好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988
マハン・エスファハニ Mahan Esfahani (Cembalo)
録音 2016年4月, 5月
479 5929 (P)(C)2016 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

エスファハニ氏は1984年生まれということですので,現在32歳,まだまだ若いチェンバロ奏者ですね。この演奏,装飾やリズムの崩し方に色々と斬新な仕掛けがありなかなか面白いと思います。演奏者の様々な創意工夫とチャレンジ精神を楽しめる演奏です。繰り返し聴きたくなる演奏かどうかはちょっと微妙かと思いますが...

そして録音ですが,わずかに録音会場の響きが気になるものの,楽器そのものの豊潤な響きを濃厚に質感豊かに捉えたHi-Fi調の好録音ですね。ちょっと濃すぎてもう少しすっきりと録って欲しいと思うところもありますが,これはこれで良いと思います。

最後にリピートですが,全て実行されていました。完璧です。

演奏時間 約79分
リピート表
Aria ○○
Var.01 ○○ Var.02 ○○ Var.03 ○○
Var.04 ○○ Var.05 ○○ Var.06 ○○
Var.07 ○○ Var.08 ○○ Var.09 ○○
Var.10 ○○ Var.11 ○○ Var.12 ○○
Var.13 ○○ Var.14 ○○ Var.15 ○○
Var.16 ○○ Var.17 ○○ Var.18 ○○
Var.19 ○○ Var.20 ○○ Var.21 ○○
Var.22 ○○ Var.23 ○○ Var.24 ○○
Var.25 ○○ Var.26 ○○ Var.27 ○○
Var.28 ○○ Var.29 ○○ Var.30 ○○
Aria da capo ○○
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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
植山けい Kay Ueyama
2011年10月26-28日
INT 221.188 INTEGRAL Classic (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
チェンバロによる演奏。使用楽器はスイス,ノイシャテル博物館所蔵の1634年製J.ルッカースという名器だそうです。a=392Hz。ゆっくりした曲でリピートの省略がありますが,その他のほとんどの曲でリピートが実行されています。

演奏はしっとりとおちついた気品のあるもので,ついついアグレッシヴな演奏を期待してしまう耳にはかえって新鮮に聴こえました。すごくいいです。気に入りました。

録音ですが,残響時間はそれほど長くありませんが,明らかに部屋の響きで音色が影響を受けています。明瞭でそれなりに鮮明な録音なのに,この楽器が持つであろう美しく輝かしい音色で聴けないのは非常に残念です。この響きはプラスには働いていないと思います。オーディオ的にはクオリティは高く,こういう収録環境の響きの影響を気にしない方,響きとともに録音すべきだと思っている方にとっては優秀録音かもしれません。私は好きではありません。楽器本来の音をすっきりと透明感ある鮮度の高い音で録音して欲しいところです。

このディスク,残念ながらオンラインショップでは在庫切れになっているようです。私はamazon.co.ukのマーケットプレイスで購入しました。

なお,フランスのレーベルのようですが,解説書やケースに日本語も解説がきちんと併記されています。ありがたい。日本人なんだから日本の音楽ファンのことを思えばこれくらいの配慮は当然のごとくしてほしいものです。見習ってほしいですね。
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ヘンデル:チェンバロのための作品集
クリスティアーノ・オウツ Cristiano Holts
June 2009, Palace Chapel of Winsen, Germany
Ramee RAM1004 (P)(C)2011 Outhere (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
レコード芸術誌2011年度第49回レコード・アカデミー賞の「特別部門 録音」の受賞ディスク。ヘンデルのチェンバロ曲は私の守備範囲外なので買う予定はなかったのですが,つい出来心で買ってしまいました...(^^;。

この録音は本当に良いですね。チャペルでの録音と書いてあるのですが,残響感はほとんどなく楽器音が極めて明瞭に録られています。距離感も適切で自然で音の捉え方が濃すぎませんし(若干きつい感じはあります),いろんな要素のバランスも良いです。オーディオ品質も良好です。優秀録音かつ好録音と言えます。私が持っているいくつかのチェンバロの録音の中でも群を抜いています。オーディオ機器試聴時のリファレンス音源候補となりました。

こういう雑誌で優秀録音の賞を取ったディスクを聴いても,「確かに優秀録音かもしれないが好録音ではない」ということが多かったのですが,驚くべきことに今回は極めてまともな選択がなされました(^^;。素直に喜びたいと思います。ピアノやチェンバロ,ギターなどは楽器自体の響きが十分に残るので,このような残響を抑えた録音でも一般的に受け入れられやすいからだとは思いますが,録音にとってホールなどの残響がそんなに重要な要素ではないということがここでも明らかになったと思います。この受賞を契機にこういった好録音が増えてくれることを期待します(でも無理かもしれませんね...)。

次はオーケストラや弦楽器の録音からもこのような「優秀録音かつ好録音」のディスクを選んで欲しいものです。
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バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988
アンドレアス・シュタイアー Andreas Staier (Harpsichord)
2009年7月 Teldex Studio Berlin
HMC 902058 (P)2010 harmonia mundi s.a. (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

チェンバロによる演奏。おぉっと目を惹くところはありませんが,端正でスタンダードな表現の中に豊かで充実した音楽が詰まっています。結局最終的にはこういう演奏に戻って来たくなる,そんな演奏です。チェンバロの音色がまたゴージャスですねぇ... なお,繰り返しは聴いた限りでは全てやっているように思いました。演奏時間は80分46秒でCD 1枚に入るぎりぎりの長さです。

さて録音ですが,これはちょっと微妙な感じです。オーディオクオリティは申し分なし。緻密で空気感も素晴らしい。しかし,この空気感は楽器そのものの響きよりもスタジオの響きが勝っているためではないかと。ヌケが悪いわけではありませんが,音色のバランスが大きく崩れてクリアーではありません。中途半端な大きさの会場の響きを取り入れると会場の雰囲気は出るかもしれませんが,肝心の音色は曇らせ煩く感じさせるだけで音楽に対するメリットを生みません。チェンバロは楽器そのものが良く響きます。会場の響きで曇らせる必要がどこにあるのかまったく理解できません。

これを優秀録音とみる人も多いと思います。現にいろいろなところで優秀録音である旨の記述を見かけます。確かに優秀録音かもしれませんが,好録音ではありません。抗議の意味を込めて三つ星です。演奏が良いだけに残念です。
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バッハ:ゴルトベルク変奏曲
バッハ:イタリア協奏曲
トレヴァー・ピノック(Trevor Pinnock)(Cembalo)
Paris, Conservatoire, 4/1980 (ゴルトベルク変奏曲)
London, Henry Wood Hall, 5/1979 (イタリア協奏曲)
Archiv 00289 477 5902 (P)1979/1980 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (輸入盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★☆
参考url: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records

かなりオンマイクで録音されたようですごくリアルなのですが,ちょっと圧迫感があるかなと思います。きつすぎると感じる方もおられるかもしれません。明瞭感,解像感が高くかなり良いのですが,もう少しヌケの良さがあれば最高に良かったのにと思います。それでもチェンバロの録音としてはかなり好きな方です。超低域のノイズがあるので(あまり遮音性の良いホールではないようです),低域の再生能力の高いヘッドホンなどで聴くと少し疲れるかもしれません。

演奏は軽快で淡々と整然としていて模範演奏的ですが,変にいじくり回したりせず恣意的なところもないので安心感があり,好感が持てます。録音の良さもあって,良く聴く一枚です。

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