適度な距離感でニュアンス豊かに捉えています。 弓が弦に触れる微妙な感触まで聴き取ることができます。 好録音です。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
モブセス・ポゴシアン Movses Pogossian (Violin)
December 21-23, 2015 and May 28-30, 2016, at the Recording Studio of the UCLA Herb Alpert School of Music
New Focus Recordings FCR178 (P)(C)2017 Movses Pogossian (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。全体に遅めのテンポで音楽が進行していきます(なのでCD 3枚組になっています)。 ところどころ大見得を切るようなところはありますが,どちらかといえば正統派の演奏であり, 技術的にもそこそこの安定感があり,ハーモニーも美しく,充実感があります。 正直言うと中にはテンポが遅すぎてちょっと退屈してくる楽章ないことはないのですが, 全体としては好印象でした。

録音ですが,スタジオでの録音のためか,残響は控え目であり,適切な距離感で, 弦の上を滑る弓の微妙なニュアンスも聴き取ることが出来る好録音です。 オーディオ的にはあまり魅力がない録音かもしれませんが, 地味でもこういう楽器の質感を大事にした録音が良いのです。

ポゴシアン氏はソ連出身のヴァイオリニストで,1986年第8回チャイコフスキー国際コンクール ヴァイオリン部門第7位の入賞歴があります。 現在はアメリカのUCLA Herb Alpert School of Musicのヴァイオリンの教授とのことです。
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ハイドン:弦楽四重奏曲作品33
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
Concert Hall, Wyastone Estate, Monmouth, on 25-30 June 2012
CDA67955 (P)(C)2013 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品50
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
Potton Hall, Dunwich, Suffolk, on 24-28 October 2014
CDA68122 (P)(C)2016 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品54, 作品55
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
Potton Hall, Dunwich, Suffolk, on 5-10 November 2015
CDA68160 (P)(C)2017 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

少し前に作品9,作品17,作品20を取り上げた続きです。全集に向けて録音されているのかはわからないのですが,現在作品番号順に作品55まで発売されています。演奏スタイルはこれまでの録音と変わらず一貫していますが,より大胆に変化を付ける表現が増えているようには思います。技術的にも上手いですし,響きの美しさも特筆できますし,ハイドンとしてはロマンティックで,かつ素直な表現にも好感を持ちました。今後の録音が楽しみです。

録音ですが,作品33と作品50は少し残響が気になるものの,音の透明感,輝き,伸びが感じられ,ストレスなく聴くことが出来る好録音です。一方作品54, 55はややマイクポイントが遠く,音色がくすみがちで楽器の質感も失われてしまっていますし,音場の広がり感も少し希薄です。そんなに悪くはないのですが,作品33, 50と同じ録音で統一して欲しかったところです。惜しいです。今後の録音が元に戻されることを切に希望します。

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