好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」より
クリスティアン・リンドベルイ指揮
アークティック・フィルハーモニー管弦楽団

2012年1, 2月,2013年2月 ノルウェー,ハルスタド文化会館
BIS-2018 SACD (P)(C)2013 BIS Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

指揮者のリンドベルイはトロンボーン奏者でもあるとのことです。交響曲の第1楽章はかなり速いテンポで颯爽と音楽が流れていくのは良いのですが,あっさりと薄味です。こういう演奏は好きな方なのですが,もうすこしコクがあっても良いかなと思います。第2楽章は冒頭の弦の響きがゾクゾクするほど素晴らしいです。第2楽章が一番出来が良いかもしれません。そして終楽章ですが...なんでこんなどっしりと落ち着いてるんだ?第1楽章の勢いはどこへ?という感じで私としてはちょっと納得いきません(^^;。オーケストラの力量はあるんですけどね。わたしにはちょっと合わない演奏でした。

そして録音なのですが,残響感はあまりなく締まりのあるサウンドなのですが,中域にやや癖のある付帯音が被っていて明瞭感を落とし,冴えない音色にしてしまっています。音場感もあまりなくこぢんまりとしていてスケール感がありません。そんなに大きな欠点はないにせよ,これは少々残念な録音です。

リンドベルイのチャイコフスキー後期交響曲集がこの12月に発売されるようです(→Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon)。第5番はこの演奏が収録され,第4番は2015年,第6番は2016年の新録音のようです。録音が改善されていたら良いのですが。

タグ : [交響曲]

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チャイコフスキー:交響曲第1番,第2番,第5番
ワシリー・ペトレンコ指揮
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団

ONYX 4150 (P)(C)2016 Royal Liverpool Philharmonic Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

速めのテンポでぐいぐいと押しまくる推進力のある演奏。硬派というか男性的というか,力強く甘さのない決然とした表現が良いと思います。

録音ですが,残響は控え目で,各々の楽器をしっかりと分離良く質感良く捉えているのが好印象です。ただ,演奏に比べて録音はややこぢんまりとしていてもう少しスケール感が欲しいですし,音色が硬く高域の伸び感が少し足りず,音色自体の魅力がやや欠けている感はあるのですが,タイトに引き締まったサウンドはなかなか聴き応えがあります。少々オマケですが,四つ星半評価です。

この12月に第3番,第4番,第6番のリリースが予定されていて,全集が完結するようです(→Tower RecordsHMV Onlineicon)。これは楽しみです。
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チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74《悲愴》
フェレンツ・フリッチャイ指揮/ベルリン放送交響楽団
1959年9月 ベルリン
UCCG-51028 (P)1996 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

これもドイツ・グラモフォン ベスト100 Premiumからの1枚です。

この悲愴はランキング上位の常連盤なので興味を持っていたのですが,1950年代の録音ということもあって何となく今まで避けてきました。これもSHM-CDでHRカッティングな(^^;ディスクということで,この機会に聴いてみようと入手しました。

演奏時間が51分と結構遅めの演奏ですが,遅いという感じはありません。静かに込められた思いの強さが迫ってくる,ある意味凄まじい演奏ではないかと。良いと思うのですが少々しんどいですね。まあ曲自体がそうなので仕方ありませんが。

そして録音なのですが,1959年という古い録音なのでさすがに少々歪みっぽくクオリティ面で厳しいのは仕方ないところですが,曇りがなく意外にクリアですし,低域は薄いものの高域の伸びは不足なく,音色のバランスが崩れてわずかに癖があるもののそんなに気になりません。何より,残響を抑えて個々の楽器の音色をストレートに質感よく捉えているのが良いと思います。こういう録音は好きですね。好録音です。
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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
エフゲニ・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
1960年11月9-10日 ウィーン,ムジークフェラインザール
UCCG-51027 (P)1961 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

今月発売されたドイツ・グラモフォン ベスト100 Premiumからの1枚です。

ムラヴィンスキーのチャイコフスキー後期交響曲集については,以前,一度レビューしていますが(→こちら),依然として私の中ではその圧倒的な存在感に変化はありません。この後期交響曲集はOIBPリマスターというリマスタリングが行われているとのことでした。その詳細はよく知らないのですが,今回,SHM-CDでHRカッティングという,これもよくわからない技術(^^; で原盤が作られたディスクということなので,後期の中で最も好きな第5番ということもあって,聴き比べてみました。

結果から申し上げると,わずかに鮮明さが増しているようには感じられるものの,その差は極小でした。これならまああえて買い直す必要はなかったかなと思います。でも買って聴き比べてみなければわからないことですけどね(^^;。

それにしてもこのムラヴィンスキーのチャイコフスキー交響曲第5番は何度聴いても心が揺さぶられます。演奏も素晴らしいですし,録音も素晴らしい。その素晴らしさについては前回のレビュー記事に書いているとおり「音楽のエッセンスが詰まった情報量の多い録音」です。音色は古びていますし歪み感も結構ありますが,この圧倒的な演奏・録音を前にして,そんな欠点はまったく問題ではないと思ってしまいますね。間違いなく好録音です。録音評価は今回少し上げました。
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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
山田一雄指揮/札幌交響楽団
1983年1月20日 北海道厚生年金会館 第233回定期演奏会
TWFS90012 (P)(C)2016 FONTEC INC. (国内盤) タワーレコード企画盤
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤,札響アーカイブ・シリーズ第2期から。先日立ち寄ったタワーレコードの店頭で見かけて興味がわいたので,さしあたり1枚入手して聴いてみました。SACDハイブリッドです。

これはあくまで私の想像ですが,「アーカイブ・シリーズ」ということなので,商業目的の録音ではなく,演奏会の記録用に残していた録音の中から演奏の良いもの,録音・保存状態の良いものを選んでリリースしているのではないかと(違ったらごめんなさい)。まるで指揮者の上方に設置された天吊りマイクのワンポイント一発取りではないかと思うような音響であり,残響感はあまりなく生録的なリアルさがあり,また,演出感のない自然さも抜群です。一方で,ステレオ録音ながらステレオ感は希薄であり,また機材(マイク?)の性能限界なのか,ナローレンジで(特に低域はかなり弱い),クオリティも当時のアナログ録音のレベルから考えると若干落ちるように思います。私の好きなタイプの録り方の録音なんですけどね...

演奏ですが,定期演奏会のライヴの記録ということもあってか,演奏の出来は悪くないと思いつつも結構事故が散見されちょっと気になります。これはやっぱり指揮者山田一雄氏および札幌交響楽団のファンのためのディスクですかね。

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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
西脇義訓指揮/デア・リング東京オーケストラ
2013年4月16-18日 所沢市民文化センター ミューズ アークホール
NF25802/NF65802 (P)(C)2014 N&F Co., Ltd. (国内盤)
好録音度:★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
N&Fの創設者でもある西脇義訓さんがN&Fでの実験的な録音のために創設されたというデア・リング東京オーケストラを自ら指揮しての録音。この録音では下記の特徴があるとのことです。
  1. 弦はクァルテット6組分で編成。
  2. 指揮者を中心とした半円形ではなく、全員客席に向いて演奏。
  3. 並行して録音したブルックナーの交響曲第3番では、バイロイト祝祭劇場のオケピットの楽器配列を参考に、第1ヴァイオリンを右翼に配置したが、本録音では、奏者は席を移動することなく、第1と第2ヴァイオリンの役割を逆(第1ヴァイオリンは左翼)に。
どんな録音だろうと気になっていました。好きなチャイコフスキーの交響曲第5番ということもあるので,思い切って入手して聴いてみました。

結論から言いますと,私の好みからは全く正反対の指向の録音で,私の思う好録音とは全くかけ離れていました。録音としても「響き」が重要視されていて,直接音成分よりも間接音成分が支配的であり,もやもやして透明感がなく音の輪郭が不明瞭,楽器の質感もほとんど失われ,弦楽器も奥まって弱々しく,見通しも悪く内声の動きもほとんど聴こえません。

聴き通すのがこれだけ苦痛に感じたディスクも珍しいです。イライラが募って思わず衝動的な行動に走ってしまいそうになりました(^^;。ケースの帯に「至福の響き」と書いてあるのですが,もっとこの言葉に注意を払うべきでした。録音にこだわりのある方が制作されたディスクなので,このような録音を好む方も多くおられるのでしょう。しかし,私には本当に全く合いませんでした。残念です。

西脇さんはいろいろと実験的な試みをされていて,その挑戦,行動力には本当に頭が下がる思いがするのですが,その成果としての録音に賛同できるかどうかはまた別の話です。

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チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」,第6番「悲愴」
ウラディーミル・ユロフスキ指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
Royal Festival Hall, London, 22 Oct. 2008(#1), 26 Nov. 2008(#5)
LPO-0039 London Philharmonic Orchestra Ltd (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Online
ユロフスキ指揮ロンドン・フィルのチャイコフスキーをもう一つ。演奏は第4番,第5番同様に良くコントロールされた好演奏です。録音ですが,残響がやや多めに取り入れられているものの,弦楽器を中心に力強いサウンドで録音されています。金管楽器の音にもキレがあり,フォルテシモでも破綻せず潰れず伸びのある音で響き渡るのは痛快です。第4番,第5番に比べると残響の影響で少し落ちますが,それでもまずまず良いと思います。

ちなみに録音エンジニアはK & A ProductionsのAndrew Langという人で,第4番,第5番とは担当する会社自体が異なるようですが,ここはホルストの惑星を担当したところでもあるようです。良い仕事をしていますね。
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チャイコフスキー:マンフレッド交響曲
ウラディーミル・ユロフスキ指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
Royal Festival Hall, London, 8 Dec. 2004
LPO-0009 London Philharmonic Orchestra Ltd (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Online
チャイコフスキーの交響曲第4番マーラーの交響曲第1番の録音が良かったユロフスキ指揮ロンドン・フィルのディスクをもう一つ。しかも録音エンジニアがMike Hatch! で,期待して聴いてみたのですが...

確かに録音は平均水準以上ではありますが,先に挙げた2つに比べるとだいぶ普通です。録音年がだいぶ前ということで,まだまだ今の録音技術を会得出来ていなかったのかもしれません。録音レベルも少し低めです。まあ仕方ないですかね。今後の録音には大いに期待が持てるので,楽しみにしておきたいと思います。

チャイコフスキーのマンフレッド交響曲は,今まであまりじっくりと聴いたことはなかったのですが...ちょっと疲れますね(^^;

タグ : [交響曲]

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チャイコフスキー:交響曲第4番,第5番
ウラディーミル・ユロフスキ指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
Royal Festival Hall, London, 19 March 2011(#4), 4 May 2011(#5)
LPO-0064 London Philharmonic Orchestra Ltd (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Online
最近少しはまりつつあるユロフスキ指揮ロンドン・フィルのディスクの一つ。ライヴ録音で,第5番は演奏後の拍手が入っています。瞬発力がありさらに制動が効いた演奏が気に入っています。それぞれの音符が鳴り終わるところまで意図した音が出るように制御されているような感じが全体の印象を特徴付けていると思います。

そしてこの録音,突出して何か良いというわけではないのですが,各楽器の動きが克明で見通しよく捉えられているのが良いです。特に第4番が良好です。第4番という曲自体,何となく重苦しいサウンドが好きではなく今まであまり好んで聴くことはなかったのですが,この演奏・録音はそういった曲のイメージを一変させてくれます。チャイコフスキーらしくないかもしれませんが。第5番の録音は第4番より少しクリアさが落ちますが,それでもまずまずの好録音と言えます。すこしオマケですが五つ星です。
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チャイコフスキー:後期交響曲集
ダニエル・バレンボイム指揮/シカゴ交響楽団
Orchestra Hall, Chicago, Oct. 1995(No.5), Jan.-Feb. 1997(No.4), Feb. 1998(No.6)
2564 66313-9 (P)1996-1998 Teldec Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
幻想序曲「ロメオトジュリエット」,序曲「1812年」,そして,第6番「悲愴」のディスクにベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」が併録されています(ピアノはもちろんバレンボイム)。

ダニエル・バレンボイムという指揮者をまだ私はあまりイメージがつかめないでいます。このチャイコフスキー,紳士的で緻密に音楽を組み立てているように聴こえます。全体にどこか計算されつくしたという感じがするというか,勢いをあえてギリギリのところで抑制したような禁欲的で演奏で情感に訴えるようなところが少ないように思います。チャイコフスキーとしては少し欲求不満がたまるかもしれません。

録音はライヴ録音とありますが,演奏後の観衆の拍手は入っていません。響きを抑え,エッジを効かせて鋭角的に捉えているという印象です。ただ,少しゴチャっとして見通しが良くはないのですが,それでもこの録音は魅力があると思います。最近はこんなに個々の楽器を力強く捉える録音はないですねぇ。もっと全体の響きが溶け合ったものが多いように思いますが,こちらの方がずっと楽しいです。
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チャイコフスキー:後期交響曲集
カール・ベーム指揮/ロンドン交響楽団
1977年12月(第4番),1978年12月(第6番) ロンドン,ウォルサムストウ・タウンホール,1980年5月(第5番) ロンドン,聖ヨハネ教会
UCCG-4161/2 (P)1978,1979,1981 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ベームのチャイコフスキーというのが全く想像できなかったのですが,HMV Onlineの紹介やレビューにもある通り,ドイツ的な重厚さを持ったチャイコフスキーというのに同意です。しかし,それでいてどこか穏やかでもある(チャイコフスキーなのに!)。第5番の終楽章など,これは田園交響曲なのか?と思ってしまいました(もっともこんな感想を持つのは私ぐらいかもしれません(^^;)。とはいえ,急にテンポが変わったりして戸惑うようなところがあるものの,概ねオーソドックスで普通に楽しめます。

録音もこの時期のドイツ・グラモフォンらしい,無駄がなく明快で聴きやすいものです。何度も書いているかもしれませんが,私はこういう録音は好きですね。最近こういう録音があまりないのは残念なことです。

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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
ショスタコーヴィチ:祝典序曲作品96
トゥガン・ソヒエフ指揮/トゥールーズ・キャピトール管弦楽団
2010年7月 トゥールーズ,ラ・アル・オ・グレン(フランス)
V5252 (P)(C)2011 Naïve (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
かなり強引にオーケストラをドライブしているように聴こえますが,荒削りのようであって実はかなり緻密に音楽を組み立て,細部までしっかりとコントロールして引き締まった音楽を創り上げています。これだけダイナミックに変化をもたせながら勢いに任せず統率する手腕はたいしたものです。これは本当に良かったです。久しぶりに心躍るチャイ5に出会いました。

録音ですが,残響を控えめにしてオーケストラの分厚い響きをしっかりと捉えています。鳴りっぷりの良い(そして締まった)弦楽器を質感よく収めているのが○です。全体にややドライですが,音色のバランスも良く,低域がブーミーに被ったりもせず,欠点の少ない良い録音です。私としては,もう少し音色に艶と輝きとヌケの良さがあるとうれしかったのですが,それでもこの録音はかなり好ましい部類に入ります。
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チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
ボロディン:交響曲第2番ロ短調
ジャン・マルティノン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(チャイコフスキー 1958年4月)
ロンドン交響楽団(ボロディン 1960年)
UCCD-7021 (P)1958,1961 Decca Music Group (国内盤)
好録音度:★★★★★(ボロディン),★★★★☆(チャイコフスキー)
参考: HMV Online(SHM-CD)Amazon.co.jp(SHM-CD?)

これもクラシック名録音106究極ガイド(嶋護[著])で紹介されていたものです。チャイコフスキーの方を見てぜひ聴きたいと思い手に入れました。チャイコフスキーは1958年録音で,マスターテープの問題か,音がつぶれるところが散見されることと,若干周波数バランス的に低域が抜けている感じがするものの,残響のほとんどない明瞭な録音が印象的で,オーディオ品質を除けばかなり良好と言えます。

しかし,仰天したのはボロディンの方です。この録音は1960年で,クラシック名録音106究極ガイドに載っているのは1958年録音ですので違うものかもしれませんが,これは本当に素晴らしい! 残響を抑えた極めてキレの良い録音で,弦楽器をはじめ,各楽器の質感もしっかりと捉えられていますし,周波数バランスも申し分ありません(若干高域のヌケが悪いかもしれませんが)。こちらの方はノーマークでした。

ボロディンは初めて聴きましたが,録音の良さにワクワクしながら聴き通してしまいました。こんなに心躍る録音は久しぶりです。音場感や録音会場の雰囲気を再現するといったこと以前に音楽自体をしっかりと収めることがいかに大切かをこの録音は再認識させてくれます。
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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
ムソルグスキー:歌曲集「死の歌と踊り」
クラウディオ・アバド指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1994年2月18-20日 ベルリン・フィルハーモニーにて収録
SRCR 9633 (P)(C)1994 Sony Classical (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Online(SACD)Amazon.co.jp(SACD)(CD)

このチャイコフスキーもアバドらしく,ベルリン・フィルをドライヴしつつ紳士的にキチッとスタンダードに仕上げてきています。特徴のある演奏ではないので印象に残りにくい面はありますが,結局こういう真っ当で出来のよい演奏が一番長く聴き続けられますよね。

録音は「ライヴ・レコーディング」とありますが,拍手は入っていません。特筆するようなところはありませんが,平均的な録音として十分に良い部類に入ります。

安心してお薦め出来るあたり,さすがアバドと言えるでしょう。

タグ : [交響曲]

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チャイコフスキー:交響曲全集
マンフレッド交響曲,幻想序曲「ロメオトジュリエット」,幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮 Mstislav Rostropovich (Conductor)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 London Philharmonic Orchestra
1976-1977年録音,Kingsway Hall, London
50999 5 19493 2 7 (P)(C)1977 & 1978 EMI Records (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

全体に遅め(第5番は52分!)ですが,個々の楽器の発音がはっきりとしていて音楽自体は弛緩することなくくっきりと明快,遅さを感じさせない充実した内容です。こってりとしているかと思っていたのですが,さにあらず。緩徐楽章の静かに広がる雄大な表現も聴きものです。どちらかといえば好きなタイプの演奏ではありませんが,これはいいと思いました。

録音ですが,EMIらしい帯域の狭さをわずかに感じるものの,密度高く,それでいてうるさくならず,むしろすっきりとした感じさえあります。残響が抑え気味であるのが効いていると思います。録音レベルが高いのも好印象です。不満は残るものの,聴きやすく総合的にはプラスの印象です。
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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」作品32
7243 5 69842 2 6 (P)1992 (C)1997 EMI Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★

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チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
スクリャービン:法悦の詩 作品54
7243 5 69843 2 5 (P)1990 (C)1997 EMI Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★

リッカルド・ムーティ指揮 Riccardo Muti (Conductor)
フィラデルフィア管弦楽団 The Philadelphia Orchestra
参考: HMV Online

録音年が明記されていませんが,1980年代後半から1990年前半の録音と思われます。フィルハーモニア管弦楽団との全集と傾向的には似ています。オーソドックスで王道をいく演奏とでも言いましょうか,どちらも推進力がありながらも紳士的に抑制の効いた,そして均整の取れた好感の持てる仕上がりになっていると思います。

録音はやはり良くも悪くもEMIらしさがあります。すっきりしないながらも中身の濃い,ほどよく詰め込まれた感じがします。中低域の締まりもあります(ただ,これはフィルハーモニア管弦楽団の方がよかった)。これですっきりと見通しが良ければ文句ないのですが。このあたりがやっぱりEMIです。四つ星はちょっとおまけです(^^;。

タグ : [交響曲]

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チャイコフスキー:交響曲全集
第1番(*),第2番,第3番,第4番,第5番,第6番,マンフレッド,幻想序曲「ロメオトジュリエット」(1975-1981年録音),幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」(1991年録音)(**),序曲「1812年」(1981年録音)(**)
リッカルド・ムーティ指揮 Riccardo Muti (Conductor)
フィルハーモニア管弦楽団 Philharmonia Orchestra
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 New Philharmonia Orchestra(*)
フィラデルフィア管弦楽団 Philadelpia Orchestra(**)
50999 501769 2 2 (P)(C)2007 EMI Music France (輸入盤)
好録音度:★★★☆~★★★★
参考: HMV Online別企画盤),Amazon.co.jp

第4番~第6番を聴きました。第4番と第6番は推進力があり引き締まった好演奏,第5番はやや大人しくよく言えば紳士的にまとめていますが,少し物足りない感じが残ります。とはいえ,ここまでオーケストラをドライブしながら良く統率してまとめ上げています。表現に大げさなところがない正統路線というのも印象が良いです。

録音ですが,EMIらしいどこか冴えないすっきりしない音質ながら,その点を除けば残響感も抑え気味で密度高く音を詰め込んでいる感じです。量感がありながらブーミーになることなく引き締まった低域の質も悪くありません。音色に精彩がないのが本当に惜しいです。

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チャイコフスキー:交響曲全集
ロリン・マゼール指揮(Lorin Maazel)(Conductor)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)
Sofiensaal, Vienna, September 1963 - October 1964
430 787-2 (P)1964,1965 (C)1996 The Decca Record Company Limited, London (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpNo.1-3No.4-6

以前に紹介したシベリウスの交響曲全集と同時期の録音で,こちらもさらに輪をかけるようにパワフルで,よくぞまあウィーン・フィルからこんなサウンドを引き出したものだと,若きマゼールの手腕に感心しました。シベリウスよりもこちらの方が合っているように思います。ただ,落ち着きがなく情感に欠ける面もあるので,おぉっ!と思うところと,うーん...と思うところが交互にやってきます。あまりに劇的に持っていくところが鼻につく人もいるかもしれません。私は気に入りましたが。

録音ですが,40年以上前の録音なので高域の伸びに欠けるなどクオリティ面でのハンデはあるものの,すっきりと見通しよく,分離良く,そして無駄な響きや付帯音がほとんどない,これは本当に良いと思えるものでした。これぞ好録音の見本と言えると思います。録音がよいと心底音楽を楽しめるということを改めて実感しました。現代のクオリティでもってこういう録音を聴いてみたいものです。
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チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調作品64
チャイコフスキー:イタリア奇想曲作品45(*)
Recorded April 8, 9 & 11, 1992, Philharmonic Hall, St. Petersburg and *March 11, 1990, EMI Studio 1, Abbey Road, London
RCA Red Seal 82876-65831-2 (P)(C)2005 BMG Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Online

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チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオトジュリエット」(*)
Recorded April 8, 9 & 11, 1992, Philharmonic Hall, St. Petersburg and *September, 1989, All Saints' Church, Tooting, London
RCA Red Seal 82876-62320-2 (P)(C)2004 BMG Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Online

ユーリ・テミルカーノフ指揮(Yuri Temirkanov)(Conductor)
サンクト・ペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団(St. Petersburg Philharmonic)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(*)(Royal Philharmonic Orchestra)

交響曲第5番はパワフルな金管と強力なティンパニーが強烈に印象に残ります。特に第4楽章。ティンパニーはちょっとやり過ぎと思えるほど。スピード感もあって聴きものです。いかにもロシアのオーケストラです。一方第6番はゴロッと印象が変わって慎ましくまとめているようにも聴こえます。その結果,普通にいい演奏になってしまっています。第5番のようにやってくれていれば面白い演奏になったのにと思うと少し残念です。

録音ですが,管と弦のバランスが少し管よりになっているものの,弦楽器の音色や質感もそこそこ感じられて悪くはないです。パワフルな金管に対抗してもう少し弦楽器の量感を出して欲しかったところですが。低域から高域までレンジが広く,少し低域寄りですがバランスも良いですし,嫌な響きや癖のある音も少なくまずまず良好と言えます。

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チャイコフスキー:後期交響曲集
アントニオ・パッパーノ指揮(Antonio Pappano)(Conductor)
サンタ・チェチーリア国立音楽院管弦楽団(Orchestra dell'Accademia Nazionale di Santa Cecilia)
2006年7月3-15日 ローマ,アウディトリウム・パルコ・デラ・ムジカ、サラ・サンタ・チェチーリア
0946 3 53258 2 9 (P)(C)2007 EMI Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineHMV Online(廉価盤)Amazon.co.jp

イタリア人指揮者とオーケストラということで,何となく癖のある演奏を想像していたのですが,全くそんなことはなく実に真っ当で癖のない素直な演奏でした。ある意味肩すかしを食らった感じで,あまりに真っ当すぎてインパクトには欠けますが,私はこういう演奏は好きです。オーケストラも十分に上手いです。

録音ですが,EMIにしてはかなり良いと思います。残響をそれなりに取り入れながらも各楽器の質感がそこそこ保たれていますし,見通しもまずまず良好,曇った感じもほとんどしないので聴きやすいです。

演奏も良いし録音も良好,安心して音楽に浸ることの出来る良いセットでした。

タグ : [交響曲]

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チャイコフスキー:後期交響曲集
クラウディオ・アバド指揮(Claudio Abbado)(Conductor)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(第4番,第6番)
ロンドン交響楽団(第5番)
録音データ記載なし
437 401-2 (P)1976(No.4), (P)1972(No.5), (P)1974(No.6) (C)1992 PolyGram France (輸入盤)
好録音度:★★★★(第4番,第6番), ★★★☆(第5番)
参考url: HMV OnlineAmazon.co.jp

録音データの記載がないのですが,1970年代の録音だと思います。引き締まった推進力のある演奏で,もったいぶったり変にいじくり回さない正攻法の演奏であるところが好印象です。聴き比べる楽しさという点では物足りないかもしれませんが,純粋にチャイコフスキーを楽しむにはやっぱりこういうスタンダード路線の演奏が安心して音楽に浸れます。

録音はウィーン・フィルとの第4番,第6番が楽器の質感も良く捉えていてまずまずの出来(DGのオーケストラ録音として標準的か),ロンドン交響楽団との第5番はヌケが良くなく今ひとつです。ウィーン・フィルで統一されていれば良かったのですが。

タグ : [交響曲]

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チャイコフスキー:交響曲全集,他
交響曲全集 (April 1976, August1977)
幻想序曲「ロメオトジュリエット」 (August 1969)
序曲「1812年」作品49 (August 1969)
スラブ行進曲 作品31 (May 1972)
イタリア奇想曲 作品45(*) (July 1980)
バレエ組曲「白鳥の湖」作品20(*) (July 1979)
バレエ組曲「くるみ割り人形」作品71a(*) (July 1979)
ズビン・メータ指揮(Zubin Mehta)
ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団(Los Angeles Philharmonic Orchestra)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団(*)(Israel Philharmonic Orchestra)
475 7315 (P)1970,72,78,80,82 (C)2004 Decca Music Group Limited (輸入盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

演奏も録音も好きな愛聴盤です。

まるでアスリートのように躍動的でしなやかでスピード感があります。たっぷりと歌う演奏ではなく,もったいぶったり粘ったりもたれたりすることがありません。チャイコフスキー的ではないかもしれませんが,引き締まっていて心躍る,私にとっては快演奏です。

録音ですが,そんなにすごく良いという感じではないのですが,無駄な音,余計な音がほとんどないので,その結果としてすごくすっきりと聴こえる,というところが気に入っています。これもDECCA録音の良い面が出ていると思います。欲を言えば,もう少し各楽器の質感を強調してほしかったというところでしょうか。

オーケストラも録音場所も異なり,一部古い録音も含まれていますが,全体として良い録音で統一されていて全体として違和感がないのも良い点です。
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チャイコフスキー:交響曲第六番 ロ短調 「悲愴」 作品74
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ ハ長調 作品48
若杉弘指揮(Hiroshi Wakasugi)(Conductor)
ケルン放送交響楽団(Kölner Rundfunk-Sinfonie-Orchester)
1979年10月13日(悲愴),1980年11月28日(弦楽セレナーデ) ライヴ録音
ALT188 (P)WDR 1979/80 (C)2010 Tomei Electronics “Altus Music” (国内盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

若杉弘さんのディスクを聴くのは恐らく初めてです。その風貌から何となく真面目で手堅そうとイメージでしたが,聴いた感じもやっぱりそうでした。必要以上に大げさに表現することなく正統的にまとめてきているという感じです。「悲愴」としてはちょっと淡泊ですっきりしすぎているようにも思いますが,悪い印象ではありません。

弦楽セレナーデも同様の演奏ですが,大編成を活かした豊潤な響きが素晴らしく,また弾き方や縦の線も良く揃っていて気持ちがよいです。ただし,音程にはちょっと幅があり,良くも悪くも大編成なんだなと感じます。

録音ですが,良く言えばとても自然で作為的なところがない,悪く言えば音に全く魅力がない。まるで吊りマイクだけで録ったんじゃないかというような感じです(あくまでも印象ですが)。中域の充実感はあるのですが,帯域が狭く全く冴えません。空間性もあまり感じられず,音場も狭いです。録音時はディスクとして発売することを想定していなかったのではないでしょうか。

ということで,若杉弘さんのファン向けのアイテムと言えそうです。録音があまり良くないのでファン以外の方にはあまりお勧めしません。
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チャイコフスキー:交響曲第五番ホ短調作品64
エリアフ・インバル指揮(Eliahu Inbal)(Conductor)
東京都交響楽団(Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra)
2009年3月29日 東京・サントリーホールにてライヴ収録
EXTON OVCL-00407 (P)(C)2009 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

コンサートのライヴ収録です。このディスクは優秀録音としていくつかの雑誌で見かけました。チャイコフスキーの交響曲第五番は好きな曲なので,これは是非聴いてみなければということで手に入れました。ここでは録音についてのみ触れます。

それで聴いてみた第一印象は「なんだかさえない,つまらない録音だなぁ...全然面白くない...」という感じであまり良い印象ではありませんでした。気を取り直して何度も聴いているうちに,多分大型の立派な高級システムで聴けば,収録されたホールのような音場が再現するのかもしれない,と思い始めました。

収録されている音自体のクオリティもそんなに悪くありませんし,オーケストラが発する音と共にホール音響も含めて余さず密度高く詰め込まれているという感じは確かにします。そしてそれを立派な高級大型オーディオシステムで再生すると,いかにもホールで聴いているかのような錯覚に陥ることが出来る。こういう点が評価されたのではないかと思います。

しかし,私からすると,これは優秀録音かもしれませんが,好録音ではありません。私が普段使っているいわゆるゼネラルオーディオ機器で聴くと,なんだかごちゃごちゃしていて肝心な音楽がちっとも聴こえてこないのです。こう聴こえてしまうのは,音楽的に重要な音から重要でない音まで取捨選択することなく全部詰め込まれているからではないかと思うのです。

好録音について考える(1) ~ 録音」のエントリにも書きましたが,私の考える好録音は,メディアという限られた大きさの器に音楽のエッセンスだけが目一杯詰め込まれているというイメージです。そのためには単にその場の音場を捉えるのではなく,音楽的に重要な音をピックアップして録っていくという姿勢が必要になってきます。ライヴ録音であっても音楽のエッセンスを抽出してメディアに詰め込む努力を惜しまないで欲しい,と思います。

というか,そもそも録音する側がそういうゼネラルオーディオを相手にしないポリシーなら何を言っても無駄ですが...クラシック業界を支えている音楽ファンの多くはゼネラルオーディオだと思うんですけどね。

P.S. “ゼネラルオーディオ”っていう言葉はもはや死語でしたっけ?

タグ : [交響曲]

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チャイコフスキー:後期交響曲集
第四番 (2002年10月17-21日 ウィーン,ムジークフェラインザール)(ライヴ)
第五番 (1998年7月 ザルツブルグ,祝祭大劇場)(ライヴ)
第六番 (2004年9月2-4日 ウィーン,ムジークフェラインザール)(ライヴ)
ワレリー・ゲルギエフ(Valéry Gergiev)(Conductor)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

全てライヴ収録ですが,第五番だけ演奏後に拍手が入っています。この後期交響曲集はHMV Onlineiconでは酷評が並び,評判が良くありません。これを見てから聴いているのでいくらか先入観の影響を受けているのは否めませんが,確かにあんまり面白くないといいますかつまらない,という印象です。多少の粗はあるものの,すっきりと引き締めつつも時に爆発的に盛り上げる,決して悪くないと思うのですが,なぜつまらないと思ってしまうのか,何度聴いても私自身納得いきません。

それで,今のところの私の結論。全くの私見ですが,これは録音が悪いに違いない,この演奏は録音の悪さに殺されている,です。

残響過多でもなく,明瞭感が極端に悪いわけでもないのでこれも悩みました。うまく言い表せないのですが,スケール感に乏しいというか,生気が全く捉えられていないというか,とにかくそんな感じです。いくら実演が良くても,それを活かすも殺すもパッケージ化の善し悪し次第だということでしょうか。

しかしここまで書いて,やっぱりぱっと聴いた感じでは録音はそれほど悪くないので,上記の考えが本当に合っているのか自信がなくなってきました...こんなレビューですみません。

タグ : [交響曲]

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チャイコフスキー:交響曲全集,他
第一番,第二番,第三番 (Watford Town Hall, 26-30 July 1965)
第四番 (Wembley Town Hall, London, 12 June 1960)
第五番 (Walthamstow Town Hall, London, 6 June 1959)
第六番 (Wembley Town Hall, London, 17-18 June 1960)
ロメオとジュリエット (Watford Town Hall, 20 June 1959)
フランチェスカ・ダ・リミニ,スラブ行進曲,エウゲニ・オネーギンよりワルツとポロネーズ(*) (Northrop Auditorium, Minneapolis, 22 December 1958)
アレンスキー:チャイコフスキーのテーマによる変奏曲(**) (Grosser Saal, Konzerthaus, Viena, 8 June 1958)
ボロディン:イーゴリ公序曲 (Walthamstow Town Hall, London, 6 June 1959)
アンタル・ドラティ(Antal Dorati)(Conductor)
ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra)
(*)ミネアポリス交響楽団(Minneapolis Symphony Orchestra)
(**)フィルハーモニア・フンガリカ(Philharmonia Hungarica)
Mercury Living Presence 475 6261 (P)(C)2004 Decca Music Group Limited (輸入盤)
好録音度:★★★★☆~★★★★★
参考url: HMV Onlineicon

ブラームスの交響曲全集の録音が良かったので,チャイコフスキーも聴いてみました。1958-65年という古い録音なのに,これは本当にすばらしい! 音を濁す残響はほとんどなく,明瞭感,音の自然さは抜群,楽器の質感がよくわかり,奏者の存在が見えてくるようです。

古い録音なのでやや音が粗かったりサーッというノイズが背景にあったりとクオリティ面でのハンデがあるのは仕方ありませんが(そういう前提で読んでください),それでも帯域も十分にありますし,音の自然さは全く問題ありません。何より音の捉え方は文句なし! 特に弦楽器の質感は最高です。

この中では,ミネアポリス交響楽団と録音した1958年のスラブ行進曲やエウゲニ・オネーギンなどが最も良く,次いで1965年の交響曲第一番~第三番,やや劣るのが第四番~第六番というところです。よく聴く第五番,第六番がちょっと落ちるのが残念ですが,それでも納得できる録音です。

なんでこういう素晴らしい録音の考え方が廃れてしまったのか,残念でなりません。

演奏ですが,良い意味で職人的に曲を仕上げていく上手さがあると思います。質実剛健といいましょうか,骨太といいましょうか,変に芸術的に傾くことなくストレートに曲のエッセンスを聴かせてくれます。

[チャイコフスキー][交響曲]
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チャイコフスキー:交響曲第五番 ホ短調 作品64
マリス・ヤンソンス(Mariss Jansons)(Conductor)
バイエルン放送交響楽団(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks)
2009年10月9日 ミュンヘン,ガスタイク,フィルハーモニー
BR Klassik 900104 (P)(C)2009 BRW-Service GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

バイエルン放送自主制作レーベルからの発売。ライヴレコーディング。10月9日の録音ということですから,本当に出来たてのホヤホヤですね。

演奏は,テンポがゆっくり目で,丁寧に,緻密に組み立てられているという印象です。オーケストラのそれぞれの演奏者も,一音たりともおろそかにしないといった感じで,どの音も消える瞬間まできっちりとしていて,ぞんざいに終わることがありません。オーケストラのダイナミックレンジを使い切った迫力ある演奏でありながら,指揮者の意志が隅々まで徹底されて,あくまで紳士的であることを忘れない,立派な演奏であると思います。ライヴらしい高揚感を期待して聴くとちょっと肩すかしを食らうかなと思います(→自分だ(^^;)。

さて肝心の録音ですが,基本的な音の捉え方は悪くないと思うのですが,なぜか高域が落ちているようで,かなり音が曇っています。残響が被って悪化しているような感じではないので,マスタリングの過程で落ちてしまったのではないかと推測しますが,よくわかりません。この音質には落胆しました。もったいないです。残念です。(→ちょっと誇張して書いています。多くの方にとっては許容範囲かもしれません...)

[チャイコフスキー][交響曲]
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チャイコフスキー:交響曲第五番 ホ短調 作品64
ジークフリート・クルツ(Siegfried Kurz)(Conductor)
シュターツカペレ・ドレスデン(Staatskapelle Dresden)
Dresden, Lukaskirche, 1/1978
0014072BC (P)1980 VEB Deutsche Schallplatten Berlin (C)2008 edel CLASSICS GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

あまり粘らない颯爽とした格好いいチャイコフスキーです。ロシア的ではありませんが,推進力のあるなかなか良い演奏だと思います。

録音は,残響音がそれなりにありますが,直接音比率が比較的高めなので,明瞭で見通しの良さがあり,リズムがよりタイトに感じられ,この演奏の特徴を際立たせるのに一役買っています。音域バランスは低域が弱めで中高域よりです。残念なのは音色に中域の癖のある響きが乗っていることで,音の捉え方は良いにも関わらず何かすっきりしません。惜しい録音です。

[チャイコフスキー][交響曲]
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チャイコフスキー:交響曲全集
ウラディーミル・フェドセーエフ(Vladimir Fedoseev)(Conductor)
モスクワ放送交響楽団(Moscow Radio Symphony Orchestra)
1981年(第五番,第六番),1984年(第一番,第三番,第四番),1986年(第二番)
VICC-40024-28 ビクター音楽産業株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★☆

ロシアのオーケストラというと,パワフルで荒々しいという先入観を持ってしまっていたのですが,この演奏はそのイメージとは全く異なっていました。パワフルではあるのですが,意外なほどに抑制されていて紳士的なんです。決して安っぽい表現はしないぞ,という強い意志が働いているかのようです。私がチャイコフスキーの音楽に求めるところとは少し違っているかもしれませんが,自分たちの国の音楽に対する誇りと愛情がにじみ出た立派な演奏だと受け止めました。

解説書によると,デジタル録音機材がなかったソビエトにビクターの制作陣・技術陣が機材をモスクワに持ち込んで実現した企画ということです。残響はそれなりに取り込まれているものの,あまり気にならない程度に抑えられてるので,私としてもまずまず良好と思いますが,少し距離感があって鮮明さという点で少し物足りなさも感じます。

この全集は友人のK.N.さんのご厚意で聴かせていただきました。有り難うございました。現在現役盤があるのかよくわかっていません。

[チャイコフスキー][交響曲]
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チャイコフスキー:後期交響曲集
交響曲第四番ヘ短調作品36
交響曲第五番ホ短調作品64
交響曲第六番ロ短調作品74「悲愴」
エフゲニー・ムラヴィンスキー(Evgeny Mravinsky)(Conductor)
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(Leningrad Philharmonic Orchestra)
(第四番)1960年9月14-15日 ロンドン,ウェンブリー・タウンホール
(第五番)1960年11月9-10日 ウィーン,ムジークフェラインザール
(第六番)1960年11月7-9日 ウィーン,ムジークフェラインザール
UCCG-3312/4(459 529-2) (P)1961 Polydor International GmbH, Hamburg (国内盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

このチャイコフスキーの後期交響曲集,超有名なのでもう説明の必要はないと思います。指揮者の無謀とも思えるテンポ要求にも一糸乱れず合わせてくる,その鍛え上げあれた軍隊的な統率感に背筋がゾクッとします。中でも第五番が屈指の出来栄えだと思います。愛聴盤です。

しかし,私がここで触れたいのはそういうことではなくて,もちろん録音についてです。一つ前のエントリで,音楽のエッセンスをいかに上手く抽出して収めているかが「好録音」のポイントだと述べましたが,この録音はまさにこの好例であると考えています。

この録音の良いところは,要所要所で「これは聞こえて欲しい」と思う楽器の音の動きがしっかりと聞こえてくるところです。金管が咆哮する場面で弦楽器がかき消されることもありません。個々の楽器の質感もそこそこ保たれています。音楽のエッセンスが詰まった情報量の多い録音とは,例えばこういう録音のことだと思うわけです。1960年の録音で音は古びていますし,「録音が良い」という評判は全く聞いたことがありませんが(まあ当然といえば当然ですが...),音楽を存分に楽しめるという点で間違いなく「好録音」です。

このCDをお持ちの方は,改めてこういう観点で聴いてみてください。

私が最初にこの演奏に触れたのは廉価版のLPでした。その後CD化されるのを待ちわびて買ったのが2枚組のCDでした(→HMV Onlineicon)。今はもう少し安いものがあるみたいです(→HMV Onlineicon)。最近はSHM-CD版もあるようです(→HMV Onlineicon)。ただ,2枚組だと一番好きな第五番の途中でCDを取り替えなければならず,これが嫌で3枚組の国内盤に買い換えました(→HMV Onlineicon)。(2枚組の国内盤がまた出るのかな???→HMV Onlineicon)。

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