好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
ボロディン四重奏団のチャイコフスキーは何種類かあるようですが,そのうちの2つについてコメントします。

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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第一番,第二番
ボロディン四重奏団
ミハイル・コペリマン(Mikhail Kopelman)(1st Violin)
アンドレイ・アブラメンコフ(Andrei Abramenkov)(2nd Violin)
ドミトリ・シェバーリン(Dmitri Shebalin)(Viola)
ヴァレンティン・ベルリンスキー(Valentin Berlinsky)(Violoncello)
1979年12月(第一番),1978年4月(第二番),モスクワ
VDC-1139 (P)1986 Victor Musical Industries, Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★★

この録音は最高です! 私の持っている弦楽四重奏曲のCDの中でも好録音度最高と言っていいくらいです。響きがうっすらと入っていますが,影響は全くありません。雑味が全くなくクリアなことこの上なし。収録現場の雰囲気や自然な音像という面は確かに希薄かもしれませんが,個々の楽器音の明瞭さが最優先の私にとっては何ら問題ありません。

録音だけでなく演奏も素晴らしいです。音楽の頂点に向かって鮮やかにギアチェンジし,キュッキュッと小気味よく加速していく,4つの楽器がある時は一つの生き物のように溶け合い呼吸し(この響きには本当に惚れ惚れします),ある時は競うように掛け合い,そして,そんな歯切れの良さ,意気を持ちながらも,どこか垢抜けない素朴な魅力に溢れている... チャイコフスキーのこの弦楽四重奏曲にぴったりとはまっています。第一楽章の展開部の頂点へ向かう盛り上がり,コーダでの推進力,うーん,素晴らしい! 感動!

この録音を聴いていると,なぜみんな残響でせっかくの音楽を濁そうとするのか,全く理解出来なくなります。素晴らしい音楽は残響の有無とは無関係に成立するということをこの録音が見事に証明しています。

この録音は過去LPとして全集が出ていて愛聴していました。CD化されたのは私の知る限りこれだけです。演奏も録音も優れているのに現役盤がなく入手性が悪いのは残念でなりません(私が知らないだけ?)。

現在,ボロディン四重奏団のチャイコフスキーで入手容易なのは次の全集です。

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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲全集
第一番,第二番,第三番,変ロ長調,弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」
ボロディン四重奏団
ミハイル・コペリマン(Mikhail Kopelman)(1st Violin)
アンドレイ・アブラメンコフ(Andrei Abramenkov)(2nd Violin)
ドミトリ・シェバーリン(Dmitri Shebalin)(Viola)
ヴァレンティン・ベルリンスキー(Valentin Berlinsky)(Violoncello)
1993年1月 TELDEC-Studio, Berlin (第一番,変ロ長調,フィレンツェの思い出)
1993年1月 Snape Maltings Concert Hall (第二番,第三番)
WPCS-10837/8 (P)1993 Teldec Classics International GmbH, (C)2001 Warner Music Japan (国内盤)
好録音度:★★★
参考url: HMV Onlineicon (SHM-CDicon)

メンバーは同じです。1979年の録音に比べ,より彫りが深く円熟した印象を受けますが,小気味よさ,推進力は影を潜めてしまっています。録音も音を濁す反射音成分が多く冴えない印象でとても残念です。

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