好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」,第12番,第14番
エドナ・スターン Edna Stern (Piano)
アリー・ファン・ベーク指揮/オーヴェルニュ室内管弦楽団
ZZT100901 (P)2009 Zig-Zag Territoires (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。前エントリからのオーヴェルニュ室内管弦楽団つながり&ジャケ聴きです(^^;。

まず録音のコメントです。すっきりとした癖のない自然なサウンドが魅力の好録音です。残響が適度に抑えられ,見通しが良く,そこそこキレもあります。録音自体はあまり主張しませんが,演奏を邪魔せず音楽を素直に伝えてくれるこういう録音が良いのです。いつまでも音楽に浸っていたくなります。

そして演奏なのですが,端正で上品です。粒立ちの美しいタッチが印象的ですが,あくまでも控え目です。オーケストラも若干音の長さを短めに刈り込んで整然と見通しよく演奏し,ソロの美しさを引き出しています。良いと思います。
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ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第3集
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
ヘルマン・ボイマー指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

Großer Sendesaal, NDR Hannover, February 24-27, 2015
cpo 777 847-2 (P)2016 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第1集第2集が良かったヴァイトハースのブルッフ,待望の第3集が発売されました!! 収録曲は次の通りです。

ヴァイオリン協奏曲第3番ニ短調作品58
ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲嬰へ短調作品84
ロマンス イ短調作品42

どれもほとんど馴染みのない曲ばかりです。これでこのシリーズは完結とのことです。力強く張りのある,そして情感豊かなヴァイオリンが素晴らしいです。第1番ばかりが有名なブルッフの協奏曲ですが,こうして聴いてみると,第2番,第3番は幾分渋いとはいえ,どちらも劣らぬ名曲と思います。もう少し演奏されたら良いのにと思いますね。

さて録音ですが,第1集第2集と変わらぬ好録音です。ヴァイオリンの透明感ある美しい音色が堪能できます。ソロが少々遠めで線が細くボディ感に欠けるところがあるので,もう少し寄ってしっかりと捉えて欲しい気はしますが,これでも十分に良好です。
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ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲集
ルーシー・ホルシュ Lucie Horsch (Recorder)
アムステルダム・ヴィヴァルディ・プレーヤーズ
2016年7月 アムステルダム,ゲラルドゥス・マイェッラ教会
4830896 (P)(C)2016 Decca Music Group (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ヴィヴァルディのリコーダー協奏曲ハ長調RV.443が収録されているのでこれは聴かなければなりません! 同曲はミカラ・ペトリの素晴らしい演奏が私のリファレンスとなっており,特にフィリップス盤は録音も良くもう何百回聴いたかわかりません(→レビュー記事)。演奏者は17歳! どのような演奏を聴かせてくれるのか興味津々。

それでこの曲,なんでト長調って書いてるのかと思ったらソプラニーノじゃなくってソプラノで吹いているからなんですかね。テクニックの巧さ,安定感はさすがメジャーレーベルに登場するだけのことはありますし,音色の美しさも格別ですね。素直でかつ若々しく弾ける音楽が魅力的です。ミカラ・ペトリのように長く第一線で活躍出来る奏者に育って欲しいですね。それにしても...この曲はやっぱりソプラニーノで聴きたかった!

バックは小編成のバロックアンサンブルで,古楽の雰囲気が強く香ります。ヴィヴァルディなので当たり前と言えば当たり前なのですが,個人的にはもう少しモダンな感じで聴けたらうれしいのになぁと思ってしまうのはやっぱりミカラ・ペトリの印象が強すぎるからでしょうか。

さて録音ですが,少し残響は多めで楽器音に被り,わずかに音色を曇らせていますが,影響はそれほど大きくなく,リコーダーの透明感のある音色は十分に楽しめますし,バックの個々の楽器の質感もそこそこ感じられて印象は悪くありません。よくある古楽の優秀録音の録り方ですね。もちろんもう少し響きを抑えてクリアに録って欲しいのですけどね。
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ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第2集
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
ヘルマン・ボイマー指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

Großer Sendesaal, NDR Hannover, March 31 - April 4, 2014
cpo 777 846-2 (P)2015 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

第1集が良かったヴァイトハースのブルッフ,第2集も聴いてみました。収録曲は次の通りです。

ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26
セレナーデ イ短調 作品75
アダージョ “イン・メモリアム” 作品65

ヴァイオリン協奏曲第1番は有名ですが,他の2曲は初めて聴く曲です。ヴァイトハースの演奏は第1集と同じく美しく情感に溢れています。奏者の個性が強く前面に顕れることはなく,ヴァイオリンの素晴らしさ,これらの曲の素晴らしさを素直に表現した普遍的な魅力を持った演奏ではないかと感じます。確かな実力を持った中堅ヴァイオリニストらしい好演奏だと思います。

録音も第1集と同様で,ヴァイオリンの美しい音色を堪能できますし,オーケストラとのバランスも適正範囲内です。残響感も適度であり,音色をくすませたり明瞭度を落としたりすることがありません。やはりもう少しソロにフォーカスして欲しいとは思いますが。

これは本当に第3集が楽しみです。
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ブルッフ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集 第1集
アンティエ・ヴァイトハース Antje Weithaas (Violin)
ヘルマン・ボイマー指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

Großer Sendesaal, NDR Hannover, June 24-28, 2013
cpo 777 833-2 (P)2014 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

バッハの無伴奏ヴァイオリンが素晴らしかったので他の演奏も聴きたくなり見つけたのがこのブルッフのディスク。収録曲は次の通りです。

ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調作品44
スコットランド幻想曲作品46
アダージョ・アパッショナート作品57

ヴァイオリン協奏曲第2番は第1番に比べるとずっと演奏される機会が少ない曲で,実は私も聴くのが初めてなのですが,作品としては別に劣っているわけでもなく,もっと演奏されても良いのではと思いました。そしてこのヴァイトハースの演奏は,期待に違わぬ美しく情感豊かな佳演だと思いました。技術的にも万全です。

録音ですが,協奏曲らしくソロ・ヴァイオリンを明瞭かつ美しい音色で捉えており,またオーケストラもソロを邪魔しない絶妙のバランスで,広がりとスケール感のある録り方で収められています。多少の残響感はありますが,悪影響は最小です。ヴァイオリン協奏曲の録音としてかなり良いと思います。個人的にはソロをもう少しフォーカスしても良かったのではないかと思うのですが,誇張のない自然なバランスなので,これでも十分納得できます。cpoレーベルの録音は比較的私の好みに合うものが多いと思います。

このディスクはブルッフのヴァイオリンと管弦楽のための作品全集のVol.1とのことで,続編として有名なヴァイオリン協奏曲第1番を収めたVol.2がすでに発売になっています。今後ヴァイオリン協奏曲第3番を収めたVol.3がリリースされるのではないかと期待しています。
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ラロ:スペイン交響曲ニ短調作品21
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン作品20
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26(*)
ルノー・カプソン(Vn)/パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団
2015年5月27,28日(*),9月1,2日 フィルハーモニー・ド・パリ
ERATO 2564698276 (P)2016 Warner Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集が素晴らしく,それ以来気になるヴァイオリニストになったルノー・カプソン。エラート・レーベルのものは録音も良さそうなので,Apple Musicで聴いてみました。

何を弾かせてもスマートで格好いいですね。技術的にも上手いですし,アクが強くなりがちな曲においても美音でキレ良く聴かせてくれます。さすがです。

さて録音ですが,オーケストラに対してソロが若干フォーカス気味に捉えられているので,協奏曲として聴きやすく,ソロを堪能できる好録音と言えます。わずかに誇張されているので不自然さが残りますが,これで良いと思います。オーケストラも残響を伴いながらもタイトに録られていて,質感豊かな締まりのあるサウンドが心地よく響きます。まずまずの好録音です。
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ヴィヴァルディ:最後の協奏曲~ブルノのコッラルト伯爵のカタログより
ファビオ・ビオンディ Fabio Biondi (Violin & Direction)
エウローパ・ガランテ Europa Galante
2014年6月16-18日,サン・バシリーデ教会(バディーア,カヴァーナ,イタリア)
Glossa GCD 923402 (P)(C)2015 note 1 music (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV OnlineiconApple Musice-onkyo

2015年度レコードアカデミー賞 特別部門 録音 の受賞ディスク。これは一応聴いておかなければと思い入手しました。

演奏はさておき,録音ですが,トゥッティは残響豊富,残響時間も長く,でものすごい濃い癖の強い音響です。残響量の割には楽器音は明瞭なのですが,やや混沌としてやかましく感じられます。ヴァイオリンソロも残響を伴っているものの,ニュアンス豊かで音色も美しく,また,トゥッティより一段浮き上がる録り方をしているため,協奏曲の録音としては好ましく思います。もう少しすっきりと仕上げて欲しかったと不満は残るものの,ソロの美しさ,協奏曲録音としての好ましさから,十分好録音と言えると思います。オーディオ的なクオリティも高く,残響を好ましく思う方であれば確かに優秀録音かもしれません。
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レントヘン:ヴァイオリン協奏曲集
リーザ・フェルシュトマン Liza Ferschtman (Violin)
ダヴィト・ポルセリーン指揮/ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団
Ludwigshafen, Philharmonie, April 13-18, 2009
cpo 777 437-2 (P)2011 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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レントヘン:チェロ協奏曲全集(第1番~第3番)
グレゴール・ホルシュ Gregor Horsch (Cello)
ダヴィト・ポルセリーン指揮/オランダ交響楽団
Enschede Musikzentrum, June 2006
cpo 777 234-2 (P)2013 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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レントヘン:ピアノ協奏曲第2番,第4番
マティアス・キルシュネライト Matthias Kirschnereit (Piano)
ダヴィト・ポルセリーン指揮/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー
Großer Sendesaal, NDR Hannover, May 5-9, 2008
cpo 777 398-2 (P)2011 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

秘曲の宝庫!?(^^;,cpoレーベルから。Apple Musicでの試聴です。未知の作曲家の協奏曲を聴いてみました。

ユリウス・レントヘン(またはレントゲン Julius Röntgen 1855-1932)は,オランダで活躍したドイツの作曲家,音楽教師で,ブラームスとも交流があり,ブラームス本人の指揮でピアノ協奏曲第2番を演奏したり,アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の創設にも尽力したとのこと。交響曲18曲,ピアノ協奏曲7曲,ヴァイオリン協奏曲3曲,チェロ協奏曲3曲,弦楽四重奏曲22曲,などを含め,600曲を越える作品を残したとのことです(以上,Wikipediaより)。

今まで全く名前すら知らなかった作曲家の作品ですが,美しくロマンティックなメロディが溢れる佳作揃いで聴き応えがあります。まだ聴き始めたばかりなのでもう少しじっくりと楽しみたいと思っています。交響曲の録音もいくつか出ていますので,こちらも聴いてみようかと。弦楽四重奏曲も多数残しているようですが,こちらの方はまだ録音を見つけられていません。個人的にはもう少し評価されても良い作曲家ではないかと思っております。

録音ですが,協奏曲の録音として標準的であり,オーケストラに対してソロが明瞭に聴こえる点が良いと思います。特に優れているという感じではないのですが,欠点が少ないという点でまずまずの好録音だと思います。

私にとってApple Musicはこういう未知の楽曲との出会いをサポートしてくれる強力なツールです。そしてcpoレーベル,いいですねぇ。
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ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」
ヴィヴァルディ:トリオ・ソナタ作品1-12「ラ・フォリア」
ダニエル・ゼペック Daniel Sepec (Violin & Direction)
ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
Die Kammerphilharmonie, Bremen, March 6-9 2010 and March 8-9 2011
COV 21112 (P)(C)2011 Coviello Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

以前から何度も取り上げさせていただいている,音工房Zのメールマガジンで紹介されていたディスクです。ディスクの紹介をされている方と良い録音の考え方が同じなのかどうかは定かではありませんが,結果として選ばれているディスクは私の好みにも合うものが多いと感じます。

ダニエル・ゼペックは,ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンのコンサートマスターを務め,また,アルカント・カルテットのメンバーとしても活躍しているとのことです。参考に挙げたTower RecordsHMV Onlineのディスク紹介にもありますが,この曲に添えられたソネットを大きく意識させる大胆な表現がされています。こういったユニークな演奏は今や珍しくはないと思いますが,まだまだ表現の可能性はあるんだということに感心させられます。

ちなみに編成は,ソロを含め,弦楽器が5-4-3-2-1,ハープシコード/オルガン,リュート/ギター,ハープが加わります。モダン楽器によるキレの良い現代的な演奏ですが,リュートやハープが独特の古雅な雰囲気を醸し出しているのが面白いと思います。

さて録音ですが,残響は中低域中心に少し多めに取り入れられていますが,ブーミーになることなくスッと綺麗に減衰するため被りによる悪影響が少なく,さらに直接音主体に録られているので,曇ることなく楽器本来の響きが美しく届きます。雰囲気も自然で演出感が少ないのも良いと思います。オーディオ品質も良好で,優秀録音と言えるでしょう。
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ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」
ギル・シャハム Gil Shaham (Violin)
オルフェウス室内管弦楽団
1993年12月 ニューヨーク州立大学
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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ヴィヴァルディ:フルート協奏曲集作品10
パトリック・ガロワ Patrick Gallois (Flute)
オルフェウス室内管弦楽団
1992年12月 ニューヨーク
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
オルフェウス室内管弦楽団の録音は演奏も録音も比較的私の好みに合うものが多いこともあってよく聴きます。この2つのヴィヴァルディの協奏曲集は聴いたことがなく,たまたまApple Musicにあるのを見つけたので聴いてみました。

これらのディスクでは,ギル・シャハムとパトリック・ガロワという一流のソリストが主役ですが,私にとってはオルフェウス室内管弦楽団が主役。そして,その期待に見事に応えてくれています。バロックの名曲をモダンな感性で新たな生命を吹き込んで聴かせてくれます。(といってももう20年以上前の録音なんですね... 最近モダン楽器でこういうバロックの録音をしてくれる団体がほとんどないのが本当に残念です。)

そして録音がまた秀逸なのです。残響感はありますが,具体的なホールをイメージさせるものではなく,音楽に潤いを与える役割を担っています。ほとんど音を濁しておらず,マイナス要素が少ない残響の取り入れ方になっています。明瞭感,解像感,楽器の分離,見通しの良さ,どれを取ってもそこそこ良好。そして何より音が綺麗なのが良く,引き締まったサウンドと相まって魅力的な音響を実現しています。

一方で演出感,誇張は多少あり,自然さに欠け実在感が希薄な面はあるかもしれません。しかし,楽器の音色は大切に扱われており,そういった欠点を覆い隠すのに十分な魅力を備えていると感じました。間違いなく好録音です。

なお,シャハムの四季はまだディスクを入手しやすいようですが,ガロワのフルート協奏曲集の方は現役盤がないようです。Apple Musicがなければこの音楽に接することはなかったであろうと思います。Apple Musicいいですね。役に立ってます。
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ラフ:ピアノ協奏曲作品185, 春への頌歌作品76
ピーター・アロンスキー Peter Aronsky (Piano)
マティアス・バーメルト指揮/ヨスト・マイアー指揮
バーゼル放送交響楽団
TUDOR 7035 (P)1995 TUDOR (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store
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ラフ:チェロ協奏曲第1番,第2番,他
ダニエル・ミュラー=ショット Daniel Muller-Schott (Cello)
ハンス・シュタットルマイア指揮/バンベルク交響楽団
TUDOR 7121 (P)2004 TUDOR (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store
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ラフ:ヴァイオリン協奏曲第1番,第2番,他
ミハエラ・パエッツチ Michaela Paetsch Neftel (Violin)
ハンス・シュタットルマイア指揮/バンベルク交響楽団
TUDOR 7086 (P)2000 TUDOR (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower recordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store
弦楽四重奏曲で興味を持ったラフというスイスの作曲家の協奏曲を聴いていました。

ピアノ協奏曲は緩徐楽章の叙情的な曲調が印象的ですし,両端楽章の技巧的で堂々とした音楽も聴き応えがあり,今回試聴した中では一番良かったです。そしてカップリングの春への頌歌作品76(Wikipediaではヴァイオリンと管弦楽の曲とされている)も同様に親しみやすく聴きやすい曲で好印象でした。

次いでチェロ協奏曲。特に第2番が楽しいのですが,どちらも美しい旋律に溢れた佳作だと思います。名手ダニエル・ミュラー=ショットのチェロがこれまた素晴らしい! 深みのある低音から透明感のある高音まで,この人のチェロの音は本当に魅力がありますし,技巧も完璧です。

そしてヴァイオリン協奏曲。どちらも短調ですが,美しい旋律と輝かしい技巧に彩られたこれも良い曲です。録音の加減もあると思いますが,ヴァイオリンがやや線が細く印象が薄いのが残念です。技術的にも上手いのですが。

ラフの音楽は親しみやすいのですが,アクがないため印象に残りにくい面があります。埋もれてしまったのはそのためかもしれません。

録音ですが,ピアノ協奏曲とチェロ協奏曲は,オーケストラのスケール感と,そこから一段浮き上がるソロが心地よく,協奏曲として標準的ながらバランスの良い良好な録音です。

一方ヴァイオリン協奏曲は特にソロが奥まっていて弱く,曲の印象を弱めてしまっています。こぢんまりとして広がり感の弱い点も残念なところです。やはり録音は大切であるということを感じますね。

これらのディスクは入手困難ではないと思いますが時間がかかりそうということもあって,Apple Musicでの試聴しました。こういうマイナーなディスクを聴きたいときに聴けるというのは有り難いです。クラシックファンにとってApple Musicはほんとに宝の山ですね。また,こうやって私たちが聴くことによって,演奏者や著作権者に適正に視聴料が配分され行き渡ることを願いたいです。(→こういうことから,すでに廃盤になったものに関しては,中古ディスクを買い求めるよりもApple Musicで聴く方が良いかもしれない,と考えているところです...)
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ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲集作品10
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)/アイオナ・ブラウン指揮/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
1980年7月9-13日 ロンドン,セントジョーンズ・チャーチ
PHCP-3632 (P)1981 Philips Classics (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jp
ミカラ・ペトリ22歳のときの録音。この15年後にRCAレーベルに再録音していますが,若々しくはじける,小鳥のさえずりのように歌う,純粋無垢なこの演奏の方が私は気に入っています。この作品10の6曲はフルートのための曲集で,第1番「海の嵐」や第3番「ごしきひわ」といった曲が有名のようですが,ソプラニーノ・リコーダーで演奏される第4番や第6番などもチャーミングです。

そしてこの当時のフィリップス録音らしく美しいリコーダーの音色を余すところなく捉えており,また,バックの弦楽も明瞭で気持ちの良いサウンドで録られていて本当に素晴らしい。この頃に録音された一連のペトリの協奏曲はどれも録音が良いですね。好録音で残されたことに感謝です。

しかし他の協奏曲集はその後ボックスで復刻されたりしていますが,この曲集は復刻されていないように思います。配信でも見つかりませんでした。好演奏・好録音盤なので復刻して欲しいですね。(出番ですよタワー・レコードさん!と無駄とは思いつつアピールしておきます(^^;)
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ビートルズ・ゴー・バロック Beatles Go Baroque
ペーテル・ブレイナーと彼の室内オーケストラ
1992年2月, 3月 スロヴァキア,ブラティスラヴァ,モイゼス・ホール
8.990050J (P)(C)1995 HNH International (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
クラシック演奏家によるロックの編曲版にはついつい手を出してしまうのですが,満足いくものがほとんどありません。これについては1966カルテットの“ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシックス”“ウィ・ウィル・ロック・ユー~クイーン・クラシックス”,モルゴーア・クァルテットの“21世紀の精神正常者たち”などのエントリーで繰り返し述べてきました。一言で言うと,内容がクラシック演奏家のお遊び,余興レベルにとどまってしまっていて面白くないのです。もちろんご本人達が真剣に取り組んでおられることは承知しているのですが(ゴメンなさい)。

前置きが長くなってしまいました。このディスクでは,タイトルからもわかる通り,ビートルズの音楽をバロックの合奏協奏曲風にアレンジしています。4つの組曲から成り,それぞれ「ヘンデル・スタイル」,「ヴィヴァルディ・スタイル」,「J. S. バッハ・スタイル」といったバロックの名作曲家のパロディになっています(ヘンデルはメサイア?,ヴィヴァルディは協奏曲集「四季」,バッハは管弦楽組曲第2番,ですかね)。なかなかよくできた編曲で,単にバロック調にするだけでなく大まじめにパロディをやっているところが面白いですね。理屈抜きに楽しめます。これもまた余興みたいなものですが,ユーモアがこの余興を救っています。

今のところロック編曲ものの中で手に取る機会の多い,数少ないアルバムの一つです。

録音ですが,特に何の工夫もない何気ない普通の録音だと思うのですが,逆にこれがまた良いのです。残響は少なめで,各楽器が自然に,かつ,クリアに分離良く録られていて好感が持てます。こんな録音がどれだけ気持ちよく音楽を楽ませてくれるかということを改めて教えてくれます。世の中の多くの録音は,なぜわざわざあんな音を濁して音楽を楽しめなく録るのか全く理解できません(^^;。なんでこんな風に録れないんですかね... なお,オーディオ・クオリティは普通です。
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リコーダー協奏曲集
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
アイオナ・ブラウン指揮/アカデミー室内管弦楽団
1980年7月 ロンドン
32CD-42(400 075-2) (P)1980 (国内盤)
 愛聴盤   リファレンス音源  好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」作品8(リコーダー版)
ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲ハ長調RV443
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
ジョージ・マルコム/ギルドホール弦楽アンサンブル
July 13, 14 and 15, 1987 in Henry Wood Hall, London
R32C-1121(6656-2-RC) (P)1988 BMGビクター株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.comAmazon.co.uk
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ヴィヴァルディ:協奏曲集
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
クラウディオ・シモーネ指揮/イ・ソリスティ・ヴェネティ
May 23-26, 1988, in the Duomo Vecchio, Monselice, Italy
R32C-1196 (P)1990 BMG MUSIC (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
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ミカラ・ペトリ 50歳誕生日記念コンサート
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
クレメラータ・バルティカ
Tivoli Garden Concert Hall, July 7, 2008
8.226905 (P)(C)2008 OUR Recordings (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
ミカラ・ペトリが演奏するヴィヴァルディ:ソプラニーノ・リコーダー協奏曲ハ長調RV443を収録したディスクを集めてみました。リコーダー協奏曲の中でも特に好きな曲です。今のところ私が知る限り上記の4枚があります。

1980年録音のPHILIPS盤は以前にも取り上げた愛聴盤です(→こちら)。純粋無垢で子供のように無邪気にはね回るような素晴らしい演奏です。そしてその澄んだ音色を極めて明瞭に捉えた録音も素晴らしいです。オーディオ製品の試聴をするときに真っ先に聴く曲の一つです。もう何百回聴いたかわかりません。単独での現役盤はないようですが,参考に挙げたボックスセットに収録されてなんとか残っているのはうれしいです。

1987年と1988年とRCAに立て続けに録音されたものは,演奏はよりアグレッシブに前向きでいいのですが,PHILIPS盤と比べると録音に透明感がないのが残念です。1988年の方はバックの弦楽アンサンブルが流麗で他のものとは全体の趣がだいぶ異なりこれはこれで面白いと思います。1987年の方は現役盤はないようです(四季はボックスセットに収録されています)。1988年の方がボックスセットに収録されています。

50歳の記念に催されたコンサートでのライヴ録音は,前の録音から20年経っていますが,技術力はそのままに表現力にさらに磨きがかかっているという印象です(若い頃の演奏はそれはそれで素晴らしいのですが)。クメラータ・バルティカのバックも変化に富んでいて面白いです(ちょっと鼻につくところはありますが(^^;)。演奏は良いのですが,残念ながら録音が良くありません。直接音よりもホールの響きが勝っていて音色がくすんでしまっています。これは残念でなりません。

改めて聴き比べてみて,演奏はそれぞれに良いところがあって甲乙付けがたいところですが,録音の良さでやっぱり1980年録音のものがトータルとして一番という結果でした。そろそろ最新のクオリティで再録音してくれないかな,と思うのですが...技術が衰える前にぜひ。

それにしても,女性なのに年齢を前面に出した記念コンサートが出来るとは...さすがミカラ・ペトリ!(でも最近急にお年を召された感じがしますね,公式Webサイトを見ると...)

最後に,この記念コンサートのライヴ映像と思われる動画が公開されていましたので貼り付けておきます。

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ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」作品8(リコーダー版)
ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲ハ長調RV443
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
ジョージ・マルコム/ギルドホール弦楽アンサンブル
July 13, 14 and 15, 1987 in Henry Wood Hall, London
R32C-1121(6656-2-RC) (P)1988 BMGビクター株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records

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ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」作品8(リコーダー版)
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ作品28
ミカラ・ペトリ Michala Petri (Recorder)
トーマス・ダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団
Konserthuset Orebro, Sweden, June 2005
TOCE-55817 (P)(C)2006 東芝EMI株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records

ちょっとキワモノではありますが... ミカラ・ペトリのヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」リコーダー版に少なくとも2種類あるのは知っていたのですが,ジョージ・マルコム/ギルドホール弦楽アンサンブルの旧録音の方しか持っていませんでした。最近,突如聴きたくなり,新録音も入手して聴き比べてみました。いずれも何本かのリコーダーを持ち替えて演奏されています。

1987年旧録音の方は若々しく弾けるストレートな演奏が魅力的ですが即興的なところはあまりありません。一方で2005年新録音の方は表現力が格段にアップし遊び心も加わっています。バックは,旧録音はキレのあるコントラストのはっきりした躍動的なアンサンブルが良く,新録音は無段階に自在に変化するアグレッシブな表現が素晴らしい。また,旧録音はリコーダーの音程がやや上擦り気味,逆に新録音はやや低めに取られているようでわずかに気持ち悪さを感じるときがあります。

旧録音のピチピチした演奏も捨てがたいのですが,総合的にはやはり新録音の方が面白いですね。

録音ですが,旧録音はバックの弦楽器を骨太に捉えているのが良いのですが,肝心のリコーダーは響きが被って音が濁り気味です。新録音はリコーダーは透明感があり,ソロにフォーカスされて協奏曲としては聴きやすく良好と言えますが,バックの弦楽器がやや奥まって質感が弱く,全体のサウンドとしては少し魅力が薄い気がします。

旧録音の方は少し前にボックスで復刻されましたが,新録音の方は廃盤になっているようで,入手性が良くないのが残念です。

それにしても,EMIから,しかもそれがダウスゴー指揮/スウェーデン室内管弦楽団だったとは...
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スタンリー:弦楽のための協奏曲集作品2
サイモン・スタンデイジ/コレギウム・ムジクム90
All Saints' Church, East Finchley, London N2; 4-6 March 1998
CHAN 0638 (P)(C)1999 Chandos Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp
ロイ・グッドマン指揮/パーリー・オブ・インストゥルメンツの演奏を以前紹介した英国の作曲家ジョン・スタンリー(John Stanley 1712-1786)の協奏曲集です。グッドマンの演奏では,6曲のうち2曲がオルガンがソロ楽器でしたが,こちらはすべて弦楽器というのが私としてはうれしいです。グッドマンの演奏に比べると,穏やかでおっとりしていて,また違った雰囲気を持っています。

録音ですが,教会で録音されているようですが,残響は控えめで各楽器が比較的明瞭にすっきりと聴こえてきてまずまず良好です。もう少し鮮度が高いとなお良かったのですが。ちょっと惜しい気がします。

演奏はグッドマンの方がどちらかといえば好きなのですが,こちらの方が録音が好きなので,ついついこちらの方に手が伸びてしまいます。
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スタンリー:協奏曲集作品2
ロイ・グッドマン指揮/パーリー・オブ・インストゥルメンツ
Recorded on 25, 26 November 1988
CDA66338 (P)(C)1989 Hyperion Records Ltd. (輸入盤)
 愛聴盤  好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ジョン・スタンリー(John Stanley 1712-1786)は英国の作曲家,オルガン奏者。この作品の原題は“Six Concertos in Seven Parts”であり,ソロ楽器が2つのヴァイオリン,チェロ,ハープシコードの曲(4曲)と,ソロ楽器がオルガンの曲(2曲)があります。曲調は合奏協奏曲のような感じです。

この作曲家の曲はこれしか聴いたことがありませんが,実に爽やかで心地よく響く良い音楽です。その昔,ハイペリオンのサンプラーに第1番の終楽章が収録されていて,その素晴らしい音楽に感動してこのディスクを買ったことを今でも良く覚えています。どの曲も良いのですが,やっぱりヴァイオリン,チェロがソロで活躍する曲が良いですね。演奏も明るく快活で気持ちがよいです。

録音ですが,残響過多で私としてはあまり好きな録音ではありません。ただ,伸びやかな弦楽器の音色は辛うじて確保されているのでギリギリ許容範囲というところです。ある意味,バロックの雰囲気が良く出ていると言えるかもしれないので,残響が許せる方であれば問題ない録音だとは思います。もちろん私としてはもっとすっきりと見通しよく明瞭に録って欲しいのですが。

このディスク,私はハイペリオンのものを持っていますが,今はヘリオスレーベルから発売されているようです。
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グルダ:チェロとブラスオーケストラのための協奏曲
グルダ:ウルズラのための協奏曲
ハインリヒ・シフ(Heinrich Schiff)(Cello)
フリードリヒ・グルダ(Friedrich Gulda)(Conductor)
ウィーン・ブラスアンサンブル(Das Wiener Blaserensemble)
1981/1982 in Wien
amadeo 419 371-2 (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考url: HMV Onlineicon

チェロとブラスバンドという特異な組み合わせのチェロ協奏曲。学生の頃,友人宅で聴かせてもらって,ぶったまげたことを覚えています。もうすっかり忘れていたのですが,ふと思い出して探してみたらすぐに見つかりました。

おぉ!これだこれだ! これはほとんどジャズ(というかロックに近いか),特に第一楽章がいいですなぁ...わくわくします。でも他の楽章は今ひとつかな。終楽章はまるでブラスバンドのマーチだなぁ...それにしても,チェロとブラスバンド,不思議なくらい違和感ないです。昔聴いたときにはチェロがまるでサックスのように聴こえたと記憶しています。今聴いてみるとそうでもないのですが。

録音は,う~ん,微妙だなぁ...そんなに悪くはないのですが,今ひとつ音に生々しさ,実在感がなく,冴えません。

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