好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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シューマン:交響曲全集
ロビン・ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団
2013年11月25日, 26日, 30日 & 12月1日-3日 パース・コンサート・ホール(イギリス)
CKD 450 (P)(C)2014 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

室内管弦楽団ならではの小回りの利いた躍動感ある小気味よい演奏ですね。アンサンブルも良いと思います。先日取り上げたサヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデンとは対極にあるように思います。こちらは今風に仕上げられていますね。

録音ですが,残響は控え目で低域もだらしなく響くことがありません。タイトでややドライな仕上げです。マイク位置が少し遠いのか,良く言えばまとまりのある,全体が良く溶けあった音なのですが,その代償としてやや楽器の質感が希薄になって力強さ,実在感は失われています。これでも十分好録音だと思うのですが,あえて言わせてもらえば,もう少し個々の楽器の質感を強めに捉え,もう少し存在感のある音で録っていればなお良かったと思います。
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ベートーヴェン:交響曲全集
オイゲン・ヨッフム指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
1967年~1969年 アムステルダム,コンセルトヘボウ
PROC-2013/7 (P)1969 Decca Music Group (国内盤) タワーレコード企画盤
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus Eugen Jochum PHILIPS Recordings
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records

ヨッフムのベートーヴェンの全集録音は3回で,これは2回目の録音とのことです。引き締まったフォルムで力強く推進される正統的な演奏ですね。やっぱりこういうのが好きです。

そして何よりこの録音がいいですねぇ! 残響はありますが適度に抑えられ,各楽器の音が分離良く,明瞭感高く,質感高く捉えられています。音色も自然ですしヌケも良く全くストレスなく音楽を楽しむことが出来ます。マルチマイクで比較的楽器に近い位置で録っているように思います。特に弦楽器のこのサウンドは大好きですね。若干ドライですがキレの良い情報量の多い音で満たされてるといった感じがします。この時代のフィリップスの良好なアナログ録音の一つに挙げられるのではないでしょうか。

オーディオクオリティでは現代のデジタル録音にかなわないかもしれませんが,鑑賞の邪魔になる残響等の付帯音が気にならないレベルに抑えられていて,クオリティの高い曇った現代の録音よりもはるかに音楽を楽しく聴くことができます。間違いなく好録音です。フィリップスやデッカはかつてこのような音楽の楽しさをストレートに伝えてくれる録音をしていたのに,なぜやめてしまったのでしょう? 「音楽の楽しさを伝える」ということに関しては退化しているとしか思えません。

ということで,演奏も録音も良いこのディスクは愛聴盤候補となりました。じっくりと楽しみたいと思います。このような復刻を企画してくれたタワーレコードに感謝!
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シューマン:交響曲全集
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン
1-12. IX, 1972, Lukaskirche, Dresden
0825646075942 (P)1973 (C)2015 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon

この演奏は以前一度取り上げていました(→こちら)。シューマンでこれだけ豊潤で濃厚,スケールの大きな演奏を成り立たせているところに感心します。録音はちょっと残響が多すぎるのであまり好きではないのですが,これだけの残響を取り入れながらサウンドのバランスが大きく崩れることなくぎりぎりの明瞭感を保って聴こえるあたりは上手く録っていると思います。

現在発売されているものはARTリマスタリングのもののようですので買い直してみました。わずかながら鮮明さは改善されているように思いました。でもそこはやはり旧EMIの録音か... そして1972年の録音としてはマスターテープの保存状態があまり良くないような気もします。

それにしてもこの演奏のティンパニーの存在感はすごいですねぇ。何度聴いても惚れ惚れします。

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ファビオ・ルイージ指揮/フィルハーモニア・チューリッヒ
2016年7月 チューリッヒ歌劇場
PHR0106 (P)2016 Philharmonia Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Mujsic

Apple Mujsicでの試聴です。今回は録音についてのみ一言だけ...

ライヴ録音で,残響はそれなりにあるのですが,誇張のない自然な雰囲気で録られています。シェエラザードの録音としてはかなり抑え気味のように思います。もう少し楽器によっても良いのではと思うくらいです。低域も伸びはあるのですが,量感は控え目でブーミーにならず全体の音響を引き締めています。ヴァイオリンのソロも少しフォーカスされていて聴きやすく好感が持てます。地味ながらスケール感のある良好な録音だと思います。

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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:アルト・ラプソディ作品53
ブラームス:運命の歌作品54
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/シャンゼリゼ管弦楽団
LPH 025 (P)2016 (C)2017 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

古楽器オーケストラによるブラームスの交響曲ですが,ものすごく層の厚い密度の高いサウンドで,まるで目の前に巨大な建造物がそびえ立つような音楽を築いています。そしてそのサウンドからは考えられないくらいの軽快さで音楽が流れていきます。これは今までにあまりない感じでなかなか良いと思います。今後の録音にも期待が持てます。

さて録音なのですが,上記の通りかなり濃い録り方をしているのですが,あまり息苦しい感じはありません。重心が低く,かつ高域の伸びも確保し,音色のバランスも整えて聴きやすくまとめた上手い録音だと思います。私としてはもう少しすっきりと見通しの良い録音が好きなのですが,これもまあアリかなと思います。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲作品72

ヴラディーミル・ユロフスキー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
2014年1月22日 ロンドン,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール,2015年9月3,4日 ロイヤル・アルバート・ホール(序曲)
LPO0096 (P)2017 LPO (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Mujsic

まだメディア発売前ですが,一足先にApple Mujsicで試聴しました。

ロンドン・フィル自主制作のベートーヴェンといえばクルト・マズア指揮の第1番,第4番がとても良かったのですが,このベートーヴェンも期待に違わずスピード感のある小気味よい演奏でした。この演奏におけるロンドン・フィルの編成がよくわからないのですが,大編成のサウンドながらとてもよく統率されていてアンサンブルにブレが見られず絞り込まれた編成のごとくビシッと決まっています。今後の録音にも期待します。

録音ですが,残響が少しあって楽器音にまとわりつき音離れが少し良くないのですが,個々の楽器は明瞭に録られており,残響感の割には音色に癖がないのが良い点です。私としてはもう少し残響の影響を減らしてすっきりと見通しよく録って欲しいのですが,これなら多くの人に受け入れられやすい録音だと思います。まずまずの好録音と言えると思います。
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
トーマス・ツェートマイアー指揮/スタヴァンゲル交響楽団
2015年 ノルウェー,スタヴァンゲル・コンサートホール
3816-2 (P)(C)2017 SSO Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

近年指揮でも活躍しているというヴァイオリニストのツェートマイアーの指揮したブラームスの交響曲ということで聴いてみました。オーケストラの規模がよくわからないのですが,少し小さめの編成のように締まった小気味の良いスピード感のある演奏でした。指揮者の意思が行き渡りよく統率されていると思います。勢いがありながらフォルテでも粗くなったり飽和したりすることがなく余裕をもって鳴らしきっているところも良いと思います。

さて録音ですが,残響は多めですが,低域の響きが抑えられているためか,だらしなく響くことがなくドライで締まっています。ただやはり残響自体は多いため,見通しは良くありません。残響量の割には音色のバランスは整っているので,印象は悪くありません。もう少し残響を抑えてすっきりと見通し良くしてくれたらずっと良かったのではないかと思うのですが。少し甘いですが四つ星半です。
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シベリウス:交響曲全集
渡邉暁雄指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
1981年 習志野文化ホール(No. 3, 6),昭和女子大学人見記念講堂(No. 1, 2, 4, 5, 7)
COCO-80410-413 (P)1996 NIPPON COLUMBIA CO., LTD (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp

1981年のレコード芸術誌のレコードアカデミー賞受賞盤。1962年にステレオ・レコードによる世界初の全集を完成させていましたが,これは同じオーケストラによる約20年ぶりの2回目の全集録音となります。

2回目の全集ということで前回の少し粗削りの印象のあった演奏に比べると,随分と洗練され,テンポ取りも現在の多くの演奏に近いものになっています。オーソドックスで完成度の高い演奏であり,レコードアカデミー賞受賞も頷けます。

一方録音の方なのですが,アナログからデジタルに変わる最初期のデジタル録音だと思います。残響は控え目で演出色のほとんどない素直な生録風録音は好感が持てるのですが,音色は精彩に乏しく地味でモノトーン的であり,また音自体の力強さも感じられず,この演奏本来の魅力を伝えきれていないのではないかと思います。少々残念な録音です。

この全集は発売後何度か再発売をされたようですが,現在は現役盤ではないようです。

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ベートーヴェン:交響曲全集
ヘルマン・シェルヘン指揮/ルガーノ放送管弦楽団(スイス・イタリア語放送管弦楽団)
1965年 ルガーノ
ARIOSO 106 (P)2004 arbre Inc. Japan (輸入盤)
好録音度:★★★~★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

う~ん,これは...熱気に満ちた演奏ではありますが暴走と紙一重という気もしますし,これはあまりにもリハーサル不足なんじゃないのと思うくらいグダグダに崩れるところも多々あって,これをどう楽しんだらいいのか正直わかりませんでした。実際にその場で聴いたらこの熱い演奏を楽しめたかも,いややっぱり乱雑な演奏に頭に来ていたかも... 好きな人は好きかもしれませんね。私はちょっと好きになれませんでした。

録音ですが,1965年の録音としては良くありません。帯域が狭く,歪みもかなり多いです。楽器のバランスも今ひとつです。どういう目的で収録されたのかは知らないのですが,記録目的なのか,放送音源として収録されたのか,あたりでしょうか。メディア販売を目的にした録音ではないように思います。

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モーツァルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」
サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2013年8月 ベルリン・フィルハーモニー
(P)2017 Berlin Phil Media
好録音度:★★★★
参考: Berliner Philharmoniker RecordingsApple Music

ベルリン・フィルのサイトでは48kHz/24bitのハイレゾ音源のダウンロード販売,あとiTunes Storeでのダウンロード販売,Apple Musicでのストリーミングでの提供となっています。パッケージメディアでの提供はないそうです。

ベルリン・フィルらしい力強く推進力のあるスケールの大きい演奏がいかにもというところですが,ちょっとモーツァルトのイメージからは遠い気がします。もう少し優美だったら良いのにと思うのですが,それを期待する方が間違っているのかもしれません。

録音ですが,これは演奏のせいかもしれませんが,中身がぎっしり詰まった密度感はあるのですが,ちょっとごちゃっとしていて暑苦しく,見通しが良くありません。また全体にモヤッとして精彩がありません。最近のベルリン・フィルの独自制作からすると少し質が良くないと思います。

それにしてもこういう音源がApple Musicで聴けるというのは本当に有り難いことです。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第3番,第4番
トーマス・ヘンゲルブロック指揮/北ドイツ放送エルプフィルハーモニー管弦楽団
16-19 November 2016, Elbphilharmonie Hamburg, Großer Saal
88985405082 (P)2016 Norddeutscher Rundfunk (C)2017 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2017年1月にこけら落としが行われたハンブルグの新ホール「エルプフィルハーモニー・ハンブルク」を本拠地とする北ドイツ放送(NDR)エルブフィルハーモニー管弦楽団(この1月に北ドイツ放送交響楽団から改称)による,この新ホールでの初録音で,ブラームス交響曲全集に向けての第1弾とのことです。第4番は自筆譜に最初書き込まれていた第1楽章の導入部付きで演奏されていて,初めて聴いたときには,かけるディスクを間違えたのかとちょっと慌ててしまいました。

それでこの録音なのですが...残響時間はそんなに長くはないのですが,間接音が強く乗った極めて癖のある音質で,明瞭感がなくモゴモゴとして全く冴えません。音色もくすんで精彩がありません。新しく作ったホールの響きを活かしたかったのかもしれませんが,響きはほとんど音楽に貢献しておらずむしろ逆効果で失敗していると思います。これでは音楽を楽しめません。Sony Musicらしからぬ録音でとても残念です。この録音で全集化されるんですね...

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シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1960年3月 ロンドン、キングズウェイ・ホール
WPCS12684 ワーナーミュージックジャパン (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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シベリウス:交響曲第5番変ホ長調作品82
シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1960年9月,1959年1月 ロンドン、キングズウェイ・ホール
WPCS12685 ワーナーミュージックジャパン (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。カラヤン没後25年記念発売盤として発売された20枚のSACDのうちの2枚と元は同じ音源ではないかと思っています(違ったらごめんなさい)。1960年前後のEMI録音ということで,レンジ感や音像感の狭さは仕方がないとはいえ,思ったほど音色に癖はなく聴きやすい録音です。

後のベルリン・フィルとの録音ほどの圧倒的な迫力はないものの,スタンダードな路線でスケールの大きな音楽を構築する技量はこの時期からすでに備えていたことがよくわかる録音だと思います。ベルリン・フィルとの演奏とはまた違うカラヤンの姿をうかがい知ることが出来るディスクですね。良いと思います。

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ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調作品35
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調作品36
マルティン・ハーゼルベック指揮/ウィーン・アカデミー管弦楽団
2014年12月7-9日 オーストリア,ニーダーエスターライヒ宮,ラントハウスザール
ALPHA470 (P)2014 Alpha Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:七重奏曲変ホ長調作品20
マルティン・ハーゼルベック指揮/ウィーン・アカデミー管弦楽団
2016年5月 オーストリア演劇博物館「Eroica Saal」(旧ロプコヴィツ侯爵邸大広間)
ALPHA474 (P)2016 Alpha Productions (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ベートーヴェン:ウェリントンの勝利(戦争交響曲)作品91
マルティン・ハーゼルベック指揮/ウィーン・アカデミー管弦楽団
2015年3月10-14日 ウィーン科学アカデミー講堂
ALPHA473 (P)2015 Alpha Productions (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器による歴史的建造物でのレコーディングで,作曲された時代の雰囲気にまで配慮したとのことです。録音に使われた建物はそれぞれディスク毎に違うようです。小編成のようですが,そのサウンドはすごく迫力があり,特に第1番,第2番のアグレッシブな演奏には度肝を抜かれます(第3番,第7番はそこまでのインパクトはありませんでしたが)。ベートーヴェンの時代にこんなド迫力の演奏がなされていたのかちょっと想像がつかないのですが,これはなかなか聴き応えがあります。

しかし,録音が良くありません。第1番,第2番はまだマシですが,特に第3番は録音会場の響きが多く肝心のオーケストラの音を大きく曇らせていて全く楽しめません。歴史的建造物で録ること自体は別に否定はしませんが,音楽そのものが楽しめないような録り方では本末転倒です。せっかくの面白い企画なのですから,建物の響きも活かしつつ音楽もちゃんと楽しめる録音を追求してほしいものです。

タグ : [交響曲]

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シベリウス:交響曲第1番
シベリウス:「カレリア」組曲作品11
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1981年1月 Philharmonie, Berlin
WPCS-12825 (P)(C)1981 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1980年12月 Philharmonie, Berlin
WPCS-12826 (P)(C)1981 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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シベリウス:交響曲第4番
シベリウス:交響詩「タピオラ」作品112
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1976年12月 Philharmonie, Berlin
WPCS-12827 (P)(C)1977 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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シベリウス:交響曲第5番
シベリウス:交響詩「伝説(エン・サガ)」作品9(*)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1976年9,10月, 1976年12月(*) Philharmonie, Berlin
WPCS-12828 (P)(C)1977 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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シベリウス:交響曲第6番ニ短調作品104
シベリウス:悲しきワルツ作品44-1
シベリウス:「カレリア」組曲作品11(*)
シベリウス:交響詩「伝説(エン・サガ)」作品9(**)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1980年11月, 1981年1月(*), 1976年12月(**) Philharmonie, Berlin
WPCS-12828 (P)(C)1977 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第2番は先日取り上げたものと同じ演奏です。解説書によると,「当ディスクには,2013年に旧EMIミュージック・ジャパンが,SACDシングルレイヤー盤を発売する際に,新たにマスタリングした音源が使用されている。」とのことで,第2番を旧ディスクと比べてみると,確かに鮮度が向上し,情報量が増え音の厚みも増している印象を受けました。交響曲5曲でディスク5枚というのはいささか効率が悪いように思いますが,初出時のLPのカップリングを再現しているものと思われます(なので,カレリア組曲とエン・サガのダブりもそのまま再現されたようです)。

解説書では,カラヤンがどのようなスタンスでシベリウスの音楽を取り上げ,録音してきたか,そして,これらのディスクの初出時のレコード芸術誌での評について触れられていて,興味深く読ませていただきました。カラヤンが第4番から第7番を好んで取り上げ,第1番~第3番をほとんど取り上げてこなかったというのは何となく知っていたのですが,第2番は演奏会では一度も取り上げられていないないというのは意外でした。

これらの中ではやっぱり第2番と第5番がカラヤン/ベルリン・フィルの本領が全開で発揮された演奏だと思いました。他の曲はそれと比べると少し抑制された感があり,また,第6番はちょっと聴きたい演奏とは違うかなというところですね。

そして肝心の音質ですが,上記の通りリマスタリングで鮮明さが増しているためか,EMIの録音としてはかなり印象が良いです。あの独特の曇った感じはかなり緩和されているのではないかと思います。そして弦楽器をサウンドの中心に据えていることも良い印象の要因になります。リマスタリングの是非はあると思いますが,これはうまく出来ているのではないでしょうか。

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ハイドン:交響曲集Vol.1 第6番「朝」,第17番,第35番
飯森範親指揮/日本センチュリー交響楽団
2015年6月5日 いずみホール(大阪)
OVCL-00610 (P)(C)2016 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2015年にスタートし,8年間かけて交響曲全104曲を演奏・収録するプロジェクト「ハイドン・マラソン」の第1回演奏会のライヴ録音とのことです(ただし拍手は入っていません)。解説書を見ると,弦楽器の人数は8-9-6-4-3で,管楽器,チェンバロを含めて総勢36名というやや絞り込んだ編成のようです。日本のモダンオーケストラで完成される予定の全集はうれしい企画です。楽しみです。

いずみホールの豊かで美しい響きを活かしたクオリティの高い録音も特筆出来ると思います。ホールのキャラクターが出過ぎず,まるでセッション録音のような録り方で,会場や観客のノイズも不自然なくらい全く感じられません。優秀録音と言って良いのではないかと思います。

しかし私はあえてこの録音に苦情を言いたいと思います(^^;。まずこの現実感の薄い商品化されすぎた作り物のようなサウンド。実際のホールでもこのように響いたのかもしれませんが,パッケージメディアを通して聴くと生の風合いは伝わらず,奏者の存在感のない,奏者の顔が見えてこない,綺麗なパッケージに入れられた作り物の音楽のようになってしまっています。

そしてこの残響の多さによって細かなニュアンスはかき消され,個々人の楽器の質感はほとんど感じられなくなっています。フォルテのあとのピアノなども響きに隠れて聴き取りにくいです。確かに響きの美しい録音だしオーディオクオリティも高いのですが,表面的な心地よさよりも,すっきりと見通しよくそして音楽を克明にニュアンス豊かに描き出す録音であって欲しいです。

一般的にみれば優秀録音でしょうし,収録の途中で録音のポリシーを変えることはないと思うので,この録音で全集が統一されると思うのですが,これは私としては大変残念に思います。

タグ : [交響曲]

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ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88
ドヴォルザーク:交響詩「水の精」作品107
ドヴォルザーク:序曲「自然の王国で」作品91
ラドミル・エリシュカ指揮/札幌交響楽団
2013年4月19,20日 札幌コンサートホールKitara
DQC-1162 (P)2013 オフィス・プロウチェク (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

札幌交響楽団第558回定期演奏会~ラドミル・エリシュカ/チェコ音楽シリーズvol.6~ から。拍手の入るライヴ録音です。交響曲が終わったあとのブラヴォーの嵐,地元の皆さんから愛されているオーケストラなんですね。

う~ん,ちょっと微妙です。付点のリズムが甘かったり全体にリズム感がないというか,全ての拍の重みが均等過ぎるのか,落ち着きすぎた重い感じです。クラシック演奏家独特のスウィング感,グルーヴ感のないリズム感が出てしまっています。第2楽章,第3楽章は良いのですが,両端楽章が気持ちよく音楽に乗れませんでした。

録音ですが,ライヴの雰囲気をうまく出した素直な録音です。弦楽器の捉え方はまずまず良好で,低弦も内声も聴き取りやすいのが良いと思います。木管が少し弱めでバランスがいまいち良くありません。オーディオ的には少し粗いように思います。締まりのある音響で基本的には私の好きな録音なのですが,四つ星半を付けるには少し物足りない感じがしました。惜しいです。

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シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
シベリウス:組曲「カレリア」作品11
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1980年11月,1981年1月
TOCE-7018 東芝EMI (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

カラヤンという指揮者は,ベルリン・フィルの実力を最大限に引き出す技術に長けていたんだなと再認識させられました。このダイナミックでスケールの大きな音楽には本当に圧倒されます。シベリウスらしいかどうかはわかりませんが,もうそういうことを遙かに超えた次元で鳴っている感じです。久しぶりにカラヤン/ベルリン・フィルを聴いて大いに感激してしまいました(^^)。

録音ですが,EMIの録音とは思えないボディ感たっぷりの楽器の鳴りを捉えた録音で,特に弦楽器をしっかりと質感良く聴かせてくれるところが良いと思いました。一方でやはりEMI的音色のくすみは少し感じられて,すごく惜しいなぁと思います。

このディスクそのものはすでに廃盤だと思いますが,一連のシベリウスの録音は2013年のリマスタリングで再発売されているようなので,現在調達中です。入手出来たら聴き比べてまたレポートしたいと思います。

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ベートーヴェン:交響曲全集
チョン・ミョンフン指揮/東京フィルハーモニー交響楽団
2002年~2004年 東京オペラシティ コンサートホール
IMXC-10001/6 (P)(C)2006 IMX CLASSICS & ARTS. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

演奏後に拍手の入るライヴ録音。交響曲以外にエグモント序曲,フィデリオ序曲,レオノーレ序曲第3番が収録されています。第5番のあとの凄まじいブラボーの嵐にはちょっと引いてしまいましたが,至極真っ当で推進力のある引き締まった良い演奏だと思いました。ライヴなので傷はありますがほとんど気になりませんし,むしろライヴでこれだけのパフォーマンスが出来るとは技術力もたいしたものだと感心します。

しかし,この録音はいまいちいただけません。低域偏重でさらに中域のどこかが抜けているようなバランスの悪さがあり,弦楽器が引っ込んで聴き取りづらく,音色にも艶がありません。低域が中高域に被って全体に不明瞭です。録音レベルも低めに感じられます。せっかくの演奏がこの録音では十分に楽しむことが出来ません。もったいないと思います。

この全集,現在は廃盤なのか,カタログからは消えているようで,中古では少し流通しているようです。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第7番
.ニコラウス・アーノンクール指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2003年8月29日 ザルツブルク音楽祭,フェルゼンライトシューレ
C 924 161 B (P)(C)2016 ORFEO International Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ザルツブルク音楽祭?でのライヴ録音。軽妙で生き生きした音楽が素晴らしく思います。特に第1番が良いと思いました。ライヴだから余計にかもしれませんが,活気に溢れ勢いがありますね。この顔合わせでのベートーヴェンがもっと残っていたら良かったのに,と残念に思います。

さて本題の録音ですが,ワンポイント録音のような感じであり,自然さが感じられるものの,全体にこぢんまりとしていてスケール感はあまりありません。またやはり全体を大きく捉えていて個々の楽器の質感などは希薄で,全体のまとまりと引き替えにサウンドとしては精彩を欠き,録音としてオーケストラの魅力を余すところなく伝えてくれているようには思えませんでした。私としてはあまり面白くない録音です。悪くはないとは思うのですけどね。好みの録音ではありません。

タグ : [交響曲]

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ハイドン:交響曲第6番「朝」,第7番「昼」,第8番「晩」
佐渡裕指揮/トーンキュンストラー管弦楽団
2015年10月~2016年5月 ウィーン,ムジークフェラインザール
TON2001 (P)(C)2016 Tonkunstler-Orchester (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

いつも参考にさせていただいているハイドン音盤倉庫での強力推薦盤であり,モダン楽器でのハイドンということで興味深く聴かせていただきました。これらの曲はあまり馴染みがないのですが,感想に関してはハイドン音盤倉庫のレビューに同意しますのでそちらをご覧いただければと思います(手抜きですみません(^^;)。

さて肝心の録音ですが,各曲の最後に拍手の入るライヴ録音なのですが,演奏中は全くそんなことがわからないまるでセッション録音のような録り方をされています。残響はすごく多くまた残響時間も長いため,豊潤な響きが堪能できます。その残響ですが,ある程度楽器の直接音とは分離感があって,残響量の割には楽器の質感が保たれ,音色への影響も少なめなので十分に許容範囲であり,残響を好まれる方であれば優秀録音と言えるのではないかと思います。

私自身はせっかくのライブ録音なので,もう少し残響を抑えた生々しい録音で聴きたく,好みの録音とはだいぶ方向性が違うと思いました。しかし,この録音であれば私でも許容できますし,音楽も残響にあまり邪魔されることなく楽しめますので,四つ星半の好録音評価といたしました。
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:悲劇的序曲作品81,大学祝典序曲作品80
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
2015年3月30日-4月1日(交響曲第2番),2016年3月26-27日(序曲),ヴィースバーデン,クアハウス
SICC 10239 (P)(C)2016 The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルのブラームスとなればもうこれは聴くしかありませんよね。全集録音の第1弾ということです。明るく若々しく躍動感に溢れた演奏は期待通り。見通しの良さ,キレの良さ,音の立ち上がりのスピード感は中規模の編成ならではですね。たっぷりと鳴り響くブラームスも良いですが,特に第2番はこういう演奏も良いと思います。

さて肝心の録音なのですが...う~ん,微妙です。ダイナミックレンジが広く,強奏部でも歪み感,飽和感が全くない余裕の鳴り感も良いと思いますし,音の滑らかさも上々です。楽器の分離感もそこそこあって,これといった欠点がありませんし,いまどきの優秀録音という感じがします。しかし,なぜかサウンドそのものにあまり魅力を感じないのです。マイク位置が少し遠めなのか,個々の楽器の質感が希薄で,また,スカッと音が抜けていないためかも知れませんし,生々しさに欠け,作り物のような感じがするためかもしれません。

同顔合わせのベートーヴェンやシューマンも同じような傾向だったように思います。私にとってはこの演奏の魅力を,この録音が半減させているように感じます。悪くはないんですけどね。もっとこの演奏の魅力を最大限に伝えてくれる録音が出来るんじゃないかと思うのです。

今後の全集化に向けたリリースに大いに期待する一方で,やっぱりこの録音なんだろうなぁと思うとなんだかやりきれない気持ちになります。

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ペーター・シュタンゲル指揮/タッシェン・フィルハーモニー
20. and 22.10.2014, Munich, Germany
ETP003 (P)(C)2015 edition taschenphilharmonie (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
ペーター・シュタンゲル指揮/タッシェン・フィルハーモニー
19. and 20.1.2013, Munich, Germany
ETP004 (P)(C)2015 edition taschenphilharmonie (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550,第41番ハ長調「ジュピター」K.551
ペーター・シュタンゲル指揮/タッシェン・フィルハーモニー
3.7.2014, 24.7.2015, Munich, Germany
ETP005 (P)(C)2015 edition taschenphilharmonie (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。タッシェン・フィルハーモニーに関してほとんど情報が見あたらないのですが,アリアCDさんのWebサイトによると「史上最小」のオーケストラを標榜する異端のオーケストラとのことで,弦楽器の構成はヴァイオリン3名,ヴィオラ2名,チェロ2名,コントラバス2名しかいません。モーツァルトはまだ良いとして,これでベートーヴェンやマーラーの交響曲をやろうというのですから,かなり無理があると言わざるを得ません。

意図がいまいち読めないのですが,確かに今までにない独特のサウンドであることは間違いありませんし,小編成らしいキレの良さや,緩徐楽章で弦楽器が主体になるところなどでの室内楽的な透明な響きが魅力的に聴こえるところもあります。しかし,トゥッティでは弦楽器が管楽器に圧倒的に負けていて,辛うじてかすかにヴァイオリンの輪郭だけが聴き取れる程度で,バランスが著しく崩れています。一聴の価値はあるかもしれませんが,弦楽器中心にサウンドを構成して欲しいと思っている私にとっては欲求不満が溜まるだけでした。試みは面白いと思いますし,こういうのは基本的には好きなのですけどね。

録音ですが,残響を控え目に個々の楽器の音をしっかりと分離良く捉えている点は良いのですが,わずかに高域の伸びが不足していてモゴモゴ感があります。惜しいです。また,こういう編成なので仕方ないのですが,もう少し弦楽器を強調しても良いのではないかと思います。あまりにも素直に録りすぎではないでしょうか。

まだリリースされていないようですが,もうすぐベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が発売になるようです(→Amazon.co.jpHMV Onlineicon)。聴いてみたいけど...Apple Musicに出てくるのを待ちますか。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲全集
ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団
1957年2月~1964年10月 クリーヴランド,セヴェランス・ホール
SICC 10224-8 (P)1965 (C)2016 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp

セル&クリーヴランド管弦楽団のベートーヴェンの交響曲全集は2013年に発売されたボックスセットを持っているのですが,ろくに聴かないうちにどこかにしまい込んでしまい,見つからないので...ちょっと(というかものすごく)高かったのですが,タワーレコードのこの新マスタリングの企画盤を手に入れて聴きました。

演奏はもう私がコメントするまでもないですよね。甘さのないキリッと引き締まった,そして推進力のある立派な演奏ですね。

古い録音なので録音の品質は時代相応というところは否めませんが,この“STEREORAMA”をジャケットに冠しているだけのことはあって,時代相応でマスターテープの歪みのせいかやや硬めの音質ではありますが,音の鮮明さなかなかのものです。弦楽器をサウンドの中心に据えた録り方も好ましいですし,直接音主体に質感高く捉えている点も良いと思います。1957年の第3番がやや残響が多めで品質的にも劣るのが残念ですが,その他の曲は良好です。

この名演奏が最良の状態で復刻されたことを喜びたいと思います。
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ベートーヴェン:交響曲第5番~第8番
ラン・シュイ指揮/コペンハーゲン・フィル
2011年~2013年 デンマーク王立音楽院コンサート・ホール
ORC100059 (P)(C)2016 Orchid Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ラン・シュイ指揮/コペンハーゲン・フィルによるベートーヴェン交響曲全集の第2弾(→第1弾)。ラン・シュイは中国系アメリカ人の指揮者で,2007年からコペンハーゲン・フィルの首席指揮者。デヴィッド・ジンマンに認められボルティモア交響楽団の副指揮者を務めたり,ニューヨーク・フィルでクルト・マズアのアシスタントを務めたりした経験があるとのことです。

第1弾と同様,快速テンポな上に,音を短めに切り上げてユニークな響きを創り出し,音楽を見通しよく仕上げています。そして刺激的で極めて個性的な演奏なのに,意外に音楽は地に足が付いていて嫌みがありません。どのくらいの編成で演奏しているのかはよくわかりませんが,統率が取れていて室内管弦楽団的なアンサンブルの精密さ,キレの良さがあるのも良い点です。好き嫌いが大きく分かれる演奏だと思いますが,私は気に入りました。

録音ですが,残響自体はあまり多くなく,全体のサウンドとしてはタイトでこの演奏にふさわしく締まっているのですが,少し付帯音がのって音色がわずかにくすんでいます。スカッとキレのある音で録れていたら良かったのですが,本当に惜しいです。

タグ : [交響曲]

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ドヴォルザーク:交響曲全集,管弦楽曲集,レクイエム
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ロンドン交響楽団
録音 1963~1970年,ロンドン,キングズウェイ・ホール
4830744 (P)2016 Decca (輸入盤) *Apple Musicでの試聴
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

Apple Musicでの試聴です。

一つ前のエントリーで取り上げた第8番,第9番を含む全集で,この12月中旬に発売になるようです。新たにオリジナル・マスターよりマスタリングされたもののようです。このセットはCD 9枚組で,さらにBlu-ray Audio(24bit/96kHz)が付いているとのことです。e-onkyoでハイレゾ音源の販売もあるようですね(めっちゃ高いですけど)。

このApple Musicで公開されているものは,この新マスタリングのものと思われます。試聴してみると,中低域のレンジ感が増し,鮮度や音色の自然さが改善されていることがApple Musicでも感じられました。マスターテープに起因すると思われる音の揺らぎも少し改善されているように思います。新マスタリングの効果は確かにあるようです。

う~ん,これは本当に入手しようか真剣に迷い始めました(^^;。
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ドヴォルザーク:交響曲第8番,第9番「新世界より」
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ロンドン交響楽団
1962年2月(第8番),1966年11月(第9番) ロンドン,キングスウェイ・ホール
UCCD-4408 (P)2009 ユニバーサル・ミュージック (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ケルテスのドヴォルザークといえば,先日ウィーン・フィルとの新世界を取り上げましたが,この成功を受けて首席指揮者を務めていたロンドン交響楽団との全集録音を行ったとのことで,これはその全集の一部です。この全集もケルテスの代表的な録音として名高いと思いますが,力強くとても引き締まった推進力のある演奏で,これぞスタンダード!と言える素晴らしさですね。

そして録音ですが,ウィーン・フィルとの新世界には及ばないにしても,デッカらしいアナログ期の優秀録音ですね。各楽器の明瞭感,分離感が良く,質感も良く感じられます。無駄な響きのないキレのあるサウンドが快感ですね。好録音です。ごくわずかにマスターテープの劣化に起因すると思われる音の揺らぎが感じられますが,ほとんど気にならないレベルです。

全集を手に入れようか迷ってきました...
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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」より
クリスティアン・リンドベルイ指揮
アークティック・フィルハーモニー管弦楽団

2012年1, 2月,2013年2月 ノルウェー,ハルスタド文化会館
BIS-2018 SACD (P)(C)2013 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

指揮者のリンドベルイはトロンボーン奏者でもあるとのことです。交響曲の第1楽章はかなり速いテンポで颯爽と音楽が流れていくのは良いのですが,あっさりと薄味です。こういう演奏は好きな方なのですが,もうすこしコクがあっても良いかなと思います。第2楽章は冒頭の弦の響きがゾクゾクするほど素晴らしいです。第2楽章が一番出来が良いかもしれません。そして終楽章ですが...なんでこんなどっしりと落ち着いてるんだ?第1楽章の勢いはどこへ?という感じで私としてはちょっと納得いきません(^^;。オーケストラの力量はあるんですけどね。わたしにはちょっと合わない演奏でした。

そして録音なのですが,残響感はあまりなく締まりのあるサウンドなのですが,中域にやや癖のある付帯音が被っていて明瞭感を落とし,冴えない音色にしてしまっています。音場感もあまりなくこぢんまりとしていてスケール感がありません。そんなに大きな欠点はないにせよ,これは少々残念な録音です。

リンドベルイのチャイコフスキー後期交響曲集がこの12月に発売されるようです(→Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon)。第5番はこの演奏が収録され,第4番は2015年,第6番は2016年の新録音のようです。録音が改善されていたら良いのですが。

タグ : [交響曲]

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ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88 (交響曲全集より)
ヴィトルド・ロヴィツキ指揮/ロンドン交響楽団
1965~71年録音
4782296 (C)2010 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。交響曲全集から第8番を聴いてみました。あまり民族色を強調せず,力強くダイナミックに,しかし淡々と音楽を仕上げてます。これは純粋な交響曲として聴き応え十分ですね。気に入りました。

そして録音なのですが,残響を少し多めに取り入れながらも各楽器を比較的明瞭に捉えているので聴きやすいです。アナログ期の優秀録音という感じがします。ただ,密度感というか凝縮感が高く,もう少し見通しよくすっきりとしていたらもっと聴きやすいにと思います。また,少し演出感が入っていて生々しさが薄れ現実感が希薄なのも当時の録音の特徴ですかね。悪くはないと思いますが。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲全集
イヴァン・フィッシャー指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2013-2014年 アムステルダム,コンセルトヘボウ
RCO Live RCO14108 (輸入盤) Blu-ray Disc
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

映像を見ると弦楽器の編成を少し小さめに抑えているようです。そのためか,オーソドックスな演奏ながら,モダン楽器による軽くスリムで小気味の良い演奏が楽しめます。ただ,この編成のせいか,録音のせいかはちょっとわかりませんが,弦楽器が管楽器にちょっと負けていて,弦楽器中心にサウンドが組み立てられた演奏が好きな私としてはすこし欲求不満になります。演奏自体は好きなのですが。

それでその録音なのですが,残響自体がそんなに多いとは思わないのですが,中低域の厚いピラミッド型のバランスで,その中低域が高域に被ってきていてややモヤッとした感じがして,すっきりしません。弦楽器が管楽器に負けているのも,弦楽器の質感を強めに捉えることでもう少しカバーして欲しかったところです。あまりにも正直に録りすぎている感じですね。これがホールで聴いたときのバランスに近いのかもしれませんが,録音では少し大人しく聴こえすぎると思います。演奏が良いだけにこの録音はちょっともったいないと思います。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,第6番「田園」
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮/クリーヴランド管弦楽団
October 23, 1983(No.3), December 15, 1986(No.6), Severance Hall, Cleveland.
2CD-80730 (P)(C)2008 TELARC International (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第4番,第8番,第9番「合唱」
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮/クリーヴランド管弦楽団
October 9, 1988(No.4), October 18 & 19, 1985, October 22 & 23, Masonic Auditorium, Cleveland, 1983(No.8), Severance Hall, Cleveland.
2CD-80731 (P)(C)2008 TELARC International (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第2番,第5番「運命」,第7番
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮/クリーヴランド管弦楽団
October 8 and December 11, 1988, Severance Hall(No.1 & 2), Cleveland, September 20, 1987, Masonic Auditorium, Cleveland(No.5 & 7).
好録音度:★★★★
2CD-80756 (P)(C)2009 TELARC International (輸入盤)
参考: Amazon.co.jp

速めのテンポでキビキビと引き締まった演奏が良いと思います。ストイックな演奏のため食い足らなさを感じることもありますが,過剰な演出やわざとらしさのない純粋無垢さがこの演奏の良さであると思います。私はこういう演奏は好きです。

さて録音なのですが,まあテラークらしいというか,自然な音場感,ダイナミックレンジの広さはさすがですが,全体に残響でベールがかかったように細部が見えないもどかしさがあります。締まりのある音響は良いのですが。惜しいです。悪くはないのですが,1980年代のテラークの録音は私には今ひとつ合わないようです。

タグ : [交響曲]

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