好録音探求

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ベートーヴェン:交響曲第1番,第3番「英雄」
久石譲指揮/ナガノ・チェンバー・オーケストラ
2016年7月16日,2017年2月12日 長野市芸術館メインホール
OVCL-00633 (P)(C)2017 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

ナガノ・チェンバー・オーケストラは2016年に誕生した「日本で,世界で活躍するトップクラスの演奏家たちが集結した夢のオーケストラ」とのことで,作曲家の久石譲氏が音楽監督を務めておられます。久石氏自身が解説書で「我々のオーケストラは,例えればロックのようにリズムをベースにしたアプローチで誰にでも聴きやすく,それでいて現代の視点,解釈でおおくりすることができます。」と述べられています。著名な作曲家とはいえ基本的にクラシック畑の人に軽々しく「ロック」という言葉を持ち出して欲しくはないのですが(軽々しくではないかもしれませんが,上から目線に感じられる),そしてその音楽を聴いてみて私自身は「ロック」を感じなかったのですが,この淀みなく推進されるベートーヴェンは結構好きかなと思いました。今後の録音も楽しみにしたいと思います。

そしてこの録音なのですが,第1番と第3番でだいぶ印象が異なります。第1番は各楽器を分離よく左右の広がりをもって捉えられていますが,低音の量感がやや多く響きに締まりがないために中高域に被りがちなのと,木管を少々うるさく捉えすぎています。第3番は少し距離感があって第1番に比べるとややこぢんまりしていますし残響の影響が強くなっています。各楽器の捉え方も少し弱くなっていて,まとまりはあるものの音楽の力強さが削がれ,迫ってこない感じがします。とはいえ,これらの点はオーケストラの録音としてはまあ良いかなと思います。

しかし,この録音にはもっと重大な欠点があります。残響が多いのはまだ許すとしても,その残響のピークが明らかに拍から遅れてやってくるのです(特に第3番)。指揮者とオーケストラがリズムを重視した音楽を展開しようとしているのに,この残響はそのリズムを崩し,弱める効果しかありません。録音エンジニアが演奏の意図を理解していないとしか思えません。この録音はこの演奏の魅力を半減させています。演奏者の意図を理解していれば,もっとシャープに引き締まった音響で録るはずです。今後の録音では改善を望みたいと思います。

タグ : [交響曲]

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