好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
fabio_biondi_telemann_fantasies.jpg
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア
ファビオ・ビオンディ Fabio Biondi (Violin)
2015年6月18-20日 サンテウヴァミーア教会(ニゴリネ・ディ・コルテ・フランカ,イタリア)
Glossa GCD 923406 (P)(C)2016 note 1 music gmbh (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック楽器による演奏。 かなり自由に装飾や編曲を入れた演奏です。 大胆に変化に富んだ表現を即興的に次々に繰り出してくるところが聴きものです。 技術的にも大変上手く,音色も綺麗だと思います。 ただし,録音の影響でそれが満足に楽しめないのが残念なところです。

録音ですが,残響が多く残響時間も長く,楽器音への被りがかなりあって音色は大きく影響を受け, 明瞭感に乏しく,細部も聴き取りにくく,ヌケも良くありません。 ただ,オーディオ的なクオリティは良く,音は滑らかであり, 残響が許せる方であれば優秀録音なのかもしれません。 ただやはりこれは好録音ではありません。
antje_weithaas_bruch_vol2.jpg
ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第2集
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
ヘルマン・ボイマー指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

Großer Sendesaal, NDR Hannover, March 31 - April 4, 2014
cpo 777 846-2 (P)2015 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第1集が良かったヴァイトハースのブルッフ,第2集も聴いてみました。収録曲は次の通りです。

ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26
セレナーデ イ短調 作品75
アダージョ “イン・メモリアム” 作品65

ヴァイオリン協奏曲第1番は有名ですが,他の2曲は初めて聴く曲です。ヴァイトハースの演奏は第1集と同じく美しく情感に溢れています。奏者の個性が強く前面に顕れることはなく,ヴァイオリンの素晴らしさ,これらの曲の素晴らしさを素直に表現した普遍的な魅力を持った演奏ではないかと感じます。確かな実力を持った中堅ヴァイオリニストらしい好演奏だと思います。

録音も第1集と同様で,ヴァイオリンの美しい音色を堪能できますし,オーケストラとのバランスも適正範囲内です。残響感も適度であり,音色をくすませたり明瞭度を落としたりすることがありません。やはりもう少しソロにフォーカスして欲しいとは思いますが。

これは本当に第3集が楽しみです。
isabelle_van_keulen_beethoven_violin_sonatas.jpg
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
イザベル・ファン・クーレン Isabelle van Keulen (Violin)
ハンネス・ミンナール Hannes Minnaar (Piano)
2014年8月30日~9月5日,ベルギー,メヘレン,Motormusic Studio
CC72650 (P)(C)2014 Challenge Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

オランダを代表するヴァイオリニストの一人,イザベル・ファン・クーレンが2014年に録音したベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集。比較的好みの録音が多いChallenge Classicsのディスクを物色していて見つけました。

モダン楽器による演奏ですが,大胆にピリオド的な奏法を現代的な感性で取り入れた極めて個性的な演奏と思いました。楽器を存分に鳴らし切るような弾き方ではなく,モダン楽器の良さをあえて殺しているようなところもあるので,モダン楽器が好きな私としては少し微妙でもどかしさを感じるところもあります。一般的な評価も大きく分かれそうな演奏です。とはいえ,もちろん技術的には優れていますし,一つのポリシーを貫いた演奏として楽しむことが出来ますね。

それで肝心の録音なのですが,ヴァイオリンもピアノも直接音を主体に透明感のある綺麗な音色で録られているのでかなり良い印象です。この点は期待通りで好録音と言えます。バランスとしてヴァイオリンが対等からやや弱めに感じられ,少し距離感もあるので,もう少し近寄って質感高く捉えてくれていれば文句なしだったのですが,惜しいところです。
antje_weithaas_bruch_vol1.jpg
ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第1集
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
ヘルマン・ボイマー指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

Großer Sendesaal, NDR Hannover, June 24-28, 2013
cpo 777 833-2 (P)2014 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

バッハの無伴奏ヴァイオリンが素晴らしかったので他の演奏も聴きたくなり見つけたのがこのブルッフのディスク。収録曲は次の通りです。

ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調作品44
スコットランド幻想曲作品46
アダージョ・アパッショナート作品57

ヴァイオリン協奏曲第2番は第1番に比べるとずっと演奏される機会が少ない曲で,実は私も聴くのが初めてなのですが,作品としては別に劣っているわけでもなく,もっと演奏されても良いのではと思いました。そしてこのヴァイトハースの演奏は,期待に違わぬ美しく情感豊かな佳演だと思いました。技術的にも万全です。

録音ですが,協奏曲らしくソロ・ヴァイオリンを明瞭かつ美しい音色で捉えており,またオーケストラもソロを邪魔しない絶妙のバランスで,広がりとスケール感のある録り方で収められています。多少の残響感はありますが,悪影響は最小です。ヴァイオリン協奏曲の録音としてかなり良いと思います。個人的にはソロをもう少しフォーカスしても良かったのではないかと思うのですが,誇張のない自然なバランスなので,これでも十分納得できます。cpoレーベルの録音は比較的私の好みに合うものが多いと思います。

このディスクはブルッフのヴァイオリンと管弦楽のための作品全集のVol.1とのことで,続編として有名なヴァイオリン協奏曲第1番を収めたVol.2がすでに発売になっています。今後ヴァイオリン協奏曲第3番を収めたVol.3がリリースされるのではないかと期待しています。
antje_weithaas2_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,パルティータ第3番
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番,第5番
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
III 2015, Köln, Deutschlandfunk Kammermusiksaal
Avi Music 8553346 (P)(C)2016 Deutschlandradio/Avi-Service for music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 抑制の効いた演奏ながら,緩急強弱を巧みに活かした表情豊かな演奏です。 透明感の高い音色の美しさ,和音の溶け合った響きの美しさ,隅々まで神経の行き届いた完成度の高さは本当に素晴らしいです。 これぞモダン楽器の表現力をフルに活用した,現代的に洗練された演奏と言えるのではないかと思います。 全集の完成が楽しみです。

録音ですが,わずかに残響を伴いながらも楽器音を邪魔するほどではなく, 明瞭さ,音色の自然さ,透明感などどれをとっても満足できるレベルで仕上げられています。 もう少し質感を強調しても良いかとは思いますが,これでも十分良いと思います。 第1弾の録音よりもずっと良いと思います。

本ディスクは,バッハとイザイの無伴奏曲を収める三部作の第2弾。 以下に,2014年12月23日の第1弾のレビューを併記しておきます。

antje_weithaas1_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,パルティータ第2番
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番,第2番
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
X 2012, Köln, Deutschlandfunk Kammermusiksaal
Avi Music 8553320 (P)(C)2014 Deutschlandradio/Avi-Service for music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

音楽の流れが極めてスムーズで,和音の響きも大変美しく,フレージングもきめ細やかにコントロールされています。 卓越した技術と表現力で完成度の高い音楽に仕上げています。 主張の強い演奏ではありませんが,誇張のない自然さが魅力の素晴らしい演奏だと思います。

録音ですが,残響はやや多めで,音色を損なっていて,音楽性にあまり寄与していません。 それでも高域の伸び感はあり,まあ何とか我慢の範囲内ではあるのですが, 中低域の充実感がなく,実在感が希薄で質感に乏しいこぢんまりとした録音になってしまっています。 悪くはないものの,美しい音色を活かす透明感のある録音でないのが本当に残念でなりません。

ヴァイトハース氏は,アルカント四重奏団の第1ヴァイオリン奏者。 バッハとイザイの無伴奏曲を収める三部作の第1弾とのこと。 完結が楽しみです。

(記2014/12/23)
julia_fischer_schubert_complete_works_for_violin.jpg
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
ユリア・フィッシャー Julia Fischer (Violin)
マーティン・ヘルムヘン Martiin Helmchen (Piano)
2009年1月3-5日,7月3-5日 オランダ,ファルテルモント
PTC 5186 519 (P)(C)2014 PENTATONE MUSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

シューベルトのヴァイオリン曲はLPの時代にヤープ・シュレーダー/クリストファー・ホグウッドの演奏を聴いていましたが,それ以降全く聴くことなく今に至っていたように思います。久しぶりに聴きたくなり,イブラギモヴァにするか,このフィッシャーにするか迷った挙げ句,このディスクを選びました。

力強くメリハリのある演奏なのにあくまでも上品で繊細であり,綺麗にまとめているのはさすがです。強い印象を残す演奏ではありませんが,元々そんな曲でもありませんし,このような控え目で整った演奏で聴くのも良いものです。

録音ですが,少し残響はあるものの,楽器音主体に明瞭に捉えていて好印象です。少しマイク距離があるのか,質感は弱めで,もう少し寄って質感を強めに出しても良いのでは,と思います。ピアノはヴァイオリンよりも多めに響きが取り入れられ,音像も大きめで,ヴァイオリンを浮き立たせる効果はあるものの,こちらももう少し寄ってキリッと締まった音で録って欲しかったところです。

とまあ不満は残るものの,それでもヴァイオリンとピアノの録音としては良い方だと思いますので,少しオマケですが四つ星半としました。

この録音は,過去分売で発売されていたものが,1セットにまとめられて再発売となったもののようです。演奏も録音も良いので,シューベルトのヴァイオリン曲は当面このディスクで楽しませてもらおうと思います。
eduard_melkus_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,パルティータ第2番,第3番
エドゥアルド・メルクス Eduard Melkus (Violin)
Karlskirche, Vienna, August 1975
(C)2015 Particleboard Productions (輸入盤)
好録音度:★★☆
参考: MARAIS MUSIC STUDIO

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック楽器による演奏。 1975年のライヴ録音。 あと,ソナタ第3番から第3楽章 Largoも収録されています。

ライヴらしい勢いのある演奏であり,その勢いに身を委ねているというか, 赴くままに即興的に表現を展開していっているような演奏です。 一方で,細部にこだわらない粗削りな演奏なので,つきつめたような完成度はありません。 これもライヴならではの1回限りの演奏を楽しむ,というところでしょう。 シャコンヌの演奏時間が10:26というところからもその勢いが想像できると思います。

録音ですが,残響が多い上に,まるでラジカセで録ったような音であり, 環境ノイズもかなり多く,全く録音状態は良くありません。 中低域が薄く帯域バランスも大きく崩れています。 高域がまずまず出ているので曇りは少なく,この点だけは救いと言えますが, 商用の音源としては全くもって不足と言わざるを得ません。 同氏の貴重な演奏の記録として捉えるべき録音なのでしょうね。

あと,カップリングとして,フーガの技法からCONTRAPUNCTIS XIV (Completion - Eduard Melkus)も収録されています。 このディスクはMARAIS MUSIC STUDIOというサイトで販売されているのを見つけました。 ほとんど自主制作のような感じです。
caroline_adomeit1_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,他
“BACH to TANGO”より
キャロライン・アドメイト Caroline Adomeit (Violin)
録音不明
(P)2011 Caroline Adomeit (輸入盤) *Apple Musicより
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp(MP3)Apple Music
caroline_adomeit2_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番,他
“BACH to JAZZ”より
キャロライン・アドメイト Caroline Adomeit (Violin)
October 2 & 3, 2011, at Großer Konzertsaal, Hochschule für Musik und Theater, München
(P)2011 (C)2012 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。“BACH to TANGO”,“BACH to JAZZ”と題されたアルバムからで,バッハはそれぞれ1曲ずつ収録されています。バッハのみコメントします。他の曲については上記の参考に挙げたURLをご参照ください。

モダン楽器による演奏。 淀みのない軽快なテンポで進行する気持ちのよい演奏。 技術的にもキレがあり安定しています。 表現自体は高いレベルでバランスが取れており,ノーマルで癖がなく聴きやすいのですが, ごく標準的な感じなので少し印象には残りにくいかなと思います。

録音ですが,少し残響が多めですが,直接音もしっかりと捉えられているので明瞭感はあり,印象は悪くありません。 もう少し残響を抑えて透明感のある音で録ってくれていれば良かったのですが,これでも十分許容範囲でしょう。 屋外の車の往来のノイズが少し気になります。 鑑賞の邪魔になるほどではありませんが,外来ノイズにはもう少し気を遣って欲しいところです。

公式Webサイトがあります。キャロライン・アドメイトはドイツ系の英国人で,ハンブルクとミュンヘンに留学,オランダでは名手ヘルマン・クレバースから教えを受けたとのことです。

それにしても...何だろう...この健康的お色気は...アメリカ人かと思ってしまいました(失礼 (^^;)。
01_1103_01.jpg
チョン・キョンファ(鄭京和)のバッハ無伴奏ヴァイオリン,待望の全曲盤リリース?! Amazon.co.jpによると9月2日の発売。レーベルはワーナーミュージックジャパン。これは楽しみです!

Tower Recordsにも情報が載っていました。2016年4月にワーナーとの録音契約を締結,第1弾としてバッハ無伴奏ヴァイオリンの全曲をリリース,録音はブリストルのセント・ジョージ教会,とのことです。

HMV Onlineiconのカタログにも載りました。2015年のセッション録音とあります。
zimmermann_mozart_violin_concertos_no1_3_4-2.jpg
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番,第3番,第4番
フランク・ペーター・ツィンマーマン Frank Peter Zimmermann (Violin)
ラドスラフ・スルク指揮/バイエルン放送室内管弦楽団
2014年3月6-8日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
CD 98.039 (C)2015 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
zimmermann_mozart_violin_concertos_no2_5_k364.jpg
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第2番,第5番
モーツァルト:協奏交響曲K.364
フランク・ペーター・ツィンマーマン Frank Peter Zimmermann (Violin)
アントワーヌ・タムスティ Antoine Tamestit (Viola)
ラドスラフ・スルク指揮/バイエルン放送室内管弦楽団
2015年6月28日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
HC15042 (C)2015 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

第1番,第3番,第4番のディスクは以前取り上げていました。第2番,第5番が発売となり,全曲が揃いました。ツィンマーマンは20歳台前半にハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団との競演でEMIに全集録音をしていますが,これはおよそ28年ぶりの全集ということになります。

モダン楽器による演奏で,気品の感じられる,そして透明感ある音色がとても美しい,歌心溢れる表現に胸のすく思いのする素晴らしい演奏です。モダン楽器の良さ,らしさを最大限に発揮しているところが最高に良いです。1回目の全集に比べて硬さが取れ,ずいぶんと柔軟であり,また生命力に溢れています。どちらかというとモーツァルトを楽しむというよりはツィンマーマンの個性的な演奏を楽しむディスクだと思います。

録音も良好です。ソロはわずかに残響のまとわりつきがありますがほとんど気にならないレベルであり,明瞭かつ透明感があり,高域のヌケも良く気持ちよく聴くことが出来ます。バックのオーケストラはもう少し残響感が多めですが,この差がソロを浮かび上がらせる効果を持っています。各楽器の分離も悪くありません。協奏曲の録音として良くまとまっていると思います。バランス的には高域寄りでサウンドとしては少し軽く腰高な感じがしますが,全く問題ありません。

演奏も録音も良い全集です。
ami_ito_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタSz.117
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番よりラルゴ
伊藤亜美 Ami Ito (Violin)
2015年10月26-27日 聖ヨハネ ネポムク教会(ウィーン)
TCR2016A (C)2016 TC Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。コメントはパルティータ第2番に対してのものです。

モダン楽器による演奏。 端正で大変美しい。 自然体であり,伸び伸びとした表現が気持ちの良い好演奏です。 技術的にも上手く,隅々まで気配りが行き届き,高いレベルで仕上げているのはさすが日本人演奏家と言いたいです。 今後のご活躍にも期待します。 是非全曲録音を。

さて録音ですが,教会で録音されているということもあり,ものすごく残響時間が長いです。 ここまで残響時間が長いのも滅多にないと思います。 しかし,直接音が比較的きちんと捉えられているので, これだけの残響がありながら残響の被りによる音色への影響は少なめで,私の感覚でもぎりぎり許容範囲です。

しかしながら,やはり楽器音へのまとわりつきが鬱陶しく,本来の音色の伸びやかさが阻害されていると思いますし, あまりに残響時間が長いため,過去の響きが混じり合って混沌とし,これは音楽的にどうなんだ?という気もします。 実際にその会場で聴くには良いにしても,録音にした場合には「過ぎたるは及ばざるがごとし」ではないかと。 確かに雰囲気はありますし,残響の取り入れ方としては良くできている方だと思いますが, 私は楽器から放出される音をもっとストレートに聴きたい!と強く思います。

アルバムのタイトルは「A」(バッハ バルトーク ヴァイオリン無伴奏作品集)。 併録曲として,バルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタSz.117と, バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番から第3楽章ラルゴが収録されています。

なお,このラルゴだけは東京の紀尾井町スタジオで録音されたものですが,教会で録音されたようなものすごい残響が付加されています。 他の収録曲と印象を揃えるために人工的に残響を付加したものと想像します(違ったらごめんなさい)。 実際,ちょっと聴いた印象ではかなり似た音響になっています。 しかし,この響きは教会の響きとは全く異なり,ものすごく演出色が強く,また中高域の成分が不自然に多めで極めて不快です。 この演出はこのアルバムの品位,価値を著しく貶めています。 こういうのは本当にやめていただきたい。

伊藤亜美さんの公式Webサイトがあります。 昨年ご結婚され,2016年よりアーティスト名を「尾池亜美」から「伊藤亜美」に変更して活動されているとのことです。

なお本ディスクは,いつも参考にさせていただいているクラシック音楽CDの雑談で知りました。いつもいつも有り難うございます!
mark_kaplan2_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マーク・キャプラン Mark Kaplan (Violin)
The American Academy of Arts and Letters, December 10-12 and 16-18, 2011
BRIDGE 9460A/B (P)(C)2016 Bridge Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

キャプラン氏のほぼ10年ぶりとなる2回目の全集録音。 演奏の基本的な解釈は1回目からあまり変わっていないように思います。 そして,技術力の高さ,キレの良さはそのままに,細やかな緩急強弱によって, 柔らかくそして深みのある陰影に富んだ音楽に進化しています。 1回目のストレートな演奏も大変魅力的でしたが, この演奏も大変素晴らしいです。

録音ですが,わずかに残響感があるものの,楽器音をしっかりと捉えているので印象は悪くありません。 ただ少し高域の伸びが不足してモゴモゴしているのが惜しいです。 1回目の録音と今回の録音の中間くらいの録音が良かったのですが。

キャプラン氏は2005年からインディアナ大学ジェイコブズ音楽院の教授とのことです。
mark_kaplan1_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マーク・キャプラン Mark Kaplan (Violin)
Recorded at Concordia College: 1/1991, 6/1991, 1/1992
MMM 14630-2 (C)1995 Mitch Miller Music (輸入盤)
好録音度:★★★★

CD試聴記」からの転載記事です。本ディスクは2004年に一度レビューしており,今回少し改訂しております。

一聴しただけで情感溢れる表現に魅了されてしまいました。 技術力の高さ,抜群の切れ味にも脱帽! 奇を衒わないストレートな表現と相俟って,この曲の造形的美しさをくっきりと浮き彫りにしています。 気持ち良いくらいにシャープなのに,緊張感よりもむしろ暖かさを感じる, そんな豊かな表現力が本当に素晴らしい。 細身で透明感ある音色もとても美しいです。 感動しました!

録音ですが,残響感はあるものの,直接音が主であり,残響の被りの影響は少ないです。 明瞭感,解像感が高く,演奏の細部までしっかりと聴こえてきて好印象です。 帯域バランスが高域に偏っていて音色のバランスがやや崩れているのは惜しいところですが, 残響による音色への影響は最小限で,全体として良いとは言えませんが,これならまあ納得できます。

キャプラン氏は2004年のレビュー当時はUCLAの教授とのことでした。レビュー当時にはすでに廃盤で入手が困難で,残念ながら今も入手しづらい状況に変わりはないようです。
augustin_hadelich_sibelius_violin_concerto.jpg
アデス:ヴァイオリン協奏曲「同心軌道」
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
シベリウス:ユーモレスク作品87-2, 作品89-2, 3
オーガスティン・ハーデリッヒ Augustin Hadelich (Violin)
ハンヌ・リントゥ指揮/ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
2013年6月21-24日 リヴァプール,ザ・フライアリー
AVIE AV2276 (P)(C)2014 Augustin Hadelich (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ハーデリッヒはハイドンのヴァイオリン協奏曲テレマンのファンタジアのモダン楽器らしい演奏が印象に残っています。このシベリウスはスケールの大きい巨匠的というか伝統的?なスタイルで,ちょっとコテコテ感のある濃い表現がなされていて聴き応えがあります。シベリウスよりも演奏者の個性がやや勝っている気がします。昨今のクールでスマートな演奏とはだいぶ印象が違いますが,これはこれで良いかと。オーケストラも良いのですが,時折気の抜けたように緩んでしまうところがありますね(もっともこれは好みの問題ですが)。

アデスの協奏曲は現代曲で面白さが今ひとつわかりませんでした(^^;。これはちょっと苦手です。

さて録音ですが,ソロがやや遠めで,響きで音の濁りが感じられるものの,オーケストラより一段明瞭に捉えられていてはっきり聴き取れるのは良いと思います。しかし,やはり響きの影響で高域の伸びがなく詰まった感じに聴こえるのは残念です。もう少し寄ってクリアーに録って欲しいところです。さらにオーケストラではごく一部の箇所で,フォルテッシモで飽和して歪みで汚くなってしまっているところがあります。惜しい録音です。
franz_welser-most_johannes_brahms_cycle.jpg
JOHANNES BRAHMS CYCLE
収録曲: ブラームス/交響曲全集,ハイドンの主題による変奏曲,大学祝典序曲,悲劇的序曲,ヴァイオリン協奏曲,ピアノ協奏曲第1番・第2番
ユリア・フィッシャー Julia Fischer (Violin)
イェフィム・ブロンフマン Yefim Bronfman (Piano)
フランツ・ヴェルザー=メスト指揮/クリーヴランド管弦楽団
Belvedere Label BELVED08005 (輸入盤) (*DVD)
好録音度:★★★★☆(ヴァイオリン協奏曲)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ヴェルザー=メスト指揮/クリーヴランド管弦楽団による2014年から2015年にかけて収録されたブラームス・ツィクルスのライヴ映像です。クリーヴランド,ウィーン,ロンドンの3つの会場で収録されています。Blu-ray Disc版とDVD版の2種類リリースされており,私が聴いたのはDVD版の方です。

今回はユリア・フィッシャーがソロを務めるヴァイオリン協奏曲へのコメントです。映像で見る彼女の演奏は端正で全く無駄のない動きが美しく,また一点の迷いもなく自信に満ちていて堂々としています。そしてそこから出てくる音は見た目以上に力強く推進力があり,熱がこもったライヴらしい高揚感を持っています。さらに卓越した技術で正確無比に弾ききっています。このような素晴らしい演奏が映像で鑑賞できるというのは本当にうれしいことです。

録音ですが,少し残響を伴いながらも,ソロは明瞭でニュアンスが豊かであり,またオーケストラはステージの広がり感とそれぞれの楽器の質感が良く感じられます。またソロとオーケストラのバランス,分離感も適切に感じられ,協奏曲の録音としてまずまず良好と言えると思います。ライヴ録音としても自然で演出感も控え目であり,映像との違和感もありません。オーディオ的に魅力のある録音ではありませんが,クオリティは悪くないと思いますし,欠点が少ない好録音だと思います。

他の収録曲はまた別途...

julia_fischer_welser-most_brahms_violin_concerto_screen.jpg
gilles_colliard_haydn_violin_concertos.jpg
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, イ長調 Hob VIIa:3,ト長調 Hob VIIa:4
ジル・コリャール Gilles Colliard (Violin)
トゥールーズ室内管弦楽団
Studio Elixir du 28 au 30 octobre 2009
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

ハイドンのヴァイオリン協奏曲も,見つけると手を出してしまう大好きな曲です(^^;。

バックを務めるトゥールーズ室内管弦楽団の弦楽器の編成は[3-3-2-2-1]と少人数です。ソロを務めるジル・コリャールは2004年から音楽監督とのことです。

モダン楽器による演奏と思われますが,バックを含めてピリオド奏法を取り入れているのではないかと思います。躍動感があり,溌剌としていて気持ちの良い演奏です。技術的にも問題ありません。ニュアンスが豊かで,また,前向きで推進力があるところが良いと思います。バックのアンサンブルも引き締まっていてこの点でも好印象です。

録音ですが,残響は控え目であり,演出感のない生録的な親近感のあるリアルな雰囲気が好印象です。直接音主体に分離感も良く,明瞭感もあるのですが,なぜか若干高域の帯域が狭く感じられます。バランスの問題だと思うのですが,わずかにヌケが悪く感じられるのが本当に惜しいと思います。バックも個々の楽器の質感が感じられ,また,ステージの広がりも感じられます。繰り返しになりますが,帯域感の不足だけが残念でなりません。私としては好きな録音です。

ディスクは入手困難ではありませんが,少々入手しづらい状況です。Apple Musicでも見あたりませんが,Amazonの音楽配信での扱いはありました。

elfa_run_kristinsdottir_telemann_fantasias.jpg
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア
エルファ・ルーン・クリスティンスドティル Elfa Rún Kristinsdóttir (Violin)
録音不明
品番なし (C)2014 Elfa Rún Kristinsdóttir (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック楽器による演奏。 透明感のある,伸びのあるトーンと,キレの良い発音でコントラストのはっきりした, 美しくまた溌剌とした音楽に仕上げています。 バロック楽器ながらモダン楽器のようなスマートさを持ち合わせているところが良いと思います。

録音ですが,残響が多く,また,残響時間がながいため,まとわりつきと音色への影響が気になります。 なんとか楽器の音色の透明さは感じられるのと,くすんではいるものの音色の伸びは感じられるので, ぎりぎり許容範囲です。 せっかくの美しい音色をもっとすっきりと透明感をもって録って欲しいとは思いますが。

公式Webサイトがあります。音楽配信のみでディスクでの販売はないようです。今回はApple Musicでの試聴です。CD BabyというサイトではMP3 320kbpsとFLACで販売されているようです。
aniko_kovacs_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,第3番
アニコ・コヴァーチュ Anikó Kovács (Violin)
録音不明
品番なし (C)2008 TON 4 RECORDS (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考; Apple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 無骨で不器用なくらい生真面目な印象を受ける演奏で,少し一本調子な気がします。 決して技術的に下手ではないのですが,ちょっとキレに欠けるかな思うところが散見されます。 カップリングのイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタが意欲的な演奏で, それに比べるとバッハは少しかしこまり過ぎのように思います。

録音ですが,残響感がほとんどなく,演出感もほとんどない生録的な録音で, 目の前で(しかし適切な距離感で)弾いているような生々しい感じがすごく良いです。 細かいニュアンスまで聴き取れる,私の好きな録音です。 ただ,オーディオ的なクオリティが良くなく,特にパルティータ第2番ではブツブツといったノイズが乗ることがあったり, 編集の痕ではないかと思われるような不自然な音のつながりがあったりします。 これはとても残念です。

“Masterpieces for Solo Violin”と題されたアルバムで,イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番,第3番がカップリングされています。 今回はApple Musicでの試聴であり,ディスクの発売があるかどうかは確認できませんでした。
elfa_run_kristinsdottir_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ集
エルファ・ルーン・クリスティンスドティル Elfa Rún Kristinsdóttir (Violin)
録音不明
品番なし (C)2016 Elfa Rún Kristinsdóttir (輸入盤) ※自主制作?
好録音度:★★★★
参考; Amazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック楽器による演奏。 すっきりとしたスムーズな表現が良いと思います。 技術的にも上手いですし,細やかで神経が行き届いた整った演奏です。 音色も透明感があり美しいです。 インパクトの強い演奏ではありませんので印象が残りにくいですが, そつなく上手くまとめた佳演だと思います。

録音ですが,やや残響が多めで残響時間も長め,まとわりつきが気になり, 音色も少しくすんでしまっていますが,ヌケが悪いところまでは行かず,ぎりぎり許容範囲というところです。 残響が許せる方なら問題ないと思います。 もちろん私としてはもっと残響を抑えてすっきりと録って欲しかったと思いますが。

公式Webサイトがあります。 今のところ配信のみでディスクでの販売はないようです。 私はAmazonで入手しました。MP3 256kbps(VBR)でした。なお,CD BabyというサイトからはMP3 320kbpsまたはFLACでダウンロード購入できるようです。
leonidas_kavakos_virtuoso.jpg
ヴィルトゥオーソ〜ヴァイオリン小品集
レオニダス・カヴァコス Leonidas Kavakos (Violin)
エンリコ・パーチェ Enrico Pace (Piano)
2015年5月28-31日 メガロン,アテネ・コンサート・ホール
478 9377 (P)(C)2016 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazonHMV Onlineicone-onkyoApple Music

最近注目しているヴァイオリニスト,レオニダス・カヴァコスが弾くヴィルトゥオーソ・ヴァイオリン小品集。この類の曲はあまり好きではないので普段聴かないのですが,カヴァコスが弾くならと聴いてみました。技術的に上手いのはもちろんですが,こういった小品でも全力投球,そしてセンス良く仕上げていますね。さすがです。これならもう少しじっくりと聴いてみようかという気になります。

そして録音ですが,残響感は少しあるものの,楽器の音をすっきりと捉えた好録音と言えます。少し演出がかっているのでもう少し生々しく,質感豊かに録って欲しかったところですが,ヴァイオリン独奏の録音としては標準的で合格点だと思います。
midori_seiler2_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集
ミドリ・ザイラー Midori Seiler (Violin)
Johann-Sebastian-Bach-Saal from September 26-28, 2015
Berlin Classics 0300721BC (P)(C)2016 Edel Germany GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

緩徐楽章はじっくりと,フーガと終楽章は快活に,緩急強弱を駆使して彫りの深い音楽に仕上げています。 これはパルティータ集と同じなのですが, ソナタ第3番だけはフーガも終楽章もリズム感というかビート感が希薄で, なんでこの表現を選択されたのか疑問符が付きます。 ここだけが少し残念なところです。

録音ですが,残響が多めでかつ直接音よりも残響音の方がやや勝っているため, 明瞭感が落ち,音色がくすんでしまっています。 パルティータ集よりも少し悪いように思います。

ミドリ・ザイラーは,ベルリン古楽アカデミーやアニマ・エテルナでソリストやコンサート・ミストレスとして活躍するヴァイオリニスト。 母が日本人,父がドイツ人で,生まれが大阪,ザルツブルグ育ち,とのこと。

パルティータ集から6年を経てのソナタ集の録音で全集となりました。 以下に,パルティータ集のレビュー記事(記2011/06/16)を併記しておきます。

midori_seiler1_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ集
ミドリ・ザイラー Midori Seiler (Violin)
09-12.11.2009, Johann-Sebastian-Bach-Saal im Schloss Kothen
Berlin Classics 0016722BC (P)(C)2011 Edel Germany GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

バロックヴァイオリンでの演奏。 緩急強弱が激しく非常にダイナミックで意欲的です。 しかしそれが自然な呼吸感の中で行われているため,不自然さも嫌みも感じることなくすんなりと受け入れられます。 この人の音楽性の高さ,センスの良さを示していると思います。

録音ですが,残響は多めに取り入れられていますが,直接音主体で明瞭感と音の伸びがあって好印象です。 やや高域がきつめですが,近めで録っているためであって自然さを失うものではなくまったく問題ありません。 もちろん私としてはもっと残響を抑えてすっきりと録って欲しかったとは思いますが,十分良好と言えます。
rachel_barton_pine_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
レイチェル・バートン・パイン Rachel Barton Pine (Violin)
16-18 April, 28-30 May, 29 & 31 August 2015, St. Pauls United church of Christ, Chicago
AV2360 (P)(C)2016 RBP Music, LLC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 淡々としていますが,現代的,クールで洗練された美しさを感じます。 曲によっては装飾も積極的かつ大胆に取り入れ,変化に富んでいます。 技術的にも大変上手く,隅々まで神経が行き届いており,ニュアンスの豊かで爽やかな音楽に仕上がっています。 素晴らしい出来です。

録音ですが,背景にふわっと広がる残響が取り入れられていますが, 直接音主体に明瞭感と透明感ある自然な音色で捉えられています。 残響のまとわりつきがわずかに気になるものの,楽器の質感も良く感じられる好録音です。

レイチェル・バートン・パインは米国のヴァイオリニスト。 公式Webサイトがあります。 2004年にソナタ第1番とパルティータ第2番のディスクをリリースしています。 この録音の時にはバロック仕様のヴァイオリンを使用されていました。
yuzuko_horigome2_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
堀米ゆず子 Yuzuko Horigome (Violin)
2015年3月9日,7月21-22日,2016年1月5-6日 神奈川・相模湖交流センター
EXTON OVCL-00587(P)(C)2016 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 1986-87年にソナタ集のリリースはありましたが,全集はこれが初めて。 まさに満を持しての全曲録音というところでしょう。 情熱ほとばしる渾身の演奏が素晴らしいですね。 特にシャコンヌの高揚感に胸が熱くなります。 技術が優れているのはもちろんですが,綺麗にまとめようとせず, ぎりぎりまで挑戦する意欲的演奏に感動!

ただ一点惜しいのは,パルティータの二部形式の楽章で,後半のリピートが省略されていることです。 私にとっては心底からこのバッハ演奏を楽しむための基本条件が欠けています。 素晴らしい演奏だけにこれは残念でなりません。

そして録音なのですが...残響が直接音よりも支配的で, 心地よい響きを演出するよりも楽器音を濁し,明瞭度と質感を低下させる効果しか感じられません。 残響の取り入れ方,残響の質とも良くないと思います。 楽曲によって録音の質に若干のばらつきがあり統一感がないのも全集としてあまり良い印象ではありません。

まあここまでは録音のポリシー,好みの問題なのである意味諦めざるを得ない面はあるのですが, この録音には私にとっては許容し難い欠陥があります。 少なくとも数カ所,クリップによる「ジャ」という異音が発生するところがあります。 たとえば,ソナタ第2番フーガの4:57,ソナタ第3番フーガの6:45のところです。 一瞬なのと元々録音があまり綺麗ではないので気がつきにくいのですが, 気になり出すと安心して音楽に身を委ねることが出来ません。

これは録音の善し悪し以前の製品の基本品質の問題です。 一瞬のことだからええやんと思われるかもしれませんが,私にとっては傷のあるダイヤモンドと同じです。

そもそもこのレベルのクリップに編集段階で気がつかないということはあり得ないと思います。 それをこのまま何の断りもなく知らん顔してリリースするというのはあまりに音楽愛好家に対して不誠実ですし, 演奏家にも失礼だと思います。 もし気づかずにリリースしているとしたら,品質に対する意識が低すぎてそれはそれで問題だと思いますが...

と,いろいろと文句を垂れてしまいましたが,素晴らしい演奏であったが故に, 落胆も大きかったということで...失礼しました。 世界標準の使い方から外れるこの変なパッケージにも文句を付けたかったのですが,そんなことはどうでも良くなってしまいました。
annegret_bernstein1_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番
アンネグレット・ベルンシュタイン Annegret Bernstein (Violin)
録音データなし
(P)2013 a-b.violin (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Apple MusicAmazon.co.jp
annegret_bernstein2_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,第3番
アンネグレット・ベルンシュタイン Annegret Bernstein (Violin)
録音データなし
(P)2013 a-b.violin (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 落ち着いたテンポで一つ一つのフレーズを丁寧に,丹念に表現をされているところが好印象です。 技術的にものすごく上手いというわけではありませんが,全く破綻をきたすことなくしっかりと仕上げています。 心に染み渡るような柔らかく優しい表現が良いと思います。 押しが弱くいささか印象には残りにくいのですが。

録音ですが,残響自体はそれほど多くはないのですが,全体に残響が被り気味で明瞭感が良くなく,音色も今ひとつ冴えません。 音像も遠めで楽器の質感も感じ取りにくいです。 少々残念な録音です。

音源はまだApple Musicが始まる前のiTunes Storeで購入したのですが, パルティータ第3番のPreludioの音声がブツブツと途切れます。 現在のApple Musicでもそれは変わらず,Amazon.co.jpで公開されている試聴音源でも同様の途切れが見られますので, 元々の音源に問題があるものと思います。 こんな欠陥がある状態で放置されているとはちょっと信じられません。 品質に対する意識が低すぎると思います。

公式Webサイトがあります。 ディスクでの発売があるかどうかは不明です。
yulia_berinskaya_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ユリア・ベリンスカヤ Yulia Berinskaya (Violin)
録音データなし
GTVS1302 (P)2013 Classica Viva (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 オーソドックスですが,程よいテンポで淀みなく音楽が流れていくのがとても気持ちの良い演奏です。 技術のキレが素晴らしく,そして,控えめながらも気遣いの行き届いた情緒豊かな表現が良いと思います。 一部の楽章(パルティータ第1番のDoubleなど)でリピートが省略されているのが惜しいです。

録音ですが,残響が少し多めで,残響の被りによる音色のくすみがわずかにあるものの, 直接音成分とのバランスはぎりぎり取れているので,印象は悪くありません。 楽器の質感も感じ取ることが出来ます。 もう少しクリアでヌケ良く録って欲しいとは思いますが。

公式Webサイトがあります。 ディスクで発売されているようにも見えるのですが,見つけることが出来ず,以前にiTunes Storeで購入しました。 現在はApple Musicで聴くことができます。
esther_yoo_sibelius_graznov_violin_concertos.jpg
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調作品82
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
シベリウス:ヴァイオリンと弦楽のための組曲作品117
グラズノフ:グランド・アダージョ
エスター・ユー Esther Yoo (Violin)
ウラディーミル・アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
2014年3月 ロンドン,クロイドン,フェアフィールド・ホール
4812157 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

Apple Musicでの試聴です。

エスター・ユーはアメリカ生まれのヨーロッパ育ち,ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールのジュニア部門,第10回国際シベリウス・ヴァイオリン・コンクール,2012年のエリザベート王妃国際音楽コンクールなどでの受賞歴を持つ実力者とのことです。

ということだけあって,さすがに上手い! 力強く,しかし細部まで極めて丁寧に弾いています。豊潤で美しい音色が素晴らしいです。真摯で若者らしい謙虚さが好印象ですが,少し堅く真面目にまとめすぎているようにも思います。ピチピチとはじけるような演奏が聴きたいですね。今後の活躍に期待!

録音ですが,残響感はあまりありませんが,ソロがやや遠目で直接音よりも初期反射音が多いのか音色に濁りが感じられます。ソロはもっと透明感と輝きが欲しいところです。オーケストラは協奏曲として標準的なイメージですが,スケール感とレンジ感があって良いと思います。ソロの録り方が本当に惜しいです。
shunske_sato_telemann_fantasies.jpg
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア
佐藤俊介 Shunske Sato (Violin)
2011年12月24~25日 相模湖交流センター
Live Notes WWCC-7702 (P)2012 Nami Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

明記されていないのですが,おそらくバロック・ヴァイオリンによる演奏です。 装飾を効果的に使用したり,フィドルのような奏法を用いたり, キレのある弓遣いでたっぷりと楽器を鳴らしながら, このシンプルで愛らしい曲からダイナミックで多彩な表情を引き出しています。 聴き応えのある全集です。

録音: 残響が多く,また,この残響が大きく楽器音に被っているため, 比較的オンマイクで録られているにもかかわらず,音色がくすんでしまっています。 さらに,この残響の被りがありながら音色がキンキンとしてやや刺激的です。 また少し歪みっぽいようにも聴こえます。 残響が気にならない方には問題ないかもしれませんが,もう少し透明感のある音で録って欲しかったところです。
augustin_hadelich_telemann_fantasies.jpg
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア
アウグスティン・ヘイドリッヒ Augustin Hadelich (Violin)
Recorded at St John Chrysostom Church, Newmarket, Canada, 31 August - 3 September 2007
8.570563 (P)(C)2009 Naxos Rights International Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

おぉーっ,バリバリの(死語?(^^;)モダン奏法! ヴィブラートとアクセントを効かせた力強くキレの良い演奏が痛快。 ピリオド奏法を取り入れる気など微塵もなさそうです。 まるで機械仕掛けのように正確無比に弾くところでは思わず笑みがこぼれてしまいます(^^。 最近はバロック音楽をモダン楽器でこのように弾いて録音してくれる人がほとんどいなくなったので, かえって新鮮に聴こえます。

録音ですが,残響がかなり多めで残響時間も長いのですが,直接音の比率もそれなりにあって明瞭感と音色がぎりぎり許容範囲に保たれています。 もう少し残響を抑えて直接音がクリアーに録られていると良かったのですが。 残響の質は良い方だと思います。
krzysztof_jakowicz_bach_sonatas_and_partitas.jpg
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
クシシュトフ・ヤコヴィッツ Krzysztof Jakowicz (Violin)
録音データなし
(P) MTJ (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 どちらかといえば旧世代の伝統的なスタイルですが, 長い間弾き込んで年輪を重ねてきたような味わい深い演奏。 しかも,とても意欲的,前向きで推進力があるのが素晴らしいです。

録音ですが,残響の量が多く,また残響時間がものすごく長い環境下で録音されているのですが, 直接音の比率が高いので,楽器音の音色への影響は少なく,明瞭感もそこそこあって印象は悪くありません。 残響時間が長いので響きの混濁がものすごいのですが,意外に残響の質も悪く感じません。 残響のまとわりつきはやはり気になり,これが最良とは思いませんし,肯定するつもりもありませんが, こういう残響ならまだ許せる範囲です。

クシシュトフ・ヤコヴィッツは1939年生まれのポーランドのヴァイオリニスト。 この全集,ディスクでの発売があるのかどうかわかりませんでした。
renaud_capucon_lalo_symphonie_espagnole.jpg
ラロ:スペイン交響曲ニ短調作品21
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン作品20
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26(*)
ルノー・カプソン(Vn)/パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団
2015年5月27,28日(*),9月1,2日 フィルハーモニー・ド・パリ
ERATO 2564698276 (P)2016 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集が素晴らしく,それ以来気になるヴァイオリニストになったルノー・カプソン。エラート・レーベルのものは録音も良さそうなので,Apple Musicで聴いてみました。

何を弾かせてもスマートで格好いいですね。技術的にも上手いですし,アクが強くなりがちな曲においても美音でキレ良く聴かせてくれます。さすがです。

さて録音ですが,オーケストラに対してソロが若干フォーカス気味に捉えられているので,協奏曲として聴きやすく,ソロを堪能できる好録音と言えます。わずかに誇張されているので不自然さが残りますが,これで良いと思います。オーケストラも残響を伴いながらもタイトに録られていて,質感豊かな締まりのあるサウンドが心地よく響きます。まずまずの好録音です。

Before |  Copyright © 好録音探求 All rights reserved. Next

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ