好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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ベッカー:ソナタと組曲
パルナッシ・ムジチ Parnassi Musici
詳細不明 (P)2000 cpo (輸入盤) ※Apple Musicで試聴
好録音度:★★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

秘曲の宝庫CPOレーベルから。Apple Musicでたまたま聴いたこのアルバムが演奏も録音も大変良かったので取り上げたいと思います。聴く限りはヴァイオリン2本(?)と通奏低音(チェロ,テオルボ,チェンバロ,オルガンなどでしょうか)のピリオド楽器アンサンブルです。作曲者のディートリヒ・ベッカー(Dietrich Becker, 1623年頃 - 1679年頃)はWikipediaによるとバロック音楽期のドイツのヴァイオリニスト・作曲家とのことです。

特に録音が気に入りました。優秀録音というわけでもありませんし,オーディオ品質が高いというわけでもないのですが(もちろん全く問題のないレベルです),聴いていて<全く>不満を感じない,ストレスを感じないという点で文句なしの五つ星の好録音です。

楽器音を邪魔する要素が全くなく,低域から高域までバランスが取れて自然であり,高域の伸び,音の透明感も申し分なく,美しい音色を堪能できます。距離感も適切です。ステージの立体感もそれなりに感じられますが,録音会場の響きはほとんどないので空間性はあまりありません(私としては全く問題ありません)。

これが好録音なの?と思われる方もおられるかもしれませんが,こういう何気ない普通の録音が良いのです。

このディスクはすでに廃盤になっているのか,入手困難ではありませんが,入手しづらい状況のようです。こういう音源が聴ける状況になったのは本当に有り難いことですね。ちなみにApple Musicで公開されている他のParnassi Musiciの録音を幾つか聴いてみましたが,その中で録音に関してはこれが一番良いように思いました。
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ブラームス:弦楽六重奏曲第1番作品18,第2番作品36
ルノー・カプソン(Violin),クリストフ・コンツ(Violin),ジェラール・コセ(Viola),マリー・シレム(Viola),ゴーティエ・カプソン(Cello),クレメンス・ハーゲン(Cello)
Live from Aix-en-Provence Easter Festival 2016
Warner Erato 9029588837 (P)(C)2017 Parlophone Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

弦楽四重奏にヴィオラとチェロが加わるだけでこんなにサウンドが変わるんですね。響きの重心が下がりとても厚くなります。そして名手が顔を揃えた演奏ということもあって,室内楽のアンサンブルの妙に加えて個々人の技で曲が映えます。さらにライヴということもあって情熱あふれる演奏が繰り広げられています。ブラームスの若々しい楽曲がこのような優れた演奏で聴けるのは本当にうれしいことです。

さて録音なのですが,音楽祭でのライヴ録音ですが,少し残響を伴っていますが,個々の奏者の楽器音を的確に捉えていてバランス良くまとまっています。私としてはもう少し生々しく,またすっきりと見通しよく録って欲しかったところなのですが,それでもまずまず良く録れている方だと思います。

タグ : [室内楽曲]

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シェーンベルク,ベルク,ウェーベルン編曲~J. シュトラウス:ワルツ名曲集
マンフレート・ライヒェルト指揮/バーデン=バーデン合奏団
1977年6月 バーデン=バーデン,南西ドイツ放送局,ハンス・ロスバウト・スタジオ
BVCD-38062(82876-63134-2) (P)1977 deutsche harmonia mundi / BMGファンハウス (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

念願のディスクが手に入りました! LPでは持っていたのですが,CDを買い損ねてしまい,思い出す毎に探していたのですが,ようやく某中古CDショップで未開封品が1,000円を切る値段で!。見つけたときはちょっと小躍りしてしまいました(^^;。やはり「南国のばら」が聴けるのがうれしい。

収録曲は下記の通りです。

皇帝円舞曲(シェーンベルク編曲)
南国のばら(シェーンベルク編曲)
酒,女,歌(ベルク編曲)
わたしの恋人(ウェーベルン編曲)

編成は,フルート,クラリネット,ヴァイオリン×2,ヴィオラ,チェロ,ピアノ,ハーモニウム,です。オーケストラで演奏されるシュトラウスの曲にはあまり興味がわかないのですが(なのでニューイヤーコンサートも観ていません),室内楽版となると話は別です。こういうのが好きなんです。

録音ですが,ちょっとわざとらしい残響を伴っているのが気になりますが,各々の楽器をしっかりと捉えているので印象はまずまずです。演出が過ぎるのか現実感,自然さはあまりありません。録音としてはあまり好みではありませんが,まあ許容範囲内ではあります。

Amazon.co.jpではプレミア価格になっていますね。こういうのはタワーレコードさんの出番だと思うのですが,ちょっとマイナー過ぎて無理ですかね。

タグ : [室内楽曲]

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet
録音:1960年3月、ニューヨーク、RCAビクター・スタ ジオ
好録音度:★★★★★
参考: Apple Music

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番ヘ短調作品95
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番ヘ長調作品135
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet
録音:1960年4&10月、ニューヨーク、RCAビクター・スタジオ《★世界初CD化》
好録音度:★★★★★
参考: Apple Music

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シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調D.810「死と乙女」
シューベルト:弦楽四重奏曲第12番ハ短調D.703「四重奏断章」
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet

録音:1959年2月、ニューヨーク、米国芸術文学アカデミー
好録音度:★★★★★
参考: Apple Music

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ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet
録音:1959年5月、ニューヨーク、 スタジオ”B”
好録音度:★★★★☆
参考: Apple Music

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ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第11番ハ長調作品61
ヴォルフ:イタリア風セレナード
ジュリアード四重奏団 Juilliard Quartet
録音:1959年5月、 ニューヨーク、スタジオ”B”《★世界初CD化》
好録音度:★★★★
参考: Apple Music

最初にお断りをしておきますが,拙ブログの以前からの読者様であれば「またか(^^;」と苦笑しながら読んでいただけると思うのですが,特に今回の録音評は「録り方,楽器音の捉え方」にフォーカスしたものであり,いわゆるオーディオ的クオリティの比率は低いとお考えください。

このリヴィング・ステレオのボックスシリーズは第3弾で,世界初CD化も多く含むそうです。上記のジュリアード四重奏団のディスクも2つが初CD化です。この中でベートーヴェンの第14番とシューベルトの死と乙女は,以前,TESTAMENTから発売されていたものを録音が素晴らしいということで紹介していました。

今回はApple Musicで試聴しました。CDと同じ音源かどうかは定かではありませんが,Apple Music上でのリリース日がいずれも2016年11月18日と,ディスクの発売日とほぼ同時期であることから同じ音源であろうと思われます。

この中ではやはりRCAビクター・スタジオで収録された1960年のベートーヴェンの2枚の録音が良いですね。第14番は音は痩せていて音色のバランスも崩れているものの,残響は皆無で適切な距離感で捉えられた楽器の生々しい質感が素晴らしく音楽がダイレクトに伝わってきます。好録音の良い見本です。第11番,第16番も録音の傾向は同じで,少し人工的な残響のまとわりつきが鬱陶しいものの,楽器音自体はシャープでキレがありこちらも演奏を存分に楽しむことが出来ます。

次に良いのが同じく1960年録音のシューベルトで,これも気になる残響は皆無と言って良く,極めてシャープでキレのよい録音です。音色のバランスはベートーヴェンよりも良いかもしれません。一方スタジオの録音現場の雰囲気,演奏者の存在感は希薄で,やや商品化された音づくりであり,これは善し悪しかなと思います。

ベートーヴェンの第14番とシューベルトの死と乙女はTESTAMENT盤に比べて今回のリマスターによって大幅に音質が改善され,音のヌケと解像感が良くなっています。特にシューベルトが格段に良くなっています。

ドビュッシー,ラヴェルとドヴォルザークは1959年の録音で,ベートーヴェン,シューベルトと比べるとクオリティ面でかなり落ちるため,基本的な録音の仕方は良いのですが,やはりだいぶ聴きづらくなってきます。これはちょっと惜しいですね。

とはいえ,ジュリアード四重奏団の録音がさらに良好な状態で復刻されたのは本当にうれしいことです。これはディスクで持っておきたいところですが,60枚組のセットなのでちょっと買うのをためらっています。分売してくれないですかね...

なおこの他のジュリアード四重奏団の演奏としては,エリオット・カーター,ウィリアム・シューマン,ベルク,ウェーベルンの作品のディスクが含まれています。

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Living Stereo - The Remastered Collector's Edition
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

で,最後にお決まりのいつもの愚痴です(^^;。それにしても,このRCAのリヴィング・ステレオやマーキュリーのリヴィング・プレゼンスなど,1960年前後という50年~60年も前にこれだけの素晴らしい録音をされていたというのが驚異的に思えてなりません。逆に,これらに比べて現代の録音はなんでこんなにつまらない,聴いていて全然面白くないのか,音楽の鼓動がまったく伝わってこないのか,腹立たしくなってきます。世界の多くの人々が名録音と認めるものがこれだけあるにもかかわらず,先人達の偉業から学ぶ気がまったくないとしか思えないです。残念なことです。
NPR Music Tiny Desk Concertからもう一つ。アタッカ・カルテットは2003年に結成されたアメリカの弦楽四重奏団で日本人ヴァイオリニストの徳永慶子さんが第2ヴァイオリンで参加されています。2011年から2016年の6年間でハイドンの弦楽四重奏曲全68曲を演奏するプロジェクト「The 68」などを行ってきたとのことです。

ここでの演奏曲目は下記の通りです。6:15くらいから始まるハイドンがなかなか素敵です。そのほかの曲は...(^^;

Adams: "Toot Nipple"
Adams: "Alligator Escalator"
Haydn: "String Quartet in D, Op. 76, No. 5 — I. Allegretto"
Ippolito: "Smoke Rings"



残響のない環境での録音ですが,これも私にとっては理想に近い好録音です。
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ボッケリーニ:弦楽四重奏曲集
アポーニー四重奏団 Apponyi Quartet
録音不明
232182 (P)2010 Ars Musici (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。1990年代前半の録音と思われます。アポーニー四重奏団は,フライブルク・バロック管弦楽団のトップ奏者で構成されているということです。第1ヴァイオリンはゴットフリート・フォン・デア・ゴルツが務めています。バロック楽器での演奏です。

ボッケリーニはたくさんの弦楽四重奏曲を残していますが,このディスクではその中から作品32-5,作品44-4,作品26-4,作品8-6,作品33-5が収録されています。ボッケリーニの弦楽四重奏曲はあまり聴く機会がありませんが,確かにハイドンやモーツァルトの作品に比べると魅力には負けているかもしれませんが,こうして良い演奏で聴くとなかなか楽しいものです。

そして録音なのですが,少し残響を伴っていますが,適切な距離感で直接音を主体にすっきりと綺麗に録っているのが好印象です。もう少し残響を抑えてくれた方が私としては良いのですが,多くの方にとってバランスの良い,不満のない録音ではないかと思います。室内楽の録音は,せめてこんな感じで録って欲しいですね。

アポーニー四重奏団はハイドンの作品33「ロシア四重奏曲」も録音しており,こちらも聴いてみようと思っています。
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カーネギー・ホール・リサイタル
五嶋みどり Midori (Violin)
ロバート・マクドナルド Robert McDonald (Piano)
1990年10月21日 ニューヨーク,カーネギー・ホール
SICC-2007 (P)(C)1991 Sony Music Entertainment (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

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ライヴ・アット・カーネギー・ホール
五嶋みどり Midori (Violin)
ロバート・マクドナルド Robert McDonald (Piano)
1990年10月21日 ニューヨーク,カーネギー・ホール
D4158 (P)(C)1991 Sony Music Entertainment (輸入盤) (*DVD)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

これももう説明の必要がない有名盤だと思います。五嶋みどりさんが19歳の誕生日を迎える数日前のリサイタルとのことです。DVDは発売当時に購入していましたがCDでは持っていなかったので,先日再発売盤が出たのを機会に購入することにしました。

収録曲は以下の通りで,DVDの方が収録曲が多いです。

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第25番ト長調K.301 (*DVDのみ)
R. シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調作品18
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調作品30-3
エルンスト:練習曲第6番「夏の名残りのばら」
ショパン:ノクターン第20番嬰ハ短調遺作
ラヴェル:ツィガーヌ
ドビュッシー:美しい夕暮れ
サラサーテ:スペイン舞曲集よりサパテアード (*DVDのみ)

この中ではエルンストの夏の名残のばらが大好きで何度も何度も鑑賞しました。この曲の他の奏者の演奏を幾つか聴いてみたことはありますが,テクニックが追いついていなかったり,テクニックの誇示に走りすぎたりしていて,この演奏のように完璧なテクニックを音楽表現に余すところなく活かした演奏は他になく,私にとってのベストの座は揺らぎませんでした。映像で観ることが出来るのもうれしいですね。

CDには収められていないアンコールのサパテアードも楽しい演奏なのですが,これは映像がないと楽しさ半減かもしれません。それもあって割愛されたのかもしれないですね。

さて録音なのですが,残念ながらこれがあまり良くありません。残響はそれほど多くはないのですが,やや明瞭感に乏しく,高域の伸び感も今ひとつで冴えないのです。そんなに悪くはないのですが,もう少し質感豊か伸びのある音で録って欲しかったですね。再発売盤で音質改善がされているかと期待したのですが,改善はされていないようでした。残念です。

エルンストの夏の名残のばらの映像がYouTubeにありましたので,未聴の方はぜひこの素晴らしい演奏に触れていただければと思います。

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J. シュトラウスII世:ワルツ集(室内楽編曲版),他
ボストン・シンフォニー・チェンバー・プレイヤーズ
録音データ不明 Apple Musicで試聴
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicTower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

アルバン・ベルク四重奏団のワルツ&ポルカ集を探している中で見つけたディスク。新ウィーン楽派3人の室内楽編曲版4曲が含まれます。「南国のばら」が収録されているのがうれしい。収録曲は下記の通りです。

J. シュトラウスII世:皇帝円舞曲作品437(シェーンベルク編曲)
J. シュトラウスII世:南国のばら作品388(シェーンベルク編曲)
J. シュトラウスII世:酒・女・歌作品333(アルバン・ベルク編曲)
J. シュトラウスII世:宝石のワルツ作品418(ウェーベルン編曲)
ストラヴィンスキー:管楽のための八重奏曲
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンと管楽五重奏のためのパストラーレ
ストラヴィンスキー:11の器楽のためのラグタイム
ストラヴィンスキー:12の器楽のためのコンチェルティーノ

なんでまたストラヴィンスキーとのカップリングなんだ?というところが不思議ですね。アメリカのオーケストラのメンバーによるワルツということでどうかなとは思いましたが,なんのなんの,優美で洒落た感じではありませんが,元気で活気のある楽しい演奏でした。ストラヴィンスキーは...未聴です(^^。

録音ですが,個々の楽器を明瞭に捉えた録音なのですが,残響も少し多めにあってやや楽器音に被り気味で音色が少し損なわれ,個々の楽器の質感が感じられそうで感じられないもどかさがあります。サロン的な雰囲気があるようで実はないところが少し半端な感じがします。また少し歪みっぽい感じがするのも良くないところです(Apple Musicだからというわけではないと思うのですが)。惜しいと思います。

これもおそらく廃盤で現役盤がないのではないかと思います。こういうのがカタログから消えていってしまうのは仕方ないとは思いますが残念ですね。Apple Musicで聴けるのが救いです。

室内楽編曲版では,リノス・アンサンブルの演奏が現役盤として入手できることがわかりました(→Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon)。機会があれば聴いてみたいと思います。

タグ : [室内楽曲]

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シュトラウス&ランナー:ワルツ&ポルカ集
アルバン・ベルク四重奏団 Alban Berg Quartet
1992年6月 ウィーン・コンツェルトハウス
TOCE-9872 (P)1994 EMI Records (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp

ヨハン・シュトラウスI世,II世,ヨーゼフ・ランナーのワルツとポルカの室内楽版で,アルバン・ベルク四重奏団が中心となり,曲によってコントラバス,ハルモニウム,ピアノ,フルート,クラリネットが加わります。収録曲は以下の通りです。

J. ランナー:「マリア」ワルツ作品143
J. ランナー:シュタイアー風舞曲作品165
J. シュトラウスI世:ワルツ「ウィーン情緒」作品116
J. シュトラウスI世:アンネン・ポルカ作品137
J. ランナー:ワルツ「求婚者」作品103
J. シュトラウスI世:ポルカ「アイゼレトバイゼレージャンプ」作品202(ウェインマン編曲)
J. シュトラウスII世:宝石のワルツ作品418(ウェーベルン編曲)
J. シュトラウスII世:ワルツ「酒・女・歌」作品333(アルバン・ベルク編曲)
J. シュトラウスII世:皇帝円舞曲作品437(シェーンベルク編曲)

最後には新ウィーン楽派の3人の編曲が含まれています。学生の頃,バーデン=バーデン合奏団の演奏する新ウィーン楽派3人の編曲による室内楽版のLPを持っていて愛聴していたのですが(CDももしかしたら買っていたのかもしれないのだけど見つからない...),それを聴きたくてとある中古CDショップで探していたところ見つけたのがこのディスクでした。

バーデン=バーデン合奏団の演奏とはちょっと違う印象なのですが,それでもこれを聴いていると,熱心に聴いていた学生の頃を思い出します。こちらには「南国のばら」が入っていないのが少し残念でした。

録音ですが,残響を少し多めに取り入れた演出がかった録音で,残響で楽器の音色が少しくすみ,明瞭感は少し落ちるものの,室内楽の録音としてはまあ十分許容範囲に入ります。残響が許せる方なら問題ないかもしれません。私としてはもちろんもう少し残響を抑えてすっきりと録って欲しかったとは思います。

このディスク,とっくに廃盤になっているのですが,Webで探してもほとんど情報が出てきません。再発売等されているのかどうか不明です。アルバン・ベルク四重奏団の録音としてはキワモノ扱いなんですかね。私はこういうのも良いと思うのですが。もったいないと思います。
時々紹介しているNPR Music Tiny Desk Concertですが,これにジョシュア・ベルが出演していました。このコンサートの録音は,以前“「録音」に望むこと ~ 最近の無伴奏ヴァイオリン/無伴奏チェロを聴いて”というエントリで述べさせていただいたように私にとってかなり理想に近い「好録音」のものが多いのです。そのエントリで紹介させていただいたヒラリー・ハーンの動画がその最たるものです。

このジョシュア・ベルの動画も理想に近い好録音です。こういうコンサートを聴いてみたいものです。

Brahms: Violin Sonata No. 3, IV. Presto agitato
Schumann: Romance, Op. 94, No. 2
Brahms (arr. Joachim): Hungarian Dance No. 1

タグ : [YouTube]

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RE:IMAGINED (チェロと弦楽四重奏による演奏)
シューマン:チェロ協奏曲イ短調作品129
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調作品47「クロイツェル」
ズイル・ベイリー Zuill Bailey (Cello)/イン四重奏団 Ying Quartet
2014年10月12-16日 ヴァージニア州ボイス,ソノ・ルミナス・スタジオ
DSO-92204 (P)(C)2016 Sono Luminus (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon

シューマンは演奏者自身による編曲,ベートーヴェンは編曲者不詳とのことです。シューマンのチェロ協奏曲はほとんど聴いたことがないのでコメントできないのですが,協奏曲と室内楽の折衷という感じですね。どちらかといえば協奏曲的かなと思います。一方ベートーヴェンのクロイツェル・ソナタは,ヴァイオリン・パートをチェロで,ピアノを弦楽四重奏で,といった単純な編曲ではないようなので,原曲よりもずっと室内楽的な印象が強く新鮮です。どちらもそれぞれに特徴があって楽しめました。勢いのある覇気に満ちた演奏も良いですね。

そして録音なのですが,残響を抑え,オンマイクでそれぞれの楽器を極めて明瞭に捉えています。やや質感が強く濃すぎるとさえ思えますが,楽器の響きだけを純粋にタイトに捉えた録音は痛快です。ちょっとやり過ぎ感はあり,がちゃがちゃとうるさい面はありますが,間違いなく好録音です。こういう録音好きです。
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フンパーディンク:弦楽四重奏曲,他
ディオゲネス四重奏団 Diogenes Quartett
Grünwald, August-Everding-Saal, December 19-21, 2007
cpo 777 547-2 (P)2012 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon(MP3)HMV OnlineiconApple Music

マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第13弾!!です(^^;。Apple Musicでの試聴です。やはりこれも秘曲の宝庫(^^;,cpoレーベルのディスクです。

エンゲルベルト・フンパーディンク(Engelbert Humperdinck, 1854-1921年)はドイツ後期ロマン派の作曲家で,作品としてはオペラの「ヘンゼルとグレーテル」が有名ですね(聴いたことはありませんが...)。このディスクでは以下の曲を収録しています。

弦楽四重奏曲ハ長調
ピアノ五重奏曲ト長調
ピアノ五重奏によるメヌエット 変ホ長調
弦楽四重奏の楽章 ホ短調
弦楽四重奏の楽章 ハ短調
ヴァイオリンと弦楽四重奏のためのノットゥルノ ト長調

フンパーディンクのこれらの作品が一般にどのくらい演奏されているのか全く知らないのですが,古今の名曲には及ばないにせよ,なかなかに意欲的でユニークな作品だと思います。ここ数年で,こういうマイナーな作品に触れられる機会が劇的に増えました。本当に有り難い世の中になったものです。感謝。

録音ですが,残響感はあるものの,各楽器をそこそこ明瞭に,そして適度な距離感ですっきりと捉えていて好感が持てます。特に優れたところがあるわけではないですし,どちらかといえば地味な録音ですが,音楽を阻害する要素がほとんどない,欠点の少ない録音と言えると思います。こういう衒いのない素直な録音が良いのです。欲を言えばもう少し響きを抑え,もう一歩寄って質感を強めに出してくれればなお良かったと思います。少しオマケですが四つ星半です。
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フェスカ:弦楽四重奏曲全集 第1集
ディオゲネス四重奏団 Diogenes Quartett
Bayerischer Rundfunk, Studio 2, October 18-20, 2007, June 3-5, 2009, July 7-9, 2010
cpo 777 482-2 (P)2013 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第12弾!!です(^^;。Apple Musicでの試聴です。秘曲の宝庫(^^;,cpoレーベルのディスクです。

フリードリヒ・エルンスト・フェスカ(Friedrich Ernst Fesca 1789-1826年)は,ドイツのヴァイオリニスト,作曲家。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のヴァイオリン奏者であり,ソロ・ヴァイオリニストとしても名を馳せていたようです。作曲家としては弦楽四重奏等の室内楽曲に優れた作品を残したほか,交響曲も3曲残しているようです(以上,Wikipediaより)。作品は古典的でメロディーラインが美しい佳作揃いのように思いました。マイナーですが,もう少し聴かれても良いのではないかと思いました。クロイツェル四重奏団の演奏も,技術的にも上手いですし,アンサンブルも問題なく,このマイナーな楽曲を楽しむに全く不足のないパフォーマンスを発揮しています。

録音ですが,やや残響を伴っていて音色に影響が多少あり,少し演出感もあるものの,各楽器は明瞭で質感も豊かであり,音に伸びもあります。弦楽四重奏の録音として標準的であり,欠点が少なく良くまとまっていると思います。個人的にはもう少しすっきりとした音で録って欲しかったと思いますが,十分に良好です。少々オマケですが四つ星半です。

本ディスクは3枚組で,第1番,第2番,第3番,第7番,第8番,第9番,第13番,第14番が収録されています。第1集とのことですが,続編はまだリリースされていないようです。これも頓挫したのでしょうか...これは完結して欲しいところです。

ディオゲネス四重奏団の公式Webサイトがあります。ディスコグラフィを見ると,先日取り上げたブルッフの弦楽四重奏曲集のほか,シューベルトの弦楽四重奏曲全集もあるようです。また,他にもマイナーな四重奏曲を録音しているようですので,それらもいずれ聴いてみたいところです。
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ライヒャ:弦楽四重奏曲全集 第1集
クロイツェル四重奏団 Kreutzer Quartet
TOCC 0022 (P)(C)2013 Toccata Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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ライヒャ:弦楽四重奏曲全集 第2集
クロイツェル四重奏団 Kreutzer Quartet
TOCC 0040 (P)(C)2014 Toccata Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第11弾!!です(^^;。Apple Musicでの試聴です。

アントン・ライヒャ Anton Reicha 1770-1836年(アントニーン・レイハ Antonín Rejcha)という作曲家は私は全く知らないに等しいのですが,チェコ出身の作曲家で,パリ音楽院の作曲家の教授として,リスト,ベルリオーズ,グノー,フランクらを育てたとのことです。また,ベートーヴェンとは同年生まれで,友人であったとのことです(以上,Wikipediaより。辛うじて,木管の人が木管アンサンブルで演奏されていたのを聴いたことがあるくらいでした。

曲は明快で素朴で楽しいものばかりです。まあマイナーというのもわかる気がしますけどね...たまにこういう構えず気楽に聴ける音楽で気分をリフレッシュするのも良いかなと思います。

録音ですが,残響はほとんどなく,それぞれの楽器を明瞭に捉えているので好印象です。演出感がないのも良い点です。残響はないのですが,わずかに部屋の響きが感じられ,音色に少し癖があるのと,やや暑苦しい音響になっており,もう少しすっきりとした伸びのある録音であれば良かったと思います。

この2枚のディスクで作品48のNo.1-3と作品49のNo.1の4曲が収録されています。ライヒャの弦楽四重奏曲がどのくらい残されているのかわからないのですが,少なくとも作品49はNo.2以降があるでしょうから全集は完結していないと思われます。ただ,第2集以降のリリースが続いていないので,このシリーズは頓挫してしまったのかもしれません...
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フィンジ:室内楽作品集
ケルン・カンマーゾリステン Kólner Kammersolisten
18.09. & 18.-19.10.2015 Konzerthaus der Abtei Marienmünster
MDG 903 1894-6 (P)(C)2015 MDG (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

“INTROIT(入祭唱~フィンジの音楽)”で興味を持ったフィンジ。室内楽作品集を見つけたので聴いてみました。収録曲は次の通り。

・クラリネットと弦楽四重奏のための5つのバガテル
・ヴァイオリンとピアノのためのエレジー
・弦楽四重奏のためのロマンス
・ディアベリーズ
・ヴァイオリンとピアノのための聖歌
・オーボエと弦楽四重奏のための間奏曲
・弦楽三重奏のための前奏曲とフーガ

編成はいろいろです。ディアベリーズはヴォーン・ウィリアムズが作った主題に8人の作曲家が変奏を担当した曲とのことで,フィンジは第6変奏を作曲しています。ノスタルジックでもの悲しげな曲が多いのですが,途中で高揚していく曲,ちょっと現代的な響きのする曲などもありました。期待通りの作品集でフィンジの独特の世界を堪能できました。

録音ですが,残響はそれほどないものの,やや演出がかった録り方をしていて,少し生々しさが欲しかったとは思うのですが,フィンジの世界をうまく演出する録音とも言えるかもしれません。美しく雰囲気のある録音です。私の好きな録音とは異なりますが,室内楽の録音としてまあ良いのではないかと思います。

タグ : [室内楽曲]

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ブルッフ:弦楽四重奏曲集
ディオゲネス四重奏団 Diogenes Quartett
9-11 April 2014, 17-18 February 2015 Himmelfahrtskirche, München-Sendling, Germany
95058 (P)(C)2016 Brilliant Classics (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第10弾!!です(^^;。収録曲は,Op.Posth,Op.9, Op.10で,Op.Posth(作曲家の死後に出版された作品)は世界初録音とのことです。ブルッフはほとんどヴァイオリン協奏曲第1番しか聴かないので,弦楽四重奏曲があることすら全く知りませんでした。緩徐楽章の旋律の美しさには思わず聴き惚れてしまいますし,Op.10の第1楽章など格好良くてテンションが上がります。ほとんど聴かれることのないマイナーな曲だと思いますが,もう少し評価されても良いのではないでしょうか。

さて録音ですが,少し残響はあるものの,直接音とのバランスは取れていて,そこそこ明瞭感があり,音色も自然,楽器の分離も良く,質感も感じ取ることが出来る良好な録音と言えると思います。少し地味な感じのする録音ですが,弦楽四重奏曲の録音として欠点が少ないと思います。

ディオゲネス四重奏団は2000年頃から活躍しているドイツの弦楽四重奏団とのことです。他に,シューベルトの弦楽四重奏曲全集(→HMV Onlineicon)などの録音もあるようです。
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ユリウス・レントヘン:ヴァイオリンとピアノのための作品集 第1集
クリストフ・シッケダンツ Christoph Schickedanz (Violin)
エルンスト・ブライテンバッハ Ernst Breidenbach (Piano)
Deutschlandfunk Kammermusiksaal, March 23-26, 2011
cpo 777 768-2 (P)2015 Deutschlandradio (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

秘曲の宝庫cpoレーベルから。以前に「ユリウス・レントヘンの協奏曲を聴く」ということで,ヴァイオリン協奏曲,チェロ協奏曲,ピアノ協奏曲のディスクを紹介しました。今回はヴァイオリン作品集で,以下の作品を収録しています。

1. ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op.40
2. 幻想曲 Op.24
3. ヴァイオリン・ソナタ「トリロジカ」
4. 7つの演奏会用小品 Op.89

やはりコテコテのロマン派なんですかね。親しみやすく聴きやすい楽想の曲ばかりですが,ちょっと胸焼けしそうです(^^;。演奏も気合いがひしひしと伝わってくる迫真の力強いもので聴き応え十分です。

録音ですが,少しオフマイクで残響を多めに取り入れていますが,過剰な感じはなく,ちょうど良いバランスで録られていると思います。ヴァイオリンとピアノの録音として標準的な印象です。私としてはもっと残響を抑えてクリアーに録って欲しいと思いますが,まあぎりぎり許容範囲というところでしょうか。
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ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
ベルク:抒情組曲
ウェーベルン:弦楽四重奏のための「緩徐楽章」
セシリア弦楽四重奏団 Cecilia String Quartet
2012年12月
Analekta AN29984 (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴。当ブログの読者の方から「ホール残響と楽器の関係が個人的に好み」ということでご紹介いただいたものです。有り難うございます。以下,簡単ですが,録音についての私の感想を述べさせていただきます。

録音会場の響きが少しありますが,残響としては残響時間も短く控えめで,それぞれの楽器音自体は明瞭ですし,確かに直接音と残響音とのバランスも悪くないと思います。。ニュアンスも豊かであり,質感も十分に感じられますので,弦楽四重奏の録音としてなかなか良いと思います。一点だけ難点があるとすれば直接音に対して比較的初期の反射音が被っているのか,楽器音にわずかな濁りが感じられることで,クリアさがわずかに失われて抜けるような透明感が感じられないことで,そこが私にはちょっと中途半端に思うところです。

あくまで響きの被りによる濁りが嫌いな私の感想なので,それが気にならない方には良好な録音と言えると思います。

いずれの曲も普段あまり聴きませんので,貴重な機会を与えてくださいました。ご紹介をくださった読者様に改めて感謝申し上げます。
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エレニ・カラインドルー:トロイアの女たち
UCCE-2017 (ECM 1810) (P)(C)2002 ECM Records (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpTower RecordsHMV Onlineicon

当ブログの「クラシックの録音における残響の問題について」のエントリーのコメントでご紹介いただいたディスクです。

映画音楽などを手がけてきたエレニ・カラインドルーが,古代ギリシャのエウリピデス作の悲劇「トロイアの女たち」の新演出版用に作曲した舞台音楽とのことです。ギリシャや地中海の民族楽器が使用され,女声コーラスも入ります。エスニックでもの悲しい雰囲気の音楽です。

さて録音なのですが,この録音自体が「舞台音楽」という芸術作品として制作されているように思いました。まるで映画音楽のように演出され,その音響効果によって演劇の心理描写を強力にサポートしてるかのようです。それぞれの楽器は極めてクリアなのですが,(人工的に?)アンビエント効果が大きく付加されています。その録音会場の雰囲気を再現するのではなく,その演劇への心理的没入感を増すための演出のように思いました。

クラシック音楽の録音としてこのような演出はしないと思いますが,録音自体のクオリティは非常に高く,また,アンビエント,残響を含めたトータルの芸術的音作りが素晴らしいと思いました。このような音響を体験する貴重な機会をいただきました。ご紹介くださった方に感謝いたします。

なお,このディスク自体は残念ながらすでに廃盤で入手しづらいようです。
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イタリア四重奏団 デッカ,フィリップス & DG録音全集 (37 CD)
Quartetto Italiano Complete Decca, Philips & DG Recordings
478 8824 (P)(C)2015 Decca Music Group Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★☆~★★★(CD1-6),★★★★~★★★★☆(CD7-37)
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

1945年の結成から1980年までの活動期間中にフィリップスとデッカに録音されたものが集められています。曲目等はは上記に挙げた参考URLをご覧いただきたい。モーツァルトとベートーヴェンの全集は持っていたのですが,いくつか聴いてみたい初CD化のディスクもあったので入手しました。

CD1から6までは1952年までに録音されたモノラル音源で,アナログディスクからの板起こし音源も含まれていると思います。これらの音質は残念ながらあまり良くありません。CD7以降は1960,70年代のステレオ録音で,まだ斜め聴きですが,ばらつきはあるものの概して音質は★★★★レベル,いくつかは★★★★☆を付けられる好良好でした(1965年から1970年くらいの録音が良いように思いました)。

聴いた中で特に良かったのは,普段聴く機会のないボッケリーニ(CD18)と,充実した演奏で録音も良かったドヴォルザーク第12番「アメリカ」とボロディン第2番でしょうか。それにしてもこれだけ水準の高いスタンダードな演奏がまとめて聴けるのは本当にうれしいことです。まだあまり聴けていないディスクを少しずつじっくり聴いていきたいと思います。楽しみです。
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ボロディン:弦楽四重奏曲第2番ニ長調
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調「我が生涯より」
ストリングカルテット 響 String Quartet Hibiki
Recorded at Salamanca Hall, Gifu Japan, 10, 11, August 2015
OTTAVA records OTVA-0008 (P)(C)2015 MI7 Japan Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicone-onkyo

ストリングカルテット響は,2004年,桐朋学園大学の卒業生で結成された弦楽四重奏団。メンバーは大宮臨太郎(Vn),宇根京子(Vn),亀井綾乃(Va),長瀬夏嵐(Vc)で,ヴァイオリンは曲によって第1と第2が入れ替わるようです。

最近は日本人の弦楽四重奏団の録音を耳にする機会が増えてきたのは本当にうれしいことです。これもそんな演奏の一つですね。とても良く歌う演奏で,その節回し,旋律と伴奏,掛け合いのバランスも定石通り,アンサンブルもきっちりとしています。この演奏水準の高さと生真面目さには思わず笑みがこぼれてしまいます。世界的に評価される演奏なのかどうかはわかりませんが,少なくとも日本人による日本人らしい完成度の高い演奏として私は誇りたいと思いますね。個々の奏者の音色に魅力が加わればもっと良くなると思います。さらに磨きをかけ,これからも素晴らしい演奏を聴かせて欲しいと思います。

録音ですが,それぞれの奏者の音色,楽器の質感を濃いめに捉えてはいるものの,響きが被ってややくすみ気味です。オーディオ品質は優秀だと思いますが,もう少しクリアにすっきりと録って欲しかったところです。惜しい録音です。
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シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821
フランク:チェロ・ソナタ イ長調
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
タチアナ・ヴァシリエヴァ Tatjana Vassiljeva (Cello)
パスカル・ゴダール Pascal Godart (Piano)
2003年12月 パリ
4761279 (P)2004 Accord (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。

ハイドンのチェロ協奏曲の上品で美しい音色の演奏が良かったヴァシリエヴァが2003年に録音していたアルバム。フランクはヴァイオリン・ソナタの編曲です。やはりここでも持ち前の美音を活かした清楚な演奏を聴かせてくれます。演奏もさることながら,音色自体に魅力があるというのは素晴らしいことだと再認識をさせてくれますね。

録音ですが,残響を控えめに,ヴァシリエヴァの美しい音色を色づけなく明瞭に,綺麗に,質感豊かに録っています。距離感も適切でごく自然なところが好ましいです。残響に邪魔されずチェロの音色を堪能できるのがうれしいですね。地味ですが好録音です。
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スメタナ:弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」
タカーチ四重奏団 Takács Quartet
2014年8月16-20日 モンマス,ワイアストン・エステイト
CDA67997 (P)(C)2015 Hyperion Records Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

すっ,すごいハイテンションでダイナミックな演奏。聴き終えた時にはどっと疲れが押し寄せます。曲が曲だけに,聴く方にもそれなりの覚悟が必要(^^;。彼らはどんな曲の演奏も手抜きなし,遊びなし,常に真剣勝負。それがモロに音に現れ聴き手にビンビン伝わってきますね。非の打ち所のない完成度の高さ,世界最高峰の弦楽四重奏団と呼ばれるだけあります。

録音ですが,残響は多めですが,直接音比率が高いためクリアで音の伸びもあり好印象です。解像感も高く,楽器の質感も良く伝わってきます。やや濃いめの音の捉え方で情報量が多いのも特筆できます。聴き疲れする要因の一つかもしれませんが。好録音です。
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パガニーニ:ヴァイオリンとギターの音楽第1集
ジエルジ・テレベジ György Terebesi (Violin)
ソーニャ・プルンバウアー Sonja Prunnbauer (Guitar)
1973~74年頃の録音
WPCS-12552 (P)1974 (C)2002 Warner Music Japan (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
いつも参考にさせていただいている音工房Zのメールマガジンで優秀録音として紹介されていたディスクです。パガニーニというと超絶技巧を駆使した曲というイメージがあるのですが,ここに収録されているヴァイオリンとギターの曲は「貴族や上流階級のサロン用に作曲された」ということで,技巧を凝らした曲ではなく甘美な旋律を朗々と歌うものが中心となり,ギターは伴奏が主体です。内容的には少々食い足りなさを感じるものの,気軽には楽しめますね。

さて肝心の録音なのですが,ヴァイオリンの音は若干の残響を伴いつつも直接音が主体で極めて明瞭であり,音色も自然,音の伸びも申し分ありません。ギターも同様ですが,残響による音色の変化はヴァイオリンよりも気になりません。ヴァイオリンもギターも楽器の魅力を存分に伝えてくれます。確かに優秀録音ですね。私としては残響によるわずかな音色変化がやっぱり気になりますが,でもとても気持ちよく楽しめます。

なお本ディスクは「ワーナークラシックス名盤SACD」としてSACDハイブリッドで復刻されたものということです。ワーナーの直販サイトではすでに購入不可となっているので,流通在庫のみかもしれません。(→10/3現在,Amazon.co.jpだけはどんどん入荷していますね...)

P.S. 私もつい最近Amazon.co.jpで購入したのですが,今見ると700円以上安くなっている...ちょっとショック(涙)...
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ツェルニー:弦楽四重奏曲集
シェリダン・アンサンブル Sheridan Ensemble
Bremen, Sendesaal, 03-16. 10. 2012, Berlin, Simemensvilla, 11-13. 02. 2011
C5234 (P)(C)2015 Capriccio (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第9弾です(^^;。カール・ツェルニー(1791-1857)はオーストリアのピアノ教師,ピアニスト,作曲家で,ベートーヴェンの弟子であり,1000曲以上作曲した多作家。現在では特にピアノ練習曲を多く残した作曲家として有名ではないでしょうか。弦楽四重奏曲も20曲ほど残しているとのことですが,録音はほとんどなく忘れ去られています。

ここではそのうちの4曲が収録されています。ベートーヴェンの弟子というだけあって曲は古典的ながら緻密に構成され,いずれも親しみやすく,かつ,聴き応えのある堂々としたものです。ただ,弦楽四重奏という定型に綺麗に収まりすぎている感があり,心に残る特徴,個性に乏しいのが埋もれてしまった理由なのでしょう。

演奏は極めて意欲的で,このマイナーな曲を盛り上げようといろいろと工夫されているのがわかって楽しく聴くことが出来ました。技術的にも上手いです。

録音ですが,残響は多めですが,直接音主体で捉えられているため楽器音が明瞭かつニュアンス豊かでまずまず良好です。弦楽四重奏の録音としては標準的で悪くないと思います。もう少し演出色が薄かったらなお良かったのですが。
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イベリカ
アンヌ・ガスティネル(チェロ),パブロ・マルケス(ギター)
2009年4月録音
Naïve V5182 (輸入盤) ※Apple Musicでの試聴
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store
先日このディスクの感想のリクエストをいただきました。Apple Musicでの試聴であることをご了承ください。

アンヌ・ガスティネルはフランスのチェリスト。ここではファリャ,カサド,グラナドスというスペインの作曲家の音楽をギターとのデュオで演奏しています(ギター独奏も含まれています)。ギターとのデュオというのがこのスペイン音楽にベストマッチです。薫り高く情熱的なガスティネルのチェロを,熱いギターがさらに煽ります。ダイナミックレンジの広い,ニュアンスの豊かな,そして官能的な表情に魅了されます。ハイトーンが多く熱い演奏なのに,この安定感と余裕の表現力,ものすごい技術力です。紛れもないチェロの演奏なのに,チェロであることを忘れて聴き入ってしまいますね。

さて録音なのですが,響きを多めに取り入れ,響きによる雰囲気を重視しているのか,ギターもチェロも少しベールがかかったような演出感があり,ボディ感たっぷりの録音にも関わらず,私としては手が届きそうで届かないもどかしさを感じてしまいます。もう少し近いイメージで楽器の生の質感を大切に録ってくれるとなお良かったのですが。

普段スペイン音楽を聴かない私にとってこのような魅力的なチェロの音楽を聴く機会をくださった読者の方に感謝します。ガスティネルのバッハの録音は以前レビューしたのですが,今改めて聴くとまた違う印象かもしれません。ディスクを発掘できたら再レビューしたいと思います。
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フィビヒ:弦楽四重奏曲第1番,第2番,他
パノハ四重奏団 Panocha Quartet
2001年発売
Supraphon SU34702 ※Apple Musicで試聴
好録音度:★★★★
参考: iTunes StoreTower RecordsAmazon.co.jp
マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第8弾です(^^;。Apple Musicでの試聴です。

ズデニェク・フィビヒ(Zdeněk Fibich 1850-1900)(Wikipediaでは「フィビフ」と表記)はチェコの作曲家で,スメタナ,ドヴォルザークとともにチェコ国民楽派の草創期を築いた作曲家とのことです。恥ずかしながらこの弦楽四重奏曲を聴くまで全くその存在すら意識にありませんでした。

この弦楽四重奏曲,美しく親しみやすい旋律に溢れています。民族的な色合いはドヴォルザークに比べると薄いように思います。土臭くないためにかえって存在感が薄くなってしまっているのかもしれません。再評価されても良いのではと思います。

録音は残響が少し多めですが,楽器音もしっかりと捉えているため聴きやすい音質にまとめられています。残響のまとわりつきが気になるものの,印象はそんなに悪くありません。少し演出っぽい音作りとは思いますが。これならまずまず録音を気にせずに音楽を楽しむことが出来ます。残響を入れるなら,せめてこんな風に録って欲しいですね。スプラフォンらしい録音と言えると思います。

このディスクはAmazon.co.jpでプレミア価格が付いていることを見ると,すでに入手が難しいと思われます。Apple Musicでこうやって聴けるのは本当に有り難いことです。そしてこうやって聴くことで演奏者やレーベルに適正に還元されていくことを期待したいですね。

Apple MusicはAAC 256kbps相当のストリーミングとのことで,クラシックを聴くには少々心許ないクオリティですが,実際のところそんなに音質が劣るという印象はありませんでした。それよりもこうやって貴重な音源に触れることが出来るようになったメリットの方がはるかに大きいと感じています。もちろんもっと高音質化できるならして欲しいですけどね。
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エルガー:弦楽四重奏曲 作品83
ウォルトン:弦楽四重奏曲 イ短調
ガブリエリ弦楽四重奏団 Gabrieli String Quartet
The Maltings, Snape on February 14 & 15 1986
CHAN 8474 (P)(C)1986 Chandos Records (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpiTunes Store
マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第7弾です(^^;。エルガーにしろウォルトンにしろ,マイナーといってもディスクを探すと結構いろんな録音があります。しかし,メジャーな弦楽四重奏団は取り上げていませんね。ウォルトンは今ひとつ掴み所がないのですが,エルガーはいい曲だと思うのですがね。私はよく聴きます。

ガブリエリ弦楽四重奏団の演奏は紳士的な気品のある雰囲気が良いのですが,少し穏やかすぎるというか,もう少し鋭角的で推進力があればなぁと思いました。曲に対する愛情はとても感じられますね。

録音はやや残響多めで明瞭感が少し落ち,音色にも影響していて少し冴えないのですが,室内楽の録音としてはまあ標準的な範囲でしょうか。もう少しヌケの良さが欲しいところです。

このディスクはもう古いので現役盤ではないようです。エルガーはもう少し満足のいく演奏を探してみようかなと気になってきました(^^;。
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ケルビーニ:弦楽四重奏曲集
メロス四重奏団 Melos Quartet
1973(Nos. 1 & 2), 1974(Nos. 3 & 5), 1975(Nos. 4 & 6) Liederhalle, Mozartsaal, Stuttgart
Brilliant Classics 93891 (P)1976 Deutsche Grammophon (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store
マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第6弾です(^^;。ルイジ・ケルビーニ(1960-1842)はイタリア出身のフランスの作曲家。弦楽四重奏曲はこのディスクに収録されている6曲を作曲しています。作曲時期は,第1番(1814),第2番(1829),第3番(1834),第4番/第5番(1835),第6番(1837)で,ベートーヴェンでいうと後期から没後の時期になります(ちなみにベートーヴェンより早く生まれ,遅く亡くなっていますね)。曲は何というか,かなり大げさに言うとクァルテット漫才というか吉本新喜劇のコテコテ感というか,それちょっとあんたウケを狙ってるでしょう!というようなところが満載です(あくまで個人の感想です(^^;)。もちろん真っ当で良くできた曲ばかりなのですが,ノリが軽くて... マイナーな理由が何となくわかります。

そして,このメロス四重奏団の大真面目でめっちゃハイテンションな演奏がこの楽しい音楽を大いに盛り上げてくれます。どの曲も終楽章はニヤニヤしっぱなしになってしまいます(^^。ちょっとクセになりそう...

録音ですが,数年にわたって録音されているせいか少しばらつきはありますが,やや残響感が気になるものの,メロス四重奏団のドイツ・グラモフォンらしい明瞭感のある録音で基本的には好きなパターンなのですが,やや音質が痩せているというか,すこし音色のバランスが崩れている気がします。悪くはないのですが,惜しい録音です。
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ラフ:弦楽四重奏曲第2番,第3番,第4番,第8番
マンハイム弦楽四重奏団 Mannheimer Streichquartett
Hans-Rosbaud-Stdudio Baden-Baden, SWR, June 4-6 2007, Nov. 28-30 2006
777 004-2 (P)2015 cpo (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconiTunes Store
マイナーな弦楽四重奏曲を聴くシリーズ第5弾です(^^;。ヨアヒム・ラフ(Joachim Raff 1822-1882)はスイスの作曲家。Wikipedaによると,長い間忘れられた作曲家であったが,近年再評価の機運が高まっているということで,複数のレーベルから交響曲全集(11曲ある)が発売されているとのことです。弦楽四重奏曲は第8番まであるようで,そのうちの4曲を収録しています。ロマン派の作風で,重厚な響きの凝った作品で,私にはブラームスの弦楽四重奏のような取っつきにくさをこれらに感じてしまうのですが(ブラームスほど渋くはありませんが),聴き慣れればそうでもないかもしれません。確かにもう少し聴かれても良い作品だとは思います。再評価でもっといろいろな演奏が出ることを期待したいです。

さて録音ですが,やや残響感は多めですが,直接音がそれなりに感じられるので印象は悪くありませんし,聴きやすくまとまっていると思います。室内楽の録音としては標準的です。ただ,残響にあまり広がりがなく音場感にそれほど寄与していないので,これならない方がマシかなと思います。

少し前の録音ですが,発売は2015年3月ということで最近ですね。知りませんでした。

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