好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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シューマン:交響曲全集
Stanislaw Skrowaczewski the complete oehmsclassics recordings - 90th birthday collectionより
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団
2007年3月20-23日, 11月 Großer Sendesaal des SR
OC 090 (P)(C)2013 OehmsClassics Musikproduktion (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

これも出来心で手に入れてしまったボックスセット(^^;。このボックス発売当時はまだご存命で90歳を記念して制作されたようです。以下の曲が収録されています。28枚組です。

ブルックナー:交響曲全集(第00番,第0番を含む)(1991-2001年)
ベートーベン:交響曲全集(2005-2006年)
シューマン:交響曲全集(2007年)
ブラームス:交響曲全集(2011年)
バルトーク:管弦楽のための協奏曲,ディヴェルティメント(2002年)
ベルリオーズ:幻想交響曲作品14,ロメオとジュリエット作品17~愛の情景(2002-2003年)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番,第2番(ピアノ:エヴァ・クピエツ)(2003年)
スクロヴァチェフスキ:ミュージック・アット・ナイト,ファンタジー「夜の横笛」,シンフォニー(2005-2008年)

オーケストラはザールブリュッケン放送交響楽団ですが,2007年にカイザースラウテルン南西ドイツ放送交響楽団を吸収合併してザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団という長ったらしい名前になったそうです。シューマンとブラームスの全集は合併してから録音されました。

今回はこの中からシューマンの交響曲全集のコメントです。スクロヴァチェフスキのシューマンってあんまり想像がつかなかったのですが,聴いてみてなるほど!と思う明快で格好のよい男前な演奏でした(多分に先入観の影響はあると思いますが(^^;)。

そして録音なのですが,残響控え目で内声も聴き取りやすい見通しの良さ,音切れの良さを持っているものの,音色はややくすんで冴えず,広がり感,分離感も今ひとつです。ちょっと音づくりが古臭いように思います。楽器音の捉え方がまずまず良いだけに,この音質は2007年の録音としてはいささか残念でした。

タグ : [交響曲]

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ブルックナー:交響曲全集
ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン
2012年6月 ウィーン,ムジークフェラインザール(No.1-3),2010年6月 ベルリン,フィルハーモニー(No.4-9)
00289 479 6985 (P)2014 Peral Music/Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

つい出来心で手に入れてしまったボックスセット(^^;。これもまだ聴き始めたばかりでこれからじっくりと楽しみたいと思っているのですが,演奏としては癖がなくノーマルな印象で私のようなブルックナー初心者が聴くには良いのではないかと思いました。

肝心の録音なのですが,残響は多めで少し遠くから録ったような印象を受ける録音です。直接音比率は低め,左右方向の広がりがあまりなく,個々の楽器も分離せず,質感も感じ取りにくく,少々もどかしいです。音の伸び,ヌケも良くありません。オーケストラの録音としてはまあ標準的なのかなとは思いますが,私としてはやや魅力に欠ける録音だなと。せっかくの良い演奏がこの録音では...もったいないと思います。ちょっと残念。

タグ : [交響曲]

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ブルックナー:交響曲全集
シモーネ・ヤング指揮/ハンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団
2006-2015年 ハンブルク,ライスハレ
OC 026 (C)2016 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

10年近くの年月をかけて完成された全集で,改訂版の多いブルックナーの交響曲において基本的に初稿で構成され,習作の扱いを受けている第00番,第0番を含む,という特徴のある全集です。このあたりは皆様の方がよくご存じだと思います。この中で第4番は以前取り上げていました(→こちら)。私はブルックナーはほとんど聴かないのですが,このブルックナーは録音が結構良かったので,これを機会に全集を買って聴こうかどうしようかと長い間悩んでいたところ,たまたま少し価格が下がっているのを見つけたので思い切って入手することにしました。

まだほんの一部しか聴けていませんが,斜め聴きした限りでは,録音が長期にわたっているにもかかわらず概ね印象は揃っており,多少のばらつきはあるものの,そこそこ良好に思えました(このあたりは聴き進めていくうちに変わっていくかもしれません)。時間をかけて少しずつじっくりとブルックナーを味わってみようかと思います。
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ベルリオーズ:幻想交響曲作品14
エマニュエル・クリヴィヌ指揮/ラ・シャンブル・フィラルモニーク管弦楽団
2014年5月27日 パリ,シテ・ド・ラ・ミュジーク
ALPHA 714 (C)2016 ALPHA CLASSICS (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

先日録音が良くて取り上げたR. シュトラウスのクリヴィヌつながりで見つけたDVDです。古楽器オーケストラによる演奏で,編成もベルリオーズとしては大きくありません。演奏もなかなか興味深いのですが,期待通り録音が良かったのでここで取り上げます。

コンサートホールでのライヴの録音ですが,ホールの残響はうっすらと感じる程度で楽器音に影響を与えていません。直接音が主体であり,各楽器が極めてクリアに透明感のある音で聴くことができます。分離も見通しも申し分ありません。使用楽器に特徴があり,映像を見ながらそれらの音色を楽しむにはもってこいの音源だと思います。ただし,ここまでくるとちょっと音が痩せすぎだと思われる方もおられるかもしれません。でも私はこういう録音が好きなのです。

YouTubeで第5楽章の一部がアップされていましたので紹介します。

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ハイドン:交響曲第90番ハ長調Hob.I:90
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
鈴木秀美指揮/オーケストラ・リベラ・クラシカ
Ishibashi Memorial Hall, Ueno Gakuen, Tokyo, October 17th, 2015
ADJ-052 (P)(C)2017 Arte dell' arco (国内盤)
好録音度:★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

こういう躍動感のある演奏は好きです。ハイドンの悪戯にまんまと引っかかる聴衆を聴けるのも面白いです。でも録音がひどすぎます。残響過多で直接音が希薄,明瞭感に乏しく音色も楽器本来の美しさが感じられません。まあでもここまでは良いとして(良くはありませんが),低域の響きの取り込み方が下品すぎます。低音楽器が鳴り始めると汚い響きで混沌としてよくわからなくなりますし,音楽自体が粗野で乱暴に聴こえてしまいます。音楽の喜びより録音への怒りが勝り聴き通すのが苦痛でした。こんなに演奏の品位を貶める録音,久しぶりです。残念です。

このレーベルはほとんど聴いた記憶がないのですが,どれもこんな録音なのでしょうか? ちょっと大げさに書いてしまいましたが,抗議の意味を込めてきつめの評価とさせていただきました。改善を望みます(といってももうこのレーベルは買うことはないかもしれません...)。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第3番「英雄」
久石譲指揮/ナガノ・チェンバー・オーケストラ
2016年7月16日,2017年2月12日 長野市芸術館メインホール
OVCL-00633 (P)(C)2017 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ナガノ・チェンバー・オーケストラは2016年に誕生した「日本で,世界で活躍するトップクラスの演奏家たちが集結した夢のオーケストラ」とのことで,作曲家の久石譲氏が音楽監督を務めておられます。久石氏自身が解説書で「我々のオーケストラは,例えればロックのようにリズムをベースにしたアプローチで誰にでも聴きやすく,それでいて現代の視点,解釈でおおくりすることができます。」と述べられています。著名な作曲家とはいえ基本的にクラシック畑の人に軽々しく「ロック」という言葉を持ち出して欲しくはないのですが(軽々しくではないかもしれませんが,上から目線に感じられる),そしてその音楽を聴いてみて私自身は「ロック」を感じなかったのですが,この淀みなく推進されるベートーヴェンは結構好きかなと思いました。今後の録音も楽しみにしたいと思います。

そしてこの録音なのですが,第1番と第3番でだいぶ印象が異なります。第1番は各楽器を分離よく左右の広がりをもって捉えられていますが,低音の量感がやや多く響きに締まりがないために中高域に被りがちなのと,木管を少々うるさく捉えすぎています。第3番は少し距離感があって第1番に比べるとややこぢんまりしていますし残響の影響が強くなっています。各楽器の捉え方も少し弱くなっていて,まとまりはあるものの音楽の力強さが削がれ,迫ってこない感じがします。とはいえ,これらの点はオーケストラの録音としてはまあ良いかなと思います。

しかし,この録音にはもっと重大な欠点があります。残響が多いのはまだ許すとしても,その残響のピークが明らかに拍から遅れてやってくるのです(特に第3番)。指揮者とオーケストラがリズムを重視した音楽を展開しようとしているのに,この残響はそのリズムを崩し,弱める効果しかありません。録音エンジニアが演奏の意図を理解していないとしか思えません。この録音はこの演奏の魅力を半減させています。演奏者の意図を理解していれば,もっとシャープに引き締まった音響で録るはずです。今後の録音では改善を望みたいと思います。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
セーゲルスタム:交響曲第289番“When a Cat Visited”
レイフ・セーゲルスタム指揮/トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
The Turku Concert Hall on 2-5 November 2015 & 4-7 January 2016
ABCD 403 (P)2017 ALBA classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ブラームスの4つの交響曲にセーゲルスタムの新作交響曲4曲を抱き合わせで収録していくというプロジェクトの第2弾。以前に第1弾をレビューしています(→こちら)。

演奏は第1番同様ゆったりしたテンポで進んでいくのですが,良く言えばのどかなのですが,さすがにこれは音楽が沈滞して前に進みません。私としてはもう少し若々しい推進力ある演奏が好きなので,これはちょっときついです。第1番は良かったのですが,この第2番は私には合いませんでした。

セーゲルスタムの交響曲は...ノーコメントということでやっぱりご勘弁を(^^;。猫役のヴァイオリンを日本人奏者が担当しているとのことです。

そして録音ですが,第1番と同日の録音のようで評価は変わりません。個々の楽器の音色を素直に,そして明瞭に質感良く捉えており,残響感はあるものの鑑賞の邪魔になるようなことはなく,トータルとしてよくまとまった好印象の録音です。欲を言えば,もう少しすっきりと見通しよく録ってくれていたら良かったのに,とは思いますが。だいぶオマケですが四つ星半です。
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モーツァルト:後期交響曲集
シューマン:交響曲全集
ブラームス:交響曲全集(*)
リッカルド・ムーティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/フィラデルフィア管弦楽団(*)
Musikverein, Vienna, 1991-1996, Philadelphia 1988-1989(*)
480 5737 (P)(C)2011 Universal Music Italia (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

いずれも20年以上前の録音ということもあって,昨今の様々な特徴のある演奏からすると特にモーツァルトは旧世代の演奏だよなぁと思いますが,それでもこの端正で美しい演奏はさすがにウィーン・フィルと唸らされます。シューマン,ブラームスも中庸で聴きやすく,特にブラームスはアメリカのオーケストラからこんな音楽を引き出せるんだとちょっと感心しました。インパクトには欠けるものの,均整の取れた優れた演奏だと思います。

録音ですが,残響がそこそこありながらも音色が崩れたり曇ったりすることなく,音色のバランスの取れたまずまずの録音と言えると思います。ただ,少し演出感というか,現実味が薄く,作り物の美しさという感じがして好録音とは少し違うと思います。この時代のフィリップスはこういう録音が多い気がします。悪くはないのですが,私としては今ひとつピンときません。

タグ : [交響曲]

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シベリウス:交響曲全集
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/フィンランド放送交響楽団
1993年5月22-25日 サンクト・ペテルスブルク・フィルハーモニア大ホール(ライヴ録音)
WPCS-4744/6 (P)(C)1995 FINLANDIA RECORDS (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

サラステ2回目の全集録音で,サンクト・ペテルスブルクでのライヴ録音(1回目はフィンランド放送交響楽団に就任した直後の1987年頃の録音とのこと)。正直あまりインパクトがない演奏なのですが,丁寧かつ自然であり,シベリウスの音楽に対する敬愛の気持ちが込められたような純粋さのある演奏だと思いました。ある意味これが本場の演奏なのかもしれません。

録音ですが,残響の取り入れはあまりなく,演出感の少ない,ステージのイメージが湧いてくる自然な録音なのですが,ややこぢんまりとまとまっており,スケール感や音の伸びに欠け,楽器の質感もやや希薄に思います。悪い録音ではないのですが,音そのものの魅力があまりないのが残念なところです。

全集としてはすでに廃盤になっていて,単売のものはまだ流通はあるようですが,やや入手しづらい状況のように思います。

タグ : [交響曲]

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モーツァルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/シャンゼリゼ管弦楽団
12-15 April 2012, MC2, Grenoble/France
PHI LPH 011 (P)(C)2013 Outhere (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

古楽器オーケストラによる演奏ですが,とても流麗でスマートであり,音色は古楽器のそれであってもモダン楽器オーケストラ以上にモダンな印象があります(もちろん私個人の勝手な感想ですが)。古楽器は苦手な方ですが,こういう演奏であればそういう私でも全く問題なく楽しめました。

そして録音ですが,残響は多めでやや遠くから全体のまとまりを重視したような録り方で,個々の楽器の質感は感じ取りにくく,また分離感もあまりないため,私の好きな録音とは少し異なります。中低域の量感が結構あるのですが,響きは締まっているので中高域への影響もあまりなく良好と言えます。もう少し弦楽器に音量と質感をもう少し強めに録って欲しいところですが,全体の音色は崩れておらず滑らかで伸びもあり,まあ許せるかなというところです。
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ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調作品60
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番作品72a
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲作品62
ベートーヴェン:「エグモント」序曲作品84
イシュトヴァン・ケルテス指揮/バンベルク交響楽団
1960年頃(交響曲),1960年3月(序曲),バンベルク,クルトゥアラウム
COCQ-85342 (P)2017 NIPPON COLUMBIA CO., LTD. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

先日取り上げたウィーンフィルとの新世界の少し前の1960年頃の録音とのことで,およそ31歳の録音です。オイロディスクの録音で2007年に発見されたオリジナル・マスターテープからの復刻盤とのことです。2010年に発売されたクレスト1000シリーズを原盤とした再発売商品とのことですが,今回のものはUHQCD仕様になっています。堂々とした正統派の演奏であり,メリハリを効かせた躍動感溢れる表現が素晴らしいと思います。

録音ですが,残響が少しあるものの,弦楽器を中心に据え,各楽器の音色を分離良く質感良く捉えていて好印象です。クオリティは時代相応ですが,良好な部類に入ると思います。交響曲が最も良く,エグモント序曲がわずかに明瞭感が良くなく少し落ちます。

なおこの演奏は,ほぼ1年前にタワーレコードがSACDハイブリッドで復刻盤を出していました(→Tower Records)。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第5番「運命」
ステファン・ブルーニエ指揮/ボン・ベートーヴェン管弦楽団
Bonn, May, 29-31, 2012
MDG 937 1756-6 (P)(C)2012 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp(mp3)HMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第2番
ベートーヴェン:「アテネの廃墟」序曲,「命名祝日」序曲,「プロメテウスの創造物」序曲,「コリオラン」序曲,「エグモント」序曲
ステファン・ブルーニエ指揮/ボン・ベートーヴェン管弦楽団
Bonn, Beethovenhalle 02./03.01.2015; 02./03.05.2016
MDG 937 1977-6 (P)(C)2016 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン:「献堂式」序曲,「シュテファン王」序曲

ステファン・ブルーニエ指揮/ボン・ベートーヴェン管弦楽団
Bonn, Beethovenhalle 22.-25.03.2015
MDG 937 1966-6 (P)(C)2016 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第4番,第7番
ステファン・ブルーニエ指揮/ボン・ベートーヴェン管弦楽団
Bonn, Beethovenhalle 02./03.05.2016; 06./07.06.2016
MDG 937 1995-6 (P)(C)2017 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」,第8番
ステファン・ブルーニエ指揮/ボン・ベートーヴェン管弦楽団
Bonn,
MDG 937 1883-6 (P)(C)2015 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
ステファン・ブルーニエ指揮/ボン・ベートーヴェン管弦楽団
Bonn, Beethovenhalle 17.-19.12.2015
MDG 937 1899-6 (P)(C)2016 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

HMV Onlineの解説によると,ボン・ベートーヴェン管弦楽団は今年創立110年を迎えるという歴史あるオーケストラとのことです。このベートーヴェンではピリオド奏法を駆使して...と書かれていますが,モダン楽器のオーケストラのようで,私自身はピリオド的要素はあまり感じませんでした。大編成のオーケストラですが,アンサンブルも優秀であり,速めのテンポでキビキビしたと引き締まった音楽を聴かせてくれます。正攻法のベートーヴェンの全集としてなかなか良い出来だと思いました。こういうのは結構好きですね。

録音ですが,残響は少し多めにあるのですが,中低域の響きが締まっていて中高域に被ることもなく,音色にも癖がなく整っているので聴きやすいです。ただ,高域の伸び,クリアさが足りず,モヤモヤというか少しモゴモゴしていてすっきりしません。こういう演奏なので,もっとカリッとした音で録って欲しいものです。演奏が良いだけにこの録音はものすごく惜しいと思います。

タグ : [交響曲]

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シューベルト:交響曲第8番ロ短調D759「未完成」
シューベルト:交響曲第9番ハ長調D944「ザ・グレイト」
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1963年10月7,8,11日,11月5-8日 ウィーン,ゾフィエンザール
UCCD-7223 (P)1964 Decca Music Group Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

録音のみのコメントです。「新世界より」の録音からおよそ2年後の1963年の同顔合わせによる録音。新世界に比べてわずかに及ばないところはあるにせよ,これもほぼ同じ傾向の好録音でした。未完成よりもグレイトの方がほんのわずかですが良好のように思いました。

もちろんオーディオ的なクオリティは現代の録音の方がずっと高いのですが,音楽をより魅力的に伝える録り方をしているという点でこれらの録音は大変優れていて,それは音楽を収めるメディアのクオリティ以前の問題としてずっと大切なことだということを教えてくれているように思います。現代の録音は録り方の方向性がちょっと違う方に向いてしまっている気がしてなりません。と,これらの録音を聴いて思ってしまいました。

過去の優秀録音から全く学ぼうとしていないように思えるのですが,なぜなんでしょうね...
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ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1961年3月22-24日 ウィーン,ゾフィエンザール
UCCD-7213 (P)1961 Decca Music Group Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

本ディスクに関しては,少し前にApple Musicで試聴した感想を掲載していました(→こちら)。Apple Musicでも間違いなく好録音であったと報告していました。その後やっぱりこれはディスクで聴きたいと思い,高音質盤のステレオサウンド誌の企画盤にするか通常盤にするか迷ったのですが,私には通常盤で十分かなと思い,こちらを選びました。

感想は前回の記事を参照していただきたいのですが,何度聴いても気持ちのよいサウンドです。現代の多くの録音がこの50年以上前の録音に全く足下にも及ばないという現状は何とも残念です。「コンサートホールの音場を再現すること」と「録音で音楽の感動を伝えること」はイコールではないと思います。録音に携わる方々には今一度よく考えていただきたい,というのが私の希望です。
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シューマン:交響曲全集
ロビン・ティチアーティ指揮/スコットランド室内管弦楽団
2013年11月25日, 26日, 30日 & 12月1日-3日 パース・コンサート・ホール(イギリス)
CKD 450 (P)(C)2014 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

室内管弦楽団ならではの小回りの利いた躍動感ある小気味よい演奏ですね。アンサンブルも良いと思います。先日取り上げたサヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデンとは対極にあるように思います。こちらは今風に仕上げられていますね。

録音ですが,残響は控え目で低域もだらしなく響くことがありません。タイトでややドライな仕上げです。マイク位置が少し遠いのか,良く言えばまとまりのある,全体が良く溶けあった音なのですが,その代償としてやや楽器の質感が希薄になって力強さ,実在感は失われています。これでも十分好録音だと思うのですが,あえて言わせてもらえば,もう少し個々の楽器の質感を強めに捉え,もう少し存在感のある音で録っていればなお良かったと思います。
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ベートーヴェン:交響曲全集
オイゲン・ヨッフム指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
1967年~1969年 アムステルダム,コンセルトヘボウ
PROC-2013/7 (P)1969 Decca Music Group (国内盤) タワーレコード企画盤
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus Eugen Jochum PHILIPS Recordings
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records

ヨッフムのベートーヴェンの全集録音は3回で,これは2回目の録音とのことです。引き締まったフォルムで力強く推進される正統的な演奏ですね。やっぱりこういうのが好きです。

そして何よりこの録音がいいですねぇ! 残響はありますが適度に抑えられ,各楽器の音が分離良く,明瞭感高く,質感高く捉えられています。音色も自然ですしヌケも良く全くストレスなく音楽を楽しむことが出来ます。マルチマイクで比較的楽器に近い位置で録っているように思います。特に弦楽器のこのサウンドは大好きですね。若干ドライですがキレの良い情報量の多い音で満たされてるといった感じがします。この時代のフィリップスの良好なアナログ録音の一つに挙げられるのではないでしょうか。

オーディオクオリティでは現代のデジタル録音にかなわないかもしれませんが,鑑賞の邪魔になる残響等の付帯音が気にならないレベルに抑えられていて,クオリティの高い曇った現代の録音よりもはるかに音楽を楽しく聴くことができます。間違いなく好録音です。フィリップスやデッカはかつてこのような音楽の楽しさをストレートに伝えてくれる録音をしていたのに,なぜやめてしまったのでしょう? 「音楽の楽しさを伝える」ということに関しては退化しているとしか思えません。

ということで,演奏も録音も良いこのディスクは愛聴盤候補となりました。じっくりと楽しみたいと思います。このような復刻を企画してくれたタワーレコードに感謝!
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シューマン:交響曲全集
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮/シュターツカペレ・ドレスデン
1-12. IX, 1972, Lukaskirche, Dresden
0825646075942 (P)1973 (C)2015 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon

この演奏は以前一度取り上げていました(→こちら)。シューマンでこれだけ豊潤で濃厚,スケールの大きな演奏を成り立たせているところに感心します。録音はちょっと残響が多すぎるのであまり好きではないのですが,これだけの残響を取り入れながらサウンドのバランスが大きく崩れることなくぎりぎりの明瞭感を保って聴こえるあたりは上手く録っていると思います。

現在発売されているものはARTリマスタリングのもののようですので買い直してみました。わずかながら鮮明さは改善されているように思いました。でもそこはやはり旧EMIの録音か... そして1972年の録音としてはマスターテープの保存状態があまり良くないような気もします。

それにしてもこの演奏のティンパニーの存在感はすごいですねぇ。何度聴いても惚れ惚れします。

タグ : [交響曲]

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リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ファビオ・ルイージ指揮/フィルハーモニア・チューリッヒ
2016年7月 チューリッヒ歌劇場
PHR0106 (P)2016 Philharmonia Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Mujsic

Apple Mujsicでの試聴です。今回は録音についてのみ一言だけ...

ライヴ録音で,残響はそれなりにあるのですが,誇張のない自然な雰囲気で録られています。シェエラザードの録音としてはかなり抑え気味のように思います。もう少し楽器によっても良いのではと思うくらいです。低域も伸びはあるのですが,量感は控え目でブーミーにならず全体の音響を引き締めています。ヴァイオリンのソロも少しフォーカスされていて聴きやすく好感が持てます。地味ながらスケール感のある良好な録音だと思います。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:アルト・ラプソディ作品53
ブラームス:運命の歌作品54
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/シャンゼリゼ管弦楽団
LPH 025 (P)2016 (C)2017 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

古楽器オーケストラによるブラームスの交響曲ですが,ものすごく層の厚い密度の高いサウンドで,まるで目の前に巨大な建造物がそびえ立つような音楽を築いています。そしてそのサウンドからは考えられないくらいの軽快さで音楽が流れていきます。これは今までにあまりない感じでなかなか良いと思います。今後の録音にも期待が持てます。

さて録音なのですが,上記の通りかなり濃い録り方をしているのですが,あまり息苦しい感じはありません。重心が低く,かつ高域の伸びも確保し,音色のバランスも整えて聴きやすくまとめた上手い録音だと思います。私としてはもう少しすっきりと見通しの良い録音が好きなのですが,これもまあアリかなと思います。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲作品72

ヴラディーミル・ユロフスキー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
2014年1月22日 ロンドン,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール,2015年9月3,4日 ロイヤル・アルバート・ホール(序曲)
LPO0096 (P)2017 LPO (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Mujsic

まだメディア発売前ですが,一足先にApple Mujsicで試聴しました。

ロンドン・フィル自主制作のベートーヴェンといえばクルト・マズア指揮の第1番,第4番がとても良かったのですが,このベートーヴェンも期待に違わずスピード感のある小気味よい演奏でした。この演奏におけるロンドン・フィルの編成がよくわからないのですが,大編成のサウンドながらとてもよく統率されていてアンサンブルにブレが見られず絞り込まれた編成のごとくビシッと決まっています。今後の録音にも期待します。

録音ですが,残響が少しあって楽器音にまとわりつき音離れが少し良くないのですが,個々の楽器は明瞭に録られており,残響感の割には音色に癖がないのが良い点です。私としてはもう少し残響の影響を減らしてすっきりと見通しよく録って欲しいのですが,これなら多くの人に受け入れられやすい録音だと思います。まずまずの好録音と言えると思います。
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
トーマス・ツェートマイアー指揮/スタヴァンゲル交響楽団
2015年 ノルウェー,スタヴァンゲル・コンサートホール
3816-2 (P)(C)2017 SSO Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

近年指揮でも活躍しているというヴァイオリニストのツェートマイアーの指揮したブラームスの交響曲ということで聴いてみました。オーケストラの規模がよくわからないのですが,少し小さめの編成のように締まった小気味の良いスピード感のある演奏でした。指揮者の意思が行き渡りよく統率されていると思います。勢いがありながらフォルテでも粗くなったり飽和したりすることがなく余裕をもって鳴らしきっているところも良いと思います。

さて録音ですが,残響は多めですが,低域の響きが抑えられているためか,だらしなく響くことがなくドライで締まっています。ただやはり残響自体は多いため,見通しは良くありません。残響量の割には音色のバランスは整っているので,印象は悪くありません。もう少し残響を抑えてすっきりと見通し良くしてくれたらずっと良かったのではないかと思うのですが。少し甘いですが四つ星半です。
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シベリウス:交響曲全集
渡邉暁雄指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
1981年 習志野文化ホール(No. 3, 6),昭和女子大学人見記念講堂(No. 1, 2, 4, 5, 7)
COCO-80410-413 (P)1996 NIPPON COLUMBIA CO., LTD (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp

1981年のレコード芸術誌のレコードアカデミー賞受賞盤。1962年にステレオ・レコードによる世界初の全集を完成させていましたが,これは同じオーケストラによる約20年ぶりの2回目の全集録音となります。

2回目の全集ということで前回の少し粗削りの印象のあった演奏に比べると,随分と洗練され,テンポ取りも現在の多くの演奏に近いものになっています。オーソドックスで完成度の高い演奏であり,レコードアカデミー賞受賞も頷けます。

一方録音の方なのですが,アナログからデジタルに変わる最初期のデジタル録音だと思います。残響は控え目で演出色のほとんどない素直な生録風録音は好感が持てるのですが,音色は精彩に乏しく地味でモノトーン的であり,また音自体の力強さも感じられず,この演奏本来の魅力を伝えきれていないのではないかと思います。少々残念な録音です。

この全集は発売後何度か再発売をされたようですが,現在は現役盤ではないようです。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲全集
ヘルマン・シェルヘン指揮/ルガーノ放送管弦楽団(スイス・イタリア語放送管弦楽団)
1965年 ルガーノ
ARIOSO 106 (P)2004 arbre Inc. Japan (輸入盤)
好録音度:★★★~★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

う~ん,これは...熱気に満ちた演奏ではありますが暴走と紙一重という気もしますし,これはあまりにもリハーサル不足なんじゃないのと思うくらいグダグダに崩れるところも多々あって,これをどう楽しんだらいいのか正直わかりませんでした。実際にその場で聴いたらこの熱い演奏を楽しめたかも,いややっぱり乱雑な演奏に頭に来ていたかも... 好きな人は好きかもしれませんね。私はちょっと好きになれませんでした。

録音ですが,1965年の録音としては良くありません。帯域が狭く,歪みもかなり多いです。楽器のバランスも今ひとつです。どういう目的で収録されたのかは知らないのですが,記録目的なのか,放送音源として収録されたのか,あたりでしょうか。メディア販売を目的にした録音ではないように思います。

タグ : [交響曲]

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モーツァルト:交響曲第39番,第40番,第41番「ジュピター」
サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2013年8月 ベルリン・フィルハーモニー
(P)2017 Berlin Phil Media
好録音度:★★★★
参考: Berliner Philharmoniker RecordingsApple Music

ベルリン・フィルのサイトでは48kHz/24bitのハイレゾ音源のダウンロード販売,あとiTunes Storeでのダウンロード販売,Apple Musicでのストリーミングでの提供となっています。パッケージメディアでの提供はないそうです。

ベルリン・フィルらしい力強く推進力のあるスケールの大きい演奏がいかにもというところですが,ちょっとモーツァルトのイメージからは遠い気がします。もう少し優美だったら良いのにと思うのですが,それを期待する方が間違っているのかもしれません。

録音ですが,これは演奏のせいかもしれませんが,中身がぎっしり詰まった密度感はあるのですが,ちょっとごちゃっとしていて暑苦しく,見通しが良くありません。また全体にモヤッとして精彩がありません。最近のベルリン・フィルの独自制作からすると少し質が良くないと思います。

それにしてもこういう音源がApple Musicで聴けるというのは本当に有り難いことです。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第3番,第4番
トーマス・ヘンゲルブロック指揮/北ドイツ放送エルプフィルハーモニー管弦楽団
16-19 November 2016, Elbphilharmonie Hamburg, Großer Saal
88985405082 (P)2016 Norddeutscher Rundfunk (C)2017 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2017年1月にこけら落としが行われたハンブルグの新ホール「エルプフィルハーモニー・ハンブルク」を本拠地とする北ドイツ放送(NDR)エルブフィルハーモニー管弦楽団(この1月に北ドイツ放送交響楽団から改称)による,この新ホールでの初録音で,ブラームス交響曲全集に向けての第1弾とのことです。第4番は自筆譜に最初書き込まれていた第1楽章の導入部付きで演奏されていて,初めて聴いたときには,かけるディスクを間違えたのかとちょっと慌ててしまいました。

それでこの録音なのですが...残響時間はそんなに長くはないのですが,間接音が強く乗った極めて癖のある音質で,明瞭感がなくモゴモゴとして全く冴えません。音色もくすんで精彩がありません。新しく作ったホールの響きを活かしたかったのかもしれませんが,響きはほとんど音楽に貢献しておらずむしろ逆効果で失敗していると思います。これでは音楽を楽しめません。Sony Musicらしからぬ録音でとても残念です。この録音で全集化されるんですね...

タグ : [交響曲]

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シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1960年3月 ロンドン、キングズウェイ・ホール
WPCS12684 ワーナーミュージックジャパン (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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シベリウス:交響曲第5番変ホ長調作品82
シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1960年9月,1959年1月 ロンドン、キングズウェイ・ホール
WPCS12685 ワーナーミュージックジャパン (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。カラヤン没後25年記念発売盤として発売された20枚のSACDのうちの2枚と元は同じ音源ではないかと思っています(違ったらごめんなさい)。1960年前後のEMI録音ということで,レンジ感や音像感の狭さは仕方がないとはいえ,思ったほど音色に癖はなく聴きやすい録音です。

後のベルリン・フィルとの録音ほどの圧倒的な迫力はないものの,スタンダードな路線でスケールの大きな音楽を構築する技量はこの時期からすでに備えていたことがよくわかる録音だと思います。ベルリン・フィルとの演奏とはまた違うカラヤンの姿をうかがい知ることが出来るディスクですね。良いと思います。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調作品35
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調作品36
マルティン・ハーゼルベック指揮/ウィーン・アカデミー管弦楽団
2014年12月7-9日 オーストリア,ニーダーエスターライヒ宮,ラントハウスザール
ALPHA470 (P)2014 Alpha Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:七重奏曲変ホ長調作品20
マルティン・ハーゼルベック指揮/ウィーン・アカデミー管弦楽団
2016年5月 オーストリア演劇博物館「Eroica Saal」(旧ロプコヴィツ侯爵邸大広間)
ALPHA474 (P)2016 Alpha Productions (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ベートーヴェン:ウェリントンの勝利(戦争交響曲)作品91
マルティン・ハーゼルベック指揮/ウィーン・アカデミー管弦楽団
2015年3月10-14日 ウィーン科学アカデミー講堂
ALPHA473 (P)2015 Alpha Productions (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器による歴史的建造物でのレコーディングで,作曲された時代の雰囲気にまで配慮したとのことです。録音に使われた建物はそれぞれディスク毎に違うようです。小編成のようですが,そのサウンドはすごく迫力があり,特に第1番,第2番のアグレッシブな演奏には度肝を抜かれます(第3番,第7番はそこまでのインパクトはありませんでしたが)。ベートーヴェンの時代にこんなド迫力の演奏がなされていたのかちょっと想像がつかないのですが,これはなかなか聴き応えがあります。

しかし,録音が良くありません。第1番,第2番はまだマシですが,特に第3番は録音会場の響きが多く肝心のオーケストラの音を大きく曇らせていて全く楽しめません。歴史的建造物で録ること自体は別に否定はしませんが,音楽そのものが楽しめないような録り方では本末転倒です。せっかくの面白い企画なのですから,建物の響きも活かしつつ音楽もちゃんと楽しめる録音を追求してほしいものです。

タグ : [交響曲]

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シベリウス:交響曲第1番
シベリウス:「カレリア」組曲作品11
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1981年1月 Philharmonie, Berlin
WPCS-12825 (P)(C)1981 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1980年12月 Philharmonie, Berlin
WPCS-12826 (P)(C)1981 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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シベリウス:交響曲第4番
シベリウス:交響詩「タピオラ」作品112
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1976年12月 Philharmonie, Berlin
WPCS-12827 (P)(C)1977 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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シベリウス:交響曲第5番
シベリウス:交響詩「伝説(エン・サガ)」作品9(*)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1976年9,10月, 1976年12月(*) Philharmonie, Berlin
WPCS-12828 (P)(C)1977 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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シベリウス:交響曲第6番ニ短調作品104
シベリウス:悲しきワルツ作品44-1
シベリウス:「カレリア」組曲作品11(*)
シベリウス:交響詩「伝説(エン・サガ)」作品9(**)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1980年11月, 1981年1月(*), 1976年12月(**) Philharmonie, Berlin
WPCS-12828 (P)(C)1977 Warner Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第2番は先日取り上げたものと同じ演奏です。解説書によると,「当ディスクには,2013年に旧EMIミュージック・ジャパンが,SACDシングルレイヤー盤を発売する際に,新たにマスタリングした音源が使用されている。」とのことで,第2番を旧ディスクと比べてみると,確かに鮮度が向上し,情報量が増え音の厚みも増している印象を受けました。交響曲5曲でディスク5枚というのはいささか効率が悪いように思いますが,初出時のLPのカップリングを再現しているものと思われます(なので,カレリア組曲とエン・サガのダブりもそのまま再現されたようです)。

解説書では,カラヤンがどのようなスタンスでシベリウスの音楽を取り上げ,録音してきたか,そして,これらのディスクの初出時のレコード芸術誌での評について触れられていて,興味深く読ませていただきました。カラヤンが第4番から第7番を好んで取り上げ,第1番~第3番をほとんど取り上げてこなかったというのは何となく知っていたのですが,第2番は演奏会では一度も取り上げられていないないというのは意外でした。

これらの中ではやっぱり第2番と第5番がカラヤン/ベルリン・フィルの本領が全開で発揮された演奏だと思いました。他の曲はそれと比べると少し抑制された感があり,また,第6番はちょっと聴きたい演奏とは違うかなというところですね。

そして肝心の音質ですが,上記の通りリマスタリングで鮮明さが増しているためか,EMIの録音としてはかなり印象が良いです。あの独特の曇った感じはかなり緩和されているのではないかと思います。そして弦楽器をサウンドの中心に据えていることも良い印象の要因になります。リマスタリングの是非はあると思いますが,これはうまく出来ているのではないでしょうか。

タグ : [交響曲]

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ハイドン:交響曲集Vol.1 第6番「朝」,第17番,第35番
飯森範親指揮/日本センチュリー交響楽団
2015年6月5日 いずみホール(大阪)
OVCL-00610 (P)(C)2016 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2015年にスタートし,8年間かけて交響曲全104曲を演奏・収録するプロジェクト「ハイドン・マラソン」の第1回演奏会のライヴ録音とのことです(ただし拍手は入っていません)。解説書を見ると,弦楽器の人数は8-9-6-4-3で,管楽器,チェンバロを含めて総勢36名というやや絞り込んだ編成のようです。日本のモダンオーケストラで完成される予定の全集はうれしい企画です。楽しみです。

いずみホールの豊かで美しい響きを活かしたクオリティの高い録音も特筆出来ると思います。ホールのキャラクターが出過ぎず,まるでセッション録音のような録り方で,会場や観客のノイズも不自然なくらい全く感じられません。優秀録音と言って良いのではないかと思います。

しかし私はあえてこの録音に苦情を言いたいと思います(^^;。まずこの現実感の薄い商品化されすぎた作り物のようなサウンド。実際のホールでもこのように響いたのかもしれませんが,パッケージメディアを通して聴くと生の風合いは伝わらず,奏者の存在感のない,奏者の顔が見えてこない,綺麗なパッケージに入れられた作り物の音楽のようになってしまっています。

そしてこの残響の多さによって細かなニュアンスはかき消され,個々人の楽器の質感はほとんど感じられなくなっています。フォルテのあとのピアノなども響きに隠れて聴き取りにくいです。確かに響きの美しい録音だしオーディオクオリティも高いのですが,表面的な心地よさよりも,すっきりと見通しよくそして音楽を克明にニュアンス豊かに描き出す録音であって欲しいです。

一般的にみれば優秀録音でしょうし,収録の途中で録音のポリシーを変えることはないと思うので,この録音で全集が統一されると思うのですが,これは私としては大変残念に思います。

タグ : [交響曲]

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ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88
ドヴォルザーク:交響詩「水の精」作品107
ドヴォルザーク:序曲「自然の王国で」作品91
ラドミル・エリシュカ指揮/札幌交響楽団
2013年4月19,20日 札幌コンサートホールKitara
DQC-1162 (P)2013 オフィス・プロウチェク (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

札幌交響楽団第558回定期演奏会~ラドミル・エリシュカ/チェコ音楽シリーズvol.6~ から。拍手の入るライヴ録音です。交響曲が終わったあとのブラヴォーの嵐,地元の皆さんから愛されているオーケストラなんですね。

う~ん,ちょっと微妙です。付点のリズムが甘かったり全体にリズム感がないというか,全ての拍の重みが均等過ぎるのか,落ち着きすぎた重い感じです。クラシック演奏家独特のスウィング感,グルーヴ感のないリズム感が出てしまっています。第2楽章,第3楽章は良いのですが,両端楽章が気持ちよく音楽に乗れませんでした。

録音ですが,ライヴの雰囲気をうまく出した素直な録音です。弦楽器の捉え方はまずまず良好で,低弦も内声も聴き取りやすいのが良いと思います。木管が少し弱めでバランスがいまいち良くありません。オーディオ的には少し粗いように思います。締まりのある音響で基本的には私の好きな録音なのですが,四つ星半を付けるには少し物足りない感じがしました。惜しいです。

タグ : [交響曲]

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