好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
アンリース・シュミット(Annlies Schmidt)(Cello)
1957/1958年録音
fr 118-9 forgotten records 2009 (輸入盤) *CD-R
LPからの復刻盤(原盤 Ducretet-Thomson 300-C-043/5)
好録音度:★★★
参考: forgotten records

CD試聴記」からの転載記事です。

細やかに表現しようとか,ニュアンス豊かに表現しようとか,歌うとか,そういう気は全くないようです。緩急も強弱もほとんどなく,フレーズの変わり目での「ため」なども全くありません。「棒弾き」と紙一重というところですが,いやいや,さにあらず。すさまじいテンポで疾走し(第一番のプレリュードなど1:26という快速!),あえて<表現しない>ことで独特の軽快さを勝ち得ています。疾風だが怒濤ではないところに面白さがあります。

当時に比べて演奏様式の研究が進んだ現代ではこんな無茶なアプローチをする演奏家はまずいないと思います。そういう面からこの演奏を過去の遺物と切って捨てるのは簡単でしょう。しかし,そういう研究の成果を取り入れた現代の多くの演奏と比べても,楽しさ,ワクワク感では決して引けを取りません。聴く人が音楽に何を求めるかによりますが,歴史的に正しい演奏様式であるかどうかということと,音楽として楽しいかどうかということは別の問題であるということをこの演奏は教えてくれます。そういう意味でもこの演奏は大変貴重であると思います。

おそらくモノラルのLPからの復刻盤ですが,アナログ盤特有のスクラッチノイズは全くといっていい程なく,これが本当にLPからの復刻なのだろうか?と耳を疑ってしまうほどです。丹念にノイズ除去作業をされたのではないかと想像します。

古い録音なので帯域が狭いのはいかんともし難いところですが,元々の音の捉え方は良く,残響などの邪魔な音もあまりないため,古い録音の割には十分聴けると思います。

このディスクは復刻レーベルのforgotten recordsのサイトから直接注文して入手しました。Webを見ていると,オリジナルのLPは超レア盤として有名だったようです。いつも訪問してくださる方からこの盤の存在を教えていただきました。貴重な情報を有り難うございました。

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