好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」,第12番,第14番
エドナ・スターン Edna Stern (Piano)
アリー・ファン・ベーク指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
ZZT100901 (P)2009 Zig-Zag Territoires (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。前エントリからのオーヴェルニュ室内管弦楽団つながり&ジャケ聴きです(^^;。

まず録音のコメントです。すっきりとした癖のない自然なサウンドが魅力の好録音です。残響が適度に抑えられ,見通しが良く,そこそこキレもあります。録音自体はあまり主張しませんが,演奏を邪魔せず音楽を素直に伝えてくれるこういう録音が良いのです。いつまでも音楽に浸っていたくなります。

そして演奏なのですが,端正で上品です。粒立ちの美しいタッチが印象的ですが,あくまでも控え目です。オーケストラも若干音の長さを短めに刈り込んで整然と見通しよく演奏し,ソロの美しさを引き出しています。良いと思います。
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ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77
フランク・ペーター・ツィンマーマン Frank Peter Zimmermann (Violin)
ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
Concertgebouw Amsterdam on 17-19 & 21 March 2010
RCO17001 (P)2017 RCO Live (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

メディア発売前ですが,一足先にApple Musicで聴いてみました。シューマンのピアノ四重奏曲作品47,ブラームスのピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15とカップリング(SACD 2枚組)ですが,ヴァイオリン協奏曲のみのコメントです。

2010年の録音なので,少し前の録音ですが,ライヴということもあってか,堅実ながらも濃厚で,主張というかアピール力の強い演奏だと思いました。私の中では中堅のヴァイオリニストというイメージがあるのですが,一歩先に踏み出している感じがします。これからも注目していきたいヴァイオリニストの一人ですね。

録音ですが,オーケストラの方は良いとして,ソロが少し距離感があります。自然といえば自然なのですが,明瞭感が今ひとつでニュアンスも感じ取りにくいです。協奏曲の録音としてはもう少しソロに寄って明瞭度を上げてもらった方が楽しめると思うのですが。惜しいです。
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ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77(*)
堀米ゆず子 Yuzuko Horigome (Violin)
アレクサンドル・ラザレフ指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
ジョアン・ファレッタ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(*)
2015年6月12-13日 東京・サントリーホール(ライヴ),2013年8月27-28日 プラハ,ルドルフィヌム,ドヴォルザーク・ホール(セッション)(*)
OVCL-00609 (P)(C)2017 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ブラームスの協奏曲の方は,以前,二重協奏曲とカップリングで発売されていた演奏と同じものです。ブラームスの方はそちらをご覧ください。

ブルッフの方は最後に拍手の入るライヴ録音で,情感豊かで熱く語りかけてくる演奏は近年の充実ぶりを如実に示していると思いますし,高らかに歌い上げる堀米さんらしい節回しが随所にみられて,また大演奏家への道を一歩一歩着実に進まれているなと感じさせる素晴らしい出来だと思います。

さて録音なのですが,レコーディングのプロデューサが江崎氏ということもあってか,EXTONの録音そのままであり,ライヴレコーディングとは思えないセッション的なクオリティの高い音づくりになっています。ただやはり響きを活かした録音でソロまで響き豊かな録り方になっていて残響の付帯音が鬱陶しく感じられ,ライヴの生々しさ,楽器の質感は失われ「商品化された綺麗な音」になってしまっているのが残念です。商品としての出来は良いのかもしれませんが,私が聴きたい堀米さんの音を伝えてはくれませんでした。残念です。

なおブラームスの方は再収録ながらマスタリングは変わっているようで,やや音質は改善されている印象でした。

蛇足ですが,CDパッケージですが,私の大嫌いな新パッケージタイプでした。イライラするのですぐにジャケットと解説書を上下逆さまに入れ直しました。まだこのパッケージ使ってたんですね。私にとってはメリットゼロ。このイライラさせるパッケージ,ほんと早くやめて欲しいです。
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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
イザベル・ファウスト Isabelle Faust (Violin)
ジョヴァンニ・アントニーニ指揮/イル・ジャルディーノ・アルモニコ
2015年3月21-23日,2016年2月4-8日 ベルリン、テルデックス・スタジオ
HMC 902230.31 (P)2016 harmonia mundi (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド的なスタイルの演奏ですが,これは今までに聴いたことがないような新鮮さを感じます。付点や装飾音符の癖のあるリズムの取り方があまり好きではないのですが,それを除けばこの刺激に満ちた演奏は本当に楽しいですね。

さて肝心の録音なのですが,ホールトーンを多めに取り入れ,リアルに録音会場の雰囲気が想起される録音で,そういう方針ということであればかなり上手く録れていると思います。音も滑らかでオーディオ品質も良いと思います。しかし,これは少しホールのキャラクターを前に出し過ぎているように思います。オフマイクで間接音が主体であり,特にソロのボディ感も下支えも弱く,楽器の質感が希薄で表面的にしか捉えられていない気がして私としてはかなりもどかしさを感じます。音場再現を重視する方であれば優秀録音かもしれませんが,残念ながら私の好きな録音ではありませんでした。
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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
ジェームズ・エーネス James Ehnes (Violin)
モーツァルト・アニヴァーサリー・オーケストラ
2005年8月18-21日 トロント芸術センター,ジョージ・ウェストン・リサイタル・ホール
ONYX 4164 (P)2016 Onyx (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

これは上手い!さすがです。技術的にも文句の付けようがないですし,モダン楽器を活かした伸びのある音色とキレの良いはきはきした発音で音楽が生き生きしています。カデンツァもすべて演奏者自身によるものということで,これも聴きものです。そして演奏者自身が選抜した特別に編成されたオーケストラも良いですね。あえて一言いうとすれば,少しモーツァルトを意識して抑え気味に演奏しているように感じられるので,全開で演奏してくれていたらなぁとは思います。でもこれは良いです。

録音ですが,ソロもオーケストラも豊潤でニュアンス豊かに捉えているのは良いのですが,少し残響が多く演出感が強すぎて,もうちょっと生々しさを残して欲しかったと思います。悪くはないのですが,私の好きな録音とは少し違いました。

この全集,2006年のモーツァルト生誕250周年の年に向けて録音され,2007年の「カナダ版グラミー」と言われるジュノー賞を受賞したそうです。納得です。オリジナル盤は廃盤になったようですが,Onixから復刻リリースされました。
2017/01/22更新。コンラート・ヒュンテラー指揮/18世紀カメラータ追加。


バッハのブランデンブルク協奏曲第三番第三楽章の快速演奏を探してみました(^^;。私が持っているもののうち時間を計測出来たものを速いものから並べています。一番左の数字は演奏時間です。

■バッハ:ブランデンブルク協奏曲第三番第三楽章快速ランキング!

3:47 (古)ゲーベル/ムジカ・アンティクヮ・ケルン(1986)
3:57 (古)マウテ/アンサンブル・カプリース(2012)
3:58 (現)ショルツ/ベルリン室内管弦楽(2007)
4:03 (古)ホーフカペレ・ミュンヘン(2013)
4:04 (古)カフェ・ツィマーマン(2003)
4:04 (古)スイス・バロック・ソロイスツ(2005)
4:06 (古)鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン(2000)
4:10 (古)イ・バロッキスティ(2004)
4:12 (古)アレッサンドリーニ/コンチェルト・イタリアーノ(2005)
4:12 (古)コンチェルト・ケルン(2013-2014)
4:14 (古)鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン(2008)
4:14 (古)ベルリン古楽アカデミー(1997)
4:17 (古)カペラ・サヴァリア(2015)
4:18 (古)アメリカン・バッハ・ソロイスツ
4:21 (現)アバド/モーツァルト管弦楽団(2007)
4:24 (古)クイケン,ブリュッヘン,ビルスマ,レオンハルト
4:26 (古)コンラート・ヒュンテラー指揮/18世紀カメラータ(1996,97)
4:26 (古)シュトリンツル/ムジカ・フロレア(2006)
4:27 (古)イル・ジャルディーノ・アルモニコ
4:29 (現)フリエンド/コンバッティメント・コンソート・アムステルダム(1996)
4:30 (現)サイトウ・キネン・チェンバープレイヤーズ(2001)
4:31 (古)ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(2009)
4:34 (古)ピノック/ヨーロピアン・ブランデンブルク・アンサンブル(2006,07)
4:35 (古)エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団(1987,88)
4:35 (現)シュトゥットガルト室内管弦楽団(2000)
4:36 (古)フェリックス・コッホ/ノイマイヤー・コンソート(2013)
4:36 (古)ゴルツ/フライブルク・バロック・オーケストラ(2000)
4:37 (現)イ・ムジチ合奏団(1984)
4:39 (現)ミュラー=ブリュール/ケルン室内管弦楽団(1999)
4:40 (古)ピノック/イングリッシュ・コンソート(1982)
4:41 (現)ヨーロッパ室内管弦楽団(1990)
4:42 (古)コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団(1983)
4:46 (現)バウムガルトナー/ルツェルン弦楽合奏団(1978)
4:47 (古)Apollo's Fire
4:51 (古)ニューマン/ザ・ブランデンブルク・コレギウム(1994?)
4:54 (古)アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(1964)
4:55 (現)リーズ/スコティッシュ・アンサンブル
4:55 (現)カップ/フィルハーモニア・ヴィルトゥオージ(1991)
4:56 (現)リンカーン・センター室内楽協会
4:56 (現)ボッセ/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団(1981,83)
4:56 (現)リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団
4:56 (現)コレギウム・アウレウム(1967)
4:57 (古)ジョーンズ/ケンブリッジ・バロック・カメラータ(1997)
5:02 (現)ブリテン/イギリス室内管弦楽団(1968)
5:03 (現)I. オイストラフ/モスクワ・フィル・ソロイスツ・アンサンブル(1982)
5:04 (現)ローラ/フランツ・リスト室内管弦楽団(1986)
5:05 (現)イ・ムジチ合奏団(1965)
5:06 (現)ゴールドベルク/オランダ室内管弦楽団(1958)
5:07 (現)カラヤン/ベルリン・フィル(1978,79)
5:12 (現)レッパード/イギリス室内管弦楽団(1975?)
5:13 (現)シャイー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(2007)
5:28 (現)アバド/ミラノ・スカラ座管弦楽団員(1975,76)
5:29 (現)ポープル/ロンドン・フェステヴァル管弦楽団(1995)
5:31 (現)マリナー/アカデミー室内管弦楽団(1980)
5:37 (現)マリナー/アカデミー室内管弦楽団(1985)
5:50 (現)カラヤン/ベルリン・フィル(1964)
6:11 (現)カザルス/マールボロ音楽祭管弦楽団(1964)
6:20 (現)コッホ/ベルリン室内管弦楽団(1970,72)

※(古)ピリオド楽器,(現)モダン楽器
※ヴィンシャーマン/ドイツ・バッハ・ゾリステンはリピート省略のため対象外
※ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管弦楽団(1985)はリピート省略のため対象外
※パイヤール室内管弦楽団はリピート省略のため対象外


やはり一位はゲーベル/ムジカ・アンティクヮ・ケルンでぶっちぎりの速さに圧倒されます。二位はアンサンブル・カプリースで三位は僅差でモダン楽器のショルツ/ベルリン室内管弦楽団,いずれも3分台のタイムを叩き出しています(^^;。

総じてピリオド楽器の演奏は速く,平均して4:20前後くらいかなと思います。聴いていて最も気持ちが良いのもこのあたりの速さのように思います。

ということで,また順次追加していきますね(^^)。

なお時間計測ですが,iTunes上で実際に再生し,最後の音が消えた時の時間を見ています。曲頭の空白は差し引いていませんので,多少の誤差はあると思います。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
コンラート・ヒュンテラー指揮/18世紀カメラータ
June, 10-14, 1996; February 24, 1997 Fürstliche Reitbahn Arolsen
MD+G 311 0746-2 (P)(C)1997 (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

バロック楽器による演奏。おっ,なかなかええやん,って思ったら,18世紀カメラータ(Camerata of the 18th Century)ってブリュッヘンが創設した18世紀オーケストラのメンバーで構成され,さらにライナー・クスマウルらの著名なソリストを迎えての録音だったんですね。

音楽は颯爽と,そして極めて自然に流れていくのが良いです。バロック楽器での演奏ですがそれが意識に上って来ません。結局こういう癖のない綺麗で真っ当な演奏に戻ってきてしまうんですよね。

録音ですが,響きでわずかに音色に曇りがあるのですが,それを除けば適切な距離感でそれぞれの楽器を質感をもって捉えているので悪くありません。抜けよくすっきりと録ってくれていれば文句なしだったのですが,惜しいと思います。

これが現役盤なのか今ひとつわからなかったのですが,もし廃盤だとしたらちょっともったいないと思います。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,管弦楽組曲全曲
ネヴィル・マリナー指揮
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

1978年1月 ロンドン,キングズウェイ・ホール(管弦楽組曲),1980年5月 ロンドン,セント・ジョンズ・スミス・スクエア(ブランデンブルク協奏曲)
PROC-1964/6 (P)1978,1981 Decca Music Group Limited (国内盤)
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus Vol.22
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤。マリナー氏2回目の録音で,ブランデンブルク協奏曲のソリストに,ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン),ミカラ・ペトリ(リコーダー),ハインツ・ホリガー(オーボエ),ジャン=ピエール・ランパル(フルート),ジョージ・マルコム(ハープシコード)などの名手を迎えた名盤。ブランデンブルク協奏曲の方は昔発売されていたディスクを持っていて一度レビューしています(→こちら)。今となっては古さも感じる演奏ですが,当時としてはこれがスタンダードだったのだと思いますし,モダン楽器での演奏としては今でも十分に楽しめる内容です。

録音も「アナログ録音末期の優秀録音」というだけあってシルキーで滑らか,残響は少しあるものの控え目であり,当時のフィリップス録音らしく個々の楽器の音を大事に扱い分離良く見通し良く録った好録音です。正直なところもう少し高域の伸び,輝き,透明感が欲しいところでちょっと地味な感じですけどね。ちょっとオマケですが四つ星半です。

久しぶりに聴きましたけど,なんだか懐かしくホッとしました。
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バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
ラース・ウルリク・モルテンセン指揮/コンチェルト・コペンハーゲン
2011年3月31日~4月3日 コペンハーゲン,ガルニソン教会
cpo 777 904-2 (P)2014 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。私の好みの録音の多いcpoレーベルということで試聴してみました。

ソリストはコンチェルト・コペンハーゲンのメンバーと思われます。数多あるバロック楽器によるバッハのヴァイオリン協奏曲のディスクの中では特に特徴があるというわけではありませんが,ソリストの腕前も確かであり,アンサンブルも良い優良な演奏だと思います。

録音ですが,残響はやや多めながら後方の空間にふわっと広がる感じで取り入れられていて,明瞭感や音色への影響は少なく良好と言えます。残響を取り入れるのならこんな風にして欲しいという見本になると思います。やはり私の好きな録音とは少し違いますが,この透明感と伸びのある綺麗なサウンドはなかなか良いと思います。好録音です。
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ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第3集
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
ヘルマン・ボイマー指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

Großer Sendesaal, NDR Hannover, February 24-27, 2015
cpo 777 847-2 (P)2016 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第1集第2集が良かったヴァイトハースのブルッフ,待望の第3集が発売されました!! 収録曲は次の通りです。

ヴァイオリン協奏曲第3番ニ短調作品58
ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲嬰へ短調作品84
ロマンス イ短調作品42

どれもほとんど馴染みのない曲ばかりです。これでこのシリーズは完結とのことです。力強く張りのある,そして情感豊かなヴァイオリンが素晴らしいです。第1番ばかりが有名なブルッフの協奏曲ですが,こうして聴いてみると,第2番,第3番は幾分渋いとはいえ,どちらも劣らぬ名曲と思います。もう少し演奏されたら良いのにと思いますね。

さて録音ですが,第1集第2集と変わらぬ好録音です。ヴァイオリンの透明感ある美しい音色が堪能できます。ソロが少々遠めで線が細くボディ感に欠けるところがあるので,もう少し寄ってしっかりと捉えて欲しい気はしますが,これでも十分に良好です。
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ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
ベートーヴェン:ロマンス第1番ト長調作品40,第2番ヘ長調作品50
サルヴァトーレ・アッカルド Salvatore Accardo (弾き振り)
オルケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ
2005年2月 トリノ
FONE143SA (P)(C)2015 Audiophile Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。アッカルドの弾き振りとのことです。2005年ということですので,64歳の時の録音ですね。かつてのキレはないかもしれませんが,明るく艶やかな音色は健在,円熟した素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

録音ですが,ソロは少し響きを伴いながらも明瞭で細やかなニュアンスまで伝えてくれる好録音です。オーケストラはその後で自然な広がりを持って聴こえ,ソロとの対比,分離もきちんと取れていて,協奏曲の録音として好ましく,私でもまずまず納得できる出来です。
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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
リサ・バティアシュヴィリ Lisa Batiashvili (Violin)
ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン
Berlin, Funkhaus Nalepastraße, 6/2015(Tchaikovsky), 7/2016(Sibelius)
00289 479 6038 (P)(C)2016 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

どちらの協奏曲も非の打ち所がありません。技術面の完璧さはもちろんのこと,表現においてももうこれ以上望むことがないくらいです。チャイコフスキーは技術の誇示に走ることなく,力強くも美しさと歌心が追求されていますし,シベリウスではさらにスケールの大きな演奏が展開されています。オーケストラもソロに合わせて変幻自在な表情を見せていて良いと思います。

さて録音なのですが,やや残響が多めであり,その響きがソロに付帯音としてまとわりついて音色を曇らせ,透明感を奪っています。生々しさがなく,微妙な質感も失われて少しもどかしさを感じます。オーケストラを含めて演出されパッケージングされた音楽としてちょっとまとめ過ぎと思います。音の滑らかさ,ダイナミックレンジ感などオーディオ的なクオリティは高いと思いますが。せめてもう少しソロをクリアに,生々しい質感を残して録って欲しかったと思います。一般的な評価は高いかもしれませんが,私としてはこの冴えない録音は少し残念です。
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ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲集
ルーシー・ホルシュ Lucie Horsch (Recorder)
アムステルダム・ヴィヴァルディ・プレーヤーズ
2016年7月 アムステルダム,ゲラルドゥス・マイェッラ教会
4830896 (P)(C)2016 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ヴィヴァルディのリコーダー協奏曲ハ長調RV.443が収録されているのでこれは聴かなければなりません! 同曲はミカラ・ペトリの素晴らしい演奏が私のリファレンスとなっており,特にフィリップス盤は録音も良くもう何百回聴いたかわかりません(→レビュー記事)。演奏者は17歳! どのような演奏を聴かせてくれるのか興味津々。

それでこの曲,なんでト長調って書いてるのかと思ったらソプラニーノじゃなくってソプラノで吹いているからなんですかね。テクニックの巧さ,安定感はさすがメジャーレーベルに登場するだけのことはありますし,音色の美しさも格別ですね。素直でかつ若々しく弾ける音楽が魅力的です。ミカラ・ペトリのように長く第一線で活躍出来る奏者に育って欲しいですね。それにしても...この曲はやっぱりソプラニーノで聴きたかった!

バックは小編成のバロックアンサンブルで,古楽の雰囲気が強く香ります。ヴィヴァルディなので当たり前と言えば当たり前なのですが,個人的にはもう少しモダンな感じで聴けたらうれしいのになぁと思ってしまうのはやっぱりミカラ・ペトリの印象が強すぎるからでしょうか。

さて録音ですが,少し残響は多めで楽器音に被り,わずかに音色を曇らせていますが,影響はそれほど大きくなく,リコーダーの透明感のある音色は十分に楽しめますし,バックの個々の楽器の質感もそこそこ感じられて印象は悪くありません。よくある古楽の優秀録音の録り方ですね。もちろんもう少し響きを抑えてクリアに録って欲しいのですけどね。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲
イダ・ヘンデル Ida Haendel (Violin)
パーヴォ・ベルグルンド指揮/ボーンマス交響楽団
7, 8 July 1975(シベリウス), 12, 13 June 1977(ウォルトン) Guildhall, Southampton
TDSA-31(WQGC-43) (P)2016 Warner Music japan (国内盤) TOWER RECORDS Definition Series
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

歴史的名盤をSACDハイブリッドで復刻するタワーレコードの企画盤 Definition Series。このシベリウスもイダ・ヘンデルの代表盤で,シベリウスの協奏曲の演奏としても名盤として有名ですね。すでにCDを持っていたのですが,これは聴いてみなければと思い,入手しました。

この復刻は,「本国より取り寄せた96kHz/24bitのWAVデータを基本にSACD層用としてDSDに変換した後,マスタリングを行い,それとは別にCD層用としてもPCMでマスタリングを行いましたので,SACD層,CD層,それぞれ独立したマスタリングとなっております。」とのことで,CDやSACDの特徴を重視した個別のマスタリングが行われているそうです。なお今回の試聴はCD層です。

従来のCD(2002年に発売されたもの)と比較すると,中域の癖のある音色が軽減され,中低域の厚みが増し,より自然な音色となっていました。また,雑味が少なくなり滑らかになっており,クオリティの改善もなされているように思いました。

しかし... 元々の録音自体が良くないですね。さすがEMIという音質です。1975年といえばアナログ録音は十分成熟している時期ですが,それでこの音質はちょっと残念としか言いようがないです。名盤が可能な限り良い状態で残されるということは喜ばしいことに間違いなく,この点はタワーレコードに感謝したいと思うのですが,いくらリマスタリングを頑張っても素材の品位はカバーできないですね。
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ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第2集
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
ヘルマン・ボイマー指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

Großer Sendesaal, NDR Hannover, March 31 - April 4, 2014
cpo 777 846-2 (P)2015 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第1集が良かったヴァイトハースのブルッフ,第2集も聴いてみました。収録曲は次の通りです。

ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26
セレナーデ イ短調 作品75
アダージョ “イン・メモリアム” 作品65

ヴァイオリン協奏曲第1番は有名ですが,他の2曲は初めて聴く曲です。ヴァイトハースの演奏は第1集と同じく美しく情感に溢れています。奏者の個性が強く前面に顕れることはなく,ヴァイオリンの素晴らしさ,これらの曲の素晴らしさを素直に表現した普遍的な魅力を持った演奏ではないかと感じます。確かな実力を持った中堅ヴァイオリニストらしい好演奏だと思います。

録音も第1集と同様で,ヴァイオリンの美しい音色を堪能できますし,オーケストラとのバランスも適正範囲内です。残響感も適度であり,音色をくすませたり明瞭度を落としたりすることがありません。やはりもう少しソロにフォーカスして欲しいとは思いますが。

これは本当に第3集が楽しみです。
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ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第1集
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
ヘルマン・ボイマー指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

Großer Sendesaal, NDR Hannover, June 24-28, 2013
cpo 777 833-2 (P)2014 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

バッハの無伴奏ヴァイオリンが素晴らしかったので他の演奏も聴きたくなり見つけたのがこのブルッフのディスク。収録曲は次の通りです。

ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調作品44
スコットランド幻想曲作品46
アダージョ・アパッショナート作品57

ヴァイオリン協奏曲第2番は第1番に比べるとずっと演奏される機会が少ない曲で,実は私も聴くのが初めてなのですが,作品としては別に劣っているわけでもなく,もっと演奏されても良いのではと思いました。そしてこのヴァイトハースの演奏は,期待に違わぬ美しく情感豊かな佳演だと思いました。技術的にも万全です。

録音ですが,協奏曲らしくソロ・ヴァイオリンを明瞭かつ美しい音色で捉えており,またオーケストラもソロを邪魔しない絶妙のバランスで,広がりとスケール感のある録り方で収められています。多少の残響感はありますが,悪影響は最小です。ヴァイオリン協奏曲の録音としてかなり良いと思います。個人的にはソロをもう少しフォーカスしても良かったのではないかと思うのですが,誇張のない自然なバランスなので,これでも十分納得できます。cpoレーベルの録音は比較的私の好みに合うものが多いと思います。

このディスクはブルッフのヴァイオリンと管弦楽のための作品全集のVol.1とのことで,続編として有名なヴァイオリン協奏曲第1番を収めたVol.2がすでに発売になっています。今後ヴァイオリン協奏曲第3番を収めたVol.3がリリースされるのではないかと期待しています。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
フェリックス・コッホ/ノイマイヤー・コンソート
Felix Koch / Neumeyer Consort
September/October 2013, Roter Saal, Hochschule für Musik Mainz (Germany)
CHR 77400 (P)(C)2016 Christophorus (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

バロック楽器による演奏。全体に速めのテンポできびきびと,そしてメリハリの効いた胸のすく気持ちのよい音楽。そして鮮烈過ぎず中庸の範囲に収めていて聴きやすいです(第6番の第1楽章だけはかなりアグレッシブですが)。一人一人の技量も高いですし,アンサンブルも良好です。数多の録音の中で突出した特徴があるわけではありませんが,平均水準の高い好演奏と言えるのではないかと思います。

録音ですが,すこしオフマイク気味であり,特に弦楽器の捉え方が弱々しく,不明瞭で細かい音型が聴き取りづらいです。管楽器はそれに比べるとまだマシです。全体的に中低域が希薄でスカスカし,音に力と厚みがありません。録音会場の響きを活かし,雰囲気のある録音にまとめているとも言えますが,もう少し個々の楽器の質感を明瞭に,強めに出して欲しいところです。惜しいと思います。

余談ですが,この団体には日本人と思われる方が参加しておられます。Shogo Fujiiさん(Oboe),Yoko Tanakaさん(Viola),Mizuki Tanabeさん(Cello),Mio Tamayamaさん(Bass)の4名です。海外の団体での日本人のご活躍はうれしいですね。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
カペラ・サヴァリア Capella Savaria
June 14-19, 2015 at Bartók Concert Hall, Szombathely, Hungary
HCD 32786-87 (P)(C)2016 Fotexnet Kft (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器による演奏。ハイドンのヴァイオリン協奏曲でソロを務めたジョルト・カッロー(Zsolt Kalló)がディレクションしています。リズムが立った鮮烈な印象を残す演奏で,管楽器のある曲は管楽器のウェイトが大きく,ややガチャガチャと騒々しいです(録音のせいもあると思います)。溌剌として快活なところは良いのですが,もう少し落ち着きと美しさやニュアンスの豊かさが欲しい気もします。

そして録音なのですが,それぞれの楽器をオンマイクで鮮明に録っているような録音なので,明瞭感,解像感,そして分離感は抜群です。その一方で,自然さは失われ,騒々しさを助長しているようにも思います。もう少し適切な距離感で録っていれば自然さと明瞭さのバランスの取れた最高の録音になっていたかもしれません。個人的には結構好きな録音なのですが,上記の理由で他の人に勧められるかというとちょっと微妙かなと思います。
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エルガー:チェロ協奏曲ホ短調作品85
ホルスト:祈りH75作品19-2
ウォルトン:チェロ協奏曲
I. ホルスト:無伴奏チェロのための「落ち葉」
スティーヴン・イッサーリス Steven Isserlis (Cello)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
2014年11月14日,2015年4月10日 ヘンリー・ウッド・ホール
CDA 68077 (P)(C)2016 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

主にエルガーのチェロ協奏曲へのコメントです。イッサーリスのチェロは熱く語りかけるような迫力,繊細かつ力強く張りのある音色が素晴らしいですね。イッサーリスらしさが遺憾なく発揮された躍動感と情緒感に溢れる演奏です。パーヴォ・ヤルヴィのバックもソロをしっかりと支えていますし,このロンドンの曇天を想起させる(^^;モノトーンの印象の強い同曲を階調豊かに描き出していると思います。

さて録音ですが,ソロはやや響きが被って高域の伸びが今ひとつであり,音色がくぐもって聴こえます。オーケストラはソロとは異なる残響感がありますが,ソロを浮き立たせるように後方に広がるため,協奏曲のバックの録音としては悪くないと思います。ダイナミックレンジを自然に保つためか,録音レベルがやや低めに設定されていて,その結果として全体に少し精彩のない音になってしまっているような気がします。総合的には決して悪くはないと思うのですが,いまいち冴えないのは本当に惜しいと思います。

なお,最後に収録されている曲の作曲者であるイモージェン・ホルストは,グスタフ・ホルストの娘さんだそうです。
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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番,第3番,第4番
フランク・ペーター・ツィンマーマン Frank Peter Zimmermann (Violin)
ラドスラフ・スルク指揮/バイエルン放送室内管弦楽団
2014年3月6-8日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
CD 98.039 (C)2015 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第2番,第5番
モーツァルト:協奏交響曲K.364
フランク・ペーター・ツィンマーマン Frank Peter Zimmermann (Violin)
アントワーヌ・タムスティ Antoine Tamestit (Viola)
ラドスラフ・スルク指揮/バイエルン放送室内管弦楽団
2015年6月28日 ミュンヘン,ヘルクレスザール
HC15042 (C)2015 hänssler CLASSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

第1番,第3番,第4番のディスクは以前取り上げていました。第2番,第5番が発売となり,全曲が揃いました。ツィンマーマンは20歳台前半にハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団との競演でEMIに全集録音をしていますが,これはおよそ28年ぶりの全集ということになります。

モダン楽器による演奏で,気品の感じられる,そして透明感ある音色がとても美しい,歌心溢れる表現に胸のすく思いのする素晴らしい演奏です。モダン楽器の良さ,らしさを最大限に発揮しているところが最高に良いです。1回目の全集に比べて硬さが取れ,ずいぶんと柔軟であり,また生命力に溢れています。どちらかというとモーツァルトを楽しむというよりはツィンマーマンの個性的な演奏を楽しむディスクだと思います。

録音も良好です。ソロはわずかに残響のまとわりつきがありますがほとんど気にならないレベルであり,明瞭かつ透明感があり,高域のヌケも良く気持ちよく聴くことが出来ます。バックのオーケストラはもう少し残響感が多めですが,この差がソロを浮かび上がらせる効果を持っています。各楽器の分離も悪くありません。協奏曲の録音として良くまとまっていると思います。バランス的には高域寄りでサウンドとしては少し軽く腰高な感じがしますが,全く問題ありません。

演奏も録音も良い全集です。
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アデス:ヴァイオリン協奏曲「同心軌道」
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
シベリウス:ユーモレスク作品87-2, 作品89-2, 3
オーガスティン・ハーデリッヒ Augustin Hadelich (Violin)
ハンヌ・リントゥ指揮/ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
2013年6月21-24日 リヴァプール,ザ・フライアリー
AVIE AV2276 (P)(C)2014 Augustin Hadelich (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ハーデリッヒはハイドンのヴァイオリン協奏曲テレマンのファンタジアのモダン楽器らしい演奏が印象に残っています。このシベリウスはスケールの大きい巨匠的というか伝統的?なスタイルで,ちょっとコテコテ感のある濃い表現がなされていて聴き応えがあります。シベリウスよりも演奏者の個性がやや勝っている気がします。昨今のクールでスマートな演奏とはだいぶ印象が違いますが,これはこれで良いかと。オーケストラも良いのですが,時折気の抜けたように緩んでしまうところがありますね(もっともこれは好みの問題ですが)。

アデスの協奏曲は現代曲で面白さが今ひとつわかりませんでした(^^;。これはちょっと苦手です。

さて録音ですが,ソロがやや遠めで,響きで音の濁りが感じられるものの,オーケストラより一段明瞭に捉えられていてはっきり聴き取れるのは良いと思います。しかし,やはり響きの影響で高域の伸びがなく詰まった感じに聴こえるのは残念です。もう少し寄ってクリアーに録って欲しいところです。さらにオーケストラではごく一部の箇所で,フォルテッシモで飽和して歪みで汚くなってしまっているところがあります。惜しい録音です。
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JOHANNES BRAHMS CYCLE
収録曲: ブラームス/交響曲全集,ハイドンの主題による変奏曲,大学祝典序曲,悲劇的序曲,ヴァイオリン協奏曲,ピアノ協奏曲第1番・第2番
ユリア・フィッシャー Julia Fischer (Violin)
イェフィム・ブロンフマン Yefim Bronfman (Piano)
フランツ・ヴェルザー=メスト指揮/クリーヴランド管弦楽団
Belvedere Label BELVED08005 (輸入盤) (*DVD)
好録音度:★★★★☆(ヴァイオリン協奏曲)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ヴェルザー=メスト指揮/クリーヴランド管弦楽団による2014年から2015年にかけて収録されたブラームス・ツィクルスのライヴ映像です。クリーヴランド,ウィーン,ロンドンの3つの会場で収録されています。Blu-ray Disc版とDVD版の2種類リリースされており,私が聴いたのはDVD版の方です。

今回はユリア・フィッシャーがソロを務めるヴァイオリン協奏曲へのコメントです。映像で見る彼女の演奏は端正で全く無駄のない動きが美しく,また一点の迷いもなく自信に満ちていて堂々としています。そしてそこから出てくる音は見た目以上に力強く推進力があり,熱がこもったライヴらしい高揚感を持っています。さらに卓越した技術で正確無比に弾ききっています。このような素晴らしい演奏が映像で鑑賞できるというのは本当にうれしいことです。

録音ですが,少し残響を伴いながらも,ソロは明瞭でニュアンスが豊かであり,またオーケストラはステージの広がり感とそれぞれの楽器の質感が良く感じられます。またソロとオーケストラのバランス,分離感も適切に感じられ,協奏曲の録音としてまずまず良好と言えると思います。ライヴ録音としても自然で演出感も控え目であり,映像との違和感もありません。オーディオ的に魅力のある録音ではありませんが,クオリティは悪くないと思いますし,欠点が少ない好録音だと思います。

他の収録曲はまた別途...

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ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, イ長調 Hob VIIa:3,ト長調 Hob VIIa:4
ジル・コリャール Gilles Colliard (Violin)
トゥールーズ室内管弦楽団
Studio Elixir du 28 au 30 octobre 2009
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

ハイドンのヴァイオリン協奏曲も,見つけると手を出してしまう大好きな曲です(^^;。

バックを務めるトゥールーズ室内管弦楽団の弦楽器の編成は[3-3-2-2-1]と少人数です。ソロを務めるジル・コリャールは2004年から音楽監督とのことです。

モダン楽器による演奏と思われますが,バックを含めてピリオド奏法を取り入れているのではないかと思います。躍動感があり,溌剌としていて気持ちの良い演奏です。技術的にも問題ありません。ニュアンスが豊かで,また,前向きで推進力があるところが良いと思います。バックのアンサンブルも引き締まっていてこの点でも好印象です。

録音ですが,残響は控え目であり,演出感のない生録的な親近感のあるリアルな雰囲気が好印象です。直接音主体に分離感も良く,明瞭感もあるのですが,なぜか若干高域の帯域が狭く感じられます。バランスの問題だと思うのですが,わずかにヌケが悪く感じられるのが本当に惜しいと思います。バックも個々の楽器の質感が感じられ,また,ステージの広がりも感じられます。繰り返しになりますが,帯域感の不足だけが残念でなりません。私としては好きな録音です。

ディスクは入手困難ではありませんが,少々入手しづらい状況です。Apple Musicでも見あたりませんが,Amazonの音楽配信での扱いはありました。

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グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調作品82
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
シベリウス:ヴァイオリンと弦楽のための組曲作品117
グラズノフ:グランド・アダージョ
エスター・ユー Esther Yoo (Violin)
ウラディーミル・アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
2014年3月 ロンドン,クロイドン,フェアフィールド・ホール
4812157 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

Apple Musicでの試聴です。

エスター・ユーはアメリカ生まれのヨーロッパ育ち,ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールのジュニア部門,第10回国際シベリウス・ヴァイオリン・コンクール,2012年のエリザベート王妃国際音楽コンクールなどでの受賞歴を持つ実力者とのことです。

ということだけあって,さすがに上手い! 力強く,しかし細部まで極めて丁寧に弾いています。豊潤で美しい音色が素晴らしいです。真摯で若者らしい謙虚さが好印象ですが,少し堅く真面目にまとめすぎているようにも思います。ピチピチとはじけるような演奏が聴きたいですね。今後の活躍に期待!

録音ですが,残響感はあまりありませんが,ソロがやや遠目で直接音よりも初期反射音が多いのか音色に濁りが感じられます。ソロはもっと透明感と輝きが欲しいところです。オーケストラは協奏曲として標準的なイメージですが,スケール感とレンジ感があって良いと思います。ソロの録り方が本当に惜しいです。
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ラロ:スペイン交響曲ニ短調作品21
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン作品20
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26(*)
ルノー・カプソン(Vn)/パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団
2015年5月27,28日(*),9月1,2日 フィルハーモニー・ド・パリ
ERATO 2564698276 (P)2016 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集が素晴らしく,それ以来気になるヴァイオリニストになったルノー・カプソン。エラート・レーベルのものは録音も良さそうなので,Apple Musicで聴いてみました。

何を弾かせてもスマートで格好いいですね。技術的にも上手いですし,アクが強くなりがちな曲においても美音でキレ良く聴かせてくれます。さすがです。

さて録音ですが,オーケストラに対してソロが若干フォーカス気味に捉えられているので,協奏曲として聴きやすく,ソロを堪能できる好録音と言えます。わずかに誇張されているので不自然さが残りますが,これで良いと思います。オーケストラも残響を伴いながらもタイトに録られていて,質感豊かな締まりのあるサウンドが心地よく響きます。まずまずの好録音です。
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ハイドン:ヴァイオリン協奏曲集
ハ長調 Hob VIIa:1, イ長調 Hob VIIa:3,ト長調 Hob VIIa:4
ジョルト・カッロー Zsolt Kalló (Violin)
ニコラス・マクーギガン指揮/カペラ・サヴァリア
April 18-19, 2015 at Bartók Concert Hall, Szombathely, Hungary
Hungaroton HCD 3271 (P)(C)2015 Fotexnet Kft. (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Amazon.co.jpApple Music

ピリオド楽器による演奏。実に素直。曲を変にいじることなくストレートに表現しているのが好印象です。音色の美しさも特筆できます。ピリオド色が薄く聴きやすいです。技術的にものすごくキレるわけではありませんが,全く不足なし。好演奏。

そして録音なのですが,ソロはわずかに響きを伴いながらも適度な距離感の直接音主体の捉え方で,オーケストラよりも一段浮き上がって聴こえます。誇張された録音ではありますが,協奏曲の録音として好ましいと思います。ソロの音色がクリアで美しくニュアンス豊かなのは本当にうれしいです。私にとっては音場の自然さよりも断然優先されますので。ちょっとオマケですが五つ星としました。Hungarotonの録音は私の好みに合うものが多いと思います。
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ヴィヴァルディ:最後の協奏曲~ブルノのコッラルト伯爵のカタログより
ファビオ・ビオンディ Fabio Biondi (Violin & Direction)
エウローパ・ガランテ Europa Galante
2014年6月16-18日,サン・バシリーデ教会(バディーア,カヴァーナ,イタリア)
Glossa GCD 923402 (P)(C)2015 note 1 music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Musice-onkyo

2015年度レコードアカデミー賞 特別部門 録音 の受賞ディスク。これは一応聴いておかなければと思い入手しました。

演奏はさておき,録音ですが,トゥッティは残響豊富,残響時間も長く,でものすごい濃い癖の強い音響です。残響量の割には楽器音は明瞭なのですが,やや混沌としてやかましく感じられます。ヴァイオリンソロも残響を伴っているものの,ニュアンス豊かで音色も美しく,また,トゥッティより一段浮き上がる録り方をしているため,協奏曲の録音としては好ましく思います。もう少しすっきりと仕上げて欲しかったと不満は残るものの,ソロの美しさ,協奏曲録音としての好ましさから,十分好録音と言えると思います。オーディオ的なクオリティも高く,残響を好ましく思う方であれば確かに優秀録音かもしれません。
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レントヘン:ヴァイオリン協奏曲集
リーザ・フェルシュトマン Liza Ferschtman (Violin)
ダヴィト・ポルセリーン指揮/ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団
Ludwigshafen, Philharmonie, April 13-18, 2009
cpo 777 437-2 (P)2011 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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レントヘン:チェロ協奏曲全集(第1番~第3番)
グレゴール・ホルシュ Gregor Horsch (Cello)
ダヴィト・ポルセリーン指揮/オランダ交響楽団
Enschede Musikzentrum, June 2006
cpo 777 234-2 (P)2013 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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レントヘン:ピアノ協奏曲第2番,第4番
マティアス・キルシュネライト Matthias Kirschnereit (Piano)
ダヴィト・ポルセリーン指揮/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー
Großer Sendesaal, NDR Hannover, May 5-9, 2008
cpo 777 398-2 (P)2011 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

秘曲の宝庫!?(^^;,cpoレーベルから。Apple Musicでの試聴です。未知の作曲家の協奏曲を聴いてみました。

ユリウス・レントヘン(またはレントゲン Julius Röntgen 1855-1932)は,オランダで活躍したドイツの作曲家,音楽教師で,ブラームスとも交流があり,ブラームス本人の指揮でピアノ協奏曲第2番を演奏したり,アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の創設にも尽力したとのこと。交響曲18曲,ピアノ協奏曲7曲,ヴァイオリン協奏曲3曲,チェロ協奏曲3曲,弦楽四重奏曲22曲,などを含め,600曲を越える作品を残したとのことです(以上,Wikipediaより)。

今まで全く名前すら知らなかった作曲家の作品ですが,美しくロマンティックなメロディが溢れる佳作揃いで聴き応えがあります。まだ聴き始めたばかりなのでもう少しじっくりと楽しみたいと思っています。交響曲の録音もいくつか出ていますので,こちらも聴いてみようかと。弦楽四重奏曲も多数残しているようですが,こちらの方はまだ録音を見つけられていません。個人的にはもう少し評価されても良い作曲家ではないかと思っております。

録音ですが,協奏曲の録音として標準的であり,オーケストラに対してソロが明瞭に聴こえる点が良いと思います。特に優れているという感じではないのですが,欠点が少ないという点でまずまずの好録音だと思います。

私にとってApple Musicはこういう未知の楽曲との出会いをサポートしてくれる強力なツールです。そしてcpoレーベル,いいですねぇ。
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ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番Sz.36(*)
ジャニーヌ・ヤンセン Janine Jansen (Violin)/アントニオ・パッパーノ指揮/ローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団/ロンドン交響楽団(*)
2015年2月21-24日 ローマ,聖チェチーリア国立音楽院,2014年8月26日 ロンドン,ウォルサムストウ,アセンブリー・ホール
478 841-2 (P)2015 Decca Music Group Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

ヴィブラートをたっぷりかけ,ポルタメントを多用して濃厚に歌う,往年の巨匠を彷彿とさせる堂々たる演奏。近年スマートで整った演奏をする人が多くなり,これだけヴァイオリン臭をプンプンさせる演奏になかなか出会えない気がします。そして実にかっこいい! ヴァイオリンはこうでなきゃ,と言わせる強さと魅力を備えていると思います。

一方録音はというと,オーケストラはまあ普通でそんなに悪くないと思うのですが,ソロが引っ込み気味で,ニュアンスが感じ取りづらく,細部が聴こえてきません。イライラが募ります。この録音は本当に残念です。
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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
ダヴィド・グリマル David Grimal (Violin)
レ・ディソナンス Les Dissonances
2014年3月1日 パリ,シテ・ド・ラ・ミュジーク
LD006 (P)2015 Les Dissonances (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。(→気に入りましたので,結局ディスクを購入しました)

先日紹介したブラームスのヴァイオリン協奏曲と同時期に発売されたディスクで,同じく拍手のはいるライヴ録音です。やはり高い技術力を縦横無尽に活かした独特の節回しで,キレが良くスピーディで刺激的な音楽を展開しています。透明感と輝きのある音色もとても魅力的です。ワクワクする演奏ですね。素晴らしいです。オーケストラもこの奔放とも言えるソロにピッタリと驚くほどよく合わせています。

そして,この録音も素晴らしいです。残響は控えめでオーケストラもソロも明瞭で抜けの良さも申し分ありません。オーケストラは見通しが良く,ソロはさらにフォーカスされてオーケストラからくっきり浮き上がっています。弓が弦から離れる瞬間まで些細にニュアンスが伝わってきます。低域はあまり強調されておらずで少し腰高で高域の刺激が強いようにも思いますが,このクリアな音色は本当に魅力的です。ブラームスのヴァイオリン協奏曲の録音とは全く別物です。

演奏も録音も素晴らしい痛快な全集でした。

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