好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:アルト・ラプソディ作品53
ブラームス:運命の歌作品54
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮/シャンゼリゼ管弦楽団
LPH 025 (P)2016 (C)2017 OUTHERE (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

古楽器オーケストラによるブラームスの交響曲ですが,ものすごく層の厚い密度の高いサウンドで,まるで目の前に巨大な建造物がそびえ立つような音楽を築いています。そしてそのサウンドからは考えられないくらいの軽快さで音楽が流れていきます。これは今までにあまりない感じでなかなか良いと思います。今後の録音にも期待が持てます。

さて録音なのですが,上記の通りかなり濃い録り方をしているのですが,あまり息苦しい感じはありません。重心が低く,かつ高域の伸びも確保し,音色のバランスも整えて聴きやすくまとめた上手い録音だと思います。私としてはもう少しすっきりと見通しの良い録音が好きなのですが,これもまあアリかなと思います。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
トーマス・ツェートマイアー指揮/スタヴァンゲル交響楽団
2015年 ノルウェー,スタヴァンゲル・コンサートホール
3816-2 (P)(C)2017 SSO Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpHMV Onlineicon

近年指揮でも活躍しているというヴァイオリニストのツェートマイアーの指揮したブラームスの交響曲ということで聴いてみました。オーケストラの規模がよくわからないのですが,少し小さめの編成のように締まった小気味の良いスピード感のある演奏でした。指揮者の意思が行き渡りよく統率されていると思います。勢いがありながらフォルテでも粗くなったり飽和したりすることがなく余裕をもって鳴らしきっているところも良いと思います。

さて録音ですが,残響は多めですが,低域の響きが抑えられているためか,だらしなく響くことがなくドライで締まっています。ただやはり残響自体は多いため,見通しは良くありません。残響量の割には音色のバランスは整っているので,印象は悪くありません。もう少し残響を抑えてすっきりと見通し良くしてくれたらずっと良かったのではないかと思うのですが。少し甘いですが四つ星半です。
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ブラームス:交響曲第3番,第4番
トーマス・ヘンゲルブロック指揮/北ドイツ放送エルプフィルハーモニー管弦楽団
16-19 November 2016, Elbphilharmonie Hamburg, Großer Saal
88985405082 (P)2016 Norddeutscher Rundfunk (C)2017 Sony Music Entertainment (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

2017年1月にこけら落としが行われたハンブルグの新ホール「エルプフィルハーモニー・ハンブルク」を本拠地とする北ドイツ放送(NDR)エルブフィルハーモニー管弦楽団(この1月に北ドイツ放送交響楽団から改称)による,この新ホールでの初録音で,ブラームス交響曲全集に向けての第1弾とのことです。第4番は自筆譜に最初書き込まれていた第1楽章の導入部付きで演奏されていて,初めて聴いたときには,かけるディスクを間違えたのかとちょっと慌ててしまいました。

それでこの録音なのですが...残響時間はそんなに長くはないのですが,間接音が強く乗った極めて癖のある音質で,明瞭感がなくモゴモゴとして全く冴えません。音色もくすんで精彩がありません。新しく作ったホールの響きを活かしたかったのかもしれませんが,響きはほとんど音楽に貢献しておらずむしろ逆効果で失敗していると思います。これでは音楽を楽しめません。Sony Musicらしからぬ録音でとても残念です。この録音で全集化されるんですね...

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:悲劇的序曲作品81,大学祝典序曲作品80
パーヴォ・ヤルヴィ指揮/ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
2015年3月30日-4月1日(交響曲第2番),2016年3月26-27日(序曲),ヴィースバーデン,クアハウス
SICC 10239 (P)(C)2016 The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィルのブラームスとなればもうこれは聴くしかありませんよね。全集録音の第1弾ということです。明るく若々しく躍動感に溢れた演奏は期待通り。見通しの良さ,キレの良さ,音の立ち上がりのスピード感は中規模の編成ならではですね。たっぷりと鳴り響くブラームスも良いですが,特に第2番はこういう演奏も良いと思います。

さて肝心の録音なのですが...う~ん,微妙です。ダイナミックレンジが広く,強奏部でも歪み感,飽和感が全くない余裕の鳴り感も良いと思いますし,音の滑らかさも上々です。楽器の分離感もそこそこあって,これといった欠点がありませんし,いまどきの優秀録音という感じがします。しかし,なぜかサウンドそのものにあまり魅力を感じないのです。マイク位置が少し遠めなのか,個々の楽器の質感が希薄で,また,スカッと音が抜けていないためかも知れませんし,生々しさに欠け,作り物のような感じがするためかもしれません。

同顔合わせのベートーヴェンやシューマンも同じような傾向だったように思います。私にとってはこの演奏の魅力を,この録音が半減させているように感じます。悪くはないんですけどね。もっとこの演奏の魅力を最大限に伝えてくれる録音が出来るんじゃないかと思うのです。

今後の全集化に向けたリリースに大いに期待する一方で,やっぱりこの録音なんだろうなぁと思うとなんだかやりきれない気持ちになります。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
セーゲルスタム:交響曲第288番“Letting the FLOW go on...”
レイフ・セーゲルスタム指揮/トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
The Turku Concert Hall on 205 November 2015 & 4-7 January 2016
ABCD 390 (P)2016 ALBA classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ブラームスの4つの交響曲とセーゲルスタムの新作交響曲4曲を収録していくというプロジェクトの第1弾。ちょっと怖いもの見たさで聴いてみました。聴いてみると...予想に反して(^^; 意外にもきわめて真っ当な演奏でした。全体にゆったりしたテンポですが,音楽は緩むことなく充実した響きをオーケストラから引き出しています。特徴があまりないとも言えますが,癖のない中庸な演奏として良いのではないでしょうか。

セーゲルスタムの交響曲は...ノーコメントということでご勘弁を(^^;。

そして録音ですが,個々の楽器の音色を素直に,そして明瞭に質感良く捉えており,残響感はあるものの鑑賞の邪魔になるようなことはなく,トータルとしてよくまとまった好印象の録音です。低域から高域まで自然に伸びており,締まったサウンドが魅力です。少し甘いですが四つ星半です。
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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:悲劇的序曲,ハイドンの主題による変奏曲
ワレリー・ゲルギエフ指揮/ロンドン交響楽団
2012年9月,10月,12月 ロンドン,バービカン・ホール
LSO0733 (P)(C)2013 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ワレリー・ゲルギエフ指揮/ロンドン交響楽団
2012年12月11-19日 ロンドン,バービカン・ホール
LSO0737 (P)(C)2014 London Symphony Orchestra (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

う~ん,これは微妙ですねぇ。ライヴなのでオーケストラの多少の乱れは仕方がないにせよ,今ひとつ演奏に締まりがありません。オーケストラを掌握できていない感じです。さらに...こんな言い方で申し訳ないのですが...もっさりしていて推進力もありません。堂々とした演奏を目指したのかもしれませんが,成功しているように思えませんでした。なお,第1番~第3番の第1楽章の提示部のリピートはすべて実行されていました。

さて録音ですが,何かと評判の悪いLSO Liveのバービカン・ホールでの録音ですが,この録音も例外ではなく,やはり残響を抑えたデッドな録音です。私はLSO Liveのデッドな録音がどちらかといえば好みなのですが,残念ながらこの録音はその良さがあまり感じられませんでした。音色に精彩が感じられず,また,歪みっぽさがあるほか,左右の広がり感にも欠けモノラルっぽく聴こえます。良い点がありません。

演奏が冴えないと感じるのは,録音が良くないせいもあるかもしれません。いずれにしても,この全集は演奏・録音ともあまり良く思えませんでした。残念です。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
クララ・シューマン:歌曲集
ジョン・アクセルロッド指揮/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団
2013年10月,12月 ミラノ・オーディトリウム
TELARC TEL-34659-02 (P)(C)2014 Concord Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
クララ・シューマン:歌曲集
ジョン・アクセルロッド指揮/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団
2013年3月,6月 ミラノ・オーディトリウム
TELARC TEL-34658-02 (P)(C)2013 Concord Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

それぞれ2枚組でディスク1枚に交響曲が1曲ずつ収められており,フィルアップとしてクララ・シューマンの歌曲が収録されています(歌曲は未聴)。

演奏は至極オーソドックスであり,やや遅めのテンポで重厚なブラームスのイメージをそのまま表現したかのような演奏です。やや印象の残りにくい演奏ではありますが,しかも締めるところはきちんと締めていて,中庸の良さを持っていると思います。そういう点で良くまとまった演奏だと思います。なお,第1番~第3番の第1楽章の提示部のリピートはすべて実行されています。

そして録音ですが,いわゆるピラミッド型の帯域バランスでサウンドのスケール感が大きく,また,個々のパートの質感も結構しっかりと捉えられているので,密度の高い録音ながら混沌とすることのない良好な仕上がりとなっています。残響は多めですがあまり気になりません。このような録音なので,バランスとしてややヴァイオリンが小さめなのと,全体の見通しはあまり良くないのが個人的には惜しいと思うところですが,それほど大きな欠点ではありません。

テラークの録音は好ましく思うものが少ないのですが,満点ではないにせよこれはかなり良好な方に入ります。
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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ハワード・グリフィス指揮/フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団
29 September to 2 October 2014 at the Konzerthalle 'Carl Philipp Emanuel Bach' Frankfurt
klanglogo KL1513 (P)(C)2015 Rondeau Production (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ハワード・グリフィス指揮/フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団
22 to 25 June 2015 at the Konzerthalle 'Carl Philipp Emanuel Bach' Frankfurt
klanglogo KL1514 (P)(C)2016 Rondeau Production (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

速めのテンポで推進力のある演奏ですが,勢い任せにならず緻密かつダイナミックに表情付けされています。重厚な響きを出しつつ重くならないのが良いと思います。オーケストラの実力がややついていけてない感がありますが,気になるほどではありません。

第1楽章提示部のリピートは,第1番あり,第2番省略,第3番あり,でした。第2番の省略が残念です。そのおかげで第1番と第2番で1枚のディスクに収まっているのですが(それでも計80分23秒...),個人的には2枚組にしてでもリピートはして欲しかったと思います。

録音ですが,残響は少し多めですが,それにも増してオーケストラ自体の響きを濃厚に捉えています。弦楽器主体に録っているのは良いのですが,少し密度感が高すぎて混沌として見通しが悪く,明瞭感も落ちているように思います。こういう演奏なので,もう少しすっきりと見通しよくヌケ良く録って欲しいところです。中低域の響きが締まっているのが救いです。そんなに悪くはないのですが。

なお,録音状態は第3番,第4番の方が若干良好です。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a(*)
サー・エイドリアン・ボールト指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1971年 Kingsway Hall,1978年 Abbey Road Studios (*)
TOCE-13443 (P)2007 東芝EMI株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

先に取り上げたDiskyの全集盤のコメントでご紹介いただいた,2007年に発売されたEMI Classics決定盤1300シリーズのディスクです。たまたまAmazon.co.jpに出品されていた最後の新品を運良く入手できました。いつリマスタリングされたものかわかりませんが,「24bit最新リマスタリング」と記載されていますので,1988年リマスタリングのDisky盤よりは確実に新しいものですね。

Disky盤と聴き比べてみると,その差は歴然としています。鮮度が確実に上がっていますし,低域のレンジ感も向上しより充実した音になっています。現役盤として入手可能なBoxセットでなぜこのリマスタリング音源が採用されなかったのか,釈然としませんね。何か理由があったのでしょうか。

この国内盤はすでに廃盤で入手しづらい状況というのは残念です。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲全集
サー・エイドリアン・ボールト指揮
ロンドン交響楽団/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1970年,1972年
HR 705412 (P)(C)1999 Disky Communications Europe (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第3番がロンドン交響楽団,それ以外がロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。Diskyの解説書には明記されていませんが,参考に挙げたEMIのボックスセットのWebページを見ると,第3番が1970年,それ以外が1972年で,いずれもロンドンのキングズウェイ・ホールでの録音となっています。Disky盤は1988年のデジタル・リマスタリングと記載されていました。

このボールトのブラームス,端正で引き締まった品格のある素晴らしい演奏ですね。誇張がなく地味なくらい控えめですが,それがこの演奏の魅力だと思います。

さて録音なのですが,残響は少し多めにあるものの,それぞれの楽器の質感を大きく損なわない適度な範囲であり,また,弦楽器の豊潤な響きを中心に全体の音響が構成されているので印象は良いです。EMIにしてはかなりうまくまとめていると思います。でもオーディオ的な品質はやはりEMI...1970年代の録音ならもう少しスカッとしていて欲しいところです。とはいえ十分に鑑賞に堪えうる録音ではありますが...惜しいです。

なお,Disky盤はすでに廃盤で入手は難しい状況です。参考に挙げたボックスセットは11枚組で価格も安価ですね。音質が改善されているかどうかは定かではありませんが,このディスクを聴いていると,もっとボールトの録音が聴きたくなって,手に入れるかどうか,今とても迷っています(^^;。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲全集
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1966年,1967年 ウィーン,ムジークフェラインザール
Warner Classics 0825646767717 (P)1968,1969 (C)2016 Parlophone Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
※2012年 デジタル・リマスタリング

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ブラームス:交響曲全集
サー・ジョン・バルビローリ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1966年,1967年 ウィーン,ムジークフェラインザール
HR 708222 (P)(C)2001 Disky Communications Europe (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
※1990年 デジタル・リマスタリング

定評のあるブラームス交響曲全集。遅めのテンポで重厚に,じっくりと,壮大に鳴らすロマンティックな,しかし品格のある素晴らしい演奏。旧世代の演奏ですが,私にはこういう演奏が落ち着きますし,心に滲み渡ります。

そして録音ですが,EMIの録音にしてはかなり良いと言えるでしょう。残響はかなり多いので付帯音の被りによる音色への影響は避けられませんが,その割には楽器の質感も感じられますし,分離感もまずまず良好です。響きが勝ちすぎていて私の好きなタイプの録音ではないのですが,楽器の魅力が失われていない録音として十分許容範囲で,むしろ印象は良いです。残響が気にならない方には魅力的な録音ではないでしょうか。なお,1966,67年というおよそ50年前の録音なのでオーディオ品質は時代なりというところは仕方ないですね。

だいぶ前にDisky盤を入手していたのですが,音質の改善を期待して今回このWarner盤を入手してみました。2012年のマスタリングということで,Disky盤に比べると,低域のレンジ感が大きく増し,鮮度もわずかに向上しているように思いました。入手した価値はあったかなと思います。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲全集
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
朝比奈隆指揮/新日本フィルハーモニー交響楽団
1990年(交響曲),1992年(ハイドンVar.) オーチャードホール(ライヴ)
FOCD9035/8 FONTEC (タワーレコード企画盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower Records
朝比奈隆のブラームス交響曲全集は,大阪フィルとの2種(1979-80,1994-95)と,新日本フィルとの2種(1990,2000-01)の4種類があり,本盤は4種中の2番目です。81歳での録音で,ライヴでの収録です(拍手も収録されています)。朝比奈さんのディスクは高価なものばかりでしたので聴く機会がなかったのですが,今回のタワーレコードの企画盤での復刻で\3,240と安価であったため,ようやくその演奏に触れることが出来ました。

今まで手が出なかった理由として,自分の好みとは違う「重い」演奏なんじゃないかという勝手な思い込みもありました。今回聴いてみて,テンポ設定が全体に遅めで典型的な重厚路線でスケールが大きく堂々としている点は想像通り。とはいえ,そんな中で時折見せる躍動的な爆発力は想像を超えていました。これが朝比奈さんのブラームスなのか! もう少しじっくりと聴いて朝比奈さんの芸術に触れてみようと思います。

それで録音なのですが,上記のような演奏のイメージを強調するかのような濃い音作りをしています。残響もそれなりに多いのですが,それ以上に全体を一緒くたに詰め込んだような混沌としたところが少しマイナスです。ステレオ録音なのにステレオ感がなく,楽器の分離感,定位感もありませんし見通しも良くありません。音色自体は言うほど悪くないのですが,私としては不満がやや大きく残念に思います。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第1番,ハンガリー舞曲第5番
1999年4月23日(No.1),8月22日(ハンガリー舞曲) サントリーホール(ライヴ収録)
AVCL-84013 (P)1999 Octavia Records (C)2014 Avex Classics (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第2番
1999年4月22日 サントリーホール (ライヴ収録)
AVCL-84014 (P)1999 Octavia Records (C)2014 Avex Classics (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第3番,第4番
1999年12月9日,10日 サントリーホール (ライヴ収録)
AVCL-84015 (P)2000 Octavia Records (C)2014 Avex Classics (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
小林研一郎指揮/日本フィルハーモニー交響楽団

邦人演奏家・オーケストラを主体とした「avex-CLASSICS 究極のベスト100」から。それにしてもこれは指揮者の唸り声がひどすぎます。音楽への集中力がこの唸り声で思いっきり削がれてしまいます。私はただ純粋にブラームスの音楽を楽しみたいだけなのに。実演を聴くならともかく... 単純にブラームスの交響曲を聴きたい方に対して,そして,小林研一郎さんの熱烈なファンでない限り,このディスクはお薦めしません。私は途中で聴くのを断念しました。

録音ですが,ライヴ録音としてはかなり良好です。残響は控えめで楽器音が明瞭に,そして質感豊に録られています。優秀録音ではないかもしれませんが,まずまずの好録音です。

せっかく録音が良いのに...残念でなりません。第1楽章提示部のリピート省略も残念です。

第1番 14:42/9:48/4:45/18:06 提示部リピート省略
第2番 16:26/11:11/5:26/10:23 提示部リピート省略
第3番 11:15/9:00/6:47/8:59 提示部リピート省略
第4番 13:38/11:51/6:33/11:12
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ブラームス:交響曲全集
飯森範親指揮/日本センチュリー交響楽団
2014年4月17-19日 大阪 ザ・シンフォニーホール
Exton OVCL-00554 (P)(C)2014 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
正統路線を極めたような素晴らしい演奏ですね。頭の中で鳴り響く理想の姿が現実の音となって実現されたような,指揮者やオーケストラの存在感が希薄で純粋にブラームスの音楽だけがそこにあるような,そんなふうに私には聴こえます。聴き比べという観点ではあまり面白くないかもしれませんが,何度も聴きたくなるのは結局こういう演奏なのだと思います。期待を大きく上回る好演奏でした。オーケストラも上手く,コントロールも行き届き,音色の美しさも特筆できます。日本のオーケストラの水準の高さを改めて認識しました。

録音ですが,残響は結構あるのですが,直接音的な音の芯があり,また,楽器音の輪郭が比較的明瞭で,帯域バランス,音の伸びも悪くなく,残響が多いにもかかわらず印象の良い録音でした。もちろん残響が抑えられていればもっと良かったのに,と思いますが,これならまあ許容できます。

今後の録音にも大いに期待します。(録音はもう少し残響控えめでお願いしたいですが)

第1番 16:34/8:58/4:43/17:13 提示部リピートあり
第2番 21:03/9:36/5:22/9:25 提示部リピートあり
第3番 12:45/7:56/6:16/8:16 提示部リピートあり
第4番 12:53/10:43/6:18/10:05
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ブラームス:交響曲全集
ギュンター・ヴァント指揮/北ドイツ放送交響楽団
Feb. 14, 1990 Köln, Philharmonie(No.1), Nov. 29, Dec. 1, 1992, Musikhalle Hamburg(No.2), Feb. 14, 1990, Köln, Philharmonie(No.3), Dec. 17, 1990, Musikhalle Hamburg(No.4)
PH14046 (P)1990,92 (C)2014 Profil Medien (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon

ギュンター・ヴァントの録音(RCA)は残響過多でモワモワしていて聴き苦しいという印象があるのですが,このProfilの録音は残響がかなり多いものの,音色としてはバランスが取れていて聴きやすいです。ただ,この響きでこの音色というのは逆に少し違和感もあります。イコライジングして音色を整えたのかもしれません。

オーディオ的には悪くはありませんが,良くもありません。演奏,サウンドのスケール感と比べると,録音としてはあまりにもこぢんまりとまとまりすぎで,解像感,分離感もなくもどかしさを感じます。音色が多少聴きやすいという以外にあまり良い点はありませんでした。

ライヴ録音で,第3番以外は拍手が入ります。4曲の中では第2番が比較的良好でした。

今回は録音のコメントのみで失礼します。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲全集
クラウディオ・アバド指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1987年~1991年 ベルリン,フィルハーモニー,シャウシュピールハウス(第4番)
544604Z Musical Heritage Society (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon(以上,DG盤)

このディスクには,交響曲の他に,大学祝典序曲,悲劇的序曲,ハイドンの主題による変奏曲,運命の女神の歌,アルト・ラプソディ,運命の歌,哀悼の歌(悲歌),が収録されています。このディスクを入手したのはだいぶ前なのですが,その頃,探しても現役盤が見つからず,DGからライセンスされたMusical Heritage Societyのものしか見つからなかったため,仕方なく入手したものです。本当に現役盤がなかったのか今となってはわからないのですが,今では廉価盤の全集もありますし,分売もあって入手には困らないですね。

この演奏はものすごいですねぇ。ベルリン・フィルを最大限に鳴らした,怒濤のごとく押し寄せてくるサウンドに圧倒されます。これがアバドらしい演奏なのかは私にはよくわからないのですが,もしかしたらベルリン・フィルを抑え切れていないのかもしれないと思ってしまいます。これはアバドというよりもカラヤンが築いたベルリン・フィルの延長線上にある演奏なのかもしれません。後にベルリン・フィルと完成させたベートーヴェンの全集のことを思うと,この時期に再録音をしておいて欲しかったと正直なところ思うのですが,この演奏はこれでブラームス演奏の一つの到達点という気もします。

録音ですが,残響を適度に入れながらベルリン・フィルの分厚いサウンドを濃く捉えたもので,ドイツ・グラモフォンのオーケストラ録音としては標準的な出来だと思います。私の好きなタイプの録音ではありませんが,弦楽器中心に構成しているので印象は悪くありません。

第1番 14:13/9:39/5:06/16:29 提示部リピートあり
第2番 20:57/9:58/5:20/9:43 提示部リピートあり
第3番 13:35/8:24/6:27/9:01 提示部リピートあり
第4番 13:06/12:10/6:26/10:03

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲全集
小林研一郎指揮/ハンガリー国立交響楽団
1992年10月26-31日 ブダペスト,フランツ・リスト音楽院大ホール
EXTON OVCL-00535 (P)1993 Pony Canyon (C)2014 Octavia Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
おそらくポニーキャニオンから発売されていたものの再発売。すごく丁寧に,丹念に,格調高く仕上げています。テンポは全体に遅めですが,整理されて見通しが良いため,重厚とはまた異なる響きを得ています。小林研一郎さんの演奏は今まであまり聴いてこなかったのですが,「炎のコバケン」を勝手にイメージしていた私としてはだいぶ肩すかしを食らった感があります(^^;。私の好きなブラームスとは少し異なりました。あと,第1楽章の提示部のリピートが省略されているのは少し残念ですね。

録音ですが,中の上といったところで至極普通です(^^;。欠点も見あたらないのですが,積極的に良いと思うところもない,あまり印象に残らない録音です。残響も適度であり,音色も曇ることなく,楽器の質感も感じられる良好な録音だと思うのですが...なぜか私に訴えかけてくるところがあまりないのです。不思議です。

第1番 15:12/9:23/4:56/17:50 提示部リピート省略
第2番 17:10/11:09/5:27/9:06 提示部リピート省略
第3番 11:29/9:21/6:52/8:52 提示部リピート省略
第4番 13:37/11:59/6:52/10:57

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲全集,他
エルネスト・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
Victoria Hall, Geneva, Switzerland, Gebruary 1963 (Symphonies, Haydn Variations, Overtures), October 1965 (Rhapsody), June 1966 (Nanie, German Requiem)
480 0448 (P)1963,1967 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

交響曲の他に,ハイドンの主題による変奏曲作品56a,悲劇的序曲作品81,大学祝典序曲作品80,悲歌作品82,アルト・ラプソディ作品53,ドイツ・レクイエム作品45が収録されています。

アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団によるブラームス,というのがほとんどイメージできなかったのですが,これは正統派の引き締まった,そして推進力のある雄壮な演奏でした。ただ,所々で木管の響きに違和感を覚えるのはオーボエのせいでしょうか? あと,第1番第1楽章のリピート省略が極めて残念です。

録音も当時のデッカらしい明瞭で分離が良く見通しの良いもので,この演奏の価値を高めるのに貢献していると思います。残響が抑えられていて,弦楽器を中心に全体のサウンドが構成されているのが良いと思います。およそ50年前の古い録音なのでオーディオ的な品質は現代のもからは劣りますが,それでも鑑賞には全く問題ありません。

期待を大きく越える素晴らしい全集でした。

第1番 12:38/8:47/4:48/16:28 提示部リピート省略
第2番 19:37/9:49/5:11/9:10 提示部リピートあり
第3番 11:51/7:42/6:06/8:39 提示部リピートあり
第4番 11:43/11:20/6:26/9:40

タグ : [交響曲]

kertesz_vpo_lso_brahms_complete_symphonies_serenades.jpg
ブラームス:交響曲全集
ブラームス:セレナーデ第1番,第2番(*)
イシュトヴァン・ケルテス指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,ロンドン交響楽団(*)
Sofiensaal, Vienna, 1964(Symphony No.2), 1972(No.4), 1973(No.1 & 3), Kingsway Hall, London, 1967(Serenade No.1 & 2)
480 4839 (C)2012 Universal Music Australia (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

上記の他に,ハイドンの主題による変奏曲が収められています。ケルテス氏はこの一連の全集録音の終盤で事故で亡くなられ,このハイドンの主題による変奏曲のフィナーレの部分が録音されずに残っていたところを,ウィーン・フィルの団員が指揮者なしで録音して仕上げたということです。

正統派の演奏だと思いますが,重厚な響きを求める演奏ではなく,どちらかといえばストイックに曲の造形美を追求するような演奏ではないかと思います。その結果,よく引き締まった明快で見通しの良い音楽に仕上がっています。こういう演奏は好きですね。

録音ですが,交響曲第2番だけがやや古く,クオリティで少し劣る面はあるものの,録音の統一感は取れていて違和感はほとんどありません。残響も控えめで,各楽器をクリアに分離良く捉えています。この当時のDECCAのアナログ録音の風合いが良く出ている好ましい録音だと思います。私としてはもう少し生々しさを残して欲しかったとは思いますが。

第1番 16:07/9:06/4:47/16:43 提示部リピートあり
第2番 20:05/10:05/4:55/9:18 提示部リピートあり
第3番 13:28/8:46/6:03/8:59 提示部リピートあり
第4番 12:29/11:56/6:11/10:07

タグ : [交響曲]

alsop_lpo_brahms_symphony_no1.jpg
ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:悲劇的序曲作品81,大学祝典序曲作品80
マリン・オールソップ指揮/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
Watford Colosseum, Watford, UK, on 18 and 19 January, 2004
8.557428 (P)(C)2005 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:ハンガリー舞曲集より8曲
マリン・オールソップ指揮/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
Blackheath Concert Hall, London, UK in March 2005, Watford Colosseum, Watford, UK on July 28 2005
8.557429 (P)(C)2005 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
alsop_lpo_brahms_symphony_no3.jpg
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
マリン・オールソップ指揮/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
Blackheath Concert Hall, London, UK in March 21 and 22 2005, The Colosseum, Town Hall, Watford, UK on April 22 and 23 2006
8.557430 (P)(C)2007 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ブラームス:ハンガリー舞曲集より7曲
マリン・オールソップ指揮/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
Watford Colosseum, Watford, UK, on March 21 and 22, 2005, The Colosseum, Town Hall, Watford, UK on April 22 and 23 2006
8.570233 (P)(C)2007 Naxos (輸入盤)
好録音度:★★★★~★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

演奏はいたってオーソドックスですが,良く整理され端正にバランス良く仕上げているのが良いと思います。

録音も良好です。残響は多めですが,それぞれの楽器の質感が大切にされ自然な音色で捉えられています。低音の強い再生装置だと低音が被り過ぎて明瞭度が落ちて聴きづらくなるので,やや低域の弱い再生装置の方が気持ちよく聴けます。この中では,2006年に録音されたハイドンバリエーションやハンガリー舞曲集がより良好です。残響があってもこういう録音であれば十分納得できます(私の耳もだいぶ甘くなってきたようです...(^^;)。

この全集は私にとってちょっとした掘り出し物でした。

第1番 16:15/9:19/4:48/17:18 提示部リピートあり
第2番 20:05/9:46/5:14/9:46 提示部リピートあり
第3番 13:07/9:06/5:52/8:32 提示部リピートあり
第4番 12:41/12:44/6:03/10:20
jurowski_lpo_brahms_symphony_no1_no2.jpg
ブラームス:交響曲第1番,第2番
ウラディーミル・ユロフスキ指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
Royal Festival Hall, London, 25 May 2008(#1), 27 Sep. 2008(#2)
LPO-0043 (P)(C)2010 London Philharmonic Orchestra Ltd (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Online
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ブラームス:交響曲第3番,第4番
ウラディーミル・ユロフスキ指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
Royal Festival Hall, London, 27 Oct. 2010(#3), 28 May 2011(#4)
LPO-0075 (P)(C)2014 London Philharmonic Orchestra Ltd (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Online
チャイコフスキーの交響曲第4番,第5番を一つ前のエントリーで紹介したユロフスキ指揮ロンドン・フィルのブラームス交響曲全集です。交響曲第1番,第2番は4年ほど前に発売されていました。第3番,第4番は今年の発売です。この演奏もチャイコフスキー同様,指揮者の意図が完璧にオーケストラに伝わり,それに応えてオーケストラ自体が生き物のごとく自在な表現を繰り広げる,特徴のある演奏です。

録音ですが,チャイコフスキーより若干重心の低い,低域の豊かな録音ですが,残響も少し多めでややぼやけた感じがします。とはいえ,音色は自然で楽器の質感,分離感もそれなりにはあるので悪い印象ではありません。第1番,第2番はフォルテでやや響きが混濁しますが,第3番,第4番の方はその感じが少なくすっきりとしていて良いと思います。

いずれもライヴ録音で,第3番以外は演奏後の拍手が収録されています。
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ブラームス:交響曲全集
ヤナーチェク:シンフォニエッタ
ラファエル・クーベリック指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1957/9/23-24(No.1), 1957/3/4-8(No.2), 1957/9/28-29(No.3), 1956/3/24-25(No.4) ウィーン,ゾフィエンザール
1955/3/8-9(Sinfonietta) ウィーン,ムジークフェラインザール
PROC-1376/8 (P)Decca Music Group Limited (国内盤)
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION The Selection of Rafael Kubelik Vol.1
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records

タワーレコードの企画盤です。

最初にお断りしておきますが,1956年,1957年の50年以上昔のステレオ最初期の録音なので(一応ステレオ録音!),オーディオ品質はテープの古さを感じさせるその当時のものであり現代の録音には及びません。低域が薄くかなり高域に寄った帯域バランスでフォルテシモではややサチって歪んでいます。この点はまずご承知おきください。

しかし,この録音は素晴らしい! 私の好きな録音の典型です。シャイーのブラームスのレビューで「一台一台の楽器の質感が感じられるような生の感触が欲しい」と言ったその質感がこの録音からはものすごく感じられるのです。シャイーの録音と全く対照的と言って良いです。残響はあるのですが,全く楽器音を邪魔しません。適切な残響の入れ方だと思います。

本当に気持ちよく,何のストレスも感じることなく聴くことが出来ます。実際にコンサートで聴く音に比べると少し弦楽器偏重のバランスだと思いますが,この弦楽器の質感がたまりません。現代の録音でこんなに気持ちよく聴けるものが全くないのはなぜなんでしょう? 現代のクオリティでこういう録音を聴きたいものです。

第1番 13:58/9:20/4:41/16:43 計44:53 提示部省略
第2番 13:52/8:44/4:57/8:43 計36:16 提示部省略
第3番 13:50/8:57/6:05/8:54 計37:46 提示部リピートあり
第4番 11:20/11:08/6:20/9:50 計38:38

クーベリック/ウィーン・フィルは過去にも発売されていました。私が持っていたのは2004年発売の下記のディスクです。すでに廃盤ですが。第1番と第2番を1枚に収めていますが,収録時間が81分15秒もありました。

kubelik_vpo_brahms_symphonies_no1_no2.jpg
ブラームス:交響曲第1番,第2番
UCCD-3320 (P)1958 Decca Music Group Limited (国内盤)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp
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ブラームス:交響曲第3番,第4番
UCCD-3321 (P)1958 Decca Music Group Limited (国内盤)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp
今回のタワーレコードの復刻ではアナログマスターからマスタリングをし直しているのでしょうか,これらに比べて音質は若干向上していました。
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ブラームス:交響曲全集,他
リッカルド・シャイー指揮
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

Gewandhaus zu Leipzig, May 2012~May 2013
478 5344 (P)(C)2013 Decca Music Group Limited (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jp
3枚組で交響曲がCD 2枚に収められ,残りの1枚に悲劇的序曲,ハイドンの主題による変奏曲,大学祝典序曲などが収められています(曲目は参考に挙げたURLをご参照ください)。

これが大編成のオーケストラが出す音だろうかと思うくらいよく統率され隙がありません。感情に流れない凛々しい,しかし躍動感にあふれる演奏です。心躍ります。すでに多くのレビューで触れられているようにかつてなかった新しいブラームスを聴かせてくれます。

録音ですが,やや遠目で各楽器の分離感や質感は希薄ですが,音のまとまり,なめらかさ,オーディオ的な品質は大変良いです。このような録り方にしては高域の曇りもなく綺麗です。極上のフランス料理を味わっているような感じとでも言いましょうか。私としてはもう少し一台一台の楽器の質感が感じられるような生の感触が欲しいとは思います。高度に商品化された感じが私の好みから少し外れますが,これならまあ十分に許容できる良好な録音と言えると思います。

第1番 15:26/8:22/4:25/15:40 提示部リピートあり
第2番 17:49/8:26/5:06/8:52 提示部リピートあり
第3番 11:44/8:06/6:06/8:15 提示部リピートあり
第4番 11:57/10:42/5:54/9:24

少し前に国内盤も発売になったようですね。私が購入した輸入盤の冊子型のケースは厚紙の袋状の部分にCDを差し込むようになっているのですが,これが腹立たしいほど扱いにくいです。下手をすると傷をつけてしまいそうです。これはちょっといただけないですねぇ...とちょっと愚痴っておきます(^^;
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ブラームス:交響曲第1番,第2番,他
ワレリー・ゲルギエフ指揮/ロンドン交響楽団
Recorded live September, October & December 2012 at the Barbican, London.
LSO Live LSO0733 (P)(C)2013 London Symphony Orch. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
悲劇的序曲とハイドンの主題による変奏曲が併録されています。

まるでブラームスに滅私奉公するかのような演奏。本当はどう思って指揮/演奏されているのかはわかりませんが,奇を衒う表現は極力避け,メリハリを効かせながらも楽譜に忠実に,丁寧に音楽を仕上げています。もう少し勢いのある締まった演奏の方が好みではありますが,まあこれはこれで良いのではないでしょうか。嫌いではありません。ゲルギエフにしては大人しすぎて面白くない,と思われる方もおられるかもしれません。

録音ですが,LSO Liveは残響を抑えた比較的ドライな録音が多く,私の好みに合うものが多いのですが,この録音も基本的には同じ路線で,結構良いと思いました。また,あまりドライになり過ぎていないので,多くの人に受け入れられやすい好録音だと思います。

なお,このディスクはHMV Onlineで購入したのですが,購入後HMVからメールが届き,Disc 2のトラック7のおよそ34秒のところで約3秒間,音が欠落しているので良品が届いたら送る,という内容でした。聴いてみると確かに連絡のあった場所で音が無音になっていました。HMVへ発送先を連絡すると,程なく輸入元のキングインターナショナルから良品盤が届きました。

私の場合,HMV Onlineで購入したので,購入者の特定が出来て,良品盤の案内が出来たのだと思います。店頭で買っていたら,泣き寝入りだったかもしれません。

現在店頭で並んでいるものはもうそろそろ良品に入れ替わったものに置き換わっているとは思いますが,発売後まもなく購入された方で未確認の方は,一度確認されてはいかがでしょうか。
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ブラームス:交響曲第一番ハ短調作品68
ズービン・メータ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1976年2月 ウィーン,ソフィエンザール
K30Y1514 (P)1977 KING RECORDS CO., LTD (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
メータがウィーン・フィルと残した唯一のブラームスがこの演奏とのことです。先に取り上げたようにロサンゼルス・フィルと良い仕事をしていた頃の録音ですね。気迫に満ち,それでいて大げさにならずストレートで引き締まった密度の高い音楽を構成していきます。これは本当に良かったです。ウィーン・フィルの特質を上手く引き出しているという感じはしないのですが,ウィーン・フィルとだからこの演奏が出来たのは間違いないでしょう。

録音ですが,やや中低域にエネルギーが偏っていて相対的に高域が弱くすっきりしないところはありますが,各楽器の質感の捉え方は良く,まずまず良好と言えると思います。弦楽器を重視した音づくりになっているからそう思うのかもしれません。全体的にはもう少し鮮度があると良かったのですが,リマスタリングで取り戻して欲しいところです。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
1/1975(No.1), 2/1976(No.3), München
Arts Archives 43013-2 (P)(C)2002 ARTS MUSIC (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Amazon.co.jpTower Records
kempe_mpo_brahms_symphony_no2_no4_arts.jpg
ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
1/1975(No.4), 2/1976(No.2), München
Arts Archives 43014-2 (P)(C)2002 ARTS MUSIC (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Amazon.co.jpTower Records
ルドルフ・ケンペ指揮 Rudolf Kempe
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 Münchner Philharmoniker

発掘されたのでレビューします(^^;。以前紹介したXRCDによる全集と同じ演奏だと思うのですが,録音年月を見ると食い違っています。おそらくこちらの解説書の記載が間違っていると思うのですが,今のところ定かではありません。

音質はXRCDによる全集と比べると,こちらの方が鮮度がかなり落ちます。情報量も少なく,楽器の質感も良くありません。

ケンペのブラームスを聴くならXRCDの方が断然音質が良いです。値段も圧倒的に高いですが...(^^;。

タグ : [交響曲]

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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
May 1975, München, Bürger Bräukeller
JM-XR24212 (P)1975 ARTS Productions (C)2009 Victor Creative Media (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73
12-13, 15 December 1975, München, Bürger Bräukeller
JM-XR24213 (P)1976 ARTS Productions (C)2009 Victor Creative Media (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲作品56a
13, 15 November 1975, München, Bürger Bräukeller
JM-XR24214 (P)1976 ARTS Productions (C)2009 Victor Creative Media (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
14-16 November 1974, München, Bürger Bräukeller
JM-XR24215 (P)1975 ARTS Productions (C)2009 Victor Creative Media (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
ルドルフ・ケンペ指揮 Rudolf Kempe
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 Münchner Philharmoniker

質実剛健のブラームス。オーソドックスで緻密に,そして無駄なく引き締まった音楽に仕上げています。これぞドイツの正統的演奏ですね。

そして,この録音がまた素晴らしい。同じ演奏ではないかと思われる輸入盤(ARTSレーベルのもの※1)も持っているのですが,明らかにこちらの方が鮮度が高いです。『このXRCDはLPレコード用に当時BASFから日本に送られた音源をリマスタリングしたものです。』と解説書にあり,このマスターテープの保存状態が良かったのか,XRCDの効果なのかはわかりませんが,この鮮度の高さは目を見張るものがあります。音質バランスの良さ,質感も文句ありません。望みうる最高の状態で復刻されたと思います。オリジナルの録音自体の音の捉え方が良いので,このXRCDによる復刻も活きているのだと思います。

第1番から第3番は第1楽章の提示部のリピートが省略されています。これは残念でなりませんが,仕方ないですね。

値段が高いのと,輸入盤※1の音質が今ひとつ冴えなかったので長い間買うのを躊躇していました。これは買って正解でした。

第1番 13:33/8:52/4:50/16:15 計43:33 提示部リピートなし
第2番 16:04/9:33/5:11/9:02 計39:54 提示部リピートなし
第3番 9:35/8:06/6:03/8:54 計32:38 提示部リピートなし
第4番 12:24/11:09/6:38/9:42 計39:57

※1 ARTSレーベルの輸入盤→Amazon.co.jp(No.1 & No.3No.2 & No.4
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ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
シモーネ・ヤング指揮/ハンブルグ・フィルハーモニー
March 11 & 12, 2007, Laeiszhalle Hamburg
OC 675 (P)2007 (C)2010 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
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ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73,悲劇的序曲
シモーネ・ヤング指揮/ハンブルグ・フィルハーモニー
March 2008(Symphony No.2) and January 2010(Tragic Ouverture), Laeiszhalle Hamburg
OC 676 (P)2008/2010 (C)2011 OehmsClassics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineTower Records
第1番は概してテンポが遅めでアタックが強く重厚でスケールが大きい。私にはドイツ的正統派ブラームスに聴こえます。一方第2番は曲の性格もあってか,同様の路線ながら第1番に比べると大らかで歌心に溢れてくる。いずれにしても大オーケストラを活かした堂々たるブラームスらしいブラームスで,理屈抜きに感動できます。

録音ですが,残響はそれなりにあるものの,各楽器の質感は失われず,音色への影響も少なく,このオーケストラの壮大な響きを密度高く,濃厚に捉えています。中低域も伸びがあり,またよく締まっているのが寄与していると思います。録音レベルが高めなのも好印象です。必ずしも好きなタイプの録音ではありませんが,これであれば私でもまずまず納得できます。

今後,全集化に向けて第3番,第4番が順次録音されていくと思いますが,これは楽しみになってきました。

第1番 17:19/9:38/4:59/17:27 提示部リピートあり
第2番 19:57/9:58/5:00/8:47 提示部リピートあり
cover picture
ブラームス:交響曲第1番,第4番
Live Recording: Aachen Eurogress, December 13th and 14th 2006
CDV30704 (P)(C)2007 Coviello Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
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ブラームス:交響曲第2番,第3番
Recording: Eurogress Achen, December 10th-12th 2011
CDV31206 (P)(C)2012 Coviello Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
マルクス・ボッシュ指揮/アーヘン交響楽団

少し小さめの編成による演奏。ライヴ録音。第1番,第4番は演奏後の拍手あり,第2番,第3番は拍手なしです。小気味よくキレのよい軽量級の演奏で,先日紹介したヤンソンス/バイエルン放送交響楽団による全集とは対極的です。もしかしたらこんなのブラームスじゃないと認めない方もおられるかもしれませんが,私はこういうのは好きですね。清々しい気分になります。第1番第1楽章の提示部のリピートがないのは残念です。

録音ですが,残響が少し多めに取り入れられているものの,直接音の方がやや優勢なので印象は悪くありません。もう少し弦楽器の質感がリアルに捉えられていると良かったのですが。でも,多くの方は納得されるのではないでしょうか。ほんのわずかですが,第1番,第4番の録音の方が良い気がします。録音レベルが少し低めなのはマイナスポイントです。

第1番 12:07/8:33/4:44/15:54 提示部リピートなし
第2番 18:59/8:07/4:47/9:37 提示部リピートあり
第3番 12:28/7:04/5:26/8:10 提示部リピートあり
第4番 11:16/9:54/6:14/9:41

タグ : [交響曲]

cover picture (a) cover picture (b)

(a) ブラームス:交響曲第2番,第3番
2006年3月16-17日,ミュンヘン,ヘルクレスザール(第2番)
2010年1月16日,ウィーン,ムジークフェラインザール(第3番)
BR Klassik 900111 (P)(C)2011 BRmedia Service GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

(b) ブラームス:交響曲第1番,第4番
2007年10月30-31日,ミュンヘン,ヘルクレスザール(第1番)
2012年2月6-10日,ミュンヘン,ヘルクレスザール(第4番)
BR Klassik 900112 (P)(C)2012 BRmedia Service GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records

マリス・ヤンソンス(Mariss Jansons)(Conductor)
バイエルン放送交響楽団(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks)

第2番,第3番が発売されたときにレビューしていますが,第1番,第4番も発売され全集として揃いましたので,加筆します。基本的には印象は変わりません。

大編成オーケストラのスケールの大きさを存分に活かしつつも鈍重になることなく躍動的で引き締まっています。それでいて緻密で細部までコントロールが行き届いているのがさすがです。以前発売されたチャイコフスキー交響曲第5番も同傾向の演奏だった記憶がありますが,そのチャイコフスキーよりもずっと良いと思います。

録音ですが,残響がかなり入っているのですが,直接音成分もそこそこあって楽器の質感も何とか感じられますので,私の好きなタイプの録音ではありませんが,印象は悪くありません。音の密度がものすごく高く,また中低域の充実した重心の低さも特徴です。音楽のエッセンスを詰め込むというより,オーディオ的に出来るだけ多くの情報をメディアに詰め込もうとした感じでしょうか。私としてはもっとすっきりと見通しの良い録音が好きなのですが。でもまあ弦楽器を重視した音作りになっているのでまあ良しとするか,というところです。第2番の録音の低域の質感はかなりよいと思います。

なお,第2番,第3番はSACDでしたが,第1番,第4番は普通のCDでした。

第1番 14:30/9:00/4:55/18:30 計47:09 提示部リピートあり
第2番 15:38/9:22/5:09/8:56 計39:46 提示部リピート省略
第3番 13:39/8:59/6:33/9:23 計39:10 提示部リピートあり
第4番 12:39/10:54/6:16/10:40 計40:50

タグ : [交響曲]

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