好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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ベートーヴェン:交響曲全集
オイゲン・ヨッフム指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
1967年~1969年 アムステルダム,コンセルトヘボウ
PROC-2013/7 (P)1969 Decca Music Group (国内盤) タワーレコード企画盤
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus Eugen Jochum PHILIPS Recordings
好録音度:★★★★★
参考: Tower Records

ヨッフムのベートーヴェンの全集録音は3回で,これは2回目の録音とのことです。引き締まったフォルムで力強く推進される正統的な演奏ですね。やっぱりこういうのが好きです。

そして何よりこの録音がいいですねぇ! 残響はありますが適度に抑えられ,各楽器の音が分離良く,明瞭感高く,質感高く捉えられています。音色も自然ですしヌケも良く全くストレスなく音楽を楽しむことが出来ます。マルチマイクで比較的楽器に近い位置で録っているように思います。特に弦楽器のこのサウンドは大好きですね。若干ドライですがキレの良い情報量の多い音で満たされてるといった感じがします。この時代のフィリップスの良好なアナログ録音の一つに挙げられるのではないでしょうか。

オーディオクオリティでは現代のデジタル録音にかなわないかもしれませんが,鑑賞の邪魔になる残響等の付帯音が気にならないレベルに抑えられていて,クオリティの高い曇った現代の録音よりもはるかに音楽を楽しく聴くことができます。間違いなく好録音です。フィリップスやデッカはかつてこのような音楽の楽しさをストレートに伝えてくれる録音をしていたのに,なぜやめてしまったのでしょう? 「音楽の楽しさを伝える」ということに関しては退化しているとしか思えません。

ということで,演奏も録音も良いこのディスクは愛聴盤候補となりました。じっくりと楽しみたいと思います。このような復刻を企画してくれたタワーレコードに感謝!
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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲作品72

ヴラディーミル・ユロフスキー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
2014年1月22日 ロンドン,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール,2015年9月3,4日 ロイヤル・アルバート・ホール(序曲)
LPO0096 (P)2017 LPO (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Mujsic

まだメディア発売前ですが,一足先にApple Mujsicで試聴しました。

ロンドン・フィル自主制作のベートーヴェンといえばクルト・マズア指揮の第1番,第4番がとても良かったのですが,このベートーヴェンも期待に違わずスピード感のある小気味よい演奏でした。この演奏におけるロンドン・フィルの編成がよくわからないのですが,大編成のサウンドながらとてもよく統率されていてアンサンブルにブレが見られず絞り込まれた編成のごとくビシッと決まっています。今後の録音にも期待します。

録音ですが,残響が少しあって楽器音にまとわりつき音離れが少し良くないのですが,個々の楽器は明瞭に録られており,残響感の割には音色に癖がないのが良い点です。私としてはもう少し残響の影響を減らしてすっきりと見通しよく録って欲しいのですが,これなら多くの人に受け入れられやすい録音だと思います。まずまずの好録音と言えると思います。
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ベートーヴェン:交響曲全集
ヘルマン・シェルヘン指揮/ルガーノ放送管弦楽団(スイス・イタリア語放送管弦楽団)
1965年 ルガーノ
ARIOSO 106 (P)2004 arbre Inc. Japan (輸入盤)
好録音度:★★★~★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

う~ん,これは...熱気に満ちた演奏ではありますが暴走と紙一重という気もしますし,これはあまりにもリハーサル不足なんじゃないのと思うくらいグダグダに崩れるところも多々あって,これをどう楽しんだらいいのか正直わかりませんでした。実際にその場で聴いたらこの熱い演奏を楽しめたかも,いややっぱり乱雑な演奏に頭に来ていたかも... 好きな人は好きかもしれませんね。私はちょっと好きになれませんでした。

録音ですが,1965年の録音としては良くありません。帯域が狭く,歪みもかなり多いです。楽器のバランスも今ひとつです。どういう目的で収録されたのかは知らないのですが,記録目的なのか,放送音源として収録されたのか,あたりでしょうか。メディア販売を目的にした録音ではないように思います。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調作品35
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調作品36
マルティン・ハーゼルベック指揮/ウィーン・アカデミー管弦楽団
2014年12月7-9日 オーストリア,ニーダーエスターライヒ宮,ラントハウスザール
ALPHA470 (P)2014 Alpha Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:七重奏曲変ホ長調作品20
マルティン・ハーゼルベック指揮/ウィーン・アカデミー管弦楽団
2016年5月 オーストリア演劇博物館「Eroica Saal」(旧ロプコヴィツ侯爵邸大広間)
ALPHA474 (P)2016 Alpha Productions (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ベートーヴェン:ウェリントンの勝利(戦争交響曲)作品91
マルティン・ハーゼルベック指揮/ウィーン・アカデミー管弦楽団
2015年3月10-14日 ウィーン科学アカデミー講堂
ALPHA473 (P)2015 Alpha Productions (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器による歴史的建造物でのレコーディングで,作曲された時代の雰囲気にまで配慮したとのことです。録音に使われた建物はそれぞれディスク毎に違うようです。小編成のようですが,そのサウンドはすごく迫力があり,特に第1番,第2番のアグレッシブな演奏には度肝を抜かれます(第3番,第7番はそこまでのインパクトはありませんでしたが)。ベートーヴェンの時代にこんなド迫力の演奏がなされていたのかちょっと想像がつかないのですが,これはなかなか聴き応えがあります。

しかし,録音が良くありません。第1番,第2番はまだマシですが,特に第3番は録音会場の響きが多く肝心のオーケストラの音を大きく曇らせていて全く楽しめません。歴史的建造物で録ること自体は別に否定はしませんが,音楽そのものが楽しめないような録り方では本末転倒です。せっかくの面白い企画なのですから,建物の響きも活かしつつ音楽もちゃんと楽しめる録音を追求してほしいものです。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲全集
チョン・ミョンフン指揮/東京フィルハーモニー交響楽団
2002年~2004年 東京オペラシティ コンサートホール
IMXC-10001/6 (P)(C)2006 IMX CLASSICS & ARTS. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

演奏後に拍手の入るライヴ録音。交響曲以外にエグモント序曲,フィデリオ序曲,レオノーレ序曲第3番が収録されています。第5番のあとの凄まじいブラボーの嵐にはちょっと引いてしまいましたが,至極真っ当で推進力のある引き締まった良い演奏だと思いました。ライヴなので傷はありますがほとんど気になりませんし,むしろライヴでこれだけのパフォーマンスが出来るとは技術力もたいしたものだと感心します。

しかし,この録音はいまいちいただけません。低域偏重でさらに中域のどこかが抜けているようなバランスの悪さがあり,弦楽器が引っ込んで聴き取りづらく,音色にも艶がありません。低域が中高域に被って全体に不明瞭です。録音レベルも低めに感じられます。せっかくの演奏がこの録音では十分に楽しむことが出来ません。もったいないと思います。

この全集,現在は廃盤なのか,カタログからは消えているようで,中古では少し流通しているようです。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第7番
.ニコラウス・アーノンクール指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2003年8月29日 ザルツブルク音楽祭,フェルゼンライトシューレ
C 924 161 B (P)(C)2016 ORFEO International Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ザルツブルク音楽祭?でのライヴ録音。軽妙で生き生きした音楽が素晴らしく思います。特に第1番が良いと思いました。ライヴだから余計にかもしれませんが,活気に溢れ勢いがありますね。この顔合わせでのベートーヴェンがもっと残っていたら良かったのに,と残念に思います。

さて本題の録音ですが,ワンポイント録音のような感じであり,自然さが感じられるものの,全体にこぢんまりとしていてスケール感はあまりありません。またやはり全体を大きく捉えていて個々の楽器の質感などは希薄で,全体のまとまりと引き替えにサウンドとしては精彩を欠き,録音としてオーケストラの魅力を余すところなく伝えてくれているようには思えませんでした。私としてはあまり面白くない録音です。悪くはないとは思うのですけどね。好みの録音ではありません。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
ペーター・シュタンゲル指揮/タッシェン・フィルハーモニー
20. and 22.10.2014, Munich, Germany
ETP003 (P)(C)2015 edition taschenphilharmonie (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
ペーター・シュタンゲル指揮/タッシェン・フィルハーモニー
19. and 20.1.2013, Munich, Germany
ETP004 (P)(C)2015 edition taschenphilharmonie (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

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モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550,第41番ハ長調「ジュピター」K.551
ペーター・シュタンゲル指揮/タッシェン・フィルハーモニー
3.7.2014, 24.7.2015, Munich, Germany
ETP005 (P)(C)2015 edition taschenphilharmonie (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。タッシェン・フィルハーモニーに関してほとんど情報が見あたらないのですが,アリアCDさんのWebサイトによると「史上最小」のオーケストラを標榜する異端のオーケストラとのことで,弦楽器の構成はヴァイオリン3名,ヴィオラ2名,チェロ2名,コントラバス2名しかいません。モーツァルトはまだ良いとして,これでベートーヴェンやマーラーの交響曲をやろうというのですから,かなり無理があると言わざるを得ません。

意図がいまいち読めないのですが,確かに今までにない独特のサウンドであることは間違いありませんし,小編成らしいキレの良さや,緩徐楽章で弦楽器が主体になるところなどでの室内楽的な透明な響きが魅力的に聴こえるところもあります。しかし,トゥッティでは弦楽器が管楽器に圧倒的に負けていて,辛うじてかすかにヴァイオリンの輪郭だけが聴き取れる程度で,バランスが著しく崩れています。一聴の価値はあるかもしれませんが,弦楽器中心にサウンドを構成して欲しいと思っている私にとっては欲求不満が溜まるだけでした。試みは面白いと思いますし,こういうのは基本的には好きなのですけどね。

録音ですが,残響を控え目に個々の楽器の音をしっかりと分離良く捉えている点は良いのですが,わずかに高域の伸びが不足していてモゴモゴ感があります。惜しいです。また,こういう編成なので仕方ないのですが,もう少し弦楽器を強調しても良いのではないかと思います。あまりにも素直に録りすぎではないでしょうか。

まだリリースされていないようですが,もうすぐベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が発売になるようです(→Amazon.co.jpHMV Onlineicon)。聴いてみたいけど...Apple Musicに出てくるのを待ちますか。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲全集
ジョージ・セル指揮/クリーヴランド管弦楽団
1957年2月~1964年10月 クリーヴランド,セヴェランス・ホール
SICC 10224-8 (P)1965 (C)2016 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp

セル&クリーヴランド管弦楽団のベートーヴェンの交響曲全集は2013年に発売されたボックスセットを持っているのですが,ろくに聴かないうちにどこかにしまい込んでしまい,見つからないので...ちょっと(というかものすごく)高かったのですが,タワーレコードのこの新マスタリングの企画盤を手に入れて聴きました。

演奏はもう私がコメントするまでもないですよね。甘さのないキリッと引き締まった,そして推進力のある立派な演奏ですね。

古い録音なので録音の品質は時代相応というところは否めませんが,この“STEREORAMA”をジャケットに冠しているだけのことはあって,時代相応でマスターテープの歪みのせいかやや硬めの音質ではありますが,音の鮮明さなかなかのものです。弦楽器をサウンドの中心に据えた録り方も好ましいですし,直接音主体に質感高く捉えている点も良いと思います。1957年の第3番がやや残響が多めで品質的にも劣るのが残念ですが,その他の曲は良好です。

この名演奏が最良の状態で復刻されたことを喜びたいと思います。
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ベートーヴェン:交響曲第5番~第8番
ラン・シュイ指揮/コペンハーゲン・フィル
2011年~2013年 デンマーク王立音楽院コンサート・ホール
ORC100059 (P)(C)2016 Orchid Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ラン・シュイ指揮/コペンハーゲン・フィルによるベートーヴェン交響曲全集の第2弾(→第1弾)。ラン・シュイは中国系アメリカ人の指揮者で,2007年からコペンハーゲン・フィルの首席指揮者。デヴィッド・ジンマンに認められボルティモア交響楽団の副指揮者を務めたり,ニューヨーク・フィルでクルト・マズアのアシスタントを務めたりした経験があるとのことです。

第1弾と同様,快速テンポな上に,音を短めに切り上げてユニークな響きを創り出し,音楽を見通しよく仕上げています。そして刺激的で極めて個性的な演奏なのに,意外に音楽は地に足が付いていて嫌みがありません。どのくらいの編成で演奏しているのかはよくわかりませんが,統率が取れていて室内管弦楽団的なアンサンブルの精密さ,キレの良さがあるのも良い点です。好き嫌いが大きく分かれる演奏だと思いますが,私は気に入りました。

録音ですが,残響自体はあまり多くなく,全体のサウンドとしてはタイトでこの演奏にふさわしく締まっているのですが,少し付帯音がのって音色がわずかにくすんでいます。スカッとキレのある音で録れていたら良かったのですが,本当に惜しいです。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲全集
イヴァン・フィッシャー指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2013-2014年 アムステルダム,コンセルトヘボウ
RCO Live RCO14108 (輸入盤) Blu-ray Disc
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

映像を見ると弦楽器の編成を少し小さめに抑えているようです。そのためか,オーソドックスな演奏ながら,モダン楽器による軽くスリムで小気味の良い演奏が楽しめます。ただ,この編成のせいか,録音のせいかはちょっとわかりませんが,弦楽器が管楽器にちょっと負けていて,弦楽器中心にサウンドが組み立てられた演奏が好きな私としてはすこし欲求不満になります。演奏自体は好きなのですが。

それでその録音なのですが,残響自体がそんなに多いとは思わないのですが,中低域の厚いピラミッド型のバランスで,その中低域が高域に被ってきていてややモヤッとした感じがして,すっきりしません。弦楽器が管楽器に負けているのも,弦楽器の質感を強めに捉えることでもう少しカバーして欲しかったところです。あまりにも正直に録りすぎている感じですね。これがホールで聴いたときのバランスに近いのかもしれませんが,録音では少し大人しく聴こえすぎると思います。演奏が良いだけにこの録音はちょっともったいないと思います。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,第6番「田園」
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮/クリーヴランド管弦楽団
October 23, 1983(No.3), December 15, 1986(No.6), Severance Hall, Cleveland.
2CD-80730 (P)(C)2008 TELARC International (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第4番,第8番,第9番「合唱」
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮/クリーヴランド管弦楽団
October 9, 1988(No.4), October 18 & 19, 1985, October 22 & 23, Masonic Auditorium, Cleveland, 1983(No.8), Severance Hall, Cleveland.
2CD-80731 (P)(C)2008 TELARC International (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第2番,第5番「運命」,第7番
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮/クリーヴランド管弦楽団
October 8 and December 11, 1988, Severance Hall(No.1 & 2), Cleveland, September 20, 1987, Masonic Auditorium, Cleveland(No.5 & 7).
好録音度:★★★★
2CD-80756 (P)(C)2009 TELARC International (輸入盤)
参考: Amazon.co.jp

速めのテンポでキビキビと引き締まった演奏が良いと思います。ストイックな演奏のため食い足らなさを感じることもありますが,過剰な演出やわざとらしさのない純粋無垢さがこの演奏の良さであると思います。私はこういう演奏は好きです。

さて録音なのですが,まあテラークらしいというか,自然な音場感,ダイナミックレンジの広さはさすがですが,全体に残響でベールがかかったように細部が見えないもどかしさがあります。締まりのある音響は良いのですが。惜しいです。悪くはないのですが,1980年代のテラークの録音は私には今ひとつ合わないようです。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第4番
クルト・マズア指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
Southbank Centre's ROYAL FESTIVAL HALL, London, on 24 Nov. 2004(No.1), 27 Nov. 2004(No.4)
LPO-0093 (P)(C)2016 London Philharmonic Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

拍手の入るライヴ録音です。意外にも(失礼),コンパクトでシャープな小気味よい演奏でした。スピードのある演奏ですが,オーケストラも良く指揮に追従して乱れることなく克明に描き出していきます。これはなかなか良い出来ではないでしょうか。気に入りました。

録音ですが,ややデッドな音響で潤いに欠け,また少し高域の伸びが足りずわずかにモゴモゴする感じはあるものの,見通しが良く細部まで分離して聴き取ることができる好録音です。もう少しスカッと高域がヌケてくれて音の輝きと質感の豊かさがあると文句なしなのですが,これでもまずまず良好です。デッド気味なので一般にはあまり好まれないかもしれませんが,私は好きな方です。ロンドン・フィルの自主制作らしい音づくりですね。
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ベートーヴェン:交響曲全集
フィリップ・ジョルダン指揮/パリ・オペラ座管弦楽団
2014年~2015年 パリ・オペラ座(バスティーユ&ガルニエ宮殿)
109249 (C)2016 Arthaus Musik (輸入盤) Blu-ray Disc 3枚組
好録音度:★★★★(No. 1, 2, 3, 7),★★★★☆(No. 4, 5, 6, 8, 9)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

これは端正で品のある演奏ですね。大仰なところがなく控え目ながら音楽は締まっていて,その流れには全く淀みがありません。主張の強くない素直な演奏なので印象が薄いとも言えますが,飽きの来ない,聴くほどに味わいが増していくような,長く付き合えそうな演奏かなと思いました。

録音ですが,2014年11月までに録音された第1番,第2番,第3番,第7番と,2014年12月以降に録音された残りの曲で少し印象が異なります。前者は音がやや詰まり気味で伸びと艶がなくうっすらと曇ったように感じられますが,後者はそういった欠点が解消されすっきりとしています。残響は控え目でライヴらしい演出感の少ない音響は好感が持てます。後者は特に音色も素直ですし,楽器の分離,見通しの良さと密度感のバランスも取れて充実感があり,欠点の少ない良好な録音と思いました。まあ前者もそんなに悪い録音ではなくそんなに差は大きくないのですが,後者の録音で統一されなかったのはちょっと残念です。

それにしても,Blu-ray 3枚でこのバカでかいパッケージはちょっと勘弁して欲しいです。箱の厚みが8cmもあり嵩張って邪魔でしょうがありません。ただでさえDVDやBlu-rayのパッケージは大きくて閉口しているというのに。最近の映像コンテンツのパッケージは肥大化しすぎてるように思います。豪華すぎるパッケージ,全然うれしくないです。
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ベートーヴェン:交響曲全集
アンタル・ドラティ指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1975-1976年 ロンドン
PROC-1001/5 (P)1976/1977 Deutsche Grammophon GmbH (国内盤)
タワーレコード企画盤 Tower Records Vintage Collection Vol.8
好録音度:★★★★(☆)
参考: Tower Records

ドラティのこのベートーヴェン,徹底して基本をたたき込まれたような生真面目な正統派の演奏という印象です。そしてコントラストのはっきりした明快な音楽...安心して聴ける演奏です。なかなか良いのではないでしょうか。結構気に入りました。

録音ですが,曲によって残響が少し多めのものがあってばらつきがあるのですが,全体として弦楽器主体の音づくりとなっており,直接音比率を高めにしているために残響による影響も少なめで,そこそこ楽器の質感の感じられる締まったサウンドで印象はまずまず良好です。ただ,少々音色のバランスが崩れているのか,高域の伸び,ヌケはやや悪く,また,音色がだいぶ硬く感じられます。基本的な録り方は悪くないと思うので惜しいです。評価は四つ星か四つ星半か迷うところです。

ドラティのベートーヴェンというと,先日取り上げた,これもタワーレコードの企画盤の交響曲集がありますが,クオリティでは劣るものの音の魅力という点ではそちらの方が上ですね。それと同じように録ってくれていたら良かったのに,と少々残念です。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》,第7番
カルロス・クライバー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1974年3,4月(第5番),1975年11月,1976年1月 ウィーン,ムジークフェラインザール
UCCG-51003 (P)1975, 1976 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》,第7番
カルロス・クライバー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1974年3,4月(第5番),1975年11月,1976年1月 ウィーン,ムジークフェラインザール
447 400-2 (P)1975, 1976 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

さらにもう一つドイツ・グラモフォン ベスト100 PremiumからSHM-CDでHRカッティングな(^^;ディスクを。

これももう有名なディスクですので,今回は録音に関するコメントだけ。このディスクはOIBPマスタリングのディスクを持っていました。今回のディスクの音質がそれに対してどうなのか,気になったので比較してみました。

正直に言うと微妙です。OIBPマスタリング盤に比べると,歪みが少なく音がなめらかに感じられるものの,力強さが感じられなくなり,また,音色のつやも控え目になっているように感じられました。一長一短があるものの,私の音の好みからいうとOIBPマスタリング盤の方かなと思います。クオリティはわずかに劣るかもしれませんが,音色に魅力があります。微妙な差ですが。

あとから発売される方が良いかというとそうでもない場合もあるなということですね。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,第5番「運命」,第6番「田園」,第7番,他
アンタル・ドラティ指揮
ミネアポリス交響楽団(第3番),ロンドン交響楽団(その他)
1957年(第3番),1962年(第5番,第6番),1963年(第7番)
PROC-1413/5 (P)1958,61,63,64 Decca Music Group (国内盤)
タワーレコード企画盤 アンタル・ドラティの軌跡 Vol.1
好録音度:★★★★(第3番),★★★★☆(第5番,第6番,第7番)
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤です。

ドラティはマーキュリーのリビング・プレゼンスの録音が多数あり,今までにもブラームスの交響曲全集チャイコフスキーの交響曲全集レスピーギのリュートのための古代舞曲とアリアチャイコフスキーのくるみ割り人形全曲,弦楽セレナーデ,を取り上げ,いずれも好録音として紹介してきました。

本ディスクも録音に関しては全く同様です。毎度申し上げていますが,1960年前後の録音なのでクオリティに関しては時代相応であり,また,いわゆるオーディオ的優秀録音とは違うということをあらかじめご了承ください。

この録音の魅力は,そのリアルな生々しさと自然な音色,鑑賞の邪魔になる残響を廃した引き締まったサウンドにあります。楽器の魅力,音楽の鼓動がストレートに,そして身体全体に迫ってきます。一人一人の奏者の存在が見えてくるような分離の良さも特長です。

これも何度も言っていることですが,このような素晴らしい録音のお手本があるのに,なんで現代の録音エンジニアはそれを無視するような録音ばかりするのでしょうかね。ほんと残念でなりません。

なおこの中で第3番は,弦楽器のマイクセッティングが今ひとつ良くないのか,パート全体の音ではなく,一部の奏者の音に偏っているような気がします。これは少々残念なところです。
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ベートーヴェン:交響曲全集
サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2015年10月 ベルリン,フィルハーモニー
BPHR 160091 (P)(C)2016 Berlin Phil Media GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考; Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineiconベルリン・フィル・レコーディングス

本パッケージは以下のものから構成されています。

(1) CD 5枚

(2) Pure Audio Blu-ray Disc
 2.0 PCM Stereo 24-bit/96kHz
 5.0 DTS-HD Master Audio 24-bit/96kHz

(3) Concert Video Blu-ray Disc 2枚
 Full HD 1080/60i - 16:9
 2.0 PCM Stereo
 5.0 DTS-HD Master Audio

(4) High-Resolution Audio Download Code
 Stereo 24-bit/96kHz WAV/FLAC
 Stereo 24-bit/192kHz WAV/FLAC
 5.0 Surround 24-bit/96kHz FLAC
 5.0 Surround 24-bit/192kHz FLAC
 ※全てのファイルを何度でもダウンロード可能

同シリーズは以前にシベリウスの交響曲全集を取り上げていました。高価なセットなので入手をためらっていたのですが,サンプル音源の音質が意外に良かったので思いきって入手しました。盛りだくさんな内容なのは良いのですが,この豪華で大きなパッケージは私にとってはちょっと邪魔で閉口しますね(^^;。

楽譜はベーレンライター版/ジョナサン・デル・マー校訂版を用いているとのことです。弦楽器を若干刈り込んでコンパクトで機動力を発揮できる編成とし,贅肉をそぎ落としたスリムで力強い表現で躍動感のある演奏を実現しています。響きは厚いのにビシッと揃っていて重くない,良い意味でベルリン・フィルらしくないと思いました。なおかつ全体に癖のない表現なので,スタンダード路線の高水準の演奏として長く聴き続けられそうな気がしています。

そして録音も響きを抑えてこの機動力に富んだ演奏を克明に見通しよく捉えています。特に中低域が量感がありかつ引き締まっているのが良いと思います。一方,もう少し高域に伸びが欲しかったところですが,まあこれでも十分に良好と言えるでしょう。

シベリウスの録音と聴き比べてみて,実はそれほど変わりがない録音ではないかと思ったのですが,こちらの方が数段良く聴こえるのは曲の違い,編成の違いによるものなのかもしれません。シベリウスの方も再評価してみようかと思います。

ということでちょっとばかり高価なセットでしたが,演奏も録音も良く,それなりの価値があったと思いました。

このシリーズでは,他にシューマンの交響曲全集もあり,サンプル音源を聴く限り録音もなかなか良いので入手を検討しなければ,と思っています。あと,アーノンクール指揮のシューベルトの交響曲全集も... 録音が良いと音楽を心底楽しめますね。録音は本当に大事だと実感しました。

あと蛇足ですが,ベルリン・フィル・レコーディングスのページを見ると,ハイレゾのダウンロード音源だけ購入するということも出来るようですね。

(記2016/08/06)


ダウンロード音源で気がついたのですが,24-bit/96kHzのFLACを聴いたところ,例えば第5番の第3楽章から第4楽章の境目,第6番の第3楽章から第5楽章の間の楽章間,第9番の第4楽章の分割されているところの境目で,ギャップレス再生をしてもプチッという異音が入ります。WAVと192kHzのFLACは大丈夫のようでしたので,96kHzのFLACだけの問題のようです。

もう少し調べてみると,96kHzのFLACは同WAVに比べて約232ms短いことがわかりました。最後の部分がわずかにカットされてしまっているようです。そのために楽章間のつなぎ目で不連続が発生し,異音につながっているようです。

編集上のミスがあるように思います。正常に聴ける音源も提供されているので異音回避は可能なのですが,もう少し気をつけて音源を提供して欲しいものです。

(追記2016/08/07)
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ベートーヴェン:交響曲全集(2012年東京・サントリー・ホール・ライヴ)
マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団
2012年 サントリー・ホール (収録日記載なし)
107536 (C)2015 Arthaus Music (輸入盤) (*Blu-ray Disc 3枚組)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

Blu-rayディスクによる3枚組で,音声フォーマットはPCM STEREOとDTS-HD MASTER AUDIO 5.0と記載されています(詳細スペックは記載なし)。オーストリア製でリージョンフリーです。NHKとの共同制作のようです。

同公演のBlu-rayはNHKエンタープライズからもリリースされていますが(→Tower RecordsHMV Onlineiconなど),同じ内容かどうかは不明ですが,NHKエンタープライズ盤はBlu-ray 4枚組で音声フォーマットの種類も異なるので同じ公演であっても内容が異なるかもしれません。価格が2~3倍するので,私はオーストリア盤を選択しました(^^;。

演奏はまだ十分鑑賞していないので,今回は録音の印象だけコメントします。

この録音は,良く言えば,サントリー・ホールの豊潤な響きを上手く活かした録音でしょう。いわゆるピラミッド型の帯域バランス。残響も中低域が中心。残響の質はそんなに悪くはないと思いますが,直接音に対する比率はやや高めです。そのため,楽器の音色の芯・輪郭は辛うじて感じられるものの,主に中低域の残響の被りによってややモヤッとベールがかかったようでモゴモゴしてもどかしさが残ります。また低域のキレも感じられません。もう少しすっきりとクリアに質感高く締まった音響で録って欲しいものです。残響を好まれる方であれば全く問題ない録音かもしれません。私としては上記の通り不満が残ります。

映像作品としては楽しめそうですので,じっくりと鑑賞しようと思います。


録音について少し補足しますと,この録音は低域のエネルギー感が相当あるために,再生装置の低域の再生能力によって帯域のバランス感が大きく変わるため,聴こえ方がだいぶ違うように思います。低域が締まっている,あるいは低域の再生能力が低い方が低域の高域への被りが減り,バランス良く聴こえるかもしれません。(2016/06/14追記)

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ベートーヴェン:コリオラン序曲作品62
ジョルディ・サヴァール指揮/ル・コンセール・デ・ナシオン
1994年1月 カルドナ
AVSA9916 (P)(C)2016 Alia Vox (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ピリオド楽器による演奏。快速で引き締まった当時のピリオド系らしい鮮烈な印象を残す。快速の演奏は嫌いではないけれど,全体のバランスとして弦楽器に対し管楽器と打楽器が勝ちすぎていることと,ちょっとリズムが立ちすきていることから,ガチャガチャとやかましい感じがします。こういう狙いなのでしょうけど。私としてはもう少し弦楽器の響きの美しさを前に出した演奏がやっぱり良いかなと思ってしまいます。

一方で,録音はそれぞれの楽器を抜けよく鮮明に捉えていて好印象,やや高域側に寄ったバランスで,演奏の鮮烈さ,やかましさを助長している気はしますが,残響で曇った録音よりはずっと良いと思います。

演奏が好みに合えば痛快な一枚になったのになぁ...実に惜しい!
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ベートーヴェン:交響曲集(6曲),ヴァイオリン協奏曲
シューベルト:交響曲第8番「未完成」
モーツァルト:オーボエ協奏曲,グラン・パルティータ
ダヴィド・グリマル/レ・ディソナンス
LD007 (P)2010 (C)2016 Les Dissonances (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ダヴィド・グリマルが結成したレ・ディソナンスによる演奏。指揮者を置かず,グリマルがコンサートマスターおよびソロを務めています。いずれもライヴ録音。既出を含め,下記の曲が収録されています。

ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調作品36 (2011年10月18日)
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」 (2012年12月20日)
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調作品 (2013年10月26日)
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」 (2010年12月9日)
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92 (2010年5月27日)
ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調作品93 (2013年10月26日)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61 (2010年5月12日)
シューベルト:交響曲第8番番ロ短調D.759「未完成」 (2013年12月19日)
モーツァルト:オーボエ協奏曲ハ長調K.314 (2014年2月19日)
モーツァルト:セレナード第10番変ロ長調K.361「グラン・パルティータ」 (2015年4月2日)

以前,交響曲第7番,ヴァイオリン協奏曲のディスク交響曲第5番のディスクを取り上げていました(ただ,ヴァイオリン協奏曲の収録日が異なります。同じように聴こえるのですが...)。

指揮者を置かない演奏とは思えないアグレッシブかつキレの良い緻密なアンサンブルには舌を巻きます。小編成の特徴を最大限に活かした演奏だと思います。響きに豊潤さはなく好みがはっきりと分かれると思いますが,私は好きですね。

そして録音なのですが,残響は結構取り込まれているものの,直接音が主体で個々人の楽器の質感まで感じられそうな音の捉え方,小編成の見通しの良さが活かされる録り方をしているので好印象です。ただ,残響の影響か,中域から高域にかけて癖のある響きがのっていて少し音色が崩れていることと,やや刺激的な音作りのため,すこしうるさく感じられるのが惜しいと思います。

なおオマケとしてブラームスの交響曲全集のビデオをオンラインで観ることの出来るURLとパスワードが付いています。アクセスしてみると...YouTubeのシステムを使っているみたいなのですが...なぜか第1番しか観ることが出来ません。音質も今ひとつ冴えないです。ブラームスの交響曲第4番はすでにディスクでリリースされていますが,これがなかなか良かったので是非ともディスクで全集をリリースして欲しいものです。
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ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」,第4番,第7番
ゲルト・シャラー指揮/フィルハーモニー・フェスティヴァ
No. 3(25.05.2014), No. 4(22.09.2013), No. 7(21.09.2014), Historischer Kaisersaal von Kloster Ebrach
PH15030 (C)2015 Profil Medien GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

参考に挙げたURLに記載されている発売元の解説によると,第3番,第4番が公開初演の前に私的に行われたロプコヴィッツ伯爵邸のホールを意識し,そのホールと同様の容積を持った程よいサイズの歴史的建築「エーブラハ修道院皇帝の間」で,35人程度の小編成で行われた演奏会をライブ収録したもの,とのことです。

演奏自体はオーソドックスで,小編成の小気味よく引き締まった推進力のあるアンサンブルと,小編成とは思えない力強さ,スケール感とを兼ね備えた好演奏ですね。

録音ですが,少しオフマイク気味で,空間の響きの特徴を含めて収めようとしている録音のため,残響がやや多めであるのに加えて直接音が希薄でモヤモヤとしており,個々の楽器の質感が感じ取りにくく,かなりもどかしいです。おそらくこれは解説から察するに制作者側の意図通りだと思うのですが,せっかくの小編成の良さが伝わらない録音だと思います。当時の雰囲気を味わって欲しいっていうことだと思いますけど,ちょっと残念に思いますね。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第4番,第5番「運命」
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
2015年5月8-11日 ウィーン,ムジークフェラインザール
88875136452 (P)(C)2016 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ピリオド楽器による演奏。アーノンクールにとって2度目の全集になるはずだった録音の第1弾。昨年12月に演奏活動からの引退を表明され,これが最後の録音になったということです。ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとのベートーヴェン録音もこれが最初で最後とのことです。

この演奏,アーノンクールの強烈な個性が炸裂していますね! 大胆なダイナミクスの活用,大きなテンポのゆらぎと至る所にちりばめられた「ため」というか一瞬のパウゼ!? 特に第5番。終楽章で度肝を抜かれるような金管の咆哮があったり,最後の和音の大胆な「ため」があったり(ネタバレですね(^^;)と,本当に気が抜けません。

しかし,次の二つの理由で私はちょっとこの演奏が苦手です。一つ目は,やはり「ため」が多すぎることです。指揮者の呼吸に自分の呼吸を合わせることが出来ないので,「ため」の瞬間に「うっ」と胸が詰まって痛くなります。身体が受け付けてくれないのでどうしようもありません。二つ目は,管楽器主体の音量バランスとなっていてどうしてもやかましく聴こえてしまうためです。弦楽器が添え物程度にしか聴こえてこないのが不満です。これは多分に好みの問題ではあるのですが。

さて録音なのですが,残響はやや多めなのですが,オンマイク的に録られているので楽器音は明瞭で印象は悪くありません。ただ少し音を濃く詰め込みすぎていて混沌として見通しが良くないときがあり,この点が惜しいと思います。残響量の割には良いとは思うのですが。

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ベートーヴェン;交響曲全集 ~ フランツ・コンヴィチュニーの芸術より
フランツ・コンヴィチュニー指揮
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
録音 1959~1961年
SC504 (P)(C)2013 Scribendum Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★,★★★☆(#1, #2, #7, #9)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

「フランツ・コンヴィチュニーの芸術」と題された,1959年から1962年にかけてライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と録音した曲が収められた13枚組のボックスセットから。ベートーヴェンの交響曲・序曲の他に,シューマンの交響曲全集,ブルックナーの交響曲第5番,ブラームスの交響曲第1番,メンデルスゾーンの交響曲第3番などが収められています。

演奏はオーソドックスな堂々としたもので,昨今の演奏に比べるとテンポが遅めで推進力に欠けるものもありますが,古びた印象は全くなくストレートに表現された充実感のある立派なものでした。

そして録音なのですが,1959年に録音された第1番,第2番,第7番,第9番の4曲は鮮度が良くなく,また,残響が不自然にモノラルっぽく残るため劣る印象がありますが,その他の曲はそういった違和感も少なく,それぞれの楽器の質感を良く伝えてくれる良好な録音でした。さすがに1960年頃の録音なので音の古さはあるのですが,あまり気になりません。残響はそれなりにありますが,楽器の音色をあまり損なわないように収められています。この頃の録音としては良好な部類に入ると思います。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲全集
クリストファー・ホグウッド指揮/アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック
1983-1989年 Kingsway Hall(1), Walthamstow Assembly Hall(2-9)
452 551-2 (C)1997 The Decca Record Company Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ピリオド楽器による演奏。第1番から第6番は小編成,第7番から第9番は歴史的事実に鑑みて大編成での演奏とのことです。モーツァルトの交響曲全集は当時相当話題になったので知っていたのですが,ベートーヴェンの全集を録音されていたという認識がなく,恥ずかしながら先日初めてその存在を認識した次第です。

モーツァルトの録音でもそうでしたが,弦楽器のノンヴィブラートのシャリーンとした(^^;独特の音響が特徴で,綺麗な演奏かつ録音だとは思うものの,マイクのセッティングが少し遠めなのか,質感は希薄で生々しさ,実在感に乏しく,また,弦楽器が管楽器よりも引っ込んで聴こえます。第7番以降,この傾向がさらに強くなり,それぞれの楽器の分離も良くなく,混沌として見通しが今ひとつ良くないのも残念なところです。

まだピリオド楽器での演奏が少なかった頃に新たな時代を築いた革新的な演奏だったのだろうと思います。その意欲がひしひしと伝わってくる演奏です。こういうキレの良い演奏は好きなのですが,少し落ち着かない感じが残ります。このあたりは多分に好みによるものですが(ピリオド楽器自体が少し苦手というのもあります...スミマセン)。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第3番「英雄」
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1968年(第1番),1965年(第3番) ウィーン,ゾフィエンザール
UCCD-7201 (P)1969/1966 Decca Music Group (国内盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第6番「田園」
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1968年(第5番),1967年(第6番) ウィーン,ゾフィエンザール
UCCD-7202 (P)1969/1968 Decca Music Group (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ベートーヴェン:交響曲第7番,第8番
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1968年(第7番),1969年(第8番) ウィーン
UCCD-7072 (P)1969/1970 Decca Music Group (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

往年の名演奏。全集から6曲を選んで聴いてみました。この時代を象徴するような堂々とした風格を感じますね。昨今の推進力のある躍動的な演奏と比べるとなんとも古めかしい印象があるのは確かですが,一方でとても懐かしくまた端正で品格のある落ち着いた佇まいが一種の安堵感を生みますね。時々こういう演奏が聴きたくなります。

さて録音なのですが,1965年から1969年にかけての録音で,さすがに音色は少し古さを感じさせますし,クオリティも時代相応なのですが,残響を多めに取り入れている割には楽器音を邪魔することがなく上手く処理されていると思います。弦楽器を主体に楽器の質感も相応に感じられます。良い時代のDECCAの録音と言えるのではないでしょうか。

この中では特に1965年録音の第3番が音色の自然さ,バランスの良さが感じられますし,次いで第1番,第5番も同様にまずまず良好です。1969年録音の第8番は最も鮮度が感じられるもののやや音が硬くまた濃すぎて少し音色のバランスが崩れているのが惜しいところです。第6番,第7番は前記のものに比べると少し精彩に欠ける印象です。

今回取り上げた3枚のディスクと第9番「合唱」は現役の国内盤が入手可能です。第2番,第4番は廃盤になっているのか現役盤が見つかりませんでした。全集としてそろえるのは少々面倒ですね。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲全集
ヴォイチェフ・ライスキ指揮/ポーランド室内フィルハーモニー管弦楽団
The Church of "Stella Maris" in Sopot (Poland), 2005(nos. 7, 8), 2006(nos. 1, 2), 2007(nos. 5, 6), 2009(nos. 3, 4), St. John's Church in Gdansk, 2015(no. 9)
TACET 974 (P)(C)2015 TACET (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon

2006年から2009年にかけて第1番から第8番が録音されSACDでリリースされていましたが,今年第9番が録音されてやっと全集として完結したようです(全集はCDで,第9番のSACDは来年発売とのこと)。

小編成オーケストラによる演奏ですが,強烈なアクセントが随所で見られる力強さと速いテンポで颯爽と駆け抜けるダイナミックでキレの良い演奏です。小編成のハンデをカバーしようとしているのか少し頑張りすぎて落ち着きがなくやかましい感じ出てしまっていますが,それを除けば意外に癖のない素直な演奏のようにも思います。個人的には小編成なら小編成にしかできない表現を追求して欲しいと思いますが,でもこれはこれで面白い演奏だと思います。

録音ですが,TACETレーベルらしい,ものすごい残響感です。残響の量も多ければ残響時間も相当長いです。ただ,これだけ残響を取り込んでいながら全体の音色のバランスが崩れず,楽器の本来の音色,ヌケのよさを保っているのは上出来だと思います。楽器音が濁らないよう,直接音とのバランスを絶妙に取っていますし,広がり感をきちんと持たせて楽器音との分離が取れるよう配慮されていると思います。もちろん私はこのような録り方であっても残響を肯定するつもりはありませんし,ない方が良いと思っていますが,もし残響を取り入れるならこれは一つのお手本になるかな,とは思います。これはちょっと多すぎるとは思いますが。残響が好きな方なら優秀録音かもしれません。

ただし,残響が強調されるようなウェットな再生環境だと残響がかなり煩わしく感じられます。カラッとしたドライでクリアな再生環境で聴いてやっと許容範囲に入ってきます。

なお,この中では第7番,第8番は少し質が落ちます。あとは多少のばらつきはあるものの,ほぼ統一感があります。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」,第7番
マンフレート・ホーネック指揮/ピッツバーグ交響楽団
2014年12月5-7日 ピッツバーグ,ハインツ・ホール
FR718SACD (P)2015 Reference Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

これは凄まじくパワフルで痛快なベートーヴェンですねぇ。しかもオーケストラが徹底的に鍛え上げられていて全く乱れません。「ため」のない疾走するリズム感,気持ちよいほどの頭拍の揃いも素晴らしいです(第7番の最初の1音がこんなにビシッと決まった演奏を初めて聴きました)。そして...なんかすごく騒々しいです(^^;...録音のせいかもしれませんが。深みや味わいとはだいぶ遠い演奏ですが,とにかく元気が出ます。

さて,優秀録音で有名というReference Recordingsの録音なのですが,この録音はとにかく密度感がものすごくあります。直接音成分はキレがあるので良いのですが,中低域に偏った残響のエネルギー感もものすごいです。ブーミーではないのですが,ワンテンポ遅れて残響がブワッとくる感じです。やや人工的な響きです。

そして,再生装置によっては低域の飽和による歪み感があったり(コンプレッサーを強くかけたような感じ),音がつぶれて荒れるように聴こえる場合がありました。この録音は再生装置を選ぶ気がします。やかましく聴こえるのはこういったことが原因になっているようにも思います。私としてはもう少し整理された見通しの良いすっきりした音響が好きなので,これはちょっと音を無理に詰め込みすぎている感じがして疲れますね。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調作品60
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
カルロス・クライバー指揮/コンセルトヘボウ管弦楽団
1983年 Concertgebouw, Amsterdam
070 100-9 (C)1983 Unitel (P)1988 Universal International Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon

ライヴを収録したDVD。この人が指揮した音楽には中毒性があることに注意しなければならないとつくづく思います(^^;。いずれの曲も両端楽章の速さと勢いに圧倒されるのですが,単にそれだけではなく,前のめりで突っ走る,ノリの良いスウィングするリズム感が他の指揮者の演奏からは得られない独特の高揚感を生み出しているのではないかと思います。

クライバーのベートーヴェンは,Orfeoからリリースされているバイエルン国立管弦楽団との第4番第6番第7番がありますが,オーケストラの上手さはこちらの方が上のように思います。音程はともかくアンサンブルが良く,指揮者にドライブに良く追従しています。(でもどちらが良いかは好みによるでしょうけど)

録音ですが,残響感はあまりなく明瞭に捉えているのは好印象なのですが,音色のバランスはやや崩れていて音質もややカスカスした感じがしてクオリティは今ひとつです。残響で濁った録音よりはずっと良いのですが,ビデオにオマケで付いている音声のようであり,もう少し品質が良ければなぁと惜しく思います。

なおDVDの映像もやはり1980年代の品質であり,VHSのビデオを見ているような感じです。これもまあ仕方のないことですね。映像が残っているだけでも感謝しなければなりません。

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
カルロス・クライバー指揮/バイエルン国立管弦楽団
1983年11月7日 バイエルン国立劇場
C 600 031 B (P)(C)2003 ORFEO International Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
先日取り上げた第4番,第7番に続いて,Orfeoから発売されているもう一枚ある第6番です。HMV Onlineでは150件ものレビューが付いていて賛否両論ですね。欠点はいろいろとある演奏であるのは確かですが,私自身はライヴの熱気がストレートに伝わってくるこの演奏はけっこう楽しめました。

録音ですが,オーディオ的なクオリティはまったく良くありません。1950年代の録音かと思ってしまうような音質です。やはり帯域は狭いですし,歪感がすごくあります。この点では第4番,第7番よりだいぶ劣ります。単なる演奏会の記録であって,後にライブ録音としてリリースすることを前提としていなかった音源ではないかと推測します。クオリティの観点ではまったくお薦め出来るものではありません。

しかし,やはりこの録音に私は魅力を感じています。理由は第4番,第7番の録音と同様で,特に弦楽器の魅力をよく捉えていると思うからです。最新の録音でもまったく楽器の音に魅力を感じないものが多くありますが,そんな録音よりもずっと音楽を楽しめます(あくまで個人の感想です(^^;)。そういう意味で好録音度は四つ星評価です。

なおこのディスクはCCCD(コピーコントロールドCD)でした。私のPCではリッピングが出来ませんでした。もう絶滅したかと思っていたのですが,こんなところで生き残っていたとは...



いつも参考にさせていただいているClassical CD Information & Reviewsを運営されている加藤さんよりコメントをいただきました(有り難うございます)。このディスクの音源は,カルロスの息子のために制作されていたカセットテープからマスタリングされたものとのことで,正規音源が経年劣化で使えなかったため,とのことです。この音質も納得です。

加藤さんもこのCDの感想をアップされていますので,併せてご参照ください。発売当初はCCCDではなかったようですね。

(記2015/10/03)

タグ : [交響曲]

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ベートーヴェン:交響曲第2番,第8番
小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団
2015年1月,5月 水戸芸術館
UCCD-1421 (P)2015 Universal Classics (国内盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
小澤征爾指揮/水戸室内管弦楽団によるベートーヴェンの第2弾。第1弾は第4番,第7番でした。

今回は録音についてのみコメントします。というのも,録音があまりにも残念すぎて音楽に集中できず楽しめなかったからです。第4番,第7番の録音と傾向は同じですが,さらに悪化しています。音色が濁り,くすみ,透明感も伸びも輝きもなく,まったく精彩のない音です。それぞれの楽器の音色はもっともっと魅力的なはずなのに,まったく伝わってきません。分離感もスケール感も全然なく団子状態です。

“DECCA”のレーベルを冠してこの録音とは... 小澤征爾さんの貴重な貴重なライヴをこんなショボい録音で出すとは... 怒りを通り越して悲しくなってしまいました。素晴らしい音楽を台無しにする録音,残念でなりません。

(記2015/08/25)


上記のように本録音は私にとってはまったく良くない好録音とは程遠いものでしたが,レコード芸術誌およびSTEREO誌10月号を拝見すると,どちらも優秀録音として賞賛されていました。おそらく他の雑誌でもこのような評価がなされるのでしょう。私がまったく感心しなかったアルティ弦楽四重奏団のベートーヴェンも優秀録音として取り上げられていたほか,安田謙一郎さんのバッハ無伴奏チェロのマイスター・ミュージックの録音も確か優秀録音と扱われていたと思います。

このような録音が雑誌等において優秀録音と持ち上げられる限り,少なくとも私にとって国内の録音は絶望的な状況だと思わざるを得ません。今に始まったことではありませんが,何ともやるせない気持ちでいっぱいです...

(記2015/09/21)


いつも参考にさせていただいているClassical CD Information & Reviewsを運営されている加藤さんよりコメントをいただきました(有り難うございます)。本ディスクの音源はe-onkyoでも配信されており,CDと比較してDSDの音質は大変素晴らしいとのことでした。CDの感想もアップされていますので,併せてご参照いただければと思います。

(記2015/09/30)

タグ : [交響曲]

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