好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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シベリウス:交響曲全集
渡邉暁雄指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
1962年 東京文化会館,杉並公会堂,文京公会堂
TWCO-29-32 (P)2012 NIPPON COLUMBIA
(タワーレコード企画盤 COLUMBIA×TOWER RECORDS)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower Records
これは,世界初のステレオ録音によるシベリウス交響曲全集であったとのことです。プロデューサは相澤昭八郎氏,録音は若林駿介氏。1981年に2回目の全集を同じ日本フィルと完成させているとのことで,これは1回目の録音になります。

それにしても50年以上前に,こんな立派な全集を完成させていたとは正直驚きました。今聴いても表現に違和感はなく,全く古びていません。演奏に粗さがないとは言えませんが,健闘していると思いますし,それらもこの素晴らしい音楽の前では全く問題ではありません。

そしてこの録音がこの全集の価値をさらに高めていると言っても良いのではないでしょうか。やはり50年以上前の録音ということで,機材やメディアのハンディがあり,音色のざらつき,フォルテシモでの飽和感と音の潰れ,高域の伸びの不足,など如何ともし難いところはあります。しかし,弦楽器の音を主体に構成され,生録的で演出感の全くない実在感のある音作り,個々の楽器の分離と質感の良さ,見通しの良さは,前記のハンデをカバーするに余りあります。

昨今の残響まみれ・過剰な演出で実在感の希薄な録音よりはるかに良いと思います。このような録音で聴くと音楽が何倍も楽しくなります。録音のクオリティが格段に上がっている現代でこそこのような録音で音楽をストレートに伝えて欲しいと思いますね。

なお,録音状態としては,杉並公会堂で録音された第2番,第7番が比較的良好,逆に,東京文化会館で録音された第1番,第3番,第4番は強奏部での飽和による音の潰れが散見され少し落ちるように思います。文京公会堂で録音された第5番と第6番はその中間くらいでしょうか。

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