好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
ミクローシュ・ペレーニ Miklós Perényi (Cello)
Studio of Musical Programmes, 1996
HDVD 32421 (P)2005 Hungaroton Records Ltd. (輸入盤) *DVD
好録音度:★★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

この演奏を何と形容したらよいのか本当に難しいです。細部まで磨き上げた演奏でもなく,キレのある演奏でもない,「完璧」という言葉も当てはまらない。最初聴いたときは正直言ってそんなに上手くないとも思いました。

しかし,聴き進むにつれてこの演奏はそんな次元で語れるものではないと感じてきました。愚直なまでにしっかりと弾いていて,スピード感,流動感に乏しいのに,なぜこんなに音楽が生き生きしているんだろうか? 不思議でなりません。気がついたらすっかり彼の音楽の世界に引き込まれてしまっています。つくづく音楽は人そのものなんだなぁと思います。素晴らしい演奏に感謝!

そしてこの録音! 私にとってはほぼ理想的で完璧に近いです。もともとは放送用に収録された映像ということで,スタジオで録音されています。残響はまったくないと言ってよく,生の音が適切な距離感でしっかりと捉えられています。まるで自分のためだけに間近で弾いてくれているようです。

一方,オーディオ的にみると,ステレオと書いてありながら実際にはほぼモノラルであり,録音レベルも低めで良好とは言い難いです。Dolby Digitalで圧縮されているのもマイナスです。収録条件は申し分ないのですが,このオーディオ品質はちょっと残念です。

Webでの録音のコメントを見ても好意的に書かれているものは少ないのですが,私はそうは思いません。オーディオ品質はともかく,この素晴らしい演奏が理想的条件で収録されたことに本当に感謝したいと思います。ここでも音楽にとって残響は必ずしも必要ではないこと,残響のないこういう録音がどれだけ的確に音楽を伝えてくれるか,ということを見事に証明してくれました。
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