好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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ショパン:12の練習曲作品10・作品25
マウリツィオ・ポリーニ Maurizio Pollini (Piano)
1972年1月,5月 ミュンヘン
UCCG-51087 (P)1972 Deutsche Grammophon (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

言わずとしれた名盤中の名盤。すでにこのブログでも取り上げていました(→こちら)。このディスクが私にとって特別な存在であることは繰り返し述べてきた通りです。今所有しているディスクがだいぶ古く,少し前から最新のマスタリングのものに買い換えたいと思っていたのですが,買いそびれていました。

たまたま昨日立ち寄ったタワーレコードで,発売日当日のこのディスクを見つけ,これは何かの縁と思って購入しました。DSDマスターということなので,私が持っているものより新しいマスタリングであることは間違いありません。

よく見てみると,SHM-CDというのはまあいいとして,HR(High Resolution)カッティングという聞き慣れない原盤の作り方?をしているようで,DSDマスターから一旦176.4kHz/24bitのマスターを作り,そこからダイレクトに?原盤を作っているようです。どういうことかさっぱり理解できませんが(^^;。

肝心の音質ですが,旧ディスクに比べると,わずかに鮮明さが増し,うっすらとかかっていたベールが取り払われたような音質の向上が感じられました。とはいってもそれはわずかであり,もっと劇的な改善を期待していたのですが,そこまでではなかったです。過剰に期待しすぎました(^^;。とはいえ,音質改善はあったので買い換えて良かったと思います。

なお,前回レビューでは好録音度は三つ星半としていましたが,少し辛すぎたと思い,今回四つ星にしています。やや音質が硬く癖のある音質なのですが,邪魔になる残響等はわずかであり,それほど悪くはないなと再評価しました。

ちなみに,これはユニバーサルミュージックのドイツ・グラモフォン ベスト100 Premiunの中の一枚で,クライバーのベートーヴェン第5番・第7番ムラヴィンスキーのチャイコフスキー第5番フリッチャイのチャイコフスキー第6番なども聴いてみようと今手配しているところです。名盤揃いなので,もっと手を出してしまいそうです(^^;。入手したらまたレポートしたいと思います。
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ショパン:練習曲全集
小菅 優 Yu Kosuge (Piano)
August 1999 at Stadthalle Braunschweig
SICC 754 (P)1999 (C)2007 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

小菅さん16歳の時の録音で,「小菅優の才能を認めた指揮者が自身のレーベルramに録音させたもの」であり,「ヨーロッパの権威ある最大の音楽専門誌フォノフォルムで5つ星をもらった記念碑的アルバム」とのことです。2007年にSony Musicから発売されました。作品10,作品25に加え,“3つの新しい練習曲”を含む練習曲全集です。

ショパンの練習曲集というと,私がクラシック音楽の世界に足を踏み入れるきっかけとなったポリーニの名盤で耳が出来上がってしまっていて,他の演奏者の演奏がなかなか受け付けられないのですが,この小菅さんの演奏は,そんな私にもすんなりと聴くことの出来る演奏でした。裏を返すと,あくまで個人的な印象ですが,ポリーニの演奏にかなり近いと思います。細部までコントロールが行き届き,まったく淀みなく,力強く突き進んでいく音楽が爽快です。16歳にしてこの完成度の高さ,素晴らしいです。今の小菅さんならもっと違う表現をされるのではないかと思いますが,16歳の小菅さんの無垢でストレートな演奏が残されたことをうれしく思います。

さて録音ですが,演出感の少ない素直な録音なので基本的には印象は悪くないのですが,わずかな残響というか響きによって音色がモワッと曇ってスカッとしておらず(こんな言い方ですみません(^^;),質感やニュアンスが感じ取りにくくなっているのは残念です。ピアノの録音としては標準的で悪くないとは思いますが,惜しいと思います。
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ショパン:練習曲集
蔵島由貴 Yuki Kurashima (Piano)
2013年3月6-8日 埼玉・三芳町文化会館(コピスみよし)
TRITON OVCT-00097 (P)(C)Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
練習曲集作品10,作品25および3つの新しい練習曲を収録しています。曲を変にいじくり回すことなく極めて真摯に素直に,そして力強く堂々と表現されていると思います。テクニックも万全で不安は全くありません。どこかポリーニの演奏に通ずるところがあるように思います(私だけでしょうか?)。そういうこともあって,この演奏はとてもすんなりと耳に入ってきます。久しぶりに私好みの演奏に出会いました。

録音ですが,残響感はほとんどなくピアノの音を真正面からしっかりと捉えていてパッと聴いた感じではまずまずの印象なのですが,実はホールトーンが結構乗っていて音色がくすみ,ぼやけて透明感と輝きを失い,ガチャガチャとうるさい音色になってしまっているように感じます。おそらく制作者としては狙い通りで,客観的には決して悪い録音ではないとは思うのですが,私の聴きたいピアノの音,好録音とは少し方向性が違っています。演奏が素晴らしいだけに私としてはちょっと残念です。
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ショパン:練習曲集 作品10, 作品25
マウリツィオ・ポリーニ Maurizio Pollini (Piano)
1960年9月5-7,9,11-16日 アビーロード第1スタジオ,ロンドン
JSBT 8473 (P)(C)2011 Testament (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Online
9月30日のエントリで紹介したポリーニの1960年録音のショパン練習曲集が発売されました。超有名な1972年のDG盤より10年以上前,ショパンコンクール優勝のすぐあとにEMIと専属契約を結び,録音されたものとのことです。

早速聴いてみると,紛れもない聴き慣れたポリーニのショパンのエチュードが流れ出しました。弱冠18歳にしてすでに9割5分は完成していたのか!と思ってしまいます。しかし,残りの5分がまた大きい。この演奏では後のDG盤にはない瑞々しさと覇気が感じられます。DG盤はDG盤で素晴らしいですし,このEMI盤も違った魅力があります。

録音ですが,解説書に「奥深いアコースティックな響きが魅力のアビー・ロードの第3スタジオで録音された。EMI盤は,ピアノ本来の透明感のある響きで,若き天才ポリーニの繊細で作品と共鳴するかのような激情を聴くことができる。」とあるとおり,残響がほとんどなくピアノの音が極めて明瞭に収められています。ただ,オーディオ的なクオリティは今ひとつで高域のヌケも良くなく,わずかにくぐもり,音にきめの細かさが感じられず,いかにも古臭い色が付いてしまっています。ヒスノイズも少し多めです。惜しいです。

なお,本盤は日本仕向けなのか解説書や裏面など日本語で記載されていて助かります(Made in Japanだから?)。
ポリーニのショパン練習曲といえば1972年に録音されたDG盤が超有名ですが,1960年のショパンコンクール優勝後にEMIに録音したものが発売されるとのこと!(詳細はHMV Onlineをご参照下さい)

しかも「奥深いアコースティックな響きが魅力のアビー・ロードの第3スタジオで録音された。EMI盤は、ピアノ本来の透明感のある響きで、若き天才ポリーニの繊細で作品と共鳴するかのような激情を聴くことができる。」とあり,録音にもちょっと期待してしまいます。

10月31日の発売が待ち遠しいです。
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ショパン:練習曲集 作品10, 作品25
イリーナ・メジューエワ(Irina Mejoueva)(Piano)
2009年7月&9月 新川文化ホール(富山県魚津市)
WAKA-4139 (P)(C)2009 若林工房 (国内盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

技巧を誇示するようなところはほとんどない,抑制が効いた,しかしほのかな叙情性が感じられる清潔感のある演奏だと思います。ポリーニで耳ができあがっている私には少し刺激に乏しいのですが,地味ながら技術力は確かであり,妙な癖もなく,安心してショパンの音楽に浸れるのがいいです。何度も聴いているうちに良さがじんわりとわかってきます。

録音ですが,残響が多いということはないのですが,それでも響きが被ってピアノの音に透明感がなく,また,粒立ちも不明瞭でもやっとしています。演奏が良いだけにこれは本当にもったいない録音です。

この録音が柔らかで優しいイメージを作り出すのに一役買っているとも言えますが,こういう演奏だからこそ透明感と音の粒の輝きを大切に録音して欲しかったと思います。残念です。
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ショパン:練習曲集 作品10, 作品25
ルイ・ロルティ(Louis Lortie)(Piano)
Recorded at The Maltings, Snape, Suffolk in April 1986.
CHAN 8482 (P)1986 Chandos Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

テクニックが優れているのは確かですが,それを前面に押し出してガンガンいくのではなく,その余裕度を表現に振り向けているといった感じで,この難曲から様々な表情を引き出しているのが印象に残ります。全体的な印象として,すごくなめらかに音が流れていくのですが,ピアノの音自体は粒立ちがはっきりとしていて鮮やかさがあります。

それにしても残念なのはこの録音! 明らかに残響過多で不鮮明です。せっかくの美しい音楽なのに...惜しいです。

[ショパン][器楽曲][ピアノ]
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ショパン:練習曲集 作品10, 作品25
マウリツィオ・ポリーニ(Maurizio Pollini)(Piano)
1972年1月,5月 ミュンヘン
DG F00G 27035 (P)1972 Polydor International GmbH, Hamburg (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

言わずと知れた名盤中の名盤ですね。私が取り上げるまでもないのですが...それにしても,これを凌ぐ演奏が今後現れることはあるのだろうか,ポリーニ本人でも無理なんじゃないだろうか,と思ってしまいます。

この演奏,実は私にとって大変思い出深いものなんです。高校生の頃までは「クラシックなんて格好悪くて聴いてられるか!」と,洋楽ばかり聴いていました。大学受験を控えた三年生の夏頃,たまたまこの演奏を耳にして,「おぉっ! クラシックってすごい! 格好いい!」と大変なショックを受けたことをよく覚えています。私がクラシックの世界に足を踏み入れるきっかけの一つがこの演奏なんです。

録音は残響が控えめで悪くないのですが,少し音色がくすんでいて良いとも言えないのが残念なところです。とはいえポリーニの強靱なピアノを楽しむための最低限のクオリティは一応クリアしているので良しとします。



リマスター盤の情報を掲載しました。こちらも併せてご参照いただければと思います。
(記2016/09/10)

[ショパン][器楽曲][ピアノ][愛聴盤]

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