好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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シルエット Silhouette
松田聖子
Recording Date: March, April 1981
SSMS008 (TDGD-90028) (P)(C)1981 Sony Music Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Stereo Sound STORE

ステレオサウンド誌がリマスタリングを行ったSACDハイブリッド盤。ご存じの方も多いと思います。前から気になっていていたのですが,先日行われた音展でたまたま見つけてようやく手にすることが出来ました。

解説書によると,このディスクはオリジナルの2トラック38cm/秒テープからのマスタリングとのことです。CD層はDSDで取り込んだものをPCM変換して収められています。マスタリングでは若干の低域の補強を行い,それによって音像イメージの立体感を著しく増すことが出来た,とあります。

私はこの中の「チェリーブラッサム」と「夏の扉」を,2011年に発売されたベスト盤“SEIKO STORY 80's HITS COLLECTION”で聴いていたので,このSACD盤と聴き比べてみました。パッと聴いた印象では,ベスト盤の方がメリハリのある元気な音であり,一方SACDの方は何だかショボい音だな...でした。しかし,SACDの方の音量を少し大きめにしてベスト盤と同じ音量感で揃えると,全く印象が違ってきました。

ベスト盤の方は明らかに音が硬く,歪みっぽくて濁っているのに対し,SACDの方は音に透明感と伸びがあり,輝きが感じられるのです(なおCD層でも同じ印象でした)。SACDがショボく聴こえたのは,単に平均音量が小さめになっているためでした。

次の図は,SACDハイブリッドのCD層(上)とベスト盤(下)の波形を比べたものです。ベスト盤の方はリマスタリング時にいわゆるコンプ(コンプレッサー)がかけられ,ダイナミックレンジを圧縮して平均音圧を上げたであろうことがわかります。一方,SACDハイブリッドのCD層はそのような処理がなされずに収録されていることがわかります。

cherry_blossom.png


ダイナミックレンジを圧縮すると,インパクトのある音になることはわかります。しかし,その代償に失うものも大きいということがこれでよくわかりました。

なお解説書には次のような記述がありました。

お願い:本ディスクでは,SACD層とCD層を問わず,マスターテープに収められたダイナミックレンジを大切にするマスタリングを行っています。そのため,通常のボリュウム位置ではラウドネス効果により音の精彩を欠くように感じることがありますので,出来るだけボリュウムを上げてお聴きください

まさにその通りのことを体感した次第です。

タグ : [★★★★☆]

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