好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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Weighted Mind
シエラ・ハル Sierra Hull
11661-9166-2 (P)(C)2016 Rounder Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ブルーグラスのマンドリン奏者,シエラ・ハルの久々の新譜。3作目でしょうか。前2作はブルーグラスの王道を行くようなアルバムだったのに対し,今回の作品は,基本的にはマンドリンとベースと歌という極めてシンプルな編成であり,曲も大人びていて渋く哀愁を感じさせるものが多いです。マンドリン演奏も技巧に走ることなく深みを増していますし,ボーカルも随分上手くなりました。新境地ですね。じっくりと楽しませてもらおうと思います。

あの歌姫アリソン・クラウスも数曲参加しているのですが,バッキング・ボーカルに徹するという何とも贅沢なアルバムです(^^)。ジャケット写真は今ひとつ意味不明(^^;。解説書に載っていた下の写真,何となく好きです(^^)。持っているのはオクターブ・マンドリンでしょうか。

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A Dotted Line
ニッケル・クリーク Nickel Creek
541944-2 (P)(C)2014 Nonesuch Records (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
先日紹介したバッハ無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番で超絶的な演奏を見せたブルーグラスの天才変態マンドリン奏者クリス・シーリが参加するニッケル・クリークの新譜。9年ぶりの再結成アルバムで結成25周年で制作したとのことです。結成当時,フィドルを担当するサラ・ワトキンスは8歳?! もう解散してしてしまって新譜が出るとは思っていなかったので,このアルバムは本当に嬉しいです。彼らの音楽のルーツはやっぱりここにあるんだなと再認識させられるアルバムです。

しかし,録音が今ひとつ納得がいきません。ブルーグラスは基本的に生楽器なのですが(エレクトリック楽器を使った曲もありますが),この録音の楽器の音は生楽器の良さが出ていません。リミッターをかけたような飽和感と独特の歪み感が全体を覆っていて作為的な音作りであり,気持ちよく聴くことが出来ません。この点だけが本当に残念でなりません。

いつも紹介しているNPR Music Tiny Desk Concertで,このアルバムに含まれる曲を演奏しています。こちらの方がCDよりも生楽器本来の音がして素晴らしいというのは皮肉ですねぇ...


13:45あたりから始まるインストゥルメンタル曲"Elephant In The Corn"も彼ららしくて良いです。
このところずっと毎日聴くぐらいなぜか気に入ってしまったシエラ・ハルのYouTube動画を見つけたので載せます。



いずれもセカンド・アルバム 「デイブレイク」に収録されている曲です。以下,YouTube動画へのリンクを張ります。

Sierra Hull - Best Buy [Live at WAMU's Bluegrass Country]
上記の埋め込み動画です。大好きな曲の一つです。この動画が見られるのは本当にうれしい!

Sierra Hull - Bombshell [Live at WAMU's Bluegrass Country]
インストゥルメンタル。シエラ・ハルの超絶技巧マンドリンが堪能できます。素晴らしい!

Sierra Hull - Don't Pick Me Up [Live at WAMU's Bluegrass Country]
これぞブルーグラスの見本みたいな曲ですね。

Sierra Hull - Easy Come, Easy Go [Live at WAMU's Bluegrass Country]
これはちょっと垢抜けた,彼女としては新しい感じのする曲です。

Sierra Hull - Tell Me Tomorrow [Live at WAMU's Bluegrass Country]
これも大好きな曲です。これもブルーグラスらしい名曲です。
シエラ・ハルのYouTube動画では,以前紹介した「シエラ・ハルの“Old Dangerfield”」が気に入っていますが,これはちょっと渋いですねぇ。

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ブルーグラスのマンドリン奏者,シエラ・ハルの記事がGrassRoots Music Workshopというサイトに載っていましたので,覚え書きとして掲載します。

シエラ・ハル「ビッグなスモールタウン・ガール」…ムーンシャイナー誌6月号より

シエラ・ハルの生い立ちや音楽的な背景,クリス・シーリーやアリソン・クラウスとの出会いなどについて,興味深い話が載っています。
Crooked Stillの演奏が気に入っている“Orphan Girl”のつながりで見つけた動画です。



なんだか見たことのない変な3弦?の楽器とフィドルのデュオです。音楽ジャンルでいうとやっぱりブルーグラスに近いように思います。フィドルの腕前はそんなに上手いとは思いませんが,このリズム奏法はなかなか面白いと思いました。

CDも出しています。まだ聴いていませんが,ちょっと聴いてみたくなりました。
ベラ・ベッツ(Bella Betts)というマンドリン奏者です。おそらく11歳。シエラ・ハルが弱冠10歳でブルーグラス界に知れ渡ったのと同じように,この娘も知れ渡っているのだろうか? シエラ・ハルがアリソン・クラウスに認められたように,このベラ・ベッツもシエラ・ハルやクリス・シーリーといった大物に認められ共演もしているようです。これからが楽しみです。ぜひ大きく育って欲しい。

この映像,たった30秒しかないのがとても残念です。もっと聴きたいです。



元?ニッケル・クリークのクリス・シーリー(Chris Thile)と共演したビデオもありました。なかなかやります。

シエラ・ハルの演奏する“Old Dangerfield”。最高ですね! ぜひ次のアルバムに入れて欲しい。

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デイブレイク Daybreak
シエラ・ハル Sierra Hull
Rounder 1166100658-2 (P)(C)2011 Rounder Records (輸入盤)
 愛聴盤 
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ブルーグラスのマンドリン奏者,シエラ・ハルのセカンド・アルバム。ファースト・アルバムに比べ歌唱力もアップし,コテコテのブルーグラスから少し垢抜けた感じもしますが,基本はやっぱり正統派のブルーグラス。特に気に入っているのがアルバム9曲目の“Tell Me Tomorrow”。



インストゥルメンタルの曲もいいですねぇ。



次はいい曲なのになぜかアルバムに採用されなかった?

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シークレッツ Secrets
シエラ・ハル Sierra Hull
Rounder 11661-0601-2 (P)(C)2008 Rounder Records (輸入盤)
 愛聴盤 
参考: 公式WebサイトHMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ブルーグラスのマンドリン奏者,シエラ・ハルのファーストアルバム。今度もいわゆるジャケ買いというやつです(^^;。

あくまでも私見ですが,これは,うーん,オーソドックスなブルーグラスの見本みたいなアルバムですねぇ。普通のブルーグラスとして安心して聴けます。そしてシエラ・ハルのマンドリンも上手いし,歌も爽やかです。どの曲を聴いてもすんなりと耳に入ってきますし,そのままこの音楽に浸っていたい...と思ってしまいます。ブルーグラスの楽しさを堪能できる良いアルバムです。これは当たりでした!

(記2011/10/21)


昨年このアルバムを見つけ記事を書いて以来,結構気に入っていてずっと聴き続けています。あまり意識していなかったのですが,このアルバムを製作したのが16歳のとき,アリソン・クラウスが絶賛し,アリソン・クラウス&ユニオン・ステーションやブルーグラス界の大物がバックを固めていたとのことです。



10歳の時にはすでにそのマンドリンの実力がブルーグラス界に知れ渡っていたというから恐れ入ります。これは恐らくその頃のビデオではないかと思います。



(記2012/05/20)
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フレンズ・オブ・フォール Friends of Fall
クルックド・スティル Crooked Still
BSMF-2254 BSMF Records (国内盤)
(SIG 2043 (C)2011 Signature Sounds Recordings)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records公式WebサイトBSMF Records
10月28日に紹介した“Crooked Still Live”が大変良く,毎日のように聴いています。そのクルックド・スティルの最新アルバムを入手してびっくり,こんな超マイナーグループ(失礼!)の国内盤があろうとは...結成10周年記念ミニアルバムとのことです(バンド名が「クルキッド・スティル」となっていてちょっと違和感が...)。ビートルズの“We Can Work It Out”を含む7曲が収められています。

解説書で「ボストン発のネオ・ブルーグラス&プログレッシヴ・フォーク・バンド」と紹介されています(少々大げさか)。ボーカルのイーファ・オドノヴァンは,アリソン・クラウスのアルバム“Paper Airplane”にも楽曲を提供しているといことです。妙なところでつながっています。

2012年は1年間ツアー活動を休止するとも書いてありました。残念なことですが新しい音楽をひっさげて戻ってきてくれることを願っています。

最後にこのアルバムに収録されているビートルズの“We Can Work It Out”のライヴ映像です。


気に入っている曲の一つ“Orphan Girl”の別映像があったのでこれも。もうちょっとクオリティが高いと良いのですが...
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Crooked Still Live
自主制作? (C)2009 Crooked Still (輸入盤)
 愛聴盤 
参考: 公式WebサイトAmazon.com
フィドラーのブリタニー・ハースの参加するブルーグラスのグループ Crooked Still のライヴアルバム。自主制作ではないかと思います。先日紹介した最新のアルバム Some Strange Country ではちょっと地味に聴こえていたチェロが,このアルバムではチョップ奏法が冴え渡りリズムを引き締める素晴らしい活躍を見せています。特に1曲目の Orphan Girl はポップで格好いい曲です。

ライヴで粗はありますが,こういうグループはライヴでこそ本領を発揮しますね。いやぁ,このアルバムは良かったです。当たりでした。

あまり質の良い映像がなかったのですが,フィドルとチェロのチョップ奏法が楽しめるものを載せておきます。

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Some Strange Country
Crooked Still
SIG 2029 (P)(C)Signature Sounds Recording (輸入盤)
参考: 公式WebサイトHMV OnlineAmazon.co.jp
以前,オールドタイムのフィドラーとして紹介したブリタニー・ハースの参加するブルーグラスのグループです。ブルーグラスの標準的な編成からギターとフラット・マンドリンを抜き,チェロを追加するという変則編成ですが,音楽に違和感はありません(ヴォーカルのAoife O'Donovanがギターも弾くようですがほとんどの曲はギター抜きのようです)。結構キャリアがあるのか,これが5枚目のアルバムです。全然知りませんでした。

ブリタニー・ハースをオールドタイム・フィドラーとして紹介しましたが,このバンドの音楽はどちらかといえばモダンな感じのするブルーグラスでソロ・アルバムとはかなりイメージが異なります。私としてはもっと前面で活躍して欲しいのですが,ヴォーカル中心の音楽なので仕方ないですね。

アルバムに収められている曲ではありませんが,YouTubeに最近のライヴ映像がアップされていましたので載せておきます。


これはビートルズの曲ですね。


ブリタニー・ハースのフィドル,やっぱり格好いいなぁ...
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紙飛行機 paper airplane
アリソン・クラウス&ユニオン・ステーション
0011661066526 (P)(C)2011 Rounder Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Online国内盤),Amazon.co.jp国内盤
アリソン・クラウスはこれまでにグラミー賞を27回受賞し「ブルーグラス界の至宝」と呼ばれる存在にまでなったとのことですが,日本ではあまり馴染みのない音楽ジャンルのためかそれほど知名度が高くないように思います(Wikipediaにも日本語のページがない...)。

それで,この最新アルバムなのですが...ある雑誌に優秀録音として取り上げられていたので久しぶりに聴きたくなったのでした。

で,聴いてみたのですが...“I've Got That Old Feeling”が最高と思っている私としてはちょっと微妙だなぁ...という感じなのです。歌い方がそっとささやくようなスタイルで,さすがに20年経つとすっかり大人の雰囲気となり,若々しくピチピチしたところは影を潜めてしまっています。曲調も渋くちょっと暗めです。当たり前といえば当たり前の変化なのですが。

録音ですが,確かに優秀録音と言える良好な録音ではあるのですが,音作りに演出色が濃く出ており,“I've Got That Old Feeling”の超ストレートな録音に比べるとやはり作り物の臭いがしてしまいます。あの素直なサウンドはどこへ行ったのだろう...

音楽にしろ録音にしろ,ちょっと遠いところへ行ってしまったような気がして淋しくなりました。
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I've Got That Old Feeling
アリソン・クラウス Alison Krauss
Rounder CD 0275 (P)(C)1990 Rounder Records (輸入盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp
久しぶりにアリソン・クラウスが聴きたくなって新アルバム「ペーパー・エアプレーン」を聴いたのですが...これを取り上げる前にこちらのアルバムを取り上げておかないと,と思ったので。

このアルバムは1990年に発売されたアリソン・クラウスの3作目。当時19歳でイリノイ大学音楽科在籍中だったとのこと。若々しく躍動的ではち切れんばかり,そして透明で輝きのある美しい歌声! どの曲も素晴らしく穴がありません。明るく楽しいブルーグラスが満喫できる素晴らしいアルバムです。彼女のアルバムを何枚か持っていますがこれが最高に気に入っています。

アリソン・クラウスを知ったのは,NHK-BSで放送していた,1991年に熊本で開催されたカントリー・ゴールドというフェスティバルの録画でした。アリソン・クラウス&ユニオン・ステーションでの出演で,その美しい歌声と味のあるフィドルに感激してファンになったのでした。それで買ったのがこのアルバムです。カントリー・ゴールドで演奏されていた曲も含まれています。

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ちなみに一番右でバンジョーを演奏しているのがアリソン・ブラウンです。地味だけどすごく上手いなぁと感心して観ていました。有名なバンジョー奏者だということをあとで知りました。このアルバムでも3曲で共演しています。

知ってからもう20年も経つんだなぁと思うとちょっと感慨深いものがあります。

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