好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
gianandrea_noseda_filarmonica_teatro_regio_torino_r-korsakov_sheherazade.jpg
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ジャナンドレア・ノセダ指揮/トリノ・レッジョ劇場管弦楽団
2015年4月13日 トリノ,レッジョ劇場
FONE148SA (P)(C)2015 Audiophile Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

Apple Musicでの試聴です。今回は録音についてのみコメントします。

2015年トリノでのライヴ録音で,会場の雑音や,譜面をめくる音など演奏者の発する雑音なども入っています。最後に拍手も入ります。

それにしてもこの生録的超リアルサウンドは今どき本当に珍しいですね(オーディオ的優秀録音という意味ではありません,念のため)。残響は皆無と言っても良いくらいで,それぞれの楽器の音を生々しく捉えています。演出感ゼロ,私の好きなタイプの録音ですが,ちょっとこれは極端ですね(^^;。

そして,残念なことに全くヘッドホン聴取に向きません。例えばソロ・ヴァイオリンが左チャンネルに偏り過ぎて,ヘッドホンで聴くと極めて不自然に聴こえます。不自然なだけならまだしも気持ち悪いのがNGです。スピーカ聴取では問題ないにしてもこれはあまり良い編集状態とは言えません。せっかく面白い録音なのに,このマスタリング(またはマイクセッティング?)には首をかしげざるを得ません。もったいないです。
valery_gergiev_r_korsakov_scheherazade.jpg
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」
バラキレフ:イスラメイ
ワレリー・ゲルギエフ指揮/マリインスキー劇場管弦楽団
2001年11月 サンクトペテルブルク
UCCD 50010 ユニバーサルミュージック (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

くるみ割り人形が良かったので別の曲もと思い聴いてみました。この怒濤のごとく押し寄せる凄まじいサウンドは圧巻! ですが,この密度の高い濃厚な音響はかなり人工的な印象を受けます。残響もどこか不自然であり,まるでコンプをかけて音圧を稼いだような無理矢理詰め込んだ強奏部はすごく圧迫感があり,広がりを感じません。

この曲らしい絢爛なサウンドを目指したのかもしれませんが,これはちょっとやり過ぎだと思いました。残念。HMV OnlineiconAmazon.co.jpのレビューも見てみましたが,録音に関して賛否両論ですね。

タグ : [管弦楽曲]

mstislav_rostropovich_orchestre_de_paris_r-korsakov_scheherazade.jpg
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲作品34
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮/パリ管弦楽団
録音 1974年,1976年,1977年
TDSA-12(WQCG-19) Warner Music Japan ※タワーレコード企画盤
好録音度:★★★★
参考: Tower Records

言わずと知れた名盤。以前,東芝EMI時代の国内盤を取り上げていました。昨年,タワーレコードの企画盤,TOWER RECORDS Definition SeriesとしてSACDハイブリッドで復刻されていたことに気づき,これは聴いてみなければということで入手しました。

音源は本国(?)より取り寄せた96kHz/24bitのWAVデータから,SACD層用とCD層用とを個別にマスタリングしたとのことですので,今回はSACD層も含めて音質を確認してみました。

まず従来のCDとの比較では,若干の鮮度の向上が感じられること,中低域の充実度が上がったことが改善点でしょうか。そして,CD層とSACD層との比較では,SACD層の方がより音に精彩があり,立体感が感じられました。CD層はやや平板でした。SACDでなければこの立体感が出せないのかどうかは私にはわからないのですが,確かに差が感じられました。このディスクはSACDで楽しみたいものです。

ということで,この名盤がより音質が良い状態で復刻されたことを喜びたいと思います。

タグ : [管弦楽曲]

charles_mackerras_lso_rimsky-korsakov_scheherazade.jpg
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲 作品34
サー・チャールズ・マッケラス指揮/ロンドン交響楽団
Walthamstow Town Hall, London, England on March 12-14, 1990
CD-80208 (P)(C)1990 TELARC (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

テラークは優秀録音で有名なレーベルですのでご存じの方も多いと思います。その昔,チャイコフスキーの1812年のLPレコードの大砲の音がすごいと話題になっていたこともありました。しかし私自身は実のところあまりテラークの録音が好きになれず避けてきました。先日取り上げたロストロポーヴィッチののシェエラザードを聴いて,他の演奏も聴いてみたくなってApple Musicで物色して選んだのが実はこのディスクです。これはもしかしたら...と思ったのです。

で,ディスクが届いて聴いているのですが,半分は期待通り,半分は「あぁ,やっぱりテラークだ...」と思ってしまいました。テラークの好きなところは音色が自然で色づけが少ないところ,演出感が少ないところでしょうか。そして嫌い(というか好きでない...同じか)なところは,ダイナミックレンジを広くとりすぎているところですね。大音量のところでボリューム調整すると普通の音量のところが小さすぎてもの足りず,普通の音量のところが気持ちよく聴こえるようボリューム調整すると大音量のところが大きくなりすぎて思わずボリュームを絞ってしまうのです。

また,ワンポイント録音のような録り方をしているのか,全体のまとまりは良いのですが,個々の楽器の質感が弱く分離感も弱いため,少し物足りずもどかしく思うのです。

これが本来の音のバランスに近いのかもしれませんし,その意味では良質な録音と言えるのではないと思います。ただ,私としてはもう少し楽器の質感が強めに誇張され,ダイナミックレンジも広すぎない方が聴きやすいと思うのです。防音がきちんとなされたリスニングルームがあって大音量で遠慮なく聴ける環境があるなら楽しめるのかもしれません。ヘッドホンで少し大きめのボリュームに設定して聴くといい感じにになるのですが,大音量のところが少々つらいのです(今まさにヘッドホンで大音量に耐えて聴きながら書いています...(^^;)。

とはいえ,こういうダイナミックレンジの広い録音はハイレゾ時代の今でこそ生きてくる録音だなとは思いますね。

タグ : [管弦楽曲]

rostropovitch_orchestre_de_paris_r_korsakov_scheherasade.jpg
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮/パリ管弦楽団
1974年7月 Salle Wagram, Paris
TOCE-7034 東芝EMI株式会社 (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

言わずと知れた名盤。少し前のNHKのらららクラシックで取り上げられていて久しぶりに聴きたくなり棚から引っ張り出してきました。アナログ盤の時代から愛聴してきたディスクで,この曲はこの演奏で耳が出来てしまっています(^^;。ドラマティックで怒濤のように展開していく壮大な音絵巻。油絵の具で塗りたくられたようなこの絢爛なコテコテ感がこの曲にピッタリで素晴らしいです。

そしてこのコテコテ感は録音に負うところも大きいと思います。それぞれの楽器を色濃く捉えているためです。ここに自然さはなく誇張された印象が強いのですが,舞台芸術を見ているような錯覚に陥る効果があって,これはこれで十分にアリだと思います。好録音と言えるか微妙ですが,EMIとしてはかなり良好な録音に入ると思いますし,残響まみれのくすんだ音質ではなく,この曲にふさわしい音質で録られたことを感謝したいですね。

タグ : [管弦楽曲]

cover picture
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」
エマニュエル・クリヴィヌ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
1989年4月24-26日,ロンドン,トゥーティング,オール・セインツ教会
DENON COCO-7068 (P)1991 NIPPON COLUMBIA (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
ヴァイオリン・ソロはジャン=ジャック・カントロフが受け持っています。こういう曲を弾かせるとさすがに上手いですねぇ。一方オーケストラの方は,こってりと濃くなりがちなこの曲を,そうならずにとても美しく仕上げていて好印象です。この曲らしくないかもしれませんが,私にはこの方が合っています。

録音ですが,残響を伴いながらも弦楽器の質感が良く出ているのと,管楽器が咆哮するところでもかき消されることなく輪郭がはっきりと聴こえてくるところが良いです。オーディオ的にみてもなかなか良いのではないでしょうか。演奏が美しく聴こえるのはこの録音に負うところも大きいのではないかと思います。

演奏も録音も良く,同曲の愛聴盤候補となりました。
cover picture
リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35
ストラヴィンスキー:交響詩「うぐいすの歌」
フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団
1956年11月3日(うぐいすの歌),1960年2月8日(シェエラザード)
BVCC-37150 (P)1996 BMG (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp
「シェエラザード」の方はクラシック名録音106究極ガイド(嶋護[著])で紹介されていました。「うぐいすの歌」は1956年,「シェエラザード」は1960年の録音で,衝撃的だった「ツァラトゥストラ」「英雄の生涯」の1954年録音よりも後年の録音ですので,当然こちらの方が良いであろうと思ったのですが,う~ん,なぜでしょう? この録音からはあの衝撃を受けることはありませんでした。どちらかといえば1956年の「うぐいすの歌」の方が良く,「シェエラザード」の方は逆に鮮明さが著しく落ちているように感じました(おそらく残響の影響でしょう)。録音の退化はすぐに始まっていたのかもしれません... なんでこうなってしまったのでしょう?

と以上のように書きましたが,実はどちらもそんなに悪くないんですけどね。あのツァラトゥストラとどうしても比べてしまうので,厳しい聴き方になってしまうのです。

 Copyright © 好録音探求 All rights reserved. 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ