好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ジョセフィン・ヴァン・リーア(Josephine van Lier)(Cello)
Holy Trinity Catholic Church, Spruce Grove, July 2009
VANLIER2010-01 (P)(C)2010 Josephine van Lier (輸入盤)
好録音度:★★★~★★★☆
参考url: 公式WebサイトCD Baby

CD試聴記」にてコメントした内容を転載します。

なんと,4種類のチェロを使い分けて演奏されています。コンテンポラリーとバロック2種,さらにカーボン・ファイバー製のチェロが使われています。第五番はバロック・チェロですが,おまけとして他の二種類の楽器での演奏も収録されています。 CD 1枚に組曲2つずつなので4枚組です(^^;)

第一番 コンテンポラリー・チェロ(1870年フランス製)A=440Hz
第二番 バロック・チェロ(2007年アメリカ製)A=415Hz
第三番 カーボン・ファイバー・チェロ(2005年アメリカ製)A=440Hz
第四番 コンテンポラリー・チェロ(1870年フランス製)A=440Hz
第五番 バロック・チェロ(2007年アメリカ製)A=415Hz
第六番 ヴィオロンチェロ・ピッコロ(五弦)(2008年アメリカ製)A=415
(付録)第五番 コンテンポラリー・チェロ(1870年フランス製)A=440Hz
(付録)第五番 カーボン・ファイバー・チェロ(2005年アメリカ製)A=440Hz
※第五番はscordaturaチューニング(第一弦をA→Gに)

演奏はゆったりとしていて,さらに大きく緩急をつけています。どの舞曲もリズミカルな感じではありません。しかし,自然な呼吸感の範囲なので違和感は大きくありません。技術的にキレのある方ではありませんが,特にゆっくりした舞曲でのしっとりとした節回しが良いです。第六番のSarabandeなど,感動的です。

楽器の違いに関しては,コンテンポラリー・チェロよりもバロック・チェロの方が,この人の演奏スタイルには適合しているという感じです。先入観で聴いてしまっているところはありますが,カーボンファイバー・チェロは,基音成分が弱く音に深みがないように思います。

録音は教会で行われています(公式Webサイトに録音風景が載っています)。意図的かもしれませんが,カーボンファイバー・チェロの録音だけ残響が多く不鮮明です。その他の楽器の録音は,残響を取り込みつつも直接音もそこそこ捉えていて楽器の質感もわかります。しかし,せっかくいくつもの楽器を遣っているのですから,その違いを鮮明に出すためにも,もう少しマイク位置を接近させて直接音比率を上げ,明瞭感と音色の自然さを確保して欲しかったと思います。
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