好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
2017/01/22更新。コンラート・ヒュンテラー指揮/18世紀カメラータ追加。


バッハのブランデンブルク協奏曲第三番第三楽章の快速演奏を探してみました(^^;。私が持っているもののうち時間を計測出来たものを速いものから並べています。一番左の数字は演奏時間です。

■バッハ:ブランデンブルク協奏曲第三番第三楽章快速ランキング!

3:47 (古)ゲーベル/ムジカ・アンティクヮ・ケルン(1986)
3:57 (古)マウテ/アンサンブル・カプリース(2012)
3:58 (現)ショルツ/ベルリン室内管弦楽(2007)
4:03 (古)ホーフカペレ・ミュンヘン(2013)
4:04 (古)カフェ・ツィマーマン(2003)
4:04 (古)スイス・バロック・ソロイスツ(2005)
4:06 (古)鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン(2000)
4:10 (古)イ・バロッキスティ(2004)
4:12 (古)アレッサンドリーニ/コンチェルト・イタリアーノ(2005)
4:12 (古)コンチェルト・ケルン(2013-2014)
4:14 (古)鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン(2008)
4:14 (古)ベルリン古楽アカデミー(1997)
4:17 (古)カペラ・サヴァリア(2015)
4:18 (古)アメリカン・バッハ・ソロイスツ
4:21 (現)アバド/モーツァルト管弦楽団(2007)
4:24 (古)クイケン,ブリュッヘン,ビルスマ,レオンハルト
4:26 (古)コンラート・ヒュンテラー指揮/18世紀カメラータ(1996,97)
4:26 (古)シュトリンツル/ムジカ・フロレア(2006)
4:27 (古)イル・ジャルディーノ・アルモニコ
4:29 (現)フリエンド/コンバッティメント・コンソート・アムステルダム(1996)
4:30 (現)サイトウ・キネン・チェンバープレイヤーズ(2001)
4:31 (古)ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(2009)
4:34 (古)ピノック/ヨーロピアン・ブランデンブルク・アンサンブル(2006,07)
4:35 (古)エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団(1987,88)
4:35 (現)シュトゥットガルト室内管弦楽団(2000)
4:36 (古)フェリックス・コッホ/ノイマイヤー・コンソート(2013)
4:36 (古)ゴルツ/フライブルク・バロック・オーケストラ(2000)
4:37 (現)イ・ムジチ合奏団(1984)
4:39 (現)ミュラー=ブリュール/ケルン室内管弦楽団(1999)
4:40 (古)ピノック/イングリッシュ・コンソート(1982)
4:41 (現)ヨーロッパ室内管弦楽団(1990)
4:42 (古)コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団(1983)
4:46 (現)バウムガルトナー/ルツェルン弦楽合奏団(1978)
4:47 (古)Apollo's Fire
4:51 (古)ニューマン/ザ・ブランデンブルク・コレギウム(1994?)
4:54 (古)アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(1964)
4:55 (現)リーズ/スコティッシュ・アンサンブル
4:55 (現)カップ/フィルハーモニア・ヴィルトゥオージ(1991)
4:56 (現)リンカーン・センター室内楽協会
4:56 (現)ボッセ/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団(1981,83)
4:56 (現)リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団
4:56 (現)コレギウム・アウレウム(1967)
4:57 (古)ジョーンズ/ケンブリッジ・バロック・カメラータ(1997)
5:02 (現)ブリテン/イギリス室内管弦楽団(1968)
5:03 (現)I. オイストラフ/モスクワ・フィル・ソロイスツ・アンサンブル(1982)
5:04 (現)ローラ/フランツ・リスト室内管弦楽団(1986)
5:05 (現)イ・ムジチ合奏団(1965)
5:06 (現)ゴールドベルク/オランダ室内管弦楽団(1958)
5:07 (現)カラヤン/ベルリン・フィル(1978,79)
5:12 (現)レッパード/イギリス室内管弦楽団(1975?)
5:13 (現)シャイー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(2007)
5:28 (現)アバド/ミラノ・スカラ座管弦楽団員(1975,76)
5:29 (現)ポープル/ロンドン・フェステヴァル管弦楽団(1995)
5:31 (現)マリナー/アカデミー室内管弦楽団(1980)
5:37 (現)マリナー/アカデミー室内管弦楽団(1985)
5:50 (現)カラヤン/ベルリン・フィル(1964)
6:11 (現)カザルス/マールボロ音楽祭管弦楽団(1964)
6:20 (現)コッホ/ベルリン室内管弦楽団(1970,72)

※(古)ピリオド楽器,(現)モダン楽器
※ヴィンシャーマン/ドイツ・バッハ・ゾリステンはリピート省略のため対象外
※ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管弦楽団(1985)はリピート省略のため対象外
※パイヤール室内管弦楽団はリピート省略のため対象外


やはり一位はゲーベル/ムジカ・アンティクヮ・ケルンでぶっちぎりの速さに圧倒されます。二位はアンサンブル・カプリースで三位は僅差でモダン楽器のショルツ/ベルリン室内管弦楽団,いずれも3分台のタイムを叩き出しています(^^;。

総じてピリオド楽器の演奏は速く,平均して4:20前後くらいかなと思います。聴いていて最も気持ちが良いのもこのあたりの速さのように思います。

ということで,また順次追加していきますね(^^)。

なお時間計測ですが,iTunes上で実際に再生し,最後の音が消えた時の時間を見ています。曲頭の空白は差し引いていませんので,多少の誤差はあると思います。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
コンラート・ヒュンテラー指揮/18世紀カメラータ
June, 10-14, 1996; February 24, 1997 Fürstliche Reitbahn Arolsen
MD+G 311 0746-2 (P)(C)1997 (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

バロック楽器による演奏。おっ,なかなかええやん,って思ったら,18世紀カメラータ(Camerata of the 18th Century)ってブリュッヘンが創設した18世紀オーケストラのメンバーで構成され,さらにライナー・クスマウルらの著名なソリストを迎えての録音だったんですね。

音楽は颯爽と,そして極めて自然に流れていくのが良いです。バロック楽器での演奏ですがそれが意識に上って来ません。結局こういう癖のない綺麗で真っ当な演奏に戻ってきてしまうんですよね。

録音ですが,響きでわずかに音色に曇りがあるのですが,それを除けば適切な距離感でそれぞれの楽器を質感をもって捉えているので悪くありません。抜けよくすっきりと録ってくれていれば文句なしだったのですが,惜しいと思います。

これが現役盤なのか今ひとつわからなかったのですが,もし廃盤だとしたらちょっともったいないと思います。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,管弦楽組曲全曲
ネヴィル・マリナー指揮
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

1978年1月 ロンドン,キングズウェイ・ホール(管弦楽組曲),1980年5月 ロンドン,セント・ジョンズ・スミス・スクエア(ブランデンブルク協奏曲)
PROC-1964/6 (P)1978,1981 Decca Music Group Limited (国内盤)
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus Vol.22
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤。マリナー氏2回目の録音で,ブランデンブルク協奏曲のソリストに,ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン),ミカラ・ペトリ(リコーダー),ハインツ・ホリガー(オーボエ),ジャン=ピエール・ランパル(フルート),ジョージ・マルコム(ハープシコード)などの名手を迎えた名盤。ブランデンブルク協奏曲の方は昔発売されていたディスクを持っていて一度レビューしています(→こちら)。今となっては古さも感じる演奏ですが,当時としてはこれがスタンダードだったのだと思いますし,モダン楽器での演奏としては今でも十分に楽しめる内容です。

録音も「アナログ録音末期の優秀録音」というだけあってシルキーで滑らか,残響は少しあるものの控え目であり,当時のフィリップス録音らしく個々の楽器の音を大事に扱い分離良く見通し良く録った好録音です。正直なところもう少し高域の伸び,輝き,透明感が欲しいところでちょっと地味な感じですけどね。ちょっとオマケですが四つ星半です。

久しぶりに聴きましたけど,なんだか懐かしくホッとしました。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
フェリックス・コッホ/ノイマイヤー・コンソート
Felix Koch / Neumeyer Consort
September/October 2013, Roter Saal, Hochschule für Musik Mainz (Germany)
CHR 77400 (P)(C)2016 Christophorus (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

バロック楽器による演奏。全体に速めのテンポできびきびと,そしてメリハリの効いた胸のすく気持ちのよい音楽。そして鮮烈過ぎず中庸の範囲に収めていて聴きやすいです(第6番の第1楽章だけはかなりアグレッシブですが)。一人一人の技量も高いですし,アンサンブルも良好です。数多の録音の中で突出した特徴があるわけではありませんが,平均水準の高い好演奏と言えるのではないかと思います。

録音ですが,すこしオフマイク気味であり,特に弦楽器の捉え方が弱々しく,不明瞭で細かい音型が聴き取りづらいです。管楽器はそれに比べるとまだマシです。全体的に中低域が希薄でスカスカし,音に力と厚みがありません。録音会場の響きを活かし,雰囲気のある録音にまとめているとも言えますが,もう少し個々の楽器の質感を明瞭に,強めに出して欲しいところです。惜しいと思います。

余談ですが,この団体には日本人と思われる方が参加しておられます。Shogo Fujiiさん(Oboe),Yoko Tanakaさん(Viola),Mizuki Tanabeさん(Cello),Mio Tamayamaさん(Bass)の4名です。海外の団体での日本人のご活躍はうれしいですね。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
カペラ・サヴァリア Capella Savaria
June 14-19, 2015 at Bartók Concert Hall, Szombathely, Hungary
HCD 32786-87 (P)(C)2016 Fotexnet Kft (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器による演奏。ハイドンのヴァイオリン協奏曲でソロを務めたジョルト・カッロー(Zsolt Kalló)がディレクションしています。リズムが立った鮮烈な印象を残す演奏で,管楽器のある曲は管楽器のウェイトが大きく,ややガチャガチャと騒々しいです(録音のせいもあると思います)。溌剌として快活なところは良いのですが,もう少し落ち着きと美しさやニュアンスの豊かさが欲しい気もします。

そして録音なのですが,それぞれの楽器をオンマイクで鮮明に録っているような録音なので,明瞭感,解像感,そして分離感は抜群です。その一方で,自然さは失われ,騒々しさを助長しているようにも思います。もう少し適切な距離感で録っていれば自然さと明瞭さのバランスの取れた最高の録音になっていたかもしれません。個人的には結構好きな録音なのですが,上記の理由で他の人に勧められるかというとちょっと微妙かなと思います。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
スイス・バロック・ソロイスツ
Temple Saint Jean, Mulhouse, France from 25th April to 4th May, 2005
8.557755-56 (P)(C)2006 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
ピリオド楽器による演奏。しかし,ピリオド的な臭いはあまりせず,ピリオド楽器が苦手な私でもあまり意識することなく聴くことが出来ました。そしてとても意欲的に生き生きとした活気ある音楽を聴かせてくれる好演奏でした。快速テンポで淀みのないノリの良さも気に入りました。

録音ですが,響きは少しありますが,ソロが明瞭でヌケ良く録られているのが好印象です。やや高域寄りのバランスでリスニング環境によっては少しキンキンとうるさいかもしれませんが,曇った録音よりもずっと良いです。私としてはもう少し近めで残響比率を下げ,楽器の質感をもう少し強めに出してくれた方が良いのですが,まあこれでも及第点をあげられます。

このディスクも期待以上でした。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
イーゴリ・オイストラフ(指揮,ヴァイオリン)
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団ソロイスツ・アンサンブル
1982年録音
MEL CD 10 01448 (P)2008 Melodiya (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.ljpHMV Onlineicon
モダン楽器による演奏。リコーダーのパートは全てフルートで演奏されています。「ん?ピリオド奏法?何それ?」っていう演奏ですね。少なくともバロック音楽の弾き方にも全く興味がないのは明らか。完全に自分たちのルールで弾いています。ピリオド楽器による演奏になれてしまった耳にはモロ旧世代の演奏に聴こえますが,ここまで徹底していると,いろんな意味で楽しいですね。第5番のチェンバロもいったいどんな楽器を使っているんだろうと思うほど独特のポキポキした音がしていますし...曲の終わりのリタルダンドは極端だし...後述する録音も含めて,終始ニヤニヤしながら聴いてしまいました。

そして録音なのですが,残響はかなり少なめで,バックはやや遠め,ソロは近めとわかりやすいのが特徴ですが,ソロは目の前で弾いているように明らかに浮いて聴こえる曲もあり,かなりわざとらしさを感じます。ただしソロに関しては明瞭感はかなり良く,質感も良く捉えているので私は結構好きだったりします(ということで四つ星半です)。音色に少しクセがあり,わずかにヌケが悪いのが残念です。オーディオ的なクオリティはそれほど高くありません。

あまり期待はしていなかったのですが(^^;,予想外に楽しめたディスクでした。お薦めはしませんが...
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
コンチェルト・ケルン Concerto Köln
June 2013 - June 2014, Deutschlandfunk Kammermusiksaal, Köln
Berlin Classics 0300593BC (P)(C)2014 Edel Garmany (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
今やブランデンブルク協奏曲のディスクはピリオド楽器での演奏が普通となり,かつての鮮烈で刺激的なアプローチも一段落し,こなれて落ち着いてきた感が私の中にはあります。この演奏を聴くと,やっぱりそうだよなぁと思います。どちらかといえばピリオド楽器よりモダン楽器が好きな私ですが,それでもだいぶ慣れてきたというのはあるかもしれません。

そしてこのコンチェルト・ケルンのブランデンブルク協奏曲ですが,ピリオド楽器による(ネガティブな意味ではない)「普通の」アプローチによる,速めのテンポで颯爽と弾く気持ちの良い演奏です。そして,「協奏曲」という名前は付いていますが,ソロを突出させず全体のまとまりを重視したバランスも昨今のピリオド演奏の傾向かと思います。演奏技術も高くアンサンブルも良いレベルの高い演奏だと思います。ただ,レベルの高いあまりにも「普通」の演奏,私がブランデンブルク協奏曲に期待するところとは違うかなという気がしないでもない...

そろそろピリオド楽器のブランデンブルク協奏曲に手を出すのもやめようかな...と思ってしまいました。

録音ですが,残響はそれなりに取り入れられていて音色への影響はあるものの,曇ったり音色を汚したりはあまりしていないので許容範囲です。全体の響きの美しさを重視したような録音なので,まとまりはありますが,こぢんまりとしていて楽器の質感もやや希薄です。演出感も強めで生々しさも少ないです。悪くはないのですが,私としては少し不満の残る録音です。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ホーフカペレ・ミュンヘン Hofkapelle München
February 3-8, 2013, Himmelfahrtskirche, München-Sendling
88765477882 (P)(C)2013 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
ヴァイオリニストのリュディガー・ロッターがリーダーを務めるピリオド楽器のアンサンブルによる演奏。早めのテンポで颯爽と流れていく音楽がとても気持ちが良いです。ピリオド楽器の場合,やけに攻撃的でガチャガチャとうるさいという印象があるのですが,これはそんなことは全くありません。そして何より良いのはノリが良いことです。クラシックではノれる演奏に出会うことは滅多にありませんが,この演奏はその点でかなり良い線をいっています。ピリオド楽器の演奏はどちらかといえば苦手なのですが,これは久々に楽しい演奏に出会ったと嬉しくなりました。当たりです。(これがモダン楽器の演奏だったらもっと嬉しいんですけどね...(^^;)。

録音ですが,残響は若干多めですが,音に曇りはなく,響きは比較的美しいと思います。しかし逆にややシャリシャリした感じもします。中低域が薄くふわふわした腰高な音作りです。音色が曇るよりはずっと良いのですが,もう少し中低域を充実させて,生々しい質感を出した方が安定感のある録音になると思うのですが。でもまあ許容範囲内です。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
リチャード・カップ指揮/フィルハーモニア・ヴィルトゥオージ
Music building Recital Hall Purchase College, NY, May 1991
ESS.A.Y Recordings CD1037/38 (P)1991 (C)1994 (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp
モダン楽器によるブランデンブルク協奏曲。あまり遊びのないキチッとした丁寧な演奏ですが,それがかえってほのぼのとした雰囲気を醸し出していて,これはこれで面白いです。尖った昨今の演奏に慣れた耳には新鮮に聴こえます。モダン楽器でもありますし,ある意味貴重と言えるかもしれません。個人的には結構気に入りました。お勧めはしませんが(^^;。なお第2番はリコーダではなくフルートが使われています。

録音ですが,残響は控えめで個々の楽器が比較的明瞭に捉えられていてまずまず良い印象なのですが,曲によっては楽器間のバランスが良くないものもあり,良く聴くと今一歩物足りなさがあります。また,ミキシングの問題か,ヘッドホンで聴くとやや違和感を感じるのと,音像の自然さがほとんどありません。私は音像の自然さよりも楽器音の明瞭さを優先する方なのであまり気にしませんが,良く思わない方もおられると思います。もう少しミキシングに気を遣って欲しいところです。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
マティアス・マウテ指揮/アンサンブル・カプリース
2012年録音
AN 2 9996-7 (P)2012 Analekta (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Amazon.co.jp
速い楽章は半端なく速い,そして雄壮であったり流麗であったりします。すごく上手いというわけではないのですが,この速さでこれだけ弾きこなせるのは立派と言えます。ただ速い上に頭拍に重きを置かれるので細かい音符が聴き取りづらく欲求不満も残ります(録音のせいもあるとは思いますが)。ピリオド楽器の演奏だと思うのですが(ピッチが低い),直線基調のモダンアートのようなシャープさが新鮮です。

録音ですが,このような演奏にもかかわらず残響が多く,もやもやして不鮮明であまり良くありません。音質調整しているのか曇りは少ないですが,音色バランスが崩れていて少し不自然な感じがします。このような演奏だからこそもっとくっきりと鮮明に録音して欲しいものです。残念です。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:さまざまな楽器による協奏曲集
ブランデンブルク協奏曲(全曲),管弦楽組曲(全曲),ヴァイオリン協奏曲(全曲),チェンバロ協奏曲,他
カフェ・ツィマーマン Cafe Zimmermann
2000~2010年録音
Alpha811 (C)2011 Alpha Productions (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★★~★★★★☆
参考: HMV Online輸入盤),Amazon.co.jpTower Records
カフェ・ツィマーマンはヴァイオリニストのパブロ・バレッティとチェンバリストのセリーヌ・フリッシュが結成したバロック・アンサンブル(ピリオド楽器使用)で,グループ名は,バッハが毎週コンサートを行っていたライプツィヒのゴットフリート・ツィマーマンのコーヒーハウスにちなんでいるとのことです。基本編成は弦楽器5人とチェンバロ1人ですが,曲によりメンバーが入れ替わったり追加されたりしています。基本的には1パート1人で演奏されています。

この協奏曲集,とにかく録音の良さに驚きました。残響は多少多めに取り込まれていますので私の考える好録音とは少し違いますが,各楽器の音に伸びがありまた透明感があります。さらにオーディオ品質の高さも特筆でき,優秀録音とも言えると思います。概して編成の小さな曲が良好で,編成の大きな曲(ブランデンブルク協奏曲第1番や管弦楽組曲第3番,第4番など)は若干落ちるのが残念です。しかし,録音時期や録音場所が異なるにも関わらず全体として高いレベルで統一されているのは素晴らしいことだと思います。

演奏についてもピリオド楽器ながらそれが過度に強調されることのないナチュラルな演奏で,ピリオド楽器が苦手な私でもすんなりと受け入れられます(もちろんこれがモダン楽器だったらもっと良かったのに...とは思いますよ(^^;)。全体にテンポが速めでこの疾走感も良いですね。

このセットですが,過去1枚ずつ発売されてきたものが単純に集められています。値段が高い上にブランデンブルク協奏曲が1枚につき1曲ずつだったので買うのをためらっていました。最近のボックスセットは激安のものが多いので,このボックスセットも高価に感じてしまうのですが,1枚当たり1,000円と思うと決して高くないですね。やはり,ブランデンブルク協奏曲,ヴァイオリン協奏曲,管弦楽組曲が各CDにばらばらに収められていて聴く側としてはどのCDに何が入っているのかわからなくてちょっと扱いにくいのが欠点ですが...これは良い買い物をしたと思いました。当たりでした。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
モーツァルト管弦楽団(Orchestra Mozart)
クラウディオ・アバド(Claudio Abbado)(音楽監督・指揮)
ジュリアーノ・カルミニョーラ(ヴァイオリン),ミカラ・ペトリ(リコーダー),マリオ・ブルネロ(チェロ),アイロス・ボッシュ(コントラバス),ラインホルト・フリードリヒ(トランペット),オッターヴィオ・ダントーネ(チェンバロ),他
2007年4月21日 イタリア,レッジョ・エミリア,ヴァーリ市立劇場
DG 00289 477 8908 (P)2008 EuroArts Music International GmbH (輸入盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★★
参考url: HMV OnlineAmazon.co.jp

このブログを始めた頃に取り上げたDVDのCD版が発売されました。「CDが出たら絶対に買う!」という公約通り(^^; 手に入れました。

こうして改めてCDで聴いてみると,録音の五つ星はちょっと過大評価だったかなと思いつつも,よくあるライヴ録音とは違う演出臭さのない,ある意味至極「普通の録音」というところが気に入っているので評価は変えません。オーディオクオリティは特筆すべきところはないので,「なんでこれが五つ星?」と思われるかもしれませんが。

音楽の良さはDVDの時に書いた通りです。縛りのない緩さ(音楽が緩んでいるということではありません)が伸び伸びした素晴らしく良い雰囲気を出しています。

あれからいくつものブランデンブルク協奏曲を聴いてきましたが,私にとって最も気に入ったセットのうちの一つという地位は揺らいでいません。

なお,DVDに収められていたアンコールがこのCDでは含まれていません。あれはあれで良かったのになぁ...とちょっと残念です。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
シギスヴァルド・クイケン(Sigiswald Kuijken)
ラ・プティット・バンド(La Petite Bande)
Recorded 19-23.10.2009 at Galaxy Studios, Mol, Belgium
ACC 24224 (P)2009 (C)2010 Accent (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV OnlineAmazon.co.jp

ピリオド楽器による演奏。1パート1人という形態は今や珍しくはなくなりましたが,この演奏の目玉はチェロの代わりにヴィオロンチェロ・ダ・スパッラが全面導入されていることでしょう(従ってチェロは使われていません)。また,管楽器もバルブのないナチュラル楽器と使っているということです。

ピリオド楽器による演奏というとどこか尖りのある刺激的な演奏を想像してしまうのですが,ここで聴けるブランデンブルクは自然そのもので,ピリオド楽器が苦手な私でもすんなりと受け入れられます。スパッラが使われているということですが,私にはほとんど意識されません(単に低域が弱いな...程度(^^;)。いろんな演奏があってクラシックは聴き比べが醍醐味ではあるのですが,結局こういう真っ当な路線で極めた演奏に戻ってくるんだということを感じます。

で,肝心の録音なのですが,これがあまり良くありません。悪い言い方をすれば小学校の体育館で聴いているような音響なのです。その昔,小学校の音楽の鑑賞で体育館で聴かされた演奏を思い出してしまうのです(ある意味でリアルで雰囲気があると言えます)。オフマイクで間接音成分が支配的,なんとか我慢できるぎりぎりではあるのですが,明瞭感も良くないですし,音にも透明感がなくくすんでいてちょっとイライラが募ってきます(ディスク2の方は幾分マシのような気がします)。オーディオクオリティは悪くありませんし,何より演奏が良いので,この音の録り方は本当にもったいないと思います。これを良しとする方もきっと多いと思いますが,私はあまり好きではありません。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
パブロ・カザルス指揮(Pablo Casals)(Conductor)
マールボロ音楽祭管弦楽団(Marlboro Festival Orchestra)
Recorded at the Marlboro Music Festival, Vermont, July 6th-16th, 1964
515305 2 (P)(C)2004 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

ルドルフ・ゼルキン(ピアノ),アレクサンダー・シュナイダー(ヴァイオリン),ピーター・ゼルキン(ハープシコード)らの大御所が参加しています。第二番,第四番ではリコーダの代わりにフルートが,第一番,第四番,第五番はチェンバロの代わりにピアノが使われています。

音楽祭の特別編成オーケストラという性格を差し引いても,このロマンティックなアプローチは現代では考えられないと思いますが,正直言ってこれは楽しい! いろんな意味で楽しめます。何より音楽に対する素直で真摯な情熱が感じられるところが良いと思います。古き佳き大らかな時代を象徴するような演奏と感じます。これをどう聴くかは聴き手次第でしょう。

録音ですが,音の捉え方はまずまず良好でソロも明瞭でオーケストラとのバランスも取れています。こもったり曇ったりもしていません。しかし,オーディオクオリティはかなり悪く,すごく歪み感があります。機材が劣悪だったのかマスターテープの保存状態が悪かったのかわかりませんが,これは残念です。

なお,このCDには第一番から第六番まで全ての曲のリハーサル音源が収録されています。

それにしても,この頃はまだまだ音楽は自由で楽しかったんだとつくづく思ってしまいます。現代の演奏はというと,いろいろとバラエティに富んでいるようであって,実は様々な研究成果に縛られた窮屈な音楽になっているんじゃないか,音楽の無限の可能性を自ら閉ざしてしまっているのではないか,昨今のピリオド楽器による演奏を聴いていると,何となく枠にはめられ画一化されていっているような気がしてなりません(面白い演奏が多いのも確かなのですが)。バロックはピリオド楽器でなきゃ,という時代はもうとっくに過ぎ去ったとは思っているのですが...モダン楽器奏者よ,臆せずもっと頑張れ! ...素人の戯れ言,失礼いたしました。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,他
カール・リヒター指揮(Karl Richter)(Conductor)
ミュンヘン・バッハ管弦楽団(Munchener Bach-Orchester)
Munich, Musikhochschule, 1/1967
Archiv 427 143-2 (P)1968 Polydor International GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

モダン楽器による演奏。評論家先生の選ぶ「名曲名盤300」では必ず第一位に選ばれる名盤中の名盤なので,これについても私がコメントするまでもないのですが,「格調高い」「厳粛な」といったような言葉が並ぶ評に私は少し違和感を感じています。もちろんそういう感じがするのは確かなのですが,この演奏がここまで評価されるのは,純粋に音楽として「楽しい」からだと思うのです。アプローチの古さはあるかもしれませんが,音楽自体は決して古びていませんし,活気があって歓びがある,音楽の楽しさそのものが詰まっていると思うのです。

そして,個々の楽器を明瞭に見通しよく捉えたこの好録音も高評価を支える大きな要因になっていると思います。1967年の録音ということでさすがに音質は古さを感じてしまいますが,音の捉え方が良いのでほとんど問題ありません。第五番のチェンバロもとてもチャーミングに録音されています。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,他
レイモンド・レッパード指揮(Raymond Leppard)(Conductor)
イギリス室内管弦楽団(English Chamber Orchestra)
録音データ記載なし
442 386-2/442 387-2 (P)1975 Philips Classics Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

モダン楽器による演奏。第二番,第四番はリコーダが使われています。この録音はなかなか素晴らしいです。私がイメージするフィリップスの好録音の典型です。すっきりとして見通しが良く,各楽器の分離,質感,音色,どれをとっても全く不満がありません。何よりサウンドが綺麗で爽やかなことに惹かれます。同じフィリップスのミカラ・ペトリのリコーダー協奏曲集に通じるところがあります。録音データの記載がないのですが1975年頃,つまり35年も前の録音ですが,全く色褪せていません(クオリティは現代の録音には及ばないのは仕方ないところですが)。

最近のピリオド楽器の楽しい演奏を聴いてからだとやっぱり生真面目だなぁという印象をどうしても持ってしまうのですが,旧世代的でない快活かつ端正な好演奏であることは間違いなく,録音も良いモダン楽器の演奏の一つとしてお薦めに値すると思います。愛聴盤候補がまた一つ増えました。

[バッハ][協奏曲]
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,他
リナルド・アレッサンドリーニ指揮(Rinaldo Alessandrini)(Conductor)
コンチェルト・イタリアーノ(Concerto Italiano)
March 2005 in Palazzo Farnese in Rome (Italy)
naïve OP 30412 (P)(C)2005 NAÏVE (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

ピリオド楽器による軽やかでスピード感のあるとても爽やかな演奏です。個性的な表現が随所で見られますが,嫌みなところはなく,今や“普通のピリオド楽器演奏”の範囲に入るのかもしれません。素直に楽しめます。

録音ですが,若干管楽器に響きが被りがちですが,弦楽器は総じて透明感があります。ご多分に漏れず楽器の質感が希薄なのは残念なのですが,分離や見通しは概ね良好,マイナスになるような点がほとんどありません。少しおまけ感はありますが★★★★☆としました。

このセットにはDVDが付属しているのですが,まだ未鑑賞なのでコメントできません。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,他
ディエゴ・ファソリス指揮(Diego Fasolis)(Conductor)
イ・バロッキスティ(I Barocchisti)
Auditorium RSI, Lugano (Switzerland) - 12/2004
ARTS 47715-8(No.1-4)/47716-8(No.5-6) (P)(C)2006 ARTS MUSIC (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Online No.1-4iconNo.5-6icon

ピリオド楽器による演奏です。これはまたアグレッシブで意欲満々のブランデンブルク協奏曲ですねぇ。ちょっと下品に走ることもありますが。しかしこれを緻密なアンサンブルで見事に決めてくるあたりなど,これはなかなか凄腕揃いだなぁと感心してしまいます。好きかどうかは別にして,間違いなく面白いです。

録音は,オフマイク気味で少し響きが被って楽器の質感が薄れているのが不満ではありますが,音の曇りも少なく聴きやすい録音ではあります。客観的には優秀録音と言えるかもしれません。私としてはもう少し近くから各楽器の質感を分離良く明瞭に捉えて欲しいと思うのですが。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ベルリン古楽アカデミー(Akademie fur Alte Music Berlin)
Enregistrement mai-octobre 1997 Christuskirche, Berlin-Oberschoneweide
HMX 2901634.35 (P)1998,2003 harmonia mundi (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

ピリオド楽器による軽快で小気味よく清々しい演奏です。スピード感はありますが鮮烈に走ることはなく心地よい音楽がテンポ良く進行していきます。ピリオド楽器はどちらかと言えば好きな方ではありませんが,ピリオドであることがほとんど意識に上がってこないので気になりません。各奏者もすごく達者です。特にマリオン・フェアブリュッヘンの即興?を交えたリコーダーが秀逸です。今まで聴いたピリオド楽器演奏の中では一番良いかもしれません。

録音もほぼ文句なしです。残響感もあまりなく,すっきりと見通しよく個々の楽器の音が分離感良く聴こえてきます。もう少し楽器の質感というか実在感があって欲しいのですが,まあこれなら十分許せます。

演奏も録音も気に入りました。愛聴盤候補です。HMV Onlineiconでも廃盤になっているので手に入りにくそうですが,amazon.co.ukなどから入手できるので入手困難盤ではありません。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
バッハ:管弦楽組曲第一番,第二番
ヘルムート・ヴィンシャーマン指揮(Helmut Winschermann)(Conductor)
ドイツ・バッハ・ゾリステン(Deutsche Bachsolisten)
Laser Light 14 131/14 132 (P)1993 Delta Music Inc (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: amazon.co.uk (a), (b)

[DDD] Digital Recording との記載があるのですが,聴いてみるとCAPRICCIOから発売されているフルスコア付きの全集と同じ演奏でした。録音年の記載がありません。フルスコア付きの全集の方にも実は録音年などの情報は書いていなかったのですが,HMV Onlineiconでは1977年の録音とされており,それを信じていました。でももしかしたらどちらも1990年代の2回目の録音なのかもしれません。残念ながらこれ以上情報がなく,よくわかりません。

これら自体はamazon.co.ukから入手しています。1枚目には第五番以外の5曲,2枚目には第五番と管弦楽組曲という,何となくちょっと半端な感じの入り方です。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド指揮(Jan Willem de Vriend)(Conductor)
コンバッティメント・コンソート・アムステルダム(Combattimento Consort Amsterdam)
October 1995(nos. 1, 2 & 5), February 1996(nos. 3 & 6), March 1996(no. 4), Waalse Church, Amsterdam
CC72149 (P)1995 (C)2005 Challenge Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

モダン楽器による演奏。しかし,相当徹底してピリオド奏法を取り入れているように聴こえます。その結果,とてもモダン楽器による演奏とは思えない起伏に富んだ多彩な演奏になっています。ときにソロを食ってしまうほどのバックの表現力にも感心します。

しかし,どちらかといえばモダン楽器が好きな私としては複雑な気持ちです。なんでせっかくモダン楽器を使っているのにピリオド奏法をここまで取り入れる方向を選んだのか。ピリオドの追求はピリオド楽器に任せておいて,モダンならではの新しい世界を切り開いて欲しいのになぁ...とちょっと思うわけです。この演奏はこれで大変面白いことは認めるのですが。

録音ですが,響きはそれなりにあるものの,音を曇らせるような感じではないので,まずまずの印象です。ただ,何となくごちゃごちゃしていて見通しが悪い感じがあり,すっきりしません。また,個々の楽器の質感が希薄で現実感があまりありません。客観的には良好な録音であろうと思いつつも,私としてはあまり好きになれません。最近のピリオド楽器の録音がこんな感じのものが多いように思います。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ゲルハルト・ボッセ指揮(Gerhard Bosse)(Conductor)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団(Bachorchester des Gewandhauss zu Leipzig)
1981年10月19-22日,1983年5月10-13日 ライプツィヒ・パウル・ゲルハルト教会
TKCC-15071 (P)1997 徳間ジャパンコミュニケーションズ (国内盤)
(ドイツシャルプラッテンレコード原盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

モダン楽器オーケストラによる演奏。落ち着いた佇まいで安定感があり,快活でありながらも暖かさ,優しさが漂います。やはり近年の尖った演奏ほどの特徴があるわけではありませんが,さりとて古いという感じもありません(しかし,歴史と伝統の重みは何となく感じます)。中庸の良さというところでしょうか。

録音ですが,比較的各楽器をしっかりと捉えているものの,響きが大きく被って明瞭感が損なわれ,またヌケが悪く今ひとつすっきりしません。残響が許せる方なら不満はないかもしれませんが,私の好みではありません。演奏が良いだけにこの録音はちょっと残念です。

さらに残念なことに,廃盤のようです...

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ヘルムート・ヴィンシャーマン指揮(Helmut Winschermann)(Conductor)
ドイツ・バッハ・ゾリステン(Deutsche Bachsolisten)
1977年11月30-12月8日 ミュンヘン、ビュルガーブロイザール(HMV Onlineiconから引用)
68 101 (C)2006 CAPRICCIO (P)2006 Delta Music GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

これ実はA4のフルサイズのスコアです。それにCD 2枚が付属しています。スコアとCDで3,000円以下で買えるのでかなりお得と言えるかもしれませんが,このスコア,かさばってすごく邪魔です(^^;。ポケットスコアにして欲しかったところです。

演奏はモダン楽器です。定かではないのですが,ヴィンシャーマンは1977年と1990年代の2回録音していて,これは1回目の録音ということです(もともとRCA(BMGクラシックス)から発売されていたも)。アナログ録音だと思うのですがなぜかDDDの表記があります。

それにしてもこれは...感激しました! 快速テンポで躍動感に溢れています。淡々としているというか整然としているというか,実は何も特別なことはしていないストレートに突っ走る演奏なのですが,でもすごく勢いと活力のあるノリの良い演奏なんです。楽しくてワクワクします。こういう痛快な演奏,大好きです。特に第二番,第三番,第六番がいいですねぇ。

録音も個々の楽器をしっかりフォーカスしていて明瞭感があり極めて見通しが良いです。スコアの勉強に持ってこいと言えるかもしれません。五つ星を付けようかとも思ったのですが,僅かに響きがまとわりついて音色を損なっているのが気になり四つ星としましたが,これはかなりの好録音です。

ということで,また一つ心躍る素晴らしいディスクに出会えたといううれしさでいっぱいです。これだから聴き比べにはまってしまうんでしょうね(^^;。
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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮(Herbert von Karajan)(Conductor)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)
1978年7月,1979年1月 ベルリン,フィルハーモニー
415 374-2 (P)1980 Polydor International GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

カラヤン/ベルリン・フィル 2回目の録音(トーマス・ブランディス(Vn),他)。1回目同様モダン楽器による演奏で,第二番,第四番はフルートが使われています。1回目とは少し趣が違い,第三番,第六番を含め,中規模?の編成で統一されています。また,モダン楽器による演奏としては旧世代的ではあるものの,適度なリズム感と流動感があり,スタンダード路線の気品と風格を備えた演奏としてかなりよく仕上がっていると思います。

録音ですが,残響控えめで各楽器をきちんと捉えているので聴きやすいのですが,わずかに高域のヌケが悪くスキッとしていないのが惜しいです。また,第二番はソロ楽器がトゥッティの後ろから聴こえてくる感じでぼやけていて良くありません。特にトランペット! 輝かしさがまるでありません。基本的には悪くないだけにもったいないです。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,管弦楽組曲第二番,第三番
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮(Herbert von Karajan)(Conductor)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)
St. Moritz, Konzertsaal “La Reine Victoria”, 8/1964
453 001-2 (P)1965 Polydor International GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

カラヤン/ベルリン・フィル 1回目の録音(ミシェル・シュヴァルベ(Vn),他)。もちろんモダン楽器による演奏ですが,第二番,第四番はフルートが使われています。比較的大きな編成での演奏のようですが,第三番,第六番はフルオーケストラでやってるんじゃないかと思えるほどのスケールの大きい,大迫力の演奏で,他の曲と比べてもかなり異質な感じがします。特に第三番はゴーゴー鳴っていて突出しています。録音のせいも少しはあるとは思いますが。他の四曲はソロ中心に妥当なバランスで録られていますが,みな自己主張が強いのかちょっとガチャガチャとうるさい感じがします(これも録音のせいかもしれません)。

やっぱり内容はいろんな面で時代を感じさせるところがあるなぁと思います。

録音ですが,第三番,第六番は少し鮮明さに欠け輪郭がぼやけていますし,あとの四曲はソロにフォーカスしてオーケストラとのバランスもまずまず良いのですが,密度感がありすぎて見通しも悪いのが難点です。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲,管弦楽組曲第一番
ネヴィル・マリナー指揮(Neville Marriner)(Conductor)
アカデミー室内管弦楽団(Academy of St. Martin-in-the-Fields)
1-4 & 13 November 1985, No.1 Studio, Abeey Road, London
TOCE-14268/69 (P)2009 EMI Music Japan Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

マリナー/アカデミー室内管弦楽団(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)による3回目の録音。約5年前の2回目の録音では豪華なソリストを外部から招いていましたが,この録音では団体内のメンバーを主軸に据えています。

モダン楽器による演奏で,ピリオド楽器による特徴的な演奏が多くなった昨今においてはやや古くさく感じてしまうのですが,そういった旧世代の生真面目なスタイルの完成形がここにあると思います。一つ一つの音を丁寧にこなし,頑なにインテンポを守って揺るぎない音楽を築き上げていく真面目な姿勢がこの演奏の良さではないかと(従って,教科書的な面はやっぱりあります)。聴き始めこそ古さを感じるものの,だんだんとこの世界に惹かれて浸ってしまいます。

録音ですが,EMIにしてはなかなか良い録音です。残響も気にならないレベルですし,個々の楽器をそれなりにしっかりと明瞭に捉えています。全体的に2回目の録音よりも上回っていると思います。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
サイトウ・キネン・チェンバープレイヤーズ(Saito Kinen Chamber Players)
2001年9月3,4,5日 松本 ザ・ハーモニーホール
KICC 379/380 (P)2002 King Record Co. Ltd. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

音楽監督としてリコーダー奏者のワルター・ファン・ハウヴェを迎えています。総勢26名の名前がエントリされていますが,分担して演奏しているので,各曲の編成は小規模です。リコーダーの山岡重治,ヴァイオリンの安芸晶子,ヴィオラの今井信子,フルートの工藤重典,チェンバロの野平一郎,チェロの林詩乃,といった,私でも名前を知っているような実力者も参加しています。

モダン楽器による演奏でピリオド奏法を意識しているようにも思えませんが,思いのほか古雅な響きがしています。さすがに名手が揃っているだけあって上手いですし,特に終楽章は総じてテンポ取りが高速でアグレッシブ(第四番は相当速い!)なのに,全体の表現はどちらかといえば控えめで大人しいという印象です。まとまりを重視しているのかもしれません。もう少し協奏曲としての面白さがあったらと思います。

このディスクで特徴的なのは,第二番のトランペットのパートをナチュラル・ホルンで演奏していることです。理由は,その輝かしく力強い音が他のソロ楽器の音をかき消してしまうからで,一オクターブ低いホルンを用いることでバランスの問題が解決するため,このような編成を試してみても良いであろうということです。

しかし,やっぱりトランペットで聴きたいと思いました。もしこのパートが元からホルンだったら,ビートルズのペニー・レーンは決して生まれなかっただろうと思うのです。あの輝かしさのない第二番はちょっと淋しいです。

それで録音ですが,個々の楽器をそこそこ明瞭に捉えており,残響が多少取り込まれているものの煩わしい感じは少ないです。ただ,すこしヌケの悪さがあり,また捉え方が濃いのかすっきり感に欠けるので,良好という感じでもないです。ちょっと惜しいです。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
ジョナサン・ヘリアー・ジョーンズ指揮(Jonathan Hellyer Jones)(Conductor)
ケンブリッジ・バロック・カメラータ(Cambridge Baroque Camerata)
St Silas Church, Kentish Town, London NW5, 5-9 August 1997
IMCD 055-056 INTIM MUSIK (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

ピリオド楽器による演奏。タイトルに“BRANDENBURG CONCERTOS 1-7”と書いてあって,第七番って???と思ったら,ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第三番BWV1029の編曲(by Duncan Druce)ということです。編成は第六番と同じです。

演奏は颯爽としていながらも極端に走ることなくセンス良くまとめていて安心して音楽に浸ることが出来ます。技術的にも問題はありません。

それで注目の第七番ですが,第六番と同じ編成なのでちょっと地味な上に短調なので余計に沈んでしまう感じがます。ブランデンブルク協奏曲自体が全て長調ということもあり,これを第七番と呼んでしまうことに少し違和感があります。せめてどれとも違う編成でやって欲しかったところです。試みとしては面白いのですが...成功しているとは言い難いです。でも第六番までは前述の通りなかなか良いです。

録音ですが,若干残響が多めですが,個々の楽器を比較的しっかりと捉えていて高域まで曇ることなく一応ちゃんと聴こえてくるので印象としては悪くありません。私の好みとは少し違いますが。

タグ : [協奏曲]

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バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
マレク・シュトリンツル指揮(Marek Stryncl)(Conductor)
ムジカ・フロレア(Musica Florea)
Studio 1 of the Czech Radio, Prague, June 27-28, 2006(No.3-6), November 5-6, 2006(No.1-2)
SU 3942-2 (P)2008 SUPRAPHON MUSIC (C)CZECH RADIO (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower RecordsCzech Radio

チェコ放送局のスタジオでの録音のようです。若干残響を伴っていますが,直接音を主体にすっきりと見通しよく録っています。ピリオド楽器によるこの演奏は,かなりアグレッシブに攻めてきますが,鮮烈というより爽やかに感じられるのは,この録音の良さに負うところが大きいのではないかと思います。特に第三番以降の録音が良いです。第一番,第二番は少しソロの捉え方が弱く,ヴァイオリンなど下支えのない音で,この点は少し残念です。

演奏は,第一番ではホルンが前面に出てきてブイブイと鳴らす活躍が楽しく,弦楽器による第三番,第六番は音を短めに切り,快速テンポでリズムを強調する攻めの演奏,第二番はトランペットの実力にあわせたのかやや抑えめ,第四番,第五番は速めのテンポの爽やかさが印象的です。愛聴盤候補となりました。

ところでこの演奏,Czech Radioで全曲がMP3もしくはFLACで無料ダウンロード出来ます(なんという太っ腹...でも私は知らずにCDを買っちゃいました。後悔はしていませんが。)。MP3は192kbpsでもう少し高いビットレートにして欲しいところですが,FLACはもっとレートが高く高音質が期待できます。ご興味があれば聴いてみてください。

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