好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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モーツァルト:初期弦楽四重奏曲集Vol.1
収録曲: KV 80, 155, 159, 169, 170
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
20.06.-22.06.2016 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 307 1975-2 (P)(C)2016 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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モーツァルト:初期弦楽四重奏曲集Vol.2
収録曲: KV 156, 157, 168, 173
ライプツィヒ弦楽四重奏団 Leipziger Streichquartett
21.11.-23.11.2016 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 307 1976-2 (P)(C)2017 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

モーツァルトの初期の弦楽四重奏曲から9曲です。まだ4曲ありますのでVol.3が近いうちに出ると思いますが,とりあえずこの2枚のレビューです。ライプツィヒ弦楽四重奏団のモーツァルトはハイドン四重奏曲とプロシア王四重奏曲はすでに発売されています。ホフマイスターは第14番~第23番まで収録したセットには収録されているようでした(これは1枚ずつ買い揃えてきた者としては少々腹立たしいですが)。初期のVol.3がリリースされれば全集が完結すると思います。

この四重奏団は結成からの歴史も長く,常に安定したスタンダード路線の高水準の演奏を聴かせてくれていますが,この演奏も同じ路線であり,個性を主張するようなところはなく,曲そのものの魅力を誠実に,そしてサラッと爽やかに表現して聴かせてくれます。長く付き合えそうな演奏で私は好きですね。

そしてこの録音がまた良いのです。残響感はそれなりにあり音場感もありますが,直接音が主であり,クリアで透明感のある音色が堪能できます。過去リリースされてきたモーツァルトのディスクよりも一段良くなっています。室内楽の録音として標準的な印象であり,その中で上手くまとめた好録音だと思います。

Vol.3のリリースが楽しみです。
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ハイドン:弦楽四重奏曲作品76「エルデーディ四重奏曲」第1番~第3番
エルデーディ四重奏団
2002年4月 東京都下三鷹市 風のホール
PAU-0001 (P)2002 PAU CD (国内盤)
好録音度:★★★
参考: 公式Webサイト

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品76「エルデーディ四重奏曲」第4番~第6番
エルデーディ四重奏団
2004年2月25~27日 山梨県牧丘町文化ホール
PAU-0002 (P)2002? PAU CD (国内盤)
好録音度:★★★
参考: 公式Webサイト

おぉ!これは驚くほど完成度が高いですねぇ!一音たりともおろそかにせず,細部に至るまで神経を行き届かせ,整然と,きっちりと仕上げていますね。オーソドックスで特徴的なところはそんないないのですが,ここまで極められると「お見事!」と言うしかありません。生真面目な日本人の美質が活かされた素晴らしい演奏だと思います。

しかし,この録音はいけません。残響が多く,また直接音よりも残響が支配的なために,音色は大きくくすみ,全く冴えません。ニュアンスもかなり失われ,楽器の質感も感じ取りにくいです。残響が音楽的にまったくプラスに働かず,鑑賞の邪魔にしかなっていません。せっかくの素晴らしい演奏を台無しにしています。少々厳しめですが抗議の意味を込めて三つ星評価です。

録音が良ければ間違いなく愛聴盤になっていたと思うのですが...残念でなりません。

エルデーディ弦楽四重奏団は1989年に東京芸術大学の卒業生で結成された弦楽四重奏団とのことです。メンバーは蒲生克郷(Vn),花崎淳生(Vn),桐山建志(Va),花崎薫(Vc)。

このディスクは一般には市販されていないのか,店頭や通販ショップでも見かけません。公式Webサイトからメールで注文して購入します。
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ベッカー:ソナタと組曲
パルナッシ・ムジチ Parnassi Musici
詳細不明 (P)2000 cpo (輸入盤) ※Apple Musicで試聴
好録音度:★★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

秘曲の宝庫CPOレーベルから。Apple Musicでたまたま聴いたこのアルバムが演奏も録音も大変良かったので取り上げたいと思います。聴く限りはヴァイオリン2本(?)と通奏低音(チェロ,テオルボ,チェンバロ,オルガンなどでしょうか)のピリオド楽器アンサンブルです。作曲者のディートリヒ・ベッカー(Dietrich Becker, 1623年頃 - 1679年頃)はWikipediaによるとバロック音楽期のドイツのヴァイオリニスト・作曲家とのことです。

特に録音が気に入りました。優秀録音というわけでもありませんし,オーディオ品質が高いというわけでもないのですが(もちろん全く問題のないレベルです),聴いていて<全く>不満を感じない,ストレスを感じないという点で文句なしの五つ星の好録音です。

楽器音を邪魔する要素が全くなく,低域から高域までバランスが取れて自然であり,高域の伸び,音の透明感も申し分なく,美しい音色を堪能できます。距離感も適切です。ステージの立体感もそれなりに感じられますが,録音会場の響きはほとんどないので空間性はあまりありません(私としては全く問題ありません)。

これが好録音なの?と思われる方もおられるかもしれませんが,こういう何気ない普通の録音が良いのです。

このディスクはすでに廃盤になっているのか,入手困難ではありませんが,入手しづらい状況のようです。こういう音源が聴ける状況になったのは本当に有り難いことですね。ちなみにApple Musicで公開されている他のParnassi Musiciの録音を幾つか聴いてみましたが,その中で録音に関してはこれが一番良いように思いました。
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ブラームス:弦楽六重奏曲第1番作品18,第2番作品36
ルノー・カプソン(Violin),クリストフ・コンツ(Violin),ジェラール・コセ(Viola),マリー・シレム(Viola),ゴーティエ・カプソン(Cello),クレメンス・ハーゲン(Cello)
Live from Aix-en-Provence Easter Festival 2016
Warner Erato 9029588837 (P)(C)2017 Parlophone Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

弦楽四重奏にヴィオラとチェロが加わるだけでこんなにサウンドが変わるんですね。響きの重心が下がりとても厚くなります。そして名手が顔を揃えた演奏ということもあって,室内楽のアンサンブルの妙に加えて個々人の技で曲が映えます。さらにライヴということもあって情熱あふれる演奏が繰り広げられています。ブラームスの若々しい楽曲がこのような優れた演奏で聴けるのは本当にうれしいことです。

さて録音なのですが,音楽祭でのライヴ録音ですが,少し残響を伴っていますが,個々の奏者の楽器音を的確に捉えていてバランス良くまとまっています。私としてはもう少し生々しく,またすっきりと見通しよく録って欲しかったところなのですが,それでもまずまず良く録れている方だと思います。

タグ : [室内楽曲]

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品33
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
Concert Hall, Wyastone Estate, Monmouth, on 25-30 June 2012
CDA67955 (P)(C)2013 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品50
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
Potton Hall, Dunwich, Suffolk, on 24-28 October 2014
CDA68122 (P)(C)2016 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品54, 作品55
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
Potton Hall, Dunwich, Suffolk, on 5-10 November 2015
CDA68160 (P)(C)2017 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

少し前に作品9,作品17,作品20を取り上げた続きです。全集に向けて録音されているのかはわからないのですが,現在作品番号順に作品55まで発売されています。演奏スタイルはこれまでの録音と変わらず一貫していますが,より大胆に変化を付ける表現が増えているようには思います。技術的にも上手いですし,響きの美しさも特筆できますし,ハイドンとしてはロマンティックで,かつ素直な表現にも好感を持ちました。今後の録音が楽しみです。

録音ですが,作品33と作品50は少し残響が気になるものの,音の透明感,輝き,伸びが感じられ,ストレスなく聴くことが出来る好録音です。一方作品54, 55はややマイクポイントが遠く,音色がくすみがちで楽器の質感も失われてしまっていますし,音場の広がり感も少し希薄です。そんなに悪くはないのですが,作品33, 50と同じ録音で統一して欲しかったところです。惜しいです。今後の録音が元に戻されることを切に希望します。
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モーツァルト:弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」
ペーターセン四重奏団 Petersen Quartett
Funkhaus Berlin, 1990/91
08-10 605 (P)1992 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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モーツァルト:弦楽四重奏曲集「プロシア王」
ペーターセン四重奏団 Petersen Quartett
録音不明
10 434 (P)1992 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV OnlineiconApple Mujsic

ハイドン・セットはCDで,プロシア王はApple Mujsicで聴きました。ペーターセン四重奏団はベートーヴェンの弦楽四重奏曲も10曲録音しており,現代的で洗練された演奏がなかなか良かったのですが(→レビュー記事),その少し前に録音されたモーツァルトの作品も生き生きとした躍動感のある演奏で聴かせてくれます。有名な団体ではないと思いますが,侮れません。

録音ですが,直接音を主体に録ってはいるものの,残響が少し多めで現実感の希薄な演出された商品の録音になってしまっているのが惜しいです。悪くはないのですが,もう少し生々しさが欲しいと思いました。

ハイドン・セットの方は廃盤になって久しいようで,ディスクの入手は少々しづらいようです。プロシア王の方はまだ少し流通しています。いずれもApple Musicで聴けるのは有り難いことですね。
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ハイドン:弦楽四重奏曲作品9
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
St Paul's Church, Deptford, on 28-31 January and 2 February 2007
CDA67611 (P)(C)2007 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品17
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
St George's Brandon Hill, on 6-11 August 2008
CDA67722 (P)(C)2009 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品20「太陽四重奏曲集」
ロンドン・ハイドン四重奏団 The London Haydn Quartet
All Saints' Church, East Finchley, London on 6-10 September 2010
CDA67877 (P)(C)2011 Hyperion Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器での演奏。急速楽章は快活ですが,全体としては柔らかいタッチが印象に残ります。そして美しくロマンティックな節回し。気負いなく素直に表現していて好感が持てます。私の初期の弦楽四重奏曲のイメージを大きく塗り替えてくれました。特に作品17がこんなに魅力的な曲集だったのか!とちょっとうれしくなりました。おそらく全集を目指して作品9から順番に録音をしているのだと思いますが(2017年2月時点で作品55までリリース済み),これは楽しみです。

録音ですが,それぞれ異なる場所で録音されています。作品17が最も良く,残響を控え目に透明感ある美しい音で楽器音を捉えています。次いで作品9で,やや残響感は多めですが,直接音が主体で曇りのない音で録られています。作品20はやや残響が多めでマイクポイントも遠めであり,音色が少し曇っています。許容範囲ですが,作品17のように録ってくれなかったのが残念です。
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ハイドン:弦楽四重奏曲作品33「ロシア四重奏曲」第1番~第3番
The London Fox Players
録音不明
好録音度:★★★☆
(P)2006 Classic Fox Records
参考: Amazon.co.jpApple Music

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ハイドン:弦楽四重奏曲作品33「ロシア四重奏曲」第4番~第6番
The London Fox Players
録音不明
(P)2006 Classic Fox Records
好録音度:★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple Music

ディスクでの販売は見あたりません。配信のみと思われます。詳細がよくわかりません。The London Fox Playersという団体も全く情報が見つけられませんでした。弦楽四重奏団なのかどうかさえわかりません。モダン楽器による演奏のようです。技術的にはかなり巧いと思いますが,淡泊です。あまり曲をいじることなく素直にすっきり表現していて嫌いではありません。むしろ他の弦楽四重奏団の演奏にはない独特の味を出しているとも言えるかもしれません。あまり評価される演奏ではないかもしれませんが,私は楽しめました。

さて肝心の録音ですが,少々残響過多で演出が過ぎるように思います。明瞭感に乏しく音色も残響による影響で色がついてしまっています。もっとすっきりと見通しよく録ってほしいものです。
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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
ピエール・フシュヌレ Pierre Fouchenneret (Violin)
ロマン・デシャルム Romain Descharmes (Piano)
2015年3月5-9日 フランス,シェルブール,ル・トリデン
AP129 (P)(C)2015 Little Tribeca (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

グリュミオーを想起させる甘美な音色が美しいですねぇ。演奏は謙虚で丁寧,ちょっと大人し過ぎるようにも思いますが,彼の持ち味が活きる演奏ではあると思います。

録音ですが,わずかに残響感はあるものの控え目であり,楽器音に対する影響は少ないです。ヴァイオリンに対してピアノが後方に大きめに広がる点はヴァイオリン・ソナタの録音として適切に思います。ヴァイオリンの捉え方が少し弱めで音色がわずかにくぐもって聴こえるのがすごく惜しいです。もう少しクリアでヌケの良さが欲しかったです。悪くはないのですが...
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シェーンベルク,ベルク,ウェーベルン編曲~J. シュトラウス:ワルツ名曲集
マンフレート・ライヒェルト指揮/バーデン=バーデン合奏団
1977年6月 バーデン=バーデン,南西ドイツ放送局,ハンス・ロスバウト・スタジオ
BVCD-38062(82876-63134-2) (P)1977 deutsche harmonia mundi / BMGファンハウス (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

念願のディスクが手に入りました! LPでは持っていたのですが,CDを買い損ねてしまい,思い出す毎に探していたのですが,ようやく某中古CDショップで未開封品が1,000円を切る値段で!。見つけたときはちょっと小躍りしてしまいました(^^;。やはり「南国のばら」が聴けるのがうれしい。

収録曲は下記の通りです。

皇帝円舞曲(シェーンベルク編曲)
南国のばら(シェーンベルク編曲)
酒,女,歌(ベルク編曲)
わたしの恋人(ウェーベルン編曲)

編成は,フルート,クラリネット,ヴァイオリン×2,ヴィオラ,チェロ,ピアノ,ハーモニウム,です。オーケストラで演奏されるシュトラウスの曲にはあまり興味がわかないのですが(なのでニューイヤーコンサートも観ていません),室内楽版となると話は別です。こういうのが好きなんです。

録音ですが,ちょっとわざとらしい残響を伴っているのが気になりますが,各々の楽器をしっかりと捉えているので印象はまずまずです。演出が過ぎるのか現実感,自然さはあまりありません。録音としてはあまり好みではありませんが,まあ許容範囲内ではあります。

Amazon.co.jpではプレミア価格になっていますね。こういうのはタワーレコードさんの出番だと思うのですが,ちょっとマイナー過ぎて無理ですかね。

タグ : [室内楽曲]

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet
録音:1960年3月、ニューヨーク、RCAビクター・スタ ジオ
好録音度:★★★★★
参考: Apple Music

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番ヘ短調作品95
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番ヘ長調作品135
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet
録音:1960年4&10月、ニューヨーク、RCAビクター・スタジオ《★世界初CD化》
好録音度:★★★★★
参考: Apple Music

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シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調D.810「死と乙女」
シューベルト:弦楽四重奏曲第12番ハ短調D.703「四重奏断章」
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet

録音:1959年2月、ニューヨーク、米国芸術文学アカデミー
好録音度:★★★★★
参考: Apple Music

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ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet
録音:1959年5月、ニューヨーク、 スタジオ”B”
好録音度:★★★★☆
参考: Apple Music

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ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第11番ハ長調作品61
ヴォルフ:イタリア風セレナード
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet
録音:1959年5月、 ニューヨーク、スタジオ”B”《★世界初CD化》
好録音度:★★★★
参考: Apple Music

最初にお断りをしておきますが,拙ブログの以前からの読者様であれば「またか(^^;」と苦笑しながら読んでいただけると思うのですが,特に今回の録音評は「録り方,楽器音の捉え方」にフォーカスしたものであり,いわゆるオーディオ的クオリティの比率は低いとお考えください。

このリヴィング・ステレオのボックスシリーズは第3弾で,世界初CD化も多く含むそうです。上記のジュリアード四重奏団のディスクも2つが初CD化です。この中でベートーヴェンの第14番とシューベルトの死と乙女は,以前,TESTAMENTから発売されていたものを録音が素晴らしいということで紹介していました。

今回はApple Musicで試聴しました。CDと同じ音源かどうかは定かではありませんが,Apple Music上でのリリース日がいずれも2016年11月18日と,ディスクの発売日とほぼ同時期であることから同じ音源であろうと思われます。

この中ではやはりRCAビクター・スタジオで収録された1960年のベートーヴェンの2枚の録音が良いですね。第14番は音は痩せていて音色のバランスも崩れているものの,残響は皆無で適切な距離感で捉えられた楽器の生々しい質感が素晴らしく音楽がダイレクトに伝わってきます。好録音の良い見本です。第11番,第16番も録音の傾向は同じで,少し人工的な残響のまとわりつきが鬱陶しいものの,楽器音自体はシャープでキレがありこちらも演奏を存分に楽しむことが出来ます。

次に良いのが同じく1960年録音のシューベルトで,これも気になる残響は皆無と言って良く,極めてシャープでキレのよい録音です。音色のバランスはベートーヴェンよりも良いかもしれません。一方スタジオの録音現場の雰囲気,演奏者の存在感は希薄で,やや商品化された音づくりであり,これは善し悪しかなと思います。

ベートーヴェンの第14番とシューベルトの死と乙女はTESTAMENT盤に比べて今回のリマスターによって大幅に音質が改善され,音のヌケと解像感が良くなっています。特にシューベルトが格段に良くなっています。

ドビュッシー,ラヴェルとドヴォルザークは1959年の録音で,ベートーヴェン,シューベルトと比べるとクオリティ面でかなり落ちるため,基本的な録音の仕方は良いのですが,やはりだいぶ聴きづらくなってきます。これはちょっと惜しいですね。

とはいえ,ジュリアード四重奏団の録音がさらに良好な状態で復刻されたのは本当にうれしいことです。これはディスクで持っておきたいところですが,60枚組のセットなのでちょっと買うのをためらっています。分売してくれないですかね...

なおこの他のジュリアード四重奏団の演奏としては,エリオット・カーター,ウィリアム・シューマン,ベルク,ウェーベルンの作品のディスクが含まれています。

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Living Stereo - The Remastered Collector's Edition
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

で,最後にお決まりのいつもの愚痴です(^^;。それにしても,このRCAのリヴィング・ステレオやマーキュリーのリヴィング・プレゼンスなど,1960年前後という50年~60年も前にこれだけの素晴らしい録音をされていたというのが驚異的に思えてなりません。逆に,これらに比べて現代の録音はなんでこんなにつまらない,聴いていて全然面白くないのか,音楽の鼓動がまったく伝わってこないのか,腹立たしくなってきます。世界の多くの人々が名録音と認めるものがこれだけあるにもかかわらず,先人達の偉業から学ぶ気がまったくないとしか思えないです。残念なことです。
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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番,大フーガ
エディング四重奏団 Edding Quartet
LPH 023 (P)(C)2016 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

エディング四重奏団は,古楽オーケストラのシャンゼリゼ管弦楽団のトップ奏者で構成され,ピリオド楽器を使って演奏されているとのことです。終楽章は大フーガに置き換えられています。とても軽やかでスピード感がありキレの良い演奏を聴かせてくれます。アンサンブルも優秀です。特に混沌としがちな大フーガをサラッと弾いていてこんなに聴きやすい演奏はそんなにないと思います。ピリオド楽器であることがあまり意識されないのも良い点です。この演奏で他の曲も聴いてみたいです。

さて肝心の録音ですが,やや残響が多めで楽器音へのまとわりつきが気になりますが,楽器音自体は比較的近い距離で録られているのか,ニュアンスが十分に伝わってきて,これならまだ許せると思いました。もっと残響を抑えてクリアに録って欲しいのは言うまでもありませんが。

なお,カップリングとしてNorthernlightの演奏によるピアノと管楽器のための五重奏曲変ホ長調作品16が収録されています。
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番,第3番
ヒース四重奏団 THE HEATH QUARTET
2015年12月
HMU907665 (P)(C)2016 harmonia mundi usa (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

ヒース四重奏団は2002年に結成された英国の弦楽四重奏団ということでまだまだ若手ですが,英国を代表する四重奏団の一つとのことです。チャイコフスキーの弦楽四重奏曲といえばボロディン四重奏団の1979年の録音が大好きで今でもよく聴くのですが,この演奏があまりに良く,他の団体の演奏を聴いてもあまり良い印象のものがありませんでした。「これくらいやらないとこの曲は面白くないんだよ」というような印象を受けるのが多いのです(もちろんそんな思いで演奏していることはないと思いますが)。

さてこのヒース四重奏団の演奏ですが,実に誠実な演奏だと思います。同曲に対する敬愛の気持ちと謙虚さが感じられます。先に挙げたボロディン四重奏団の演奏との共通点があるように思います。気に入りました。

そして録音なのですが,残響を抑え直接音主体に捉えた明瞭な録音であり,各楽器の分離も良く,楽器の質感もそこそこ感じられます。音色に色づけがなく自然で美しいです。弦楽四重奏の録音としてかなり良いと思います。好録音です。
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ハイドン:弦楽四重奏曲集作品33「ロシア四重奏曲」
アポーニー四重奏団 Appónyi Quartet
May 1993, DLF Köln, Sendesaal
ARS MUSICI 232160 (P)1993 Freiburger Musik Forum (C)2009 M.A.T. Music Theme Licensing Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

フライブルク・バロック管弦楽団のトップ奏者で編成されたアポーニー四重奏団によるハイドンのロシア史重奏曲集です。ボッケリーニの弦楽四重奏曲集が良かったので,このハイドンも聴いてみることにしました。バロック楽器による演奏です。

快活で明るく音楽の喜びに溢れた演奏ですね。技術的にも申し分なく,透明感のある美しい響きが素晴らしいと思います。

そして録音なのですが,わずかに残響を伴っているものの,直接音を主体にすっきりと響きを美しく捉えています。もう一歩寄って楽器の質感を強めに録ってくれていたら完璧だったと思うのですが,これでも十分に好録音です。

私が探した限りでは,アポーニー四重奏団の演奏はボッケリーニとこのハイドンしか見つけられませんでした。もう少し多くの録音を残してくれたら良かったのに,と少々残念です。
NPR Music Tiny Desk Concertからもう一つ。アタッカ・カルテットは2003年に結成されたアメリカの弦楽四重奏団で日本人ヴァイオリニストの徳永慶子さんが第2ヴァイオリンで参加されています。2011年から2016年の6年間でハイドンの弦楽四重奏曲全68曲を演奏するプロジェクト「The 68」などを行ってきたとのことです。

ここでの演奏曲目は下記の通りです。6:15くらいから始まるハイドンがなかなか素敵です。そのほかの曲は...(^^;

Adams: "Toot Nipple"
Adams: "Alligator Escalator"
Haydn: "String Quartet in D, Op. 76, No. 5 — I. Allegretto"
Ippolito: "Smoke Rings"



残響のない環境での録音ですが,これも私にとっては理想に近い好録音です。
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ボッケリーニ:弦楽四重奏曲集
アポーニー四重奏団 Apponyi Quartet
録音不明
232182 (P)2010 Ars Musici (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。1990年代前半の録音と思われます。アポーニー四重奏団は,フライブルク・バロック管弦楽団のトップ奏者で構成されているということです。第1ヴァイオリンはゴットフリート・フォン・デア・ゴルツが務めています。バロック楽器での演奏です。

ボッケリーニはたくさんの弦楽四重奏曲を残していますが,このディスクではその中から作品32-5,作品44-4,作品26-4,作品8-6,作品33-5が収録されています。ボッケリーニの弦楽四重奏曲はあまり聴く機会がありませんが,確かにハイドンやモーツァルトの作品に比べると魅力には負けているかもしれませんが,こうして良い演奏で聴くとなかなか楽しいものです。

そして録音なのですが,少し残響を伴っていますが,適切な距離感で直接音を主体にすっきりと綺麗に録っているのが好印象です。もう少し残響を抑えてくれた方が私としては良いのですが,多くの方にとってバランスの良い,不満のない録音ではないかと思います。室内楽の録音は,せめてこんな感じで録って欲しいですね。

アポーニー四重奏団はハイドンの作品33「ロシア四重奏曲」も録音しており,こちらも聴いてみようと思っています。
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カーネギー・ホール・リサイタル
五嶋みどり Midori (Violin)
ロバート・マクドナルド Robert McDonald (Piano)
1990年10月21日 ニューヨーク,カーネギー・ホール
SICC-2007 (P)(C)1991 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ライヴ・アット・カーネギー・ホール
五嶋みどり Midori (Violin)
ロバート・マクドナルド Robert McDonald (Piano)
1990年10月21日 ニューヨーク,カーネギー・ホール
D4158 (P)(C)1991 Sony Music Entertainment (輸入盤) (*DVD)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

これももう説明の必要がない有名盤だと思います。五嶋みどりさんが19歳の誕生日を迎える数日前のリサイタルとのことです。DVDは発売当時に購入していましたがCDでは持っていなかったので,先日再発売盤が出たのを機会に購入することにしました。

収録曲は以下の通りで,DVDの方が収録曲が多いです。

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第25番ト長調K.301 (*DVDのみ)
R. シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調作品18
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調作品30-3
エルンスト:練習曲第6番「夏の名残りのばら」
ショパン:ノクターン第20番嬰ハ短調遺作
ラヴェル:ツィガーヌ
ドビュッシー:美しい夕暮れ
サラサーテ:スペイン舞曲集よりサパテアード (*DVDのみ)

この中ではエルンストの夏の名残のばらが大好きで何度も何度も鑑賞しました。この曲の他の奏者の演奏を幾つか聴いてみたことはありますが,テクニックが追いついていなかったり,テクニックの誇示に走りすぎたりしていて,この演奏のように完璧なテクニックを音楽表現に余すところなく活かした演奏は他になく,私にとってのベストの座は揺らぎませんでした。映像で観ることが出来るのもうれしいですね。

CDには収められていないアンコールのサパテアードも楽しい演奏なのですが,これは映像がないと楽しさ半減かもしれません。それもあって割愛されたのかもしれないですね。

さて録音なのですが,残念ながらこれがあまり良くありません。残響はそれほど多くはないのですが,やや明瞭感に乏しく,高域の伸び感も今ひとつで冴えないのです。そんなに悪くはないのですが,もう少し質感豊か伸びのある音で録って欲しかったですね。再発売盤で音質改善がされているかと期待したのですが,改善はされていないようでした。残念です。

エルンストの夏の名残のばらの映像がYouTubeにありましたので,未聴の方はぜひこの素晴らしい演奏に触れていただければと思います。

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J. シュトラウスII世:ワルツ集(室内楽編曲版),他
ボストン・シンフォニー・チェンバー・プレイヤーズ
録音データ不明 Apple Musicで試聴
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicTower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

アルバン・ベルク四重奏団のワルツ&ポルカ集を探している中で見つけたディスク。新ウィーン楽派3人の室内楽編曲版4曲が含まれます。「南国のばら」が収録されているのがうれしい。収録曲は下記の通りです。

J. シュトラウスII世:皇帝円舞曲作品437(シェーンベルク編曲)
J. シュトラウスII世:南国のばら作品388(シェーンベルク編曲)
J. シュトラウスII世:酒・女・歌作品333(アルバン・ベルク編曲)
J. シュトラウスII世:宝石のワルツ作品418(ウェーベルン編曲)
ストラヴィンスキー:管楽のための八重奏曲
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンと管楽五重奏のためのパストラーレ
ストラヴィンスキー:11の器楽のためのラグタイム
ストラヴィンスキー:12の器楽のためのコンチェルティーノ

なんでまたストラヴィンスキーとのカップリングなんだ?というところが不思議ですね。アメリカのオーケストラのメンバーによるワルツということでどうかなとは思いましたが,なんのなんの,優美で洒落た感じではありませんが,元気で活気のある楽しい演奏でした。ストラヴィンスキーは...未聴です(^^。

録音ですが,個々の楽器を明瞭に捉えた録音なのですが,残響も少し多めにあってやや楽器音に被り気味で音色が少し損なわれ,個々の楽器の質感が感じられそうで感じられないもどかさがあります。サロン的な雰囲気があるようで実はないところが少し半端な感じがします。また少し歪みっぽい感じがするのも良くないところです(Apple Musicだからというわけではないと思うのですが)。惜しいと思います。

これもおそらく廃盤で現役盤がないのではないかと思います。こういうのがカタログから消えていってしまうのは仕方ないとは思いますが残念ですね。Apple Musicで聴けるのが救いです。

室内楽編曲版では,リノス・アンサンブルの演奏が現役盤として入手できることがわかりました(→Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon)。機会があれば聴いてみたいと思います。

タグ : [室内楽曲]

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シュトラウス&ランナー:ワルツ&ポルカ集
アルバン・ベルク四重奏団 Alban Berg Quartet
1992年6月 ウィーン・コンツェルトハウス
TOCE-9872 (P)1994 EMI Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

ヨハン・シュトラウスI世,II世,ヨーゼフ・ランナーのワルツとポルカの室内楽版で,アルバン・ベルク四重奏団が中心となり,曲によってコントラバス,ハルモニウム,ピアノ,フルート,クラリネットが加わります。収録曲は以下の通りです。

J. ランナー:「マリア」ワルツ作品143
J. ランナー:シュタイアー風舞曲作品165
J. シュトラウスI世:ワルツ「ウィーン情緒」作品116
J. シュトラウスI世:アンネン・ポルカ作品137
J. ランナー:ワルツ「求婚者」作品103
J. シュトラウスI世:ポルカ「アイゼレトバイゼレージャンプ」作品202(ウェインマン編曲)
J. シュトラウスII世:宝石のワルツ作品418(ウェーベルン編曲)
J. シュトラウスII世:ワルツ「酒・女・歌」作品333(アルバン・ベルク編曲)
J. シュトラウスII世:皇帝円舞曲作品437(シェーンベルク編曲)

最後には新ウィーン楽派の3人の編曲が含まれています。学生の頃,バーデン=バーデン合奏団の演奏する新ウィーン楽派3人の編曲による室内楽版のLPを持っていて愛聴していたのですが(CDももしかしたら買っていたのかもしれないのだけど見つからない...),それを聴きたくてとある中古CDショップで探していたところ見つけたのがこのディスクでした。

バーデン=バーデン合奏団の演奏とはちょっと違う印象なのですが,それでもこれを聴いていると,熱心に聴いていた学生の頃を思い出します。こちらには「南国のばら」が入っていないのが少し残念でした。

録音ですが,残響を少し多めに取り入れた演出がかった録音で,残響で楽器の音色が少しくすみ,明瞭感は少し落ちるものの,室内楽の録音としてはまあ十分許容範囲に入ります。残響が許せる方なら問題ないかもしれません。私としてはもちろんもう少し残響を抑えてすっきりと録って欲しかったとは思います。

このディスク,とっくに廃盤になっているのですが,Webで探してもほとんど情報が出てきません。再発売等されているのかどうか不明です。アルバン・ベルク四重奏団の録音としてはキワモノ扱いなんですかね。私はこういうのも良いと思うのですが。もったいないと思います。
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モーツァルト:フルート四重奏曲全集
ジャン=ピエール・ランパル Jean-Pierre Rampal (Flute)
アイザック・スターン Isaac Stern (Violin)
サルヴァトーレ・アッカルド Salvatore Accardo (Viola)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ Mstislav Rostropovich (Cello)
March 12 & 13, 1986 Studio Cle d'Ut, Paris
SICC 30108 (P)(C)1987 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

Twitterでどなたかが紹介をしておられたのを見つけ,この顔合わせなら聴くしかない!と入手したディスク。というのも,ランパル,スターン,ロストロポーヴィチが演奏したハイドンのロンドン・トリオが演奏も録音も大好きな愛聴盤で,このモーツァルトでもその演奏が聴けるに違いない,と思ったからです。

そして,演奏はその期待を裏切られませんでした。巨匠たちによる肩肘張らないお気楽な室内楽。このモーツァルトの作品はこういう雰囲気が本当に似合います。

で,残念だったのが録音。先に触れたロンドン・トリオの録音は残響のないスタジオで親近感のわく音づくりが曲とぴったりとマッチして最高に良かったのですが,この録音もスタジオで録音されているにもかかわらず演出がきつく生の音がしません。CMに使われそうな作り物の音になってしまっています。せっかくの楽しい演奏を台無しにする録音に落胆しました。残念です。

蛇足ですが,ロンドン・トリオのディスクは廃盤になって久しく,AmazonやApple Musicでも配信されていません。あまりにもマイナーなディスクなので仕方ないかもしれませんが残念です。Amazon.co.jpで中古が辛うじて入手可能です。ご興味があれば是非聴いてみてください。

タグ : [室内楽曲]

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ハイドン:弦楽四重奏曲集作品76より「五度」「皇帝」「日の出」
ザ・サンライズ・クヮルテット The Sunrise Quartet
1998年3月13,14日 Xavier Chapel, Melbourne, Australia
PRCD-5282 (P)(C)1998 VICTOR ENTERTAINMENT (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

ザ・サンライズ・クヮルテットは,オーケストラ・アンサンブル金沢の名誉コンサートマスター,マイケル・ダウスが率い,坂本久仁雄(2nd Vn),石黒靖典(Va),大澤明(Vc)が参加しています。きっちりした安定感,安心感のあるアンサンブルはさすがというところですが,音楽作りとしてはちょっと守りに入っているような気がします。緩徐楽章の歌心ある叙情的な表現は良いのですが,両端楽章はあっさりとしていてもうひと味欲しいのと,テンポが落ちつきすぎてワクワク感に欠けます。上手いんですけどね。オーケストラと違ってもう少し個々の楽器の魅力が強く聴こえてきて欲しいですね。

録音ですが,残響は低域の響きを中心に少し多めに取り入れられていますが,直接音がそれなりに感じられるので,ぎりぎり許容範囲というところです。音像が全体にこぢんまりとしていて分離感がなく,もう少し左右の広がりを持たせて分離感とスケール感を持たせて欲しいところです。音色と雰囲気の自然さはあるので惜しいと思います。

この団体,今でもまだ活動を続けておられるのか,よくわかりませんでした。また余談ですが,サンフランシスコ交響楽団のメンバーで構成されるSunrise String Quartetという全く別の団体がありますね...
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ハイドン:弦楽四重奏曲集作品20 Nos 1-3
キアロスクーロ四重奏団 Chiaroscuro Quartet
February 2015 at hte Sendesaal Bremen, Germany
BIS-2158 (P)(C)2016 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

アリーナ・イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ四重奏団のハイドン弦楽四重奏曲集となれば聴かざるを得ません(^^;。このカルテットは,ピリオド奏法を現代的な感覚で取り入れた演奏が特徴ではないかと思っているのですが,それがこのハイドンでも遺憾なく発揮されています。ただあまりにも流麗で美しすぎるこの演奏はハイドンを聴いているという感じではなく,ちょっと違うかなという印象です。あくまで個人的嗜好で,それがこの演奏の良さでもあるとは思うのですが。

さて録音なのですが,ややオフマイクで残響豊かに録っていて,直接音比率が低めで明瞭感が低く,また音色も残響の影響で冴えず曇りがちです。せっかくの美しい演奏がこれでは台無しです。そんなに悪くはないと思うのですが,このカルテットの魅力を半減させています。もったいないです。BISへの初めての録音とのことですが,BISはこういう録音が多くあまり好きなレーベルではなく,これでは先が思いやられます。

全くの余談ですが,“Chiaroscuro”というと,ブルーグラスの大御所,フィドラーのダロル・アンガーとマンドリン奏者のマイク・マーシャルが1985年にウィンダム・ヒル・レーベルから発表したニューエイジの名盤のタイトルが“Chiaroscuro”でした。私にとって“Chiaroscuro”というとこちらの印象が強いです。Apple Musicでも聴くことができますので,よろしければ一度聴いてみてください(^^)。
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RE:IMAGINED (チェロと弦楽四重奏による演奏)
シューマン:チェロ協奏曲イ短調作品129
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調作品47「クロイツェル」
ズイル・ベイリー Zuill Bailey (Cello)/イン四重奏団 Ying Quartet
2014年10月12-16日 ヴァージニア州ボイス,ソノ・ルミナス・スタジオ
DSO-92204 (P)(C)2016 Sono Luminus (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon

シューマンは演奏者自身による編曲,ベートーヴェンは編曲者不詳とのことです。シューマンのチェロ協奏曲はほとんど聴いたことがないのでコメントできないのですが,協奏曲と室内楽の折衷という感じですね。どちらかといえば協奏曲的かなと思います。一方ベートーヴェンのクロイツェル・ソナタは,ヴァイオリン・パートをチェロで,ピアノを弦楽四重奏で,といった単純な編曲ではないようなので,原曲よりもずっと室内楽的な印象が強く新鮮です。どちらもそれぞれに特徴があって楽しめました。勢いのある覇気に満ちた演奏も良いですね。

そして録音なのですが,残響を抑え,オンマイクでそれぞれの楽器を極めて明瞭に捉えています。やや質感が強く濃すぎるとさえ思えますが,楽器の響きだけを純粋にタイトに捉えた録音は痛快です。ちょっとやり過ぎ感はあり,がちゃがちゃとうるさい面はありますが,間違いなく好録音です。こういう録音好きです。
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ハイドン:弦楽四重奏曲集作品76 「エルデーディ四重奏曲」 No.1-3
パノハ四重奏団 Panocha Quartet
録音不明
(P)1993 Supraphon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpApple Music

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ハイドン:弦楽四重奏曲集作品76 「エルデーディ四重奏曲」 No.4-6
パノハ四重奏団 Panocha Quartet
録音不明
(P)1989 Supraphon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple Music

Apple Musicでの試聴です。

いつも参考にさせていただいてるハイドン音盤倉庫パノハ四重奏団のハイドン弦楽四重奏曲集作品55が取り上げられていて,ちょっと聴いてみようとApple Musicで検索してみたところ,作品76も録音されていることがわかり,まずこちらを聴いてみることにしました。

速めのテンポで音楽が全く淀みなく流麗に前に前に流れていくのが良いですね(前のめりすぎる?)。技術的なキレもあります。あまりにもあっさりと音楽が進んでいくのが逆に物足りなく感じられなくもないのですが,変に溜めが入ったり,いじくり回されたりしていない潔さが良いとも言えますね。結構気に入りました。他の演奏も聴いてみたくなります。

さて録音ですが,No.1-3とNo.4-6で少し差があります。前者の方は少し残響が多めでわずかながら音色がくすんでいて明瞭感,音の伸びが劣ります。一方後者は残響が控えめで前者よりもずっと音色がクリアで伸びがあり自然です。音像はどちらも少しこぢんまりしているので,もう少し左右の広がり感,立体感が欲しいところです。質感もほんのわずかに強めだったらなと思います。惜しい面もありますが,少なくとも後者は十分好録音です。スプラフォンは好きな録音が多いのですが,ちょっとばらつきがありますね。

これらのディスクはすでに廃盤になっているのか,少し入手しづらいようです。もったいないですね。Apple MusicやAmazonなどの音楽配信で聴けるのは有り難いことですね。
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フェスカ:弦楽四重奏曲全集 第1集
ディオゲネス四重奏団 Diogenes Quartett
Bayerischer Rundfunk, Studio 2, October 18-20, 2007, June 3-5, 2009, July 7-9, 2010
cpo 777 482-2 (P)2013 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第12弾!!です(^^;。Apple Musicでの試聴です。秘曲の宝庫(^^;,cpoレーベルのディスクです。

フリードリヒ・エルンスト・フェスカ(Friedrich Ernst Fesca 1789-1826年)は,ドイツのヴァイオリニスト,作曲家。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のヴァイオリン奏者であり,ソロ・ヴァイオリニストとしても名を馳せていたようです。作曲家としては弦楽四重奏等の室内楽曲に優れた作品を残したほか,交響曲も3曲残しているようです(以上,Wikipediaより)。作品は古典的でメロディーラインが美しい佳作揃いのように思いました。マイナーですが,もう少し聴かれても良いのではないかと思いました。クロイツェル四重奏団の演奏も,技術的にも上手いですし,アンサンブルも問題なく,このマイナーな楽曲を楽しむに全く不足のないパフォーマンスを発揮しています。

録音ですが,やや残響を伴っていて音色に影響が多少あり,少し演出感もあるものの,各楽器は明瞭で質感も豊かであり,音に伸びもあります。弦楽四重奏の録音として標準的であり,欠点が少なく良くまとまっていると思います。個人的にはもう少しすっきりとした音で録って欲しかったと思いますが,十分に良好です。少々オマケですが四つ星半です。

本ディスクは3枚組で,第1番,第2番,第3番,第7番,第8番,第9番,第13番,第14番が収録されています。第1集とのことですが,続編はまだリリースされていないようです。これも頓挫したのでしょうか...これは完結して欲しいところです。

ディオゲネス四重奏団の公式Webサイトがあります。ディスコグラフィを見ると,先日取り上げたブルッフの弦楽四重奏曲集のほか,シューベルトの弦楽四重奏曲全集もあるようです。また,他にもマイナーな四重奏曲を録音しているようですので,それらもいずれ聴いてみたいところです。
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ライヒャ:弦楽四重奏曲全集 第1集
クロイツェル四重奏団 Kreutzer Quartet
TOCC 0022 (P)(C)2013 Toccata Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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ライヒャ:弦楽四重奏曲全集 第2集
クロイツェル四重奏団 Kreutzer Quartet
TOCC 0040 (P)(C)2014 Toccata Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第11弾!!です(^^;。Apple Musicでの試聴です。

アントン・ライヒャ Anton Reicha 1770-1836年(アントニーン・レイハ Antonín Rejcha)という作曲家は私は全く知らないに等しいのですが,チェコ出身の作曲家で,パリ音楽院の作曲家の教授として,リスト,ベルリオーズ,グノー,フランクらを育てたとのことです。また,ベートーヴェンとは同年生まれで,友人であったとのことです(以上,Wikipediaより。辛うじて,木管の人が木管アンサンブルで演奏されていたのを聴いたことがあるくらいでした。

曲は明快で素朴で楽しいものばかりです。まあマイナーというのもわかる気がしますけどね...たまにこういう構えず気楽に聴ける音楽で気分をリフレッシュするのも良いかなと思います。

録音ですが,残響はほとんどなく,それぞれの楽器を明瞭に捉えているので好印象です。演出感がないのも良い点です。残響はないのですが,わずかに部屋の響きが感じられ,音色に少し癖があるのと,やや暑苦しい音響になっており,もう少しすっきりとした伸びのある録音であれば良かったと思います。

この2枚のディスクで作品48のNo.1-3と作品49のNo.1の4曲が収録されています。ライヒャの弦楽四重奏曲がどのくらい残されているのかわからないのですが,少なくとも作品49はNo.2以降があるでしょうから全集は完結していないと思われます。ただ,第2集以降のリリースが続いていないので,このシリーズは頓挫してしまったのかもしれません...
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ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集
イザベル・ファン・クーレン Isabelle van Keulen (Violin)
ハンネス・ミンナール Hannes Minnaar (Piano)
2014年8月30日~9月5日,ベルギー,メヘレン,Motormusic Studio
CC72650 (P)(C)2014 Challenge Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

オランダを代表するヴァイオリニストの一人,イザベル・ファン・クーレンが2014年に録音したベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集。比較的好みの録音が多いChallenge Classicsのディスクを物色していて見つけました。

モダン楽器による演奏ですが,大胆にピリオド的な奏法を現代的な感性で取り入れた極めて個性的な演奏と思いました。楽器を存分に鳴らし切るような弾き方ではなく,モダン楽器の良さをあえて殺しているようなところもあるので,モダン楽器が好きな私としては少し微妙でもどかしさを感じるところもあります。一般的な評価も大きく分かれそうな演奏です。とはいえ,もちろん技術的には優れていますし,一つのポリシーを貫いた演奏として楽しむことが出来ますね。

それで肝心の録音なのですが,ヴァイオリンもピアノも直接音を主体に透明感のある綺麗な音色で録られているのでかなり良い印象です。この点は期待通りで好録音と言えます。バランスとしてヴァイオリンが対等からやや弱めに感じられ,少し距離感もあるので,もう少し近寄って質感高く捉えてくれていれば文句なしだったのですが,惜しいところです。
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モーツァルト:弦楽四重奏曲K. 387, K.465
モーツァルト:アダージョとフーガK. 546
シネ・ノミネ四重奏団 Quatuor Sine Nomine
Claves CD 50-9903 (P)(C)1999 Claves Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpApple Music

シネ・ノミネ四重奏団のモーツァルトをもう一つ。ハイドンセットから2曲を収録しています。録音年は不明ですが,1990年代後半ではないかと思われます。Apple Musicでの試聴です。

活気があって情緒感豊かなのはベートーヴェンの中期弦楽四重奏曲集と同じです。演奏にキレがあり,アンサンブルも良いですね。この四重奏団の最も脂ののった充実した時期の録音の一つではないでしょうか。

そして録音なのですが,残響感がややあるものの,それぞれの楽器を質感良く捉えており,明瞭で音色も自然,高域の伸びもまずまず良好です。残響の影響で音色は少しくすんでいますが,十分許容範囲です。弦楽四重奏の録音としてかなり良い出来だと思います。

このディスク,廃盤になってから久しいようでやや入手しづらい盤です。Apple Musicで聴けるほか,Amazon.co.jpでもMP3で配信されています。このように廃盤のディスクが聴けるのは本当に有り難いことです。
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モーツァルト:弦楽五重奏曲全集
シネ・ノミネ四重奏団 Quatuor Sine Nomine
ラファエル・オレグ Raphael Oleg (Viola)
2012年9月, 10月 スイス,コルソー
GEN 13275 (P)(C)2013 GENUIN classics (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ベートーヴェンの中期弦楽四重奏曲集が良かったシネ・ノミネ四重奏団のモーツァルトということで聴いてみました。1986年チャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門第1位のラファエル・オレグがヴィオラで参加しています。ベテランの四重奏団の演奏らしく,明るく自由闊達な雰囲気が楽しいです。モーツァルトとしてはちょっと威勢が良すぎる感はありますが(^^;。

さて録音なのですが,残響というよりは録音会場の音響がやや強めに取り込まれていて,音色が損なわれています。明瞭感はそんなに悪くないのですが,すっきりしません。残響や響きが許せるならそんなに悪くはないとは思うのですが,私としては少し残念な録音です。

この弦楽五重奏曲全集,普通は3枚組なのですが,このセットはなんと2枚組です。そして2枚とも収録時間が84分もあります。無理やり詰め込んでますね。2枚で収めてくれるのはうれしいのですが...

タグ : [室内楽曲]

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ベートーヴェン:中期弦楽四重奏曲集(作品59, 74, 95)
シネ・ノミネ四重奏団 Quatuor Sine Nomine
Salle de Chatonneyre in Corseaux/Vevey (Switzerland), 19-22 December 2004, 27-30 June 2005
CD 50-2509/10 (P)(C)2005 Claves Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

シネ・ノミネ四重奏団は1975年の結成ということです。少なくとも2013年の録音がありますので,40年近く活動されているベテランの四重奏団です。これは2005年頃の録音ですので結成30年くらいでしょうか。キャリアの割に録音が少ないのが残念ですが,シューベルトの弦楽四重奏曲全集などの名盤を残していますね。

さてこのベートーヴェンですが,全体に速めで淀みのないテンポ設定で颯爽としており,かつ,エモーショナルな演奏です。完成度を求めるよりもノリを重視しているようにも思います。ベートーヴェンの録音というと構えた演奏が多いように思いますが,これは随分と自由闊達な印象を受けます。長いキャリアが生んだスタイルなのかもしれません。

録音ですが,少し残響感はありますが,それでも比較的明瞭に録られていて聴きやすい録音です。楽器の質感は少し弱めでちょっと中途半端な印象があり,もう少しクリアに録って欲しかったところですが,まあこれでも問題ありません。

この中期の弦楽四重奏曲集,セリオーソまでの5曲が2枚に収まっています。考えてみるとほかにはあまりないように思います。

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