好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
 更新  4/19 ブラームス:ヴァイオリンソナタ集/ヴィオラ・ソナタ集のコメントを追記しました。


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The Art of Oscar Shumsky
CSM1033 Nimbus Records (輸入盤) ※韓国盤
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
バッハの無伴奏ヴァイオリンが名盤として有名となりながら一時期入手困難でなかなか聴くことが出来なかったシュムスキーの演奏が,数年前(2010年)にNimbusから再発売となり,入手困難な状況は改善されたものの,CD-Rでの発売だったのがとても残念でした。今回このバッハ無伴奏を含むMusic MastersとNimbusでの録音を集めたボックスが発売になり,プレスCDで入手できるようになりました。有り難いことです。

このボックスセットについては加藤幸弘氏の有名なクラシック音楽CDの雑談の2014年3月21日のエントリーで詳しく解説されています。(いつも参考にさせていただいています。有り難うございます。)

16枚組で,大きく分けて8種類の曲集がありますので,その録音について少しずつコメントを追記していきたいと思います。


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[CD1, CD2]
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
オスカー・シュムスキー Oscar Shumsky (Violin)
Original release (P)(C)1979 Music Masters Inc.
録音は1975年と思われる
好録音度:★★★☆
2003年にCD試聴記で取り上げていましたので,以下コメントを転載します。

まさに入魂の演奏! 武骨で不器用なほどにストレート,かつ,全編に渡って極めてテンションが高く圧倒されます。 ただただひたすら無心に演奏に打ち込んでいる姿が目に浮かんできます。 決して個性の強い演奏ではありませんし(むしろ地味),洗練されているわけでもなく, その気迫が時に息苦しささえ感じさせることもありますが, 無垢の魅力に溢れており,素直に「すごい!」と言える好演だと思います。

録音ですが,やや残響感を伴っているものの,明瞭感,解像感はそこそこあり,この点では好ましいです。 ただ,音色はかなり硬質でギスギスして刺激的,少々聴き疲れします。 また,高域の伸び感が今ひとつで,スカッとしません(こもった感じではありませんが)。 1975年の録音にこのような文句を付けるのもどうかとは思いましたが,やっぱり1975年の録音にしてはちょっと古臭い音質に感じます。 演奏が良いだけに少々残念です。

(記2014/04/06)(元記事2003/10/02)

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[CD3]
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
オスカー・シュムスキー Oscar Shumsky (Violin)
スコットランド室内管弦楽団,他
Recorded at the Queens' Hall, Edinburgh, January 1984
好録音度:★★★★
本ブログの2009年9月11日のエントリーで取り上げていたディスクと同じものです。以下コメントを転載します。なお,そのときの録音評価は四つ星半としていましたが,今改めて聴いてみると少し過大評価していたようにも思いますので,今回は四つ星とし,最後に少し追記しました。

シュムスキー氏というと私にとってバッハ無伴奏ヴァイオリンの印象がとても強いヴァイオリニストです(ディスクの入手に苦労したので特に...(^^;)。ピリオド奏法やスマートで洗練された演奏が多くなった昨今の演奏と比べると,いかにも旧世代の真面目で堅くきっちりと弾く(ビブラートもきっちりとかける)スタイルですが,バッハ無伴奏で見せたような厳しさは影を潜め,どことなく優しくおっとりした雰囲気を醸し出していて,これはこれで良いなぁと思います。

Nimbusというと残響過多でモワモワの録音が多いというイメージでしたが,この録音はそのイメージを払拭するものでした。ソロにフォーカスした音の捉え方をしており,オーケストラに対してソロの音量,明瞭度を高めにとってあるため,オーケストラはやや遠く,ソロがしっかり前に出てきます。やや誇張された感じはありますが,協奏曲の録音としてはこれくらいが好ましく,気持ちよく聴けます。(以下,追記)ただ,音色はくすんだ金属のようにやや硬質で1984年のデジタル録音ですが,だいぶ古臭く感じられます。

(記2014/04/06)(元記事2009/09/11)

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[CD4 - CD7]
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集
オスカー・シュムスキー Oscar Shumsky (Violin)
アルトゥール・バルサム Artur Balsam (Piano)
Original release (P)(C)1979 MusicMasters Inc.
好録音度:★★★★~★★★★☆
氏の芯の強い快活で歯切れの良い弾き方が活きています。モーツァルトらしくないと思われるかもしれませんが,こんなモーツァルトもアリだと思います。

そしてこの録音がまたなかなか良いのです。多少のばらつきはあるものの,残響感はほとんどなく自然な音色で明瞭に録られています。弓の毛が弦にぶつかる瞬間のニュアンスまでも感じられます。一方ピアノはヴァイオリンと比較するとやや響きを多めに取り入れています。もう少しクリアに粒立ちを際だたせて欲しかったと思うのですが,バランス的にはこれで良かったのかもしれません。

このボックスセットの中では録音が最も良い部類に入ると思います。これは当たりでした。

(記2014/04/08)

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[CD8]
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番,第5番
オスカー・シュムスキー Oscar Shumsky (Violin)
スコットランド室内管弦楽団,他
Recorded at the Queens' Hall, Edinburgh, April 1983
好録音度:★★★
これもシュムスキー流の巨匠的演奏ですが,他の曲に比べると少しキレに欠けノリが良くない感じがします。しかし,カデンツァでの見得の切り方などとても格好が良く,このあたりはさすがです。

録音ですが,マイクポイントが遠いのか,明らかに間接音が主体になっていて音色を大きく汚しています。明瞭感も良くありません。オーディオ品質以前に録り方が良くなさ過ぎると思います。1983年の録音なのですが... これは残念です。

(記2014/04/09)

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[CD9, CD10]
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集
ブラームス:ヴィオラ・ソナタ集
オスカー・シュムスキー Oscar Shumsky (Violin)
レオニード・ハンブロ Leonid Hambro (Piano)
Original release (P)(C)1991 MusicMasters Inc.
好録音度:★★★★~★★★★☆
バッハの無伴奏ヴァイオリンで見せた厳しさは影を潜め,穏やかに音楽が流れていきます。枯れた味わいが深くしみる秀演です。

そしてなによりこの録音が良いです。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタと並んでこのボックスセットの中で最も良い中の一つです。残響がなく極めて明瞭です。ホール音響とは全く異なるのでこの点で少し不自然さはありますが,シュムスキー氏の演奏を何にも邪魔されずに堪能できるので,このような録音を好ましく思います。

特にヴィオラ・ソナタでこの録音が活きています。ただでさえ音色が地味なヴィオラなので,これに少しでも残響が被って音色がくすむともう聴いていらないのですが,この録音はヴィオラの音色をストレートに伝えてくれるので全くストレスを感じることなく聴けるのがうれしいです。

(記2014/04/19)

[CD11]
ブラームス:ハンガリー舞曲集
オスカー・シュムスキー Oscar Shumsky (Violin)
フランク・マウス Frank Maus (Piano)
Original release (P)(C)1998 MusicMasters Inc.
※コメントは後日記載予定

[CD12]
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集
オスカー・シュムスキー Oscar Shumsky (Violin)
Recorded at Wyastone Leys, Monmouth, UK on Oct. 16-18, 1982
※コメントは後日記載予定

[CD13 - CD16]
クライスラー作品集
オスカー・シュムスキー Oscar Shumsky (Violin)
ミルトン・ケイ Milton Kaye (Piano)
ウィリアム・ウォルフラム William Wolfram (Piano)
Original release (P)(C)1983, 1984 MusicMasters Inc.
※コメントは後日記載予定
cover picture (a) cover picture (b) cover picture (c)

(a) リコーダー協奏曲集
ヴィヴァルディ:ソプラニーノ・リコーダーのための協奏曲 ハ長調 RV.443
G.サマルティーニ:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ヘ長調
テレマン:アルト・リコーダーのための協奏曲 ハ長調
ヘンデル:アルト・リコーダーのための協奏曲 ヘ長調 作品4の5
日本語解説書の記載:1979.6.26-27, Henry Wood Hall
オリジナルの解説書の記載:London, 7/1980
Philips 32CD-42(400 075-2) (C)1980 Phonogram International (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★★

(b) リコーダー協奏曲集
ベイベル:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ハ長調 作品3の1
ヘンデル:アルト・リコーダーのための協奏曲 変ロ長調 作品4の6
バスタン:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲第二番 ニ長調
ジェイコブ:アルト・リコーダーのための組曲
1982年6月20-30日,ロンドン
Philips 32CD-433(411 056-2) (C)1983 Phonogram International (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★★

(c) リコーダー協奏曲集
マルチェッロ:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ニ短調
ヴィヴァルディ:ソプラニーノ・リコーダーのための協奏曲 ハ長調 RV.444
テレマン:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ヘ長調
ノード:ソプラノ・リコーダーのための協奏曲 ト長調 作品17の5
1984年6月8-10日,ロンドン,ヘンリー・ウッド・ホール
Philips 32CD-211(412 630-2) (C)1985 Phonogram International (国内盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★★

ミカラ・ペトリ(Michala Petri)(Recorder)
アイオナ・ブラウン(Iona Brown)(Conductor)(a)
ケネス・シリート(Kenneth Sillito)(Conductor)(b)(c)
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(Academy of St Martin in the Fields)

参考url: オフィシャルWebサイトHMV Onlineicon

ミカラ・ペトリの初期の頃の協奏曲集です。完璧な技巧に加えて純粋無垢で透明な音色は何物にも代え難い魅力があります。もう何も言うことはありません。やっぱり特に素晴らしいのはソプラニーノ・リコーダーで演奏される(a)のヴィヴァルディです。曲も良いし演奏も最高! もう何百回聴いたかわかりません。あとは,親しみやすいメロディーが印象的な(a)のサマルティーニ,短いながらも愛らしい佳作の(b)のベイベル,楽しさ溢れる(c)のノード,などが気に入っています。

そしてこれらの録音がまた最高に良いのです。わずかに感じられる残響もほとんど邪魔にならず,リコーダーの澄んだ音色を余すところなく捉えているほか,バックの弦楽器も明瞭かつ自然な音でリコーダーの音を支えています。もう30年近く前の録音なんですねぇ...昔のフィリップスの録音は本当に良かった...(←年寄り臭いですなぁ) 好録音度は文句なしに最高です。

ということで,これらのCDは長い間私の愛聴盤になっています。

これらのCDは単体では現役盤はないようですが,リコーダー・ソナタ集と組み合わせた4枚組の企画盤「ミカラ・ペトリ:リコーダーの芸術」というセットが出ているようです(→HMV Onlineicon)。

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