好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番,第6番
2005年1月25-28日 魚沼市小出郷文化会館(新潟県)
(a) NF63001 (P)(C)2005 N&F Co., Ltd. Tokyo (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazaon.co.jpTower Records
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番,第4番
2008年2月8-10日 すみだトリフォニーホール(東京)
(b) NF53002 (P)(C)2007 N&F Co., Ltd. Tokyo (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,第5番
2009年6月1-3日 所沢市民文化センター ミューズアークホール(埼玉)
(c) NF23003 (P)(C)2011 N&F Co., Ltd. Tokyo (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: HMV OnlineTower Records
ジョセフ・リン(Joseph Lin 林 以信)(Violin)

CD試聴記」からの転載記事です。“Bach & Ysaÿe”という企画でイザイの無伴奏ヴァイオリンソナタとともに録音が進められ,バッハ無伴奏ヴァイオリン全曲が揃い完結しましたので,全集扱いに格上げしました。(b)は一度2009年9月12日のエントリーで取り上げていました。こちらも録音に関してコメントしていますのでご参照いただければと思います。

ジョセフ・リン氏は台湾系アメリカ人。2011年からはジュリアード音楽院で後進の指導にあたるとともに,なんと2011年よりジュリアード弦楽四重奏団の第一ヴァイオリン奏者としても活躍しているとのことです(知りませんでした)。

深い色合い持たせながら決して嫌みにならないヴィブラートや,連綿と美しい音を紡ぎ出していく吸い付くようなボウイングなど,その技術力の高さには感嘆します。情に訴えるようにひたすら熱く高揚しながらも,一方で,流されることなく着実に音楽を組み上げていくしたたかさも感じます。表現自体はどちらかといえばモダン楽器によるオーソドックスな路線上にありますが,数多の演奏に埋もれない,光るものがあります。モダン楽器の表現力の素晴らしさを改めて実感させてくれる秀演です。

なお,時折装飾音符が入ったり,曲の終わりを軽く編曲したり(ソナタ第二番アレグロ)していますが,私には単に曲の流れを乱しているようにしか聴こえず,この点に関しては残念ながら消化し切れていない印象を受けます。こういうところに走らずとも,自分の音楽を聴かせる十分な力量があると思うのですが。

録音ですが,(a)(b)(c)でそれぞれ収録会場が異なるために残響の質が少しずつ異なりますが,概ね違和感のない範囲で統一されています。それぞれ残響を多めに取り入れた録音で,響きの減衰がスムーズで美しく心地よいものであり,残響の質はかなり良いと思います。楽器音も伸びがあり,解像感が高く,オーディオ的にも優れていますが,少し距離感があり,残響の被りがやや多めでその音色への影響を免れていません。残響の許容できる方には優秀録音と言えるかもしれませんが,私としては,解像感があるとはいえ,音色への影響,楽器音へのまとわりつきが許容し難いです(なのでちょっと厳しいと思いましたが好録音度は三つ星半です)。もう少し直接音比率を高くして欲しかったと思います。また,わずかながら空調ノイズのような「ゴーッ」というような低域のノイズが入っており,密閉型のヘッドホンでは少し鬱陶しく感じられます。

(a)の解説書では,録音に関して次のようなコメントが記載されています。

「ホールの自然なアンビエンスの中に定位する,演奏者の大きさと位置は,左右のスピーカーに対してまことに適切で,録音側の意図的なアレンジやオーディオファイル受けしそうな,これ見よがしなHiFiテイストは一切感じられない。これはfine NFの録音に一貫した特色だが,このディスクにはたぐい稀な透明感,ストレスのない音の伸びに加え,普通演奏者にしか聴くことのできないと思える,奏法,運指が見えるかのような臨場感に圧倒される。」
- 解説書の澤田龍一氏(マランツ音質担当マネージャ)のコメントより

一部あてつけのような記述がありますが(^^;,「奏法,運指が見える」かどうかはともかく,この録音の特徴を的確に言い表していると思います。

ディスクは,(a)と(b)はSACDハイブリッドのみ(たっ,高い!!),(c)は通常CDのほかにシングルレイヤーSACD(→Tower Records),さらになんとガラスCD(→Tower Records)まであるようです。
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