好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
リサ・バティアシュヴィリ Lisa Batiashvili (Violin)
ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン
Berlin, Funkhaus Nalepastraße, 6/2015(Tchaikovsky), 7/2016(Sibelius)
00289 479 6038 (P)(C)2016 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

どちらの協奏曲も非の打ち所がありません。技術面の完璧さはもちろんのこと,表現においてももうこれ以上望むことがないくらいです。チャイコフスキーは技術の誇示に走ることなく,力強くも美しさと歌心が追求されていますし,シベリウスではさらにスケールの大きな演奏が展開されています。オーケストラもソロに合わせて変幻自在な表情を見せていて良いと思います。

さて録音なのですが,やや残響が多めであり,その響きがソロに付帯音としてまとわりついて音色を曇らせ,透明感を奪っています。生々しさがなく,微妙な質感も失われて少しもどかしさを感じます。オーケストラを含めて演出されパッケージングされた音楽としてちょっとまとめ過ぎと思います。音の滑らかさ,ダイナミックレンジ感などオーディオ的なクオリティは高いと思いますが。せめてもう少しソロをクリアに,生々しい質感を残して録って欲しかったと思います。一般的な評価は高いかもしれませんが,私としてはこの冴えない録音は少し残念です。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲
イダ・ヘンデル Ida Haendel (Violin)
パーヴォ・ベルグルンド指揮/ボーンマス交響楽団
7, 8 July 1975(シベリウス), 12, 13 June 1977(ウォルトン) Guildhall, Southampton
TDSA-31(WQGC-43) (P)2016 Warner Music japan (国内盤) TOWER RECORDS Definition Series
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

歴史的名盤をSACDハイブリッドで復刻するタワーレコードの企画盤 Definition Series。このシベリウスもイダ・ヘンデルの代表盤で,シベリウスの協奏曲の演奏としても名盤として有名ですね。すでにCDを持っていたのですが,これは聴いてみなければと思い,入手しました。

この復刻は,「本国より取り寄せた96kHz/24bitのWAVデータを基本にSACD層用としてDSDに変換した後,マスタリングを行い,それとは別にCD層用としてもPCMでマスタリングを行いましたので,SACD層,CD層,それぞれ独立したマスタリングとなっております。」とのことで,CDやSACDの特徴を重視した個別のマスタリングが行われているそうです。なお今回の試聴はCD層です。

従来のCD(2002年に発売されたもの)と比較すると,中域の癖のある音色が軽減され,中低域の厚みが増し,より自然な音色となっていました。また,雑味が少なくなり滑らかになっており,クオリティの改善もなされているように思いました。

しかし... 元々の録音自体が良くないですね。さすがEMIという音質です。1975年といえばアナログ録音は十分成熟している時期ですが,それでこの音質はちょっと残念としか言いようがないです。名盤が可能な限り良い状態で残されるということは喜ばしいことに間違いなく,この点はタワーレコードに感謝したいと思うのですが,いくらリマスタリングを頑張っても素材の品位はカバーできないですね。
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アデス:ヴァイオリン協奏曲「同心軌道」
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
シベリウス:ユーモレスク作品87-2, 作品89-2, 3
オーガスティン・ハーデリッヒ Augustin Hadelich (Violin)
ハンヌ・リントゥ指揮/ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
2013年6月21-24日 リヴァプール,ザ・フライアリー
AVIE AV2276 (P)(C)2014 Augustin Hadelich (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ハーデリッヒはハイドンのヴァイオリン協奏曲テレマンのファンタジアのモダン楽器らしい演奏が印象に残っています。このシベリウスはスケールの大きい巨匠的というか伝統的?なスタイルで,ちょっとコテコテ感のある濃い表現がなされていて聴き応えがあります。シベリウスよりも演奏者の個性がやや勝っている気がします。昨今のクールでスマートな演奏とはだいぶ印象が違いますが,これはこれで良いかと。オーケストラも良いのですが,時折気の抜けたように緩んでしまうところがありますね(もっともこれは好みの問題ですが)。

アデスの協奏曲は現代曲で面白さが今ひとつわかりませんでした(^^;。これはちょっと苦手です。

さて録音ですが,ソロがやや遠めで,響きで音の濁りが感じられるものの,オーケストラより一段明瞭に捉えられていてはっきり聴き取れるのは良いと思います。しかし,やはり響きの影響で高域の伸びがなく詰まった感じに聴こえるのは残念です。もう少し寄ってクリアーに録って欲しいところです。さらにオーケストラではごく一部の箇所で,フォルテッシモで飽和して歪みで汚くなってしまっているところがあります。惜しい録音です。
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グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調作品82
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
シベリウス:ヴァイオリンと弦楽のための組曲作品117
グラズノフ:グランド・アダージョ
エスター・ユー Esther Yoo (Violin)
ウラディーミル・アシュケナージ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
2014年3月 ロンドン,クロイドン,フェアフィールド・ホール
4812157 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyoApple Music

Apple Musicでの試聴です。

エスター・ユーはアメリカ生まれのヨーロッパ育ち,ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールのジュニア部門,第10回国際シベリウス・ヴァイオリン・コンクール,2012年のエリザベート王妃国際音楽コンクールなどでの受賞歴を持つ実力者とのことです。

ということだけあって,さすがに上手い! 力強く,しかし細部まで極めて丁寧に弾いています。豊潤で美しい音色が素晴らしいです。真摯で若者らしい謙虚さが好印象ですが,少し堅く真面目にまとめすぎているようにも思います。ピチピチとはじけるような演奏が聴きたいですね。今後の活躍に期待!

録音ですが,残響感はあまりありませんが,ソロがやや遠目で直接音よりも初期反射音が多いのか音色に濁りが感じられます。ソロはもっと透明感と輝きが欲しいところです。オーケストラは協奏曲として標準的なイメージですが,スケール感とレンジ感があって良いと思います。ソロの録り方が本当に惜しいです。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
シベリウス:2つのセレナード作品69
ニールセン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品33
バイバ・スクリデ Baiba Skride (Violin)
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮
タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団
2015年1月7-9日 フィンランド,タンペレ・ホール
C 896 152 A (P)(C)2015 ORFEO International Music (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

バイバ・スクリデはラトヴィア出身,1981年生まれということですので,30代半ば,若手というよりはもう中堅なんですね。このシベリウスは凛々しく端正に美しく演奏されています。技術面も万全。ほのかに叙情性は感じさせるものの感情はどちらかといえば抑え気味で冷静な演奏なので,そういう面を期待すると少し物足りなく感じるかもしれません。

あまり聴く機会のない2つのセレナードが収録されているのは嬉しいですね。ニールセンは実は初めて聴く気がするので,この機会にもう少しじっくりと聴いてみたいと思っています。

さて録音なのですが,ソロとオーケストラのバランスが同等,あるいはややオーケストラに偏っているため,ソロが引っ込みがちであり,ニュアンスや質感が感じ取りにくいのが欠点です(逆にオーケストラが出しゃばりすぎに聴こえる)。音色自体は悪くはないと思うのですが,ソロの録音レベルが低いために冴えない音になってしまっています。実にもどかしい! これが実際に近い自然なバランスなのかもしれませんが,録音で聴く場合はもう少しソロにフォーカスして明瞭にニュアンス豊かに聴かせてほしいものです。私としてはこの録音はかなり残念です。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(初期バージョン/現行版)
『シベリウス・エディション VOL.6 ~ヴァイオリンとピアノのための作品全集~』より
佐藤まどか(Violin) フォルケ・グラスベック(Piano)
Recorded in June 2008 at the Kuusankoski Concert Hall, Finland
BIS-CD-1915/17 (P)1991-2008 (C)2008 BIS REcords AB (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(ヴァイオリン協奏曲のみ)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store

『シベリウス・エディション VOL.6 ~ヴァイオリンとピアノのための作品全集~』というBISレーベルの企画BOXセットに収録されているものです。このディスクは以前一度レビューしていました(→こちら)。少し前に新田ユリさんの『ポホヨラの調べ 指揮者がいざなう北欧音楽の森』のヴァイオリン協奏曲の章を読んで,初期バージョンを聴きたくなって取り出してきました。初期バージョンと現行版との違いについてはこの本に記載がありますのでご参照いただければと思います。(この本には2015年6月にマキシム・ヴェンゲーロフ氏のヴァイオリン,東京フィルハーモニー交響楽団との共演で初期バージョンに取り組む,と記載されていました。6月1日に演奏されたようですね。)

佐藤まどかさんのこのピアノ伴奏版の演奏は,このシベリウス・エディションのために録音されたもののようです。このピアノ版は作曲者自身の手によるもの(第1楽章はKalevi Ahoが2007年に補筆完成)のようで,それでこの「ヴァイオリンとピアノのための作品全集」に収録されたのだと思います。そしてこの佐藤まどかさんの演奏が大変素晴らしくて感動ものなのです。技術的な巧さはもちろんのこと,個性よりもこの曲の普遍的な魅力を純粋に表現することを優先して力を注いだこの姿勢が,資料的な価値と芸術的な価値の両立を達成することに成功していると思います。

そしてこの録音がまた良いのです。残響を抑え,ヴァイオリンの音色を明瞭に,質感豊かに捉えているのです。この演奏の資料的・芸術的価値を高めることに貢献しています。

初期バージョンが収録されたディスクは,レオニダス・カヴァコスのヴァイオリン,オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団のものがありますが,残念なことに録音が全く良くなく,とてももったいなく残念な思いをしましたが,こちらは期待に応えてくれる素晴らしいものでした。オーケストラ版も録音してくれたら良いのに,と心底思います(もちろん好録音で!)。

なお,この5枚組のセットには普段あまり接する機会の少ないヴァイオリンとピアノのための作品が網羅されていますが,あまり録音が良くなく楽しめないのが残念です。BISの録音は私にはどうも合わないようです。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35(*)
チョン・キョンファ Kyung Wha Chung (Violin)
ズデニェク・マーツァル指揮/フランス国立放送管弦楽団
シャルル・デュトワ指揮/フランス国立放送管弦楽団(*)
1973年5月16日/1978年10月18日(*) シャンゼリゼ劇場,パリ
CDSMBA011 (P)(C)2015 Spectrum Sound (国内盤)
好録音度:★★★★☆(シベリウス),★★★★(チャイコフスキー)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

スペクトラム・サウンド・レーベルのフランス国立視聴覚研究所提供による音源を使用したコンサート・ライヴ・シリーズ“Belle âme(ベルアーム)”シリーズから。

解説書に「絶頂期」と書いてあるのですが,まさにそのような演奏で,この鬼気迫る,感情の奔流に圧倒されます。特にシベリウス。こんな演奏,ライヴでしか聴けないのではないでしょうか。傷もいろいろとありますが,そんなことは全く気になりません。チャイコフスキーでは第1楽章が終わって拍手が湧き起こるのですが,拍手したくなる気持ちもよくわかります。一聴の価値ありです。

録音はシベリウスが良好で,ヴァイオリンの激しく潰れる寸前の音色を生々しく捉えています。一方オーケストラはやや控えめで少し物足りなさはありますが,かえってソロを浮き立たせてもいるので協奏曲の録音としては悪くないと思います。それに比べるとチャイコフスキーはソロが引っ込み気味で明瞭度も良くなく,ニュアンスが聴き取りにくいです。普通の部類には入ると思いますが,シベリウスの録音が良いだけに,相対的に悪く聴こえてしまいます。少し残念です。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
ユン・ソヨン Soyoung Yoon (Violin)
ピオトル・ボルコフスキ指揮/ゴジュフ・フィルハーモニー
Gorzow Philharmonic, April 2012
DUX 0336 (P)2012 DUX Recording Producers (輸入盤)
好録音度:★★★★★
参考: 公式WebサイトHMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
地に足がついた演奏とでもいいましょうか,攻撃的に走らず,謙虚に抑えすぎず,力のある芯の太い極めて充実度の高い音楽を創り上げています。技術力も抜群です。この曲の本来の魅力を最大限に表現しようとしているかのような普遍的な魅力を感じます。

そして,この素晴らしい演奏を支える素晴らしい録音! 適度にソロにフォーカスし,オーケストラとの絶妙なバランスで録られています。少し誇張された感じはありますが,この方がソロを十分に堪能できるのでむしろ好ましいと思います。わずかに残響を伴っていますが,明瞭感も音色も鮮度も申し分ありません。オーケストラもキレのある音で捉えられていて好ましいです。協奏曲の録音としてほぼ理想的と言えます。少しオマケの感はありますが,五つ星評価としました。

録音が良いと聴いていて本当に楽しいです。

なおこのディスクは読者の方から教えていただいたものです。ありがとうございました。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26
石川静 (Violin)
イエジ・ビエロフラーヴェク指揮
ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団
録音:1978年 プラハ
2 SUP 0002 (P)1979 Supraphon (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records (※ブルッフのみ)

石川静さんは,Wikipediaによると,1972年の第6回ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで第2位,1976年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで第5位などの受賞歴を持つ実力者。現在はプラハに在住とのこと。この録音はコンクールのすぐあとの20台半ばでの録音です。

石川さんのヴァイオリンの音色は本当に美しく素晴らしい。ヴァイオリンという楽器の魅力を余すところなく引き出す能力に秀でていると感じます。個性を強く押し出す演奏ではなく,その曲の持つ美しさ,ヴァイオリンという楽器の素晴らしさ,これを純粋な形で私たちに届けてくれる,そんな風に思います。そういう意味で,私の贔屓のヴァイオリニスト,カトリーン・ショルツに近いという印象です。

録音ですが,四つ星半の高評価を付けました。オーディオ的に優れているというわけではありません。バックのオーケストラも捉え方はまずまず良好ですが素晴らしいというところまではいきません。しかし,ややフォーカス気味に捉えられたヴァイオリンの音色が素晴らしいのです。石川さんの美しい音色を香り高く伝えてくれているのです。協奏曲のソロの録り方としてかなり良いと思います。(トータルとしてお薦め出来るかはちょっと微妙な感じですが...)。

このディスクは廉価版か,○○全集といったようなセットものの中の1枚のように見えます(ジャケットの表に演奏者が書いていない)。ある中古ショップで購入した記憶があります。ブルッフの方は,パガニーニの協奏曲とカップリングされたディスクが現役盤としてあるようです。シベリウスの方は現役盤が見あたりませんでした。
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エドワーズ:ヴァイオリン協奏曲「マニニャス」
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
アデレ・アンソニー Adele Anthony (Violin)
アルヴォ・ヴォルマー指揮/アデレード交響楽団
録音 2009年6月10-12日 オーストラリア,アデレード・タウン・ホール
CC09 (P)(C)2011 Canary Classics (輸入盤) ABC Classics原盤
好録音度:★★★★(エドワーズ),★★★☆(シベリウス)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ロス・エドワーズ(Ross Edwards [1943-])はオーストラリアの作曲家。初めて聴きます。曲はいわゆるミニマル・ミュージックのような感じですが,調性感に違和感はなく聴きやすい音楽です。現代音楽は苦手ですが,こういう音楽なら聴けます。といいますか,これはなかなか良かったです。現代音楽というと,おどろおどろしい,気色悪い作品のイメージがあって敬遠してしまうのですが,こういう健全で健康的(?)(^^;な作品は歓迎です。

演奏はエドワーズ,シベリウスとも力強くスケール感があり,意欲に溢れていて聴き応えがあります。技術的にも相当上手いです。

アデレ・アンソニーというヴァイオリニストは知らなかったのですが,オーストラリア系アメリカ人で,13歳の時にABC Instrumental and Vocal Competitionでシベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏して最年少優勝,1996年のCarl Nielsen International violin competitionで優勝という経歴の持ち主,夫はギル・シャハムだそうです。

録音ですが,エドワーズとシベリウスでかなり印象が違います。ソロもオーケストラもエドワーズの方が明瞭でシャキッとしています。残響感も控えめで協奏曲の録音としてあまり不満を感じません。一方シベリウスの方は特にソロが残響(というより濁りを助長する反射音か?)が被りくぐもりがちで精彩がなく良くありません。エドワーズの録音で揃えて欲しかったと思います。

このディスクはシベリウスの協奏曲を聴きたくて買ったのですが,エドワーズが掘り出し物でした。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35(*)
アイザック・スターン Isaac Stern (Violin)
ユージン・オーマンディ Eugene Ormandy (Conductor)
フィラデルフィア管弦楽団 Philadelphia Orchestra
February 7, 1969 in Twon Hall, Philadelphia, Pennsylvania
March 23, 1958 at the Broadwood Hotel, Philadelphia, Pennsylvania(*)
SMK 66829 (P)(C)1995 Sony Classical GmbH (輸入盤)
好録音度:★★★★☆(チャイコフスキー),★★★★(シベリウス)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

スターンというヴァイオリニスト,日本では?何となくあまり評価されていないような気がするのですが,私の勝手な思いこみでしょうか? 武骨で不器用なところはあると思いますが,このチャイコフスキーは脂が乗りきっていてキレもよく絶好調という感じで素晴らしいです。好き嫌いは分かれるかもしれませんが,もう少し評価されても良いのではないかと思います。一方シベリウスの方はちょっと曲のイメージとそぐわない雰囲気で,強引さが前に出てしまっているように思います。

なおチャイコフスキーはソロのない部分で数小節省略?されているのではないか思うところがありました(第1楽章7:00あたり)。

録音ですが,チャイコフスキーが素晴らしい! 1958年の録音なのでややざらざら感はあるものの,ソロは最高の質感で極めて明瞭に捉えています。適度にソロにフォーカスされていて,現実の音量バランスとは異なると思いますが,録音を楽しむという点ではむしろ好ましく,スターンのヴァイオリンを存分に楽しめます。クオリティのハンデをカバーするに十分です。これも協奏曲の好録音の好例と言えます。現代のクオリティで聴けたらどんなに良いだろうと思います。なんでこういう風に録音してくれないんですかね?(と何度でもしつこく言います!)

シベリウスの方の録音はチャイコフスキーに比べると若干残響の被りが気になり,やや落ちる印象です。悪くはないのですが。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調作品53(*)
ドヴォルザーク:ロマンスヘ短調作品11 - ヴァイオリンと管弦楽のための(*)
トーマス・ツェートマイヤー Thomas Zehetmair (Violin)
クルト・マズア指揮 Kurt Masur (Conductor)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 Gewandhausorchester Leipzig
エリアフ・インバル指揮 Eliahu Inbal (Conductor)(*)
フィルハーモニア管弦楽団 Philharmonia Orchestra(*)
1985年(シベリウス), 1989年(ドヴォルザーク)
WPCS-6133(0630-19611-2) (P)1987,91 (C)1997 Teldec Classics International (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: (HMV Online),Amazon.co.jp

この人は本当にくせ者ですねぇ。崩しまくってます。なにか臭ってきそうです(^^;。ヴィブラートも相当深いですし,音がつぶれる寸前まで力をかけたかと思うとスゥッと抜いてくる。変幻自在。ここまで強い個性を放つ演奏もそうないと思います。最初はちょっとついていけないと思いつつ,だんだんこれにはまっていくような気がして恐ろしい...

録音は,少しソロの捉え方が弱い気がしますが,響きもあまりなくすっきりとしています。バランスが取れていて悪くありません。好録音というにはもう一歩踏み込んで欲しかったとは思いますが。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
ダヴィド・オイストラフ David Oistrakh(Violin)
ニルス・エリク・フーグシュテット指揮 Nils-Eric Fougstedt(Conductor)
フィンランド放送交響楽団 Finnish Radio Symphony Orchestra

シベリウス:交響詩「タピオラ」作品112(*)
シベリウス:交響曲第7番ハ長調作品105(*)
サー・トーマス・ビーチャム指揮 Sir Thomas Beecham(Conductor)(*)
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 Helsinki Philharmonic Orchestra(*)

Great Hall of Helsinki University by the Finnish Broadcasting Company during the Sibelius Week in June 1954
ODE 809-2 (P)1993 Ondine Inc, Helsinki (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV Online

1954年のシベリウス週間ライヴ。モノラル録音。ヴァイオリン協奏曲の録音のみコメントします。

ソロの音はほとんど残響がなくかなり明瞭に捉えられています。奏者のすぐ近くにマイクを置いたのではないかと思われます。一方オーケストラは音量的にも音質的にもショボショボで,ソロと対比してみるとかなりアンバランスです。しかし協奏曲の録音なので,肝心のソロがくっきりと極めて良好な音質で聴けるため,トータルとしてのバランスの悪さはほとんど気にならず,オイストラフのヴァイオリンを十分に堪能できます。

1954年のモノラル録音なのでもちろん全体としてのクオリティは決して良くありませんが,協奏曲の録音としてほぼ文句ありません。好録音の一つの好例と言えます。こういう録音を聴くと,こと録音に関していえば,残響と音楽性はあまり相関関係がない,そして残響にまみれた雰囲気のある録音より,多少不自然でも明瞭で細部までしっかりと質感の感じられる録音の方が,はるかに気分良く音楽を楽しめると思うのです。

昔は機材やメディアの品質が悪かったので,いかに音楽のエッセンスを密度高く収めるかに腐心されていたのだと思います。今の録音は機材の性能に頼りすぎて音楽をどう収めるかが軽んじられているように思えてなりません。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
ウラディーミル・スピヴァコフ(Vladimir Spivakov)(Violin)
ユーリ・テミルカーノフ指揮(Yuri Temirkanov)(Conductor)
サンクト・ペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団(St. Petersburg Philharmonic)
Recorded November 10, 1992, at Butterworth Hall, Arts Centre, University of Warwick, Coventry, England and January 17, 1995, at Large Shostakovich Philharmonic Hall, St. Petersburg, Russia
RCA Red Seal 09026-61701-2 (P)(C)1996 BMG Music (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

前回に引き続きテミルカーノフつながりということで...

スピヴァコフはロシアのヴァイオリニストであり,指揮者としても活躍しているとのことです。この人はいかにもヴィルトゥオーソ的演奏をしますね。テンポの崩し方や音の切り方に少し癖がありますが,嫌みなところはありません。ほんと上手いです。

録音もソロも適度にフォーカスされていますし,音の捉え方もほぼ中庸で適切,オーケストラとのバランスも良く全体に音色も自然で気になる響きも抑えられています。協奏曲録音として標準的で欠点の少ない良好な録音と言えると思います。

交響曲第2番の方ですが...正直あまり印象に残りませんでした。良い演奏だとは思うのですが...
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メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
イヴリー・ギトリス(Ivry Gitlis)(Violin)
デヴィッド・ジョセフォヴィッツ(David Josefowitz)(Conductor)
アントニオ・デ・アルメイダ(Antonio de Almeida)(Conductor)
モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団(Orchestre National de I'Opera de Monte-Carlo)
録音:1978年6月13日,14日 モンテカルロ
DORON DRC4013 (P)(C)2010 DORON music Switzerland (輸入盤)
好録音度:★★☆
参考: HMV Onlineicon

これはすごいですねぇ...まるで体臭がしてきそうな癖の強いヴァイオリンですが,これぞ巨匠というか,今の均質化した整った演奏に慣れてしまった耳にはかなり刺激的です。抜群のキレの良さに加えてそれを惜しげもなく「俺のヴァイオリンを聴け!」と言わんばかりに誇示し見せつけてくれるサービス精神,メンデルスゾーンもシベリウスも自分の流儀で押し通す頑固さ。いやー,面白いですねぇ。大道芸的な面白さがあります。

一方オーケストラの方はといえば...ギトリスの勢いについていけないのか,合わせる気がないのか,どっちにしてもバラバラでこれはちょっとあかんでしょう...ギトリスのヴァイオリンを一層引き立てる役目はしているかもしれませんが(^^;。

カザルスのブランデンブルク協奏曲を聴いたときにも感じたのですが,かつて音楽はこんなに楽しい世界だったんですねぇ。今はこういう世界はすっかり失われてしまった気がして少し寂しさを感じてしまいます。

さて録音ですが,これは1950年代前半のモノラル録音か?と思ってしまうようなクオリティです。何の目的で録音されたのかはわかりませんが,とても1978年のものとは思えないです。しかし,ソロにきっちりとフォーカスされていて氏のヴァイオリンの音は堪能できますが。それにしても,このクオリティはちょっと...と思ってしまいます。

ということで,すごく面白いのですが,ギトリスファン以外には全くお薦めしません(^^;。
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エリザベート・コンクールの戸田弥生
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
スウェルツ:黄道十二宮-ヴァイオリンと管弦楽のためのエフェメリス
ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ
戸田弥生(Yayoi Toda)(Violin)
ロナルド・ゾールマン(Ronald Zollman)(Conductor)
ベルギー国立管弦楽団(National Orchestra o Belgium)
ドナ・プロトポペスク(Dona Protopopescu)(Piano)
1993年6月4日 ベルギー,ブリュッセルにおけるコンクール本選のライヴ録音
CRCB-10024 (P)1993 日本クラウン株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: 公式Webサイト

1993年のエリザベート王妃国際コンクールで優勝された時の本選ライヴ録音。コンクールとは思えない安定感,隅々まで冷静に神経を行き届かせ,そしてなおかつ存分に歌う,まるで脂ののりきった百戦錬磨の中堅ヴァイオリニストの演奏! 立派です。優勝するのも納得できます。日本人ヴァイオリニストの水準の高さを改めて思い知らされます。

シベリウスは第一楽章と第二楽章は完璧,第三楽章で少し乱れますが,気になるものではありません。スウェルツの黄道十二宮は作曲部門の大賞を受けた作品で,この新作演奏でも見事な演奏をしておられます。

そしてこの録音の素晴らしさ! コンクールの録音は記録としての性格も持っているのか,ほぼ文句のないくらいに明瞭に楽器音を捉えていて好印象です。オーケストラの方は少し響きの影響を受けていますが,十分許容できます。協奏曲の録音としてはかなり良い部類に入ると思います。

残念ながらあまり入手性は良くないようです。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
千住真理子(Mariko Senju)(Violin)
ウラディーミル・ヴァーレック(Vladimir Valek)(Conductor)
チェコ・ナショナル交響楽団(Czech National Symphony Orchestra)
Recorded at ICN Studio, Prague on May 27-30, 2001
VICC-60262 (P)(C)2001 ビクターエンタテインメント株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: 公式WebサイトHMV Onlineicon

あらん限りの力を出し切った,まさに渾身の演奏。技術面での完成度には多少不満が残る面もありますし,スマートさにも欠ける演奏ではありますが,ここには熱い心が詰まった魅力たっぷりの歌があります。この人が第一線で活躍し続けている理由がよくわかります。立派な演奏です。

録音もほぼ不満はありません。オーケストラの質感もよく,ソロはさらにオーケストラから明瞭に浮かび上がって聴こえてきて,協奏曲として絶妙にバランスが取れていると思います(ソロが大きすぎると感じる方はおられるかもしれませんが)。スタジオ・セッション録音として成功していると思います。

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レコーディング風景
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
ロッスム:ヴァイオリン協奏曲 作品37
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第一番 ト長調 作品78,第三番 ニ短調 作品108
堀米ゆず子(Yuzuko Horigome)(Violin)
ジョルジュ・オクトール(Georges Octors)(Conductor)
ベルギー国立管弦楽団(The National Orchestra of Belgium)
ジャン=クロード・ヴァンデン・エインデン(Jean-Claude Vanden Eynden)(Piano)
1980年5月30日 ブリュッセル,パレ・デ・ポーザール (ヴァイオリン協奏曲) (ライヴ録音)
1980年11月14,15日 ゲント,ストイヤバウト・スタジオ (ヴァイオリン・ソナタ)
PROC-1016/7 (P)1981 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (国内盤)
TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION Vol.8 (タワーレコード企画盤)
好録音度:★★★★(協奏曲),★★★☆(ソナタ)
参考url: 公式Webサイトタワーレコード

シベリウスとロッスムのヴァイオリン協奏曲は,1980年にベルギーのブリュッセルで開催されたエリザベート王妃国際音楽コンクール優勝時の最終選考のライヴ,ブラームスのソナタは同年のデビュー録音とのことです。

特にシベリウスのヴァイオリン協奏曲が感動ものです。コンクールといういわば極限の状況からしか生まれてこないような鬼気迫る渾身の演奏! いろいろと傷があるのは事実ですし,コンクールはスタート点に過ぎないということも感じてしまうのですが,そんなことはこの演奏を聴き進んでいくにつれて吹っ飛んでしまいます。

この協奏曲の録音がまた素晴らしい。ソロが本当にクリアに捉えられていて,堀米さんの魅力あるヴァイオリンの音を余すところなく伝えてくれます。ソロの音の捉え方についてはほぼ不満はありません。オーケストラのフォルテシモで音がつぶれてしまうところが何カ所かあって,これだけが残念なところです。

このコンクールのファイナルでは,このコンクールのために作曲された未知の協奏曲を演奏しなければならないそうですが,それがロッスムのヴァイオリン協奏曲です。譜読みと練習にどれくらいの時間をもらえるのか知りませんが,こんな難曲を短期間でこれほどまでの完成度で弾けるとは,トップクラスの演奏家の能力は想像をはるかに超えているとただただ感心してしまいます。

ブラームスのソナタは,スタジオ録音だけあってか,非常に良くまとまっています。堀米さんの豊潤な魅力ある音が堪能できます。録音は,若干残響のまとわりつきがあり,演出臭さがあって,私の好みではありませんでしたが,まあ目くじら立てるほど悪くはありません。

それにしても,タワーレコード,今回も貴重な演奏の復刻,やってくれました。今後にも期待します。

(Side Bからの移行記事) [シベリウス][協奏曲][ブラームス][室内楽][ヴァイオリン]
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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47
チョン・キョンファ(Kyung Wha Chung)(Violin)
アンドレ・プレヴィン(Andre Previn)(Conductor)
ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra)
Kingsway Hall, London, June 1970
425 080-2 (P)1970 (C)1998 The Decca Record Company Limited, London (輸入盤)
好録音度:★★★☆
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デビューアルバムとのことです。荒っぽくなることを厭わない,挑戦者の演奏ですね。その情熱と積極果敢さがいいです。型にはまっていないし,はまろうとしていない。今時の整った優等生的な演奏ではありませんが,協奏曲の面白さを堪能させてくれるので,結構気に入っています。昨今こういう音楽をする人が少なくなったんじゃないかなと思います。

録音は可もなし不可もなし。悪くはありませんが,少しソロの捉え方が弱いかなと思いますし,全体にちょっとオフ気味であまり冴えない印象なのが残念なところです。

[チャイコフスキー][シベリウス][協奏曲][ヴァイオリン]
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シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲 作品36
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)(Violin)
エサ・ペッカ・サロネン(Esa-Pekka Salonen)(Conductor)
スウェーデン放送交響楽団(Swedish Radio Symphony Orchestra)
Stockholm, Berwaldhallen, 3/2007(Sibelius), 9/2007(Schoenberg)
DG 00289 477 7346 (P)(C)2008 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

このシベリウスの協奏曲を初めて聴いたとき,あまりの完璧さ,正確さに唖然とし,もうこの一枚があれば他の演奏はいらない,とまで思ってしまいました。しかし... なに余裕かまして涼しい顔して弾いてんだよ! と言いたくなってきました(^^;。技術的余力を活かして八割のがんばり度でたっぷりと弾く,技術力自体が彼女の個性の源泉なんだろうなと思いつつ,もっと若さ溢れるピチピチした挑戦的な演奏であって欲しい,もっと必死に100%の力を出せばもっとすごい演奏になるんじゃないのか,なんて思ってしまいます。といってもやっぱり好きなんですよね,この演奏。

録音は,ソロにフォーカスしてヴァイオリンの音を明瞭に捉え,バランスとして若干オーケストラよりも大きめに取ってソロがキッチリ聴こえるようにしています。違和感を感じる方もおられるかもしれませんが,私は好きです。ドイツ・グラモフォンのヴァイオリン協奏曲の録音は比較的私の好みに合うように思っています。

シェーンベルクのヴァイオリン協奏曲は未聴です(←聴かず嫌い(^^;)。

[シベリウス][協奏曲][ヴァイオリン][愛聴盤]
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
ギル・シャハム(Gil Shaham)(Violin)
ジュゼッペ・シノーポリ(Giuseppe Sinopoli)(Conductor)
フィルハーモニア管弦楽団(Philharmonia Orchestra)
1991年12月 ロンドン All Saints Church, Tooting.
POCG-1683(437-540-2) (P)1993 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (国内盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

技巧は完璧。 細かいパッセージまで音の一粒一粒まで明瞭に聴こえてくるのには驚きました。ただ,大見得を切りながら力でねじ伏せるように曲を運んでいくので,ちょっと私の聴きたいシベリウスとはイメージが違うと思いました。もう少し繊細さと情緒感が欲しい。それでもやっぱり超一級の演奏であることは認めざるを得ないかなと。逆にチャイコフスキーの方が丁寧に進めていっているようで,こちらこそシベリウスのような演奏の方が似合ってるんじゃないかと思うのですが。

録音は,オーケストラに対して不自然なくらいにヴァイオリンにフォーカスしており,コンサート会場ではこんな風にはきっと聴こえないだろうな,と思いつつも,録音の場合はこれくらいはっきりとソロを捉えてくれていた方が好ましいと思います。ヴァイオリン協奏曲の録音としてはかなり好きな方です。

(Side Bからの移行記事) [シベリウス][チャイコフスキー][協奏曲][ヴァイオリン]
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
シベリウス:ユーモレスク 作品87b
ダヴィド・オイストラフ(David Oistrakh)(Violin)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(Gennady Rozhdestvensky)(Conductor)
モスクワ放送交響楽団(Moscow Radio Symphony Orchestra)
1965年7月12日 モスクワ音楽院大ホール
VICC-2021 (P)(C)1990 ビクター音楽産業株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★ (ちょっとおまけ...)

先日取り上げた同じ組み合わせの演奏は1968年の録音でしたが,これはその3年前の1965年の録音です。演奏自体はほぼ同じ印象で,協奏曲の醍醐味を堪能させてくれる充実した素晴らしいものです。

録音はこちらの方がわずかながら良好かなと思います。響きを伴っていて若干音色に癖が付いていますが,まあ許容範囲です。オーケストラに対してソロを少し大きめのバランスで取り込んでいて明瞭性がきちんと確保されているので,協奏曲の録音として印象は良いです。オーディオクオリティは特に良いとは言えませんが,1965年の録音ということを考えるとこんなもんかなと思います。

LP時代に当時の名盤として有名だったので買った覚えがあります。CD化されるのを待っていたのですが,いつの間にか発売されていて気がついたときには廃盤? 中古を探し回って手に入れました。現在現役盤があるのかどうかわかりませんでしたが(もしかしてこれicon?),これほどの演奏を埋もれさせておくのはもったいないです。復刻して欲しいものです。

[シベリウス][協奏曲][ヴァイオリン]
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シベリウス:交響曲全集
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(Gennadi Rozhdestvensky)(Conductor)
ダヴィド・オイストラフ(David Oistrakh)(Violin)
モスクワ放送交響楽団(The USSR TV and Radio Large Symphony Orchestra)
1974年(第一番),1969年(第二番),1973年(第三番),1971年(第四番),1973年(第五番),1973年(第六番),1974年(第六番),1968年(ヴァイオリン協奏曲)
MOCKBA 2005 (P)(C)Venezia (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

今日はオイストラフとのヴァイオリン協奏曲のみコメントします。交響曲は後日ということで。

この演奏,技術力の誇示,楽器の鳴りのすごさ,圧倒的な表現力,さすが巨匠としか言いようがありません。シベリウスらしくない? それがどうした! という感じです。圧巻です。参りました。

録音ですが,多少の残響感があるものの,基本的な音の捉え方はまずまず良く,ソロもはっきりと聴こえるのですが,いかんせん,音色に癖がありすぎるのと,高域のヌケが良くなくすっきりしない点がマイナスです。協奏曲としては十分に楽しむことが出来るものの,やっぱりこの音は残念です。

[シベリウス][協奏曲][ヴァイオリン]
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調
諏訪内晶子(Akiko Suwanai)(Violin)
サカリ・オラモ(Sakari Oramo)(Conductor)
バーミンガム市交響楽団(City of Birmingham Symphony Orchestra)
2002年3月6日,6月26日 バーミンガム
UCCP-1065(470 998-2) (P)2002 Philips Classics (国内盤)
好録音度:★★★★
参考url: HMV Onlineicon

非の打ち所がありません。完璧です。あえて批判的に言うなら,「個性がない」とか,「真面目すぎてつまらない」とか,「北欧的な情緒感に欠ける」とか,そういった半ばやっかみ含みの言葉しか出てこないです。確かに上手すぎてちょっとすました感じが嫌みかなと思うところはありますが(^^;,曲の持つ本質的な素晴らしさに迫ろうとした結果かな,と受け取っています。

録音ですが,ヴァイオリンの距離感,オーケストラとのバランスもほぼ適切,ソロの明瞭度もそこそこあり,万人向けにバランスの取れた良い意味での協奏曲としての標準的な録音であると思います。私としてもこれならほぼ不満を感じることなく音楽を楽しむことが出来ます。協奏曲なら最低限これくらいのレベルを確保して欲しいという好例です。

ウォルトンは曲の面白さ自体がよくわかりませんでした...

[シベリウス][協奏曲][ヴァイオリン]

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