好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番Sz.117
潮田益子 Masuko Ushioda, Violin
森正指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
1968年3月26日-28日 杉並公会堂
COCQ-84494 (P)2008 Columbia Music Engtertainment (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records

潮田益子さんは先日2013年5月29日に死去されました。ご冥福をお祈りいたします。

これは潮田さんが第3位に入賞した第3回チャイコフスキーコンクールのおよそ2年後の録音です。若々しくエネルギッシュで迫力満点です。すこし粗削りなところはありますが,またそれが欠点とならず魅力に結びついています。チャイコフスキーは第1楽章で現代では考えられない大胆なカットがあります。時代を感じさせますね。

録音ですが,この時代の録音としては相当いいです。残響を抑えソロをストレートに捉えているほか,オーケストラを含め明瞭でキレのある締まった音で録っています。古い録音なので少し木目の粗さと音色の古さはあるものの,鑑賞には全く支障がありません。

素晴らしい演奏が好録音で残されたことに感謝します。

なお,このディスクは読者の方からご紹介いただいたものです。有り難うございました。
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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
ヤッシャ・ハイフェッツ (Violin)
フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団
録音:1957年4月19日 シカゴ,オーケストラ・ホール
JMCXR-0009 (P)2001 日本ビクター株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower Records
日本ビクターのXRCD2によるハイフェッツの超有名な歴史的録音の復刻CD。今更ながらですが取り上げます。それにしても圧倒的な演奏ですねぇ。「技術力」を超越した凄さに何度聴いても感銘を受けます。しかし,好き勝手やってますね。かつてこういうことが許される時代もあったのだということも改めて思います。

本題は録音の方です。1957年の録音とは思えないですね。そして,録音の鮮明さもさることながら,ソロの音の捉え方の良さ,オーケストラの音の捉え方の良さ,いずれも本当に素晴らしいです。現代における音場再現性・自然さを追求する録音とは全く方向性の異なる音作りで,そういう録音からするとかなり誇張した感はありますが,しかし,そういうことを超えた圧倒的な楽しさがこの録音にはあります。

音楽が楽しめる録音とは一体どういう録音なのか。これは聴く人の価値観にもよるので唯一のものがあるわけではないことを承知で,それでもやっぱりこういう録音の素晴らしさをきちんと評価し,現代の録音においてもこういう「誇張」をうまく使って欲しいと思うのです。極論を言うと,ホールの音響をいかに再現するかなど私にとっては重要ではなく,いかに楽しい音楽を再現してくれるかの方がはるかに重要である,ということです。

そういう観点で,この録音は本当に素晴らしく,文句なしの好録音,五つ星と言えます。もちろん1957年のクオリティであることはご承知おきください(といっても音楽を楽しむ上での障害にならないクオリティは十分にありますよね)。
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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
チャイコフスキー:瞑想曲作品42-1(「なつかしい土地の想い出」より)
チャイコフスキー:ロシアの踊り(バレエ「白鳥の湖」作品20第3幕より)
チャイコフスキー:ゆううつなセレナード作品26
ジョシュア・ベル(Joshua Bell)(Violin)
マイケル・ティルソン・トーマス指揮(Michael Tilson Thomas)(Conductor)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)
January 27-31, 2005, Philharmonie Berlin.
SK93922 (P)(C)2005 SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENT (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

レコード芸術誌2010年10月号の特集「現代の名録音1980~2010」の協奏曲の欄で優秀録音として紹介されていました。確かに残響は控えめで明瞭感,透明感がそこそこありますし,特にオーケストラの音に力があって好感の持てる音作りですし,オーディオクオリティも良好で,優秀録音として取り上げられるのも理解できます。

私の感覚では,積極的に優秀録音というよりは,どこを取っても欠点がなく悪い印象を持つ要素がないので結果的に優秀録音なのかなぁ,というところです。で,唯一にして大きな不満が「ソロの捉え方が弱い」というところです。オーケストラの音量に対して若干控えめということもあるのですが,ヴァイオリンの音色を美しく捉えているものの,質感という面ではやや貧弱で,ほんのもう少し一歩踏み込んで捉えてくれれば,というもどかしさを感じてしまいます。ヒラリー・ハーンのチャイコフスキーもちょうどこんな感じでした。

ということで,優秀録音であるということは認めますが,好録音かというとちょっと違う,と思いました。

ジョシュア・ベルのヴァイオリンは以前別の曲で聴いたときに今ひとつ冴えない演奏だったのであまりよい印象を持っていなかったのですが,これを聴く限りかなり上手いと思いました。少し線は細いのですが,音がとても美しいです。
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ヒグドン:ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)(Violin)
ワシーリ・ペトレンコ(Vasily Petrenko)(Conductor)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Liverpool Philharmonic Orchestra)
Liverpool, Philharmonic Hall, 11/2008(Tchaikovsky), 5/2009(Higdon)
UCCG 1500(477 8777) (P)2010 Deutsche Grammophon GmbH, Hamburg (国内盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon

ジェニファー・ヒグドンはアメリカの人気女性作曲家で,ハーンがカーティス音楽院に在学していたときに20世紀音楽史を教わった先生でもあるということです。この曲の成功によって2010年にピュリッツァー賞を受賞したということです。そしてこの協奏曲はヒラリー・ハーンのために書かれたものです。

チャイコフスキーは,近年まで一般的だった省略や装飾のあるアウアー版ではなく,チャイコフスキーのオリジナル版での演奏ということです(私にはどこがどうオリジナルなのかはっきりわかりませんでしたが)。

ここではチャイコフスキーの方だけコメントしたいと思いますが...予想通りといえば予想通り。技巧は完璧,8割のがんばり度で余裕綽々に美しく仕上げる,これが彼女の個性というか流儀というか,この曲においてもその姿勢を貫いているようです。これはこれで一つのスタイルなんだと納得はしています。

しかし残念ながらやっぱりこの演奏にはワクワクしないのです。特に第一楽章。もっと推進力があって欲しい,スリリングであって欲しい,もっと技巧を誇示して欲しい,限界まで挑戦して欲しい...要は私がこの協奏曲の演奏に期待するところからことごとく外れているのです。また,唐突に加速したり突然シフトダウンしたり,テンポ設定にもついていけないところがあります。残念ですが今のところ好きになれません。

次に録音ですが,残響を抑え気味にすっきりと捉えたドイツ・グラモフォンらしい録音と言えるかもしれませんが,ダイナミックレンジが広すぎることと,ソロの音量が小さめで聴きづらく,これを好録音とは言いたくありません(なので三つ星にしました)。

この録音についてはまた別エントリで触れたいと思っています。(→取り上げました(こちら))

あと蛇足ですが,CDケースに入っている紙の裏面の写真にテールピースとブリッジあたりが写っていて,弦の末端部分が見えます(→写真)。この配色を見るとナイロンガットのドミナントを使っていると思われるのですが,どうでしょうか? 一流のプロもドミナントを使っているんだと思うとちょっとうれしくなります(私もドミナントを使っていますので)。

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