好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
cover picture (a) cover picture (b)

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
藤原浜雄 Hamao Fujiwara (Violin)
1985.6.5 イイノホール
(a) PCDZ-1543/44 (P)1997 東芝EMI(株) (国内盤)
(b) SONARE 1007-8 (P)1986 (C)2011 Sonare Art Office (国内盤)
好録音度:(a)★★★★★ (b)論外!(怒)
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です(編集・追加あり)。

(a)は元々はLPレコードとして発売されていたものがCD化されたもの,(b)はレーベルを変えて再発売されたものです。

ライヴらしい気迫に満ちあふれた演奏です。即興的な感じがほとんどなく,バッハの音楽に鋭く迫ろうとするような姿勢が感じられます。全体的に速めのテンポで力強さがあり,また音色にも非常に張りがあって聴き応えがあります。演奏上の傷はいろいろとありますが,そんなことが全く気にならないほどの好演だと思います。基本的にリピートが省略されており,この点が非常に残念でなりません。

解説書によれば「当初は記録目的であったが内容が良かったのでレコード化した」とのことで,それも十分に納得できます。

録音ですが,ライヴ録音ながらかなり近接マイクで収録されているようで,残響が全くといって良いほど無く,非常に鮮明に,かつ,生々しく収録されているところが素晴らしいです。演奏者の芸術性が本当にストレートに伝わってきます。ライヴ録音としてはこれ以上望むのは無理といっても過言ではないと思います。オーディオ的な音質,バッグクラウンドノイズ,アナログテープの転写(?)など,オーディオクオリティでは今一歩という感じはしますが... 私の好みという点ではまさに理想に近い録音です。

で,(a)は「至高のバッハ・リサイタルを完全収録したライヴ・アルバム!!」というだけあって,入場時の拍手から調弦まで収録されています。一方(b)は,拍手や調弦は全てカットされています。波形を比較する限りディジタルデータはそのまま流用されているように思われますので,音質は同等と思って良いと思います。

しかーし!! こともあろうか(b)は各曲の最後の楽章の最後の一音に人工的なリバーブが付加されています。これは(a)にはなかった処理で,(a)では響きが残らずそのまま拍手につながっていくのですが,(b)は拍手がなくいかにも人工的な響きだけが残ります。さらにそれだけでなく,最後の一音が変な音に変わってしまっています。これは全くいただけません。この一音でそれまでの素晴らしい演奏の余韻を全てぶち壊しています。全くもって腹立たしい。こんな残響処理でごまかそうなんぞ,音楽愛好家をバカにするな!と言いたい(激怒)。この素晴らしい演奏にこんなごまかし処理をする必要など一つもないのだ。

実は(b)のCD,待望の新録音だ!と何の疑いもなく買ってしまったのでした。なぜそう思ってしまったのか。次の写真を見ていただきたい。

cover picture

これは(a)のケースの裏の写真です。実に若々しい。一方(b)のジャケット写真,これは近年の写真ではないかと思われます。ジャケット写真に使う写真の年齢があまりにも違いすぎます。十分に確認せずに買った方も悪いですが,新録音と勘違いさせるようなジャケット写真は少し不誠実ではないかと思います。

元の演奏・録音が良いだけに,今回のこの処理とジャケット写真には少々頭に来ましたので苦言を述べさせていただきました。
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