好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
アレクサンドラ・クルス Aleksandra Kuls (Violin)
The Concert Hall of the Krzysztof Penderecki European Centre for Music in Lusławice, Poland.
DUX 1145 (P)(C)2016 DUX (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

併録曲は,ペンデレツキ:ラ・フォリア,プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ作品115,イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番。

オーソドックスで教科書的に整った演奏。 時折装飾が入るものの,どちらかといえば旧世代の様式を引き継いでいるように思います。 技術的にも優れ,隅々までコントロールが行き届いています。 まだまだ個性を発揮するまでにはなっていませんが,これを起点に伸ばしていけばよいと思います。 今後の成長と活躍に期待。

録音ですが,少し残響感があり音色に影響しているものの,音自体に伸びがあり,印象は悪くありません。 楽器の質感やニュアンスも感じられます。 ソロ・ヴァイオリンの録音としては標準的で,客観的にも良好な部類に入るように思います。

アレクサンドラ・クルスは1991年生まれ,ポーランド出身の若手ヴァイオリニスト。 ヨーゼフ・シゲティ国際コンクール等で優秀な成績を収めたようです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ナタン・ミルシテイン Nathan Milstein (Violin)
London, Conway Hall (Wembley, Brent Town Hall), 2, 4, 9/1973
POCG-3305/6(423 294-2) (P)1975 Polydor International GmbH (国内盤)
※(1)初期の頃のCD
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ナタン・ミルシテイン Nathan Milstein (Violin)
London, Conway Hall (Wembley, Brent Town Hall), 2, 4, 9/1973
457 701-2 (P)1975 Polydor International GmbH (C)1998 Deutsche Grammophon GmbH (輸入盤)
※(2)Deutsche Grammophon THE ORIGINALS (OIBPリマスター盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ナタン・ミルシテイン Nathan Milstein (Violin)
1973年2月,4月,9月 ロンドン,コンウェイ・ホール
PROC-2010/1 (P)1975 Deutsche Grammophon GmbH, Berlin (国内盤)
※(3)TOWER RECORDS VINTAGE SA-CD COLLECTION Vol. 3 (タワーレコード企画盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

CD試聴記」からの転載記事です。

ミルシテインが70歳になる頃に録音された2回目の全集。 もしかしたら技術的な衰えがあるのかもしれませんが,そんなことは全く感じさせません。 紛れもなくヴァイオリンによって奏でられている音楽なのに,ヴァイオリンが意識からふっと消え,純粋に音楽だけが鳴り響く感じがするのです。 ヴァイオリンという楽器の持つ制約から音楽を解き放っているとでも言いましょうか。 数多の演奏とは明らかに違う次元・高み・深みに達していると思います。 私が言うまでもありませんが,本当に素晴らしい演奏ですね。

録音ですが,やや多めに残響が取り込まれており,楽器音に被って音色を濁しており, 鮮度やニュアンスを損なう要因になっていますが,それでも楽器音をしっかりと捉えているので許容範囲です。 この程度であればむしろ好む方がいらっしゃるとは思いますが,私としては1回目の全集のようなストレートで生々しい録音でないのが本当に残念でなりません。

なお,(1)の初期の頃のCDに比べ,(2)のOIBPリマスター盤は鮮度が改善され,良い状態になりました。 タワーレコードの企画盤として2017年にSACDハイブリッドで発売された(3)は,さらに付帯音的な雑味が軽減われ,わずかですがさらに改善がみられました。 まあ(2)のOIBPリマスターがそこそこ良い品質でしたので,欲を言わなければ(2)でも十分かもしれません。 とはいえ,最良の状態で復刻されたことは喜びたいと思います。 タワーレコードに感謝!
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ナタン・ミルシテイン Nathan Milstein (Violin)
26 & 31 March 1954(Sonata No.1), 6 February 1956(Partita No.1), 27 December 1956(Sonata No.2), 23-24 March 1954(Partita No.2), 5, 16, 17 March 1956(Sonata No.3), 28 December 1955(Partita No.3), Studio A, 46th Street Studio, NY.
ZDMB 64793 2 3 (P)1955-66 (C)(P)1993 Angel Records(compilation and digital remastering) (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

恐ろしいほどにキレが良く,その潔さが痛快極まりなし! 変な言い方ですが,過剰なまでにコントロールが効きいたオーバーシュートする音楽表現が何とも言えません。 最も覇気のある充実した時期の巨匠の強烈な個性に圧倒される,ものすごく尖った演奏です。 リピートの省略が多いのが残念ですが,時代を思えば仕方なしですかね。

これは1回目の全集録音で,一般的には1973年の2回目の全集の方が評価が高いと思いますが, この1回目の録音も捨てがたいです。 私はむしろ1回目よりこちらの方が好きかもしれません。 ミルシテインの全盛期の魅力がこの全集に凝縮されていると思うのです。

録音はスタジオでのモノラル録音で,わずかに残響が感じられる曲もありますが,その影響はほとんどありません。 少し距離感があって,そのためにわずかに明瞭感,鮮明さが落ちているのが残念ですが, それでもこの時期のモノラル録音としてはかなり良好な状態と言えると思います。 演奏をストレートに生々しく伝えてくれる点を大きく評価しました。 好録音です。

もちろん1950年代半ばの録音なのでクオリティは良いとは言えませんし, マスターテープの問題と思われる音の曇りが感じられるところもあります。 古い録音なのでこれは仕方ありません。

この演奏は時々復刻はされているようですが,もしかしたら今は現役盤がないかもしれません。 入手困難ではないと思いますが...
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ヨーゼフ・シゲティ Joseph Szigeti (Violin)
1959年6月~1960年4月※1
KICC 8585/6 (P)1960 King Record Co., Ltd. Recorded by Omega Record Group, USA (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ヨーゼフ・シゲティ Joseph Szigeti (Violin)
1955年10月17-18(ソナタ),1955年7月(パルティータ第1番),1955年10月18,20日(パルティータ第2番),1956年3月2日(パルティータ第3番) ニューヨーク CBS 30丁目レコーディング・スタジオ
GCAC-1002-3 (P)1955,56 (C)2017 Global Cultures Agency, Inc. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

シゲティの演奏は孤高の演奏であると高く評価される一方で, 技術的に難があるとか,技術の衰えが否めないとか,たどたどしいとか, いろいろと欠点も指摘され,評価が分かれていると思います。

私も2002年に初めて聴き,最初の感想を書いたときには, 技術的な不安定さが気になってどちらかといえば否定的な感想を持ったため, それ以来手にとって聴き返すことはありませんでした。

高音質盤で復刻されたのを機に,ほぼ15年ぶりに聴き直してみました。 不思議なことに,技術的に難があるとか,衰えが感じられるとか, そういった技術面に課題を残す演奏には全く聴こえませんでした。 彼にとっては演奏を隅々まで完璧に仕上げることよりも, 音楽に全身全霊で魂を込めることの方が優先事項であり, この演奏は彼が進んで選んだ表現様式による完璧に完成された作品そのものなのであろう, と思えてきました(→という自分に一番驚いています(^^;)。

この演奏が好きかどうかはまた別問題なのですが,少なくとも楽しめるようにはなりましたし, いろいろと発見があったのは大きな収穫です。

録音はモノラルで,スタジオで録音されたようです。 曲により多少のばらつきはありますが,残響は少なめで楽器音を明瞭に捉えていて, また,古い録音ですが音の曇りは最小限で聴きやすい録音です。 1955, 56年の録音としてはまずまず良好と言えると思います。

xrcd24の新しい復刻は,わずかながら雑味が減少し,ぼやけたところすっきりとがシャキッとした印象があります。 ただ,旧盤もそれほど悪かったわけでもなく,また,マスターに起因する音の傷は同様にあるため, 驚くほどの改善にまではいかなかったようです。 とはいえ,最良の状態で復刻されたことを喜びたいと思います。

※1: 旧盤のディスクの解説では録音年が1959~60年になっていました。 正しい録音年は1955~56年で,最近のものは訂正されているようです。2002年にこの件について調べた記事を書いていました(→こちらこちら)。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ミシェル・ロス Michelle Ross (Violin)
December 4 and 5, 2013; January 31 - February 2, 2014; March 19-21, 2014 at the American Academy of Arts and Letters, New York
TROY1662/63 (P)(C)2017 Albany Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.comApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 しなやかで伸びのあるフレージングが素晴らしい好演奏。 滑らかな音の移り変わり,音色の美しさも特筆できます。 技術的にも優れ,コントロールが隅々まで行き届いています。 これは出色の出来映えで,思わず聴き惚れてしまいます。

録音ですが,若干の響きのまとわりつきはあるものの,楽器音を適度な距離感でニュアンス豊かに捉えています。 弓が弦に触れる微妙な感触まで聴き取ることができます。 好録音です。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
モブセス・ポゴシアン Movses Pogossian (Violin)
December 21-23, 2015 and May 28-30, 2016, at the Recording Studio of the UCLA Herb Alpert School of Music
New Focus Recordings FCR178 (P)(C)2017 Movses Pogossian (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。全体に遅めのテンポで音楽が進行していきます(なのでCD 3枚組になっています)。 ところどころ大見得を切るようなところはありますが,どちらかといえば正統派の演奏であり, 技術的にもそこそこの安定感があり,ハーモニーも美しく,充実感があります。 正直言うと中にはテンポが遅すぎてちょっと退屈してくる楽章ないことはないのですが, 全体としては好印象でした。

録音ですが,スタジオでの録音のためか,残響は控え目であり,適切な距離感で, 弦の上を滑る弓の微妙なニュアンスも聴き取ることが出来る好録音です。 オーディオ的にはあまり魅力がない録音かもしれませんが, 地味でもこういう楽器の質感を大事にした録音が良いのです。

ポゴシアン氏はソ連出身のヴァイオリニストで,1986年第8回チャイコフスキー国際コンクール ヴァイオリン部門第7位の入賞歴があります。 現在はアメリカのUCLA Herb Alpert School of Musicのヴァイオリンの教授とのことです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,パルティータ第2番,第3番
エンリコ・オノフリ Enrico Onofri (Violin)
2014年12月16日-22日 イタリア,クレマ "Cascina Giardino music hall"
UZCL-1030 (P)(C)2016 Anchor Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック楽器による演奏。 旧来からの演奏とはかなりアプローチの異なる表現が随所に見られるという点でかなり面白い演奏です。 ある意味バロック楽器による演奏に対する期待を裏切らないと言えます。 ただ,これが好きかと言われると話は別で, 個人的にはバロック楽器の演奏のこういうところが苦手でどうしてもこれが好きにはなれません。 すみません。

録音ですが,録音会場の響きを活かした,そして過剰になることなく高いクオリティで収録しているという点で優秀録音と言えるかもしれない録音なのですが, やはり響きを重視した録音のトレードオフとして楽器音がくすんでおり, 楽器の質感が失われているのが私としては好ましく思えません。 もっと楽器そのものの音色を大事にした録音をして欲しいものです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
タマーシュ・フェイェシュ Tamás Fejes (Violin)
4-7, November 2014 and 28-31, October 2015
DMV120 (P)2016 Tamás Fejes (C)2016 Discovery Music & Vision (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器での演奏。オーソドックスで,丁寧に演奏しています。 技術的にも安定感があり,音色も綺麗です。 特徴のある演奏ではありませんが,耳に馴染みやすく安心して聴くことが出来ます。

録音ですが,少し残響が多めで楽器音に被り,まとわりつきが少々鬱陶しく感じられます。 また音色も影響を受けて癖がついており,明瞭感も落ちています。 そんなに悪くはないとはいえ,もう少しすっきりとヌケ良く明瞭に録って欲しいところです。 ちょっともったいないと思います。

タマーシュ・フェイェシュはハンガリー出身のヴァイオリニストで, フィルハーモニア管弦楽団に所属していたことがあり, 最近はロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団のアシスタント・リーダー,および, 英国王立スコットランド音楽院の非常勤講師とのことです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
浦川宜也 Takaya Urakawa (Violin)
2015/12/16, 2016/1/30, 2/26, 3/28, 4/14-15
HMOC 17836/8 (P)(C)2016 HIBIKI MUSIC (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

浦川氏34年ぶり2回目の録音で,75歳くらいの録音になります。 年齢からくる技術の衰えはいかんともし難く,相当キレはなくなり音程を含めて不安定です。 しかし,年齢の積み重ねから来る得も言われぬ味わいがあるのも確か。

録音ですが,少し残響が取り入れられていて音色に影響を与えているものの, 楽器の質感もそれなりに感じられて,まずまず良好です。 ソロヴァイオリンの録音として標準的で悪くありません。 もちろん個人的にはもっと残響を抑えてすっきりした音で録って欲しいと思っています。

でもやはりこれは浦川氏とご縁がある方に向けたアイテムなのでしょうね。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
浦川宜也 Takaya Urakawa (Violin)
1979年-1982年
FOCD 2505/6 FONTEC RECORDS (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

旧世代の古めかしい演奏スタイルを頑なに守り続ける職人気質の頑固オヤジ的演奏(^^;。 遅めのテンポで一音一音力を込め,ヴィブラートをしっかりかけて弾いています。 弓の圧力が強くひたすらハイテンションで音が少々ギスギスしています。 技術的なキレが良いとは言えませんが,地に足の付いた音楽を聴かせてくれます。 渾身のシャコンヌは一聴の価値ありです。 リピートの省略があるのが少々残念です。

録音ですが,比較的オンマイクで残響を抑え気味にしていますが,響きの質があまり良くなく楽器音が少し濁っています。 惜しいと思います。 ソナタ第3番,パルティータ第3番は少し良い状態です。

浦川氏1回目の録音で,40歳頃の録音と思われます。 15年ほど前に1回目のレビューを載せていましたが,久しぶりに聴いてみてだいぶ印象が異なりました。 再レビューです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
イ・ソンイル Sungil Lee (Violin)
録音データ記載なし
WMED 0520(P)(C)2016 Arcade 9 (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器の伝統的なスタイルによるオーソドックスな演奏。 技術的にものすごくキレるわけではありませんが,安定感はあって安心して聴けます。 特徴のある演奏ではありませんが,真摯に音楽に向き合う姿勢が伝わってくる良い演奏だと思います。

録音ですが,やや残響が多めで楽器音へのまとわりつきが少し気になりますが, その影響は少なめで許容範囲です。 ソロ・ヴァイオリンの録音としては標準的だと思います。 もちろん私としては残響をもっと抑えてすっきりと伸びのある音で録って欲しかったとは思います。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
チョン・キョンファ Kyung-Wha Chung (Violin)
19-21.II, 24-26.III, 3-5.IV & 30.V-1.VI.2016, St George's Brisol
0190295944162 (P)(C)2016 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

人間的な魅力に溢れる快演! 力を抜くことで音楽的な表現の幅が格段に広がっています。 陰影に富み情緒豊かであり,彼女自身の言葉でバッハに対する思いが語りかけられているようで大変魅力的です。 かつてのあらん限りの情熱を注ぎ込んだ演奏とは目指す方向性が明らかに変わった,まさに新境地の演奏と言えると思います。

録音ですが,やや残響が多めであり,その影響で少し音色がくすみ,まとわりつきですっきりしません。 旧EMI的音づくりが少々不満ですが,それでも楽器の音はしっかりと捉えられている方なので,許容範囲ではあります。

満を持しての全集録音が素晴らしい出来でホッとする気持ちがある一方で, やはり全盛の時期に全曲録音がされなかったことを残念に思う気持ちが余計に強くなります。 ファンとしては満を持すことなくその時々の姿を残していってくれたらそれが一番うれしいと思うのです。
NPR Music Tiny Desk Concertからもう一つ。彼女は今年の春に全集をリリースしていますね(記事はこちら)。演奏曲は以下の3曲。

J.S. Bach: "Tempo di Borea" (from Partita No. 1)
J.S. Bach: "Largo" (from Sonata No. 3)
J.S. Bach: "Fuga" (from Sonata No. 1)

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,パルティータ第3番
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番,第5番
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
III 2015, Köln, Deutschlandfunk Kammermusiksaal
Avi Music 8553346 (P)(C)2016 Deutschlandradio/Avi-Service for music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 抑制の効いた演奏ながら,緩急強弱を巧みに活かした表情豊かな演奏です。 透明感の高い音色の美しさ,和音の溶け合った響きの美しさ,隅々まで神経の行き届いた完成度の高さは本当に素晴らしいです。 これぞモダン楽器の表現力をフルに活用した,現代的に洗練された演奏と言えるのではないかと思います。 全集の完成が楽しみです。

録音ですが,わずかに残響を伴いながらも楽器音を邪魔するほどではなく, 明瞭さ,音色の自然さ,透明感などどれをとっても満足できるレベルで仕上げられています。 もう少し質感を強調しても良いかとは思いますが,これでも十分良いと思います。 第1弾の録音よりもずっと良いと思います。

本ディスクは,バッハとイザイの無伴奏曲を収める三部作の第2弾。 以下に,2014年12月23日の第1弾のレビューを併記しておきます。

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,パルティータ第2番
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番,第2番
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
X 2012, Köln, Deutschlandfunk Kammermusiksaal
Avi Music 8553320 (P)(C)2014 Deutschlandradio/Avi-Service for music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

音楽の流れが極めてスムーズで,和音の響きも大変美しく,フレージングもきめ細やかにコントロールされています。 卓越した技術と表現力で完成度の高い音楽に仕上げています。 主張の強い演奏ではありませんが,誇張のない自然さが魅力の素晴らしい演奏だと思います。

録音ですが,残響はやや多めで,音色を損なっていて,音楽性にあまり寄与していません。 それでも高域の伸び感はあり,まあ何とか我慢の範囲内ではあるのですが, 中低域の充実感がなく,実在感が希薄で質感に乏しいこぢんまりとした録音になってしまっています。 悪くはないものの,美しい音色を活かす透明感のある録音でないのが本当に残念でなりません。

ヴァイトハース氏は,アルカント四重奏団の第1ヴァイオリン奏者。 バッハとイザイの無伴奏曲を収める三部作の第1弾とのこと。 完結が楽しみです。

(記2014/12/23)
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,パルティータ第2番,第3番
エドゥアルド・メルクス Eduard Melkus (Violin)
Karlskirche, Vienna, August 1975
(C)2015 Particleboard Productions (輸入盤)
好録音度:★★☆
参考: MARAIS MUSIC STUDIO

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック楽器による演奏。 1975年のライヴ録音。 あと,ソナタ第3番から第3楽章 Largoも収録されています。

ライヴらしい勢いのある演奏であり,その勢いに身を委ねているというか, 赴くままに即興的に表現を展開していっているような演奏です。 一方で,細部にこだわらない粗削りな演奏なので,つきつめたような完成度はありません。 これもライヴならではの1回限りの演奏を楽しむ,というところでしょう。 シャコンヌの演奏時間が10:26というところからもその勢いが想像できると思います。

録音ですが,残響が多い上に,まるでラジカセで録ったような音であり, 環境ノイズもかなり多く,全く録音状態は良くありません。 中低域が薄く帯域バランスも大きく崩れています。 高域がまずまず出ているので曇りは少なく,この点だけは救いと言えますが, 商用の音源としては全くもって不足と言わざるを得ません。 同氏の貴重な演奏の記録として捉えるべき録音なのでしょうね。

あと,カップリングとして,フーガの技法からCONTRAPUNCTIS XIV (Completion - Eduard Melkus)も収録されています。 このディスクはMARAIS MUSIC STUDIOというサイトで販売されているのを見つけました。 ほとんど自主制作のような感じです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,他
“BACH to TANGO”より
キャロライン・アドメイト Caroline Adomeit (Violin)
録音不明
(P)2011 Caroline Adomeit (輸入盤) *Apple Musicより
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp(MP3)Apple Music
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番,他
“BACH to JAZZ”より
キャロライン・アドメイト Caroline Adomeit (Violin)
October 2 & 3, 2011, at Großer Konzertsaal, Hochschule für Musik und Theater, München
(P)2011 (C)2012 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。“BACH to TANGO”,“BACH to JAZZ”と題されたアルバムからで,バッハはそれぞれ1曲ずつ収録されています。バッハのみコメントします。他の曲については上記の参考に挙げたURLをご参照ください。

モダン楽器による演奏。 淀みのない軽快なテンポで進行する気持ちのよい演奏。 技術的にもキレがあり安定しています。 表現自体は高いレベルでバランスが取れており,ノーマルで癖がなく聴きやすいのですが, ごく標準的な感じなので少し印象には残りにくいかなと思います。

録音ですが,少し残響が多めですが,直接音もしっかりと捉えられているので明瞭感はあり,印象は悪くありません。 もう少し残響を抑えて透明感のある音で録ってくれていれば良かったのですが,これでも十分許容範囲でしょう。 屋外の車の往来のノイズが少し気になります。 鑑賞の邪魔になるほどではありませんが,外来ノイズにはもう少し気を遣って欲しいところです。

公式Webサイトがあります。キャロライン・アドメイトはドイツ系の英国人で,ハンブルクとミュンヘンに留学,オランダでは名手ヘルマン・クレバースから教えを受けたとのことです。

それにしても...何だろう...この健康的お色気は...アメリカ人かと思ってしまいました(失礼 (^^;)。
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チョン・キョンファ(鄭京和)のバッハ無伴奏ヴァイオリン,待望の全曲盤リリース?! Amazon.co.jpによると9月2日の発売。レーベルはワーナーミュージックジャパン。これは楽しみです!

Tower Recordsにも情報が載っていました。2016年4月にワーナーとの録音契約を締結,第1弾としてバッハ無伴奏ヴァイオリンの全曲をリリース,録音はブリストルのセント・ジョージ教会,とのことです。

HMV Onlineiconのカタログにも載りました。2015年のセッション録音とあります。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタSz.117
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番よりラルゴ
伊藤亜美 Ami Ito (Violin)
2015年10月26-27日 聖ヨハネ ネポムク教会(ウィーン)
TCR2016A (C)2016 TC Records (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。コメントはパルティータ第2番に対してのものです。

モダン楽器による演奏。 端正で大変美しい。 自然体であり,伸び伸びとした表現が気持ちの良い好演奏です。 技術的にも上手く,隅々まで気配りが行き届き,高いレベルで仕上げているのはさすが日本人演奏家と言いたいです。 今後のご活躍にも期待します。 是非全曲録音を。

さて録音ですが,教会で録音されているということもあり,ものすごく残響時間が長いです。 ここまで残響時間が長いのも滅多にないと思います。 しかし,直接音が比較的きちんと捉えられているので, これだけの残響がありながら残響の被りによる音色への影響は少なめで,私の感覚でもぎりぎり許容範囲です。

しかしながら,やはり楽器音へのまとわりつきが鬱陶しく,本来の音色の伸びやかさが阻害されていると思いますし, あまりに残響時間が長いため,過去の響きが混じり合って混沌とし,これは音楽的にどうなんだ?という気もします。 実際にその会場で聴くには良いにしても,録音にした場合には「過ぎたるは及ばざるがごとし」ではないかと。 確かに雰囲気はありますし,残響の取り入れ方としては良くできている方だと思いますが, 私は楽器から放出される音をもっとストレートに聴きたい!と強く思います。

アルバムのタイトルは「A」(バッハ バルトーク ヴァイオリン無伴奏作品集)。 併録曲として,バルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタSz.117と, バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番から第3楽章ラルゴが収録されています。

なお,このラルゴだけは東京の紀尾井町スタジオで録音されたものですが,教会で録音されたようなものすごい残響が付加されています。 他の収録曲と印象を揃えるために人工的に残響を付加したものと想像します(違ったらごめんなさい)。 実際,ちょっと聴いた印象ではかなり似た音響になっています。 しかし,この響きは教会の響きとは全く異なり,ものすごく演出色が強く,また中高域の成分が不自然に多めで極めて不快です。 この演出はこのアルバムの品位,価値を著しく貶めています。 こういうのは本当にやめていただきたい。

伊藤亜美さんの公式Webサイトがあります。 昨年ご結婚され,2016年よりアーティスト名を「尾池亜美」から「伊藤亜美」に変更して活動されているとのことです。

なお本ディスクは,いつも参考にさせていただいているクラシック音楽CDの雑談で知りました。いつもいつも有り難うございます!
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マーク・キャプラン Mark Kaplan (Violin)
The American Academy of Arts and Letters, December 10-12 and 16-18, 2011
BRIDGE 9460A/B (P)(C)2016 Bridge Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

キャプラン氏のほぼ10年ぶりとなる2回目の全集録音。 演奏の基本的な解釈は1回目からあまり変わっていないように思います。 そして,技術力の高さ,キレの良さはそのままに,細やかな緩急強弱によって, 柔らかくそして深みのある陰影に富んだ音楽に進化しています。 1回目のストレートな演奏も大変魅力的でしたが, この演奏も大変素晴らしいです。

録音ですが,わずかに残響感があるものの,楽器音をしっかりと捉えているので印象は悪くありません。 ただ少し高域の伸びが不足してモゴモゴしているのが惜しいです。 1回目の録音と今回の録音の中間くらいの録音が良かったのですが。

キャプラン氏は2005年からインディアナ大学ジェイコブズ音楽院の教授とのことです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マーク・キャプラン Mark Kaplan (Violin)
Recorded at Concordia College: 1/1991, 6/1991, 1/1992
MMM 14630-2 (C)1995 Mitch Miller Music (輸入盤)
好録音度:★★★★

CD試聴記」からの転載記事です。本ディスクは2004年に一度レビューしており,今回少し改訂しております。

一聴しただけで情感溢れる表現に魅了されてしまいました。 技術力の高さ,抜群の切れ味にも脱帽! 奇を衒わないストレートな表現と相俟って,この曲の造形的美しさをくっきりと浮き彫りにしています。 気持ち良いくらいにシャープなのに,緊張感よりもむしろ暖かさを感じる, そんな豊かな表現力が本当に素晴らしい。 細身で透明感ある音色もとても美しいです。 感動しました!

録音ですが,残響感はあるものの,直接音が主であり,残響の被りの影響は少ないです。 明瞭感,解像感が高く,演奏の細部までしっかりと聴こえてきて好印象です。 帯域バランスが高域に偏っていて音色のバランスがやや崩れているのは惜しいところですが, 残響による音色への影響は最小限で,全体として良いとは言えませんが,これならまあ納得できます。

キャプラン氏は2004年のレビュー当時はUCLAの教授とのことでした。レビュー当時にはすでに廃盤で入手が困難で,残念ながら今も入手しづらい状況に変わりはないようです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,第3番
アニコ・コヴァーチュ Anikó Kovács (Violin)
録音不明
品番なし (C)2008 TON 4 RECORDS (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考; Apple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 無骨で不器用なくらい生真面目な印象を受ける演奏で,少し一本調子な気がします。 決して技術的に下手ではないのですが,ちょっとキレに欠けるかな思うところが散見されます。 カップリングのイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタが意欲的な演奏で, それに比べるとバッハは少しかしこまり過ぎのように思います。

録音ですが,残響感がほとんどなく,演出感もほとんどない生録的な録音で, 目の前で(しかし適切な距離感で)弾いているような生々しい感じがすごく良いです。 細かいニュアンスまで聴き取れる,私の好きな録音です。 ただ,オーディオ的なクオリティが良くなく,特にパルティータ第2番ではブツブツといったノイズが乗ることがあったり, 編集の痕ではないかと思われるような不自然な音のつながりがあったりします。 これはとても残念です。

“Masterpieces for Solo Violin”と題されたアルバムで,イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番,第3番がカップリングされています。 今回はApple Musicでの試聴であり,ディスクの発売があるかどうかは確認できませんでした。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ集
エルファ・ルーン・クリスティンスドティル Elfa Rún Kristinsdóttir (Violin)
録音不明
品番なし (C)2016 Elfa Rún Kristinsdóttir (輸入盤) ※自主制作?
好録音度:★★★★
参考; Amazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック楽器による演奏。 すっきりとしたスムーズな表現が良いと思います。 技術的にも上手いですし,細やかで神経が行き届いた整った演奏です。 音色も透明感があり美しいです。 インパクトの強い演奏ではありませんので印象が残りにくいですが, そつなく上手くまとめた佳演だと思います。

録音ですが,やや残響が多めで残響時間も長め,まとわりつきが気になり, 音色も少しくすんでしまっていますが,ヌケが悪いところまでは行かず,ぎりぎり許容範囲というところです。 残響が許せる方なら問題ないと思います。 もちろん私としてはもっと残響を抑えてすっきりと録って欲しかったと思いますが。

公式Webサイトがあります。 今のところ配信のみでディスクでの販売はないようです。 私はAmazonで入手しました。MP3 256kbps(VBR)でした。なお,CD BabyというサイトからはMP3 320kbpsまたはFLACでダウンロード購入できるようです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集
ミドリ・ザイラー Midori Seiler (Violin)
Johann-Sebastian-Bach-Saal from September 26-28, 2015
Berlin Classics 0300721BC (P)(C)2016 Edel Germany GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

緩徐楽章はじっくりと,フーガと終楽章は快活に,緩急強弱を駆使して彫りの深い音楽に仕上げています。 これはパルティータ集と同じなのですが, ソナタ第3番だけはフーガも終楽章もリズム感というかビート感が希薄で, なんでこの表現を選択されたのか疑問符が付きます。 ここだけが少し残念なところです。

録音ですが,残響が多めでかつ直接音よりも残響音の方がやや勝っているため, 明瞭感が落ち,音色がくすんでしまっています。 パルティータ集よりも少し悪いように思います。

ミドリ・ザイラーは,ベルリン古楽アカデミーやアニマ・エテルナでソリストやコンサート・ミストレスとして活躍するヴァイオリニスト。 母が日本人,父がドイツ人で,生まれが大阪,ザルツブルグ育ち,とのこと。

パルティータ集から6年を経てのソナタ集の録音で全集となりました。 以下に,パルティータ集のレビュー記事(記2011/06/16)を併記しておきます。

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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ集
ミドリ・ザイラー Midori Seiler (Violin)
09-12.11.2009, Johann-Sebastian-Bach-Saal im Schloss Kothen
Berlin Classics 0016722BC (P)(C)2011 Edel Germany GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

バロックヴァイオリンでの演奏。 緩急強弱が激しく非常にダイナミックで意欲的です。 しかしそれが自然な呼吸感の中で行われているため,不自然さも嫌みも感じることなくすんなりと受け入れられます。 この人の音楽性の高さ,センスの良さを示していると思います。

録音ですが,残響は多めに取り入れられていますが,直接音主体で明瞭感と音の伸びがあって好印象です。 やや高域がきつめですが,近めで録っているためであって自然さを失うものではなくまったく問題ありません。 もちろん私としてはもっと残響を抑えてすっきりと録って欲しかったとは思いますが,十分良好と言えます。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
レイチェル・バートン・パイン Rachel Barton Pine (Violin)
16-18 April, 28-30 May, 29 & 31 August 2015, St. Pauls United church of Christ, Chicago
AV2360 (P)(C)2016 RBP Music, LLC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 淡々としていますが,現代的,クールで洗練された美しさを感じます。 曲によっては装飾も積極的かつ大胆に取り入れ,変化に富んでいます。 技術的にも大変上手く,隅々まで神経が行き届いており,ニュアンスの豊かで爽やかな音楽に仕上がっています。 素晴らしい出来です。

録音ですが,背景にふわっと広がる残響が取り入れられていますが, 直接音主体に明瞭感と透明感ある自然な音色で捉えられています。 残響のまとわりつきがわずかに気になるものの,楽器の質感も良く感じられる好録音です。

レイチェル・バートン・パインは米国のヴァイオリニスト。 公式Webサイトがあります。 2004年にソナタ第1番とパルティータ第2番のディスクをリリースしています。 この録音の時にはバロック仕様のヴァイオリンを使用されていました。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
堀米ゆず子 Yuzuko Horigome (Violin)
2015年3月9日,7月21-22日,2016年1月5-6日 神奈川・相模湖交流センター
EXTON OVCL-00587(P)(C)2016 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 1986-87年にソナタ集のリリースはありましたが,全集はこれが初めて。 まさに満を持しての全曲録音というところでしょう。 情熱ほとばしる渾身の演奏が素晴らしいですね。 特にシャコンヌの高揚感に胸が熱くなります。 技術が優れているのはもちろんですが,綺麗にまとめようとせず, ぎりぎりまで挑戦する意欲的演奏に感動!

ただ一点惜しいのは,パルティータの二部形式の楽章で,後半のリピートが省略されていることです。 私にとっては心底からこのバッハ演奏を楽しむための基本条件が欠けています。 素晴らしい演奏だけにこれは残念でなりません。

そして録音なのですが...残響が直接音よりも支配的で, 心地よい響きを演出するよりも楽器音を濁し,明瞭度と質感を低下させる効果しか感じられません。 残響の取り入れ方,残響の質とも良くないと思います。 楽曲によって録音の質に若干のばらつきがあり統一感がないのも全集としてあまり良い印象ではありません。

まあここまでは録音のポリシー,好みの問題なのである意味諦めざるを得ない面はあるのですが, この録音には私にとっては許容し難い欠陥があります。 少なくとも数カ所,クリップによる「ジャ」という異音が発生するところがあります。 たとえば,ソナタ第2番フーガの4:57,ソナタ第3番フーガの6:45のところです。 一瞬なのと元々録音があまり綺麗ではないので気がつきにくいのですが, 気になり出すと安心して音楽に身を委ねることが出来ません。

これは録音の善し悪し以前の製品の基本品質の問題です。 一瞬のことだからええやんと思われるかもしれませんが,私にとっては傷のあるダイヤモンドと同じです。

そもそもこのレベルのクリップに編集段階で気がつかないということはあり得ないと思います。 それをこのまま何の断りもなく知らん顔してリリースするというのはあまりに音楽愛好家に対して不誠実ですし, 演奏家にも失礼だと思います。 もし気づかずにリリースしているとしたら,品質に対する意識が低すぎてそれはそれで問題だと思いますが...

と,いろいろと文句を垂れてしまいましたが,素晴らしい演奏であったが故に, 落胆も大きかったということで...失礼しました。 世界標準の使い方から外れるこの変なパッケージにも文句を付けたかったのですが,そんなことはどうでも良くなってしまいました。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番
アンネグレット・ベルンシュタイン Annegret Bernstein (Violin)
録音データなし
(P)2013 a-b.violin (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Apple MusicAmazon.co.jp
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,第3番
アンネグレット・ベルンシュタイン Annegret Bernstein (Violin)
録音データなし
(P)2013 a-b.violin (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 落ち着いたテンポで一つ一つのフレーズを丁寧に,丹念に表現をされているところが好印象です。 技術的にものすごく上手いというわけではありませんが,全く破綻をきたすことなくしっかりと仕上げています。 心に染み渡るような柔らかく優しい表現が良いと思います。 押しが弱くいささか印象には残りにくいのですが。

録音ですが,残響自体はそれほど多くはないのですが,全体に残響が被り気味で明瞭感が良くなく,音色も今ひとつ冴えません。 音像も遠めで楽器の質感も感じ取りにくいです。 少々残念な録音です。

音源はまだApple Musicが始まる前のiTunes Storeで購入したのですが, パルティータ第3番のPreludioの音声がブツブツと途切れます。 現在のApple Musicでもそれは変わらず,Amazon.co.jpで公開されている試聴音源でも同様の途切れが見られますので, 元々の音源に問題があるものと思います。 こんな欠陥がある状態で放置されているとはちょっと信じられません。 品質に対する意識が低すぎると思います。

公式Webサイトがあります。 ディスクでの発売があるかどうかは不明です。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ユリア・ベリンスカヤ Yulia Berinskaya (Violin)
録音データなし
GTVS1302 (P)2013 Classica Viva (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 オーソドックスですが,程よいテンポで淀みなく音楽が流れていくのがとても気持ちの良い演奏です。 技術のキレが素晴らしく,そして,控えめながらも気遣いの行き届いた情緒豊かな表現が良いと思います。 一部の楽章(パルティータ第1番のDoubleなど)でリピートが省略されているのが惜しいです。

録音ですが,残響が少し多めで,残響の被りによる音色のくすみがわずかにあるものの, 直接音成分とのバランスはぎりぎり取れているので,印象は悪くありません。 楽器の質感も感じ取ることが出来ます。 もう少しクリアでヌケ良く録って欲しいとは思いますが。

公式Webサイトがあります。 ディスクで発売されているようにも見えるのですが,見つけることが出来ず,以前にiTunes Storeで購入しました。 現在はApple Musicで聴くことができます。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
クシシュトフ・ヤコヴィッツ Krzysztof Jakowicz (Violin)
録音データなし
(P) MTJ (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 どちらかといえば旧世代の伝統的なスタイルですが, 長い間弾き込んで年輪を重ねてきたような味わい深い演奏。 しかも,とても意欲的,前向きで推進力があるのが素晴らしいです。

録音ですが,残響の量が多く,また残響時間がものすごく長い環境下で録音されているのですが, 直接音の比率が高いので,楽器音の音色への影響は少なく,明瞭感もそこそこあって印象は悪くありません。 残響時間が長いので響きの混濁がものすごいのですが,意外に残響の質も悪く感じません。 残響のまとわりつきはやはり気になり,これが最良とは思いませんし,肯定するつもりもありませんが, こういう残響ならまだ許せる範囲です。

クシシュトフ・ヤコヴィッツは1939年生まれのポーランドのヴァイオリニスト。 この全集,ディスクでの発売があるのかどうかわかりませんでした。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番

マリア・シャルギナ Maria Shalgina (Violin)
録音データなし
Alberich Music Production (P)2013 mariashalgina.com (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 力強く,また,速めのテンポで上品に淡々と弾き進める様が気持ちの良い好演奏。 印象の強い演奏ではありませんが,こういうサラッとした癖のない演奏も良いものです。 技術的にも安定感があります。

録音ですが,残響時間が長めで量もやや多めですが,直接音との比率が適切に取られているので, 比較的聴きやすくまとめられています。 ただやはり響きの影響で音色に癖が出て透明感を失っています。 惜しいと思います。

マリア・シャルギナはロシア出身のヴァイオリニスト。 公式Webサイトがあります。 本ディスクのタイトルは“Bach, Volume I”となっており, 公式WebサイトのShopではVolume IIが coming soon... となっているのですが... (Webサイトの別のページでは2015年1月のリリースとも書いてあるのですが...) どうなっているのでしょう???
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マルック・ルオラヤン=ミッコラ Markku Luolajan-Mikkola (Baroque Cello)
Church of St Catherine, Karjaa, Finland, 9-12 September 2013 and 5-8 May & 16-19 June 2014
CKD 548 (P)(C)2015 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・チェロによる演奏(a'=415Hz)。 原曲より五度低い調に下げて弾いています。 チェロで低い音にシフトしている上に五度低い音程で弾いているので,ものすごく重心が低く沈み込んだ音楽に聴こえます。 かなり健闘されてはいるのですが,早いパッセージでのキレの悪さ,不安定さがあるのは楽器のハンデでしょうか。 パッセージによってはモゴモゴとしてよくわからなくなるところもあります。 バロック・チェロの発音の立ち上がりの遅さにも起因しているのかもしれません。 聴き慣れてくるとだんだんおもしろさがわかってくるのですが...それでもやっぱりちょっと苦しいですね。

録音ですが,残響がかなり多く,楽器音に被って音色を大きく損なっていますし,明瞭感もかなり落ちています。 モゴモゴして混沌としてしまう原因はこの録音にもあると思います。 そして少し歪みっぽいようにも感じます。 Linn Recordsらしい雰囲気があるのはわかるのですが,こういう演奏ほどくっきりと録って楽器のハンデをカバーすべきと思うのですが。

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