好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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ベートーヴェン:交響曲全集
ダニエル・バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン
Studio One at the former GDR Radio studios, Nalepastrasse, Berlin, May-July 1999
3984 27838-2 (C)2000 Teldec (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: HMV OnlineAmazon.co.jpTower Records
往年の巨匠の演奏を彷彿とさせる重厚な演奏です。スタンダードと言ってもいいのではないでしょうか。1999年の録音ですが,もう少し古い時代の演奏かと思いました。重厚で熱いドイツ的熱演で,テンポもどっしりと落ち着いていますが,とてもよく引き締まっていて機敏ささえ感じられ鈍重さはまったくありません。ピリオド的なアプローチを取り入れることの多い昨今の風潮など全く意に介さない堂々たる演奏が良かったです(といってももう10年以上前の演奏なんですね)。

録音ですが,残響を多めに取り入れたやや濃厚な録音なので私の好みからは外れるのですが,弦楽器の質感をまずまずよく捉えていますし,管楽器とのバランスも適切,意外に分離も良く見通しも悪くありませんでした。音色も曇った感じはしません。全体の印象としては良好です。標準的な録音と言えなくもありませんし,残響が気にならない方であれば全く問題ないでしょう。

タグ : [交響曲]

この記事へのコメント
こんばんは。
ご熱心な「好録音探求」のブログに惹かれて何度も拝読させてもらっています。
率直に申し上げて、多分ご趣味の領域だとは思いますが、よくぞここまで全集物を集められてお聴きになったものと、驚きと尊敬の念を抱いております。

私も音楽が無ければ夜も日もあけないくらいの聞き手だと自認しておりますが、
ここまで博愛精神でレコードorCDを集めることは、費用の面からいっても叶いません。
また、未知の指揮者とかオーケストラについては、購入動機となる情報は世評とか故人のレビューなどが主たるものですが、個人の意見はその背景にあるベース(嗜好の傾向、その人の生活に占める音楽のウエイト、どんな装置で聴いているか等)が全く?のままである為、(私の経験上では)たいへん不確かなものでありあまり役に立ちません。
その意味で貴殿の「好録音」レビューは立脚点がはっきりされているので非常に役に立っております。

ベートーヴェン交響曲全集の記事のなかで、全集として私の所有と共通するのはこのバレンボイムのものしかありません。
もともと彼のベト、ピアノソナタの解釈(姿勢)で好きになっていて、指揮の分野へ進出した時点から悪くないなとの印象を持っていました。
ベトを振ったというニュースを知り、「第9」をCS放送で聴き即購入しましたが、結果はガッカリでした。

録音に関しては全く言及されている通りといえますが、シュターツカペレ・ベルリンの生硬なソノリティーと、入念を極めて細部まで神経を行きわたらせている重厚なたたずまいは、そのテンポの緩慢さと相乗して全く鈍重とさえ言いたくなる・・・・という個人的感想です。
芸術との対面は、個対個の関係であり、厳密には殆ど客観性などという立場は意味をなさないと思う私ですので、これは一人ぼやいてお終いとします。

そこでひとつお願いがあります。
録音評はこのままで十分だと申し上げますが、非常に謙虚に演奏評にあたる部分をお書きになっておられるのを、いま少し突っ込んで個人的嗜好をのべていただけるならば、という気持ちであります。
それと、全集という形にとらわれず、単発ものでも恐らく色々お聴きではないかと想像しますが、そう云うものも俎上に載せていただけたらと思います。

勝手なことを希望しましたが、貴殿のプロフィールを私の中ではっきりと確立できれば嬉しいとの念願をお伝えしたくコメント致しました。
2014/08/16(土) 22:22 | URL | mogura #-[ 編集]
初めまして。ご丁寧なコメント有り難うございます。

賜りましたご要望については今後出来るだけ努力はしていきたいと存じます。ただ,私の鑑賞力と文章力の限界からご期待に添えないかもしれないということを何とぞご承知おきいただきたくお願いいたします。

演奏評については数多あるブログや通販のコメント欄などで見識のある方が詳しく的確に述べられているものがありますので,このブログでは録音評に特化しようと考え,演奏に対する一言コメントさえやめようかといつも考えておりました。おっしゃるとおり,演奏評は個人によるところが大きいので,私の一言など多くの人に対して何の役にも立たないのではないかと思ったからです。

それでも出来るだけ一言付け加えているのは,私自身が一つ一つの作品に対してきちんと向き合って聴かなければという意識付けのためです。ですので,ご期待されている内容とはほど遠いとは思いますが,これを機会にもう少し自分の嗜好を意識して書ければと考えております。

あくまで自己満足の趣味の範囲でやっておりますのでご期待に添えないかもしれませんが,今後とも末永くおつきあいいただければうれしく存じます。
2014/08/18(月) 00:22 | URL | T.S. #-[ 編集]
TSさん、お忘れかも知れませんが私「残響の理想的な取り入れ方」でRESさせて貰いました粘着人間なんです^^)
今回は私の表現がいたらず誤解を与えてしまったようで、はじめにお詫び致します。

このバレンボイム・シュターツカペレベルリンの私の感想は、もとより極個人的なものであり、彼らのCDのソノリティーが私の嗜好に合わなかったという単純なものですので、けっしてTSさんの寸評に異議を述べたものではないとご理解願います。
演奏の音色への反応は人の声に対する「好み」みたいなもので、十人十色、誰もそれを否定する道理はありません。
バレンボイムはもともと私の好きな音楽家であり、NYフィルハーモーのチャイコフスキー4番とか、パリ管のフランス物など愛聴しています。
このベートーヴェンもケレン味の無い真摯な演奏と理解できるだけに、演奏会場と録音スタッフのコンセプト関係で個人の嗜好に合わなかっただけと考えています。
想像ですが、彼はECOの指揮をした時代から各地で振るごとに、音楽の創りが変化しているように感じます。今回もドイツでも北の伝統を引き継いでいるオケを相手に、その色合いを生かしたベートーヴェンを演じたのではと思ったりしています。

ご回答を頂きTSさんのブログのコンセプトはよく判りました。
私の期待は単純で、なにも専門家(批評家)顔負けのような見識を望んで申し上げたわけではなく、録音評ではっきり仰っておられる「私好みではない」とか、私の「好きな」というTSさんの嗜好が表れたもの、そしてその理由が、テンポが速いとか音が薄いとか、表情付けがオーバーだとかetcが伺えるとありがたいと言った程度のことです。
そうすれば貴殿のリアルな「顔」が見えてより身近に感じられるという願望といったものでしょうか。
共感が感じられればうれしいですし、また別な視点で捉えておられれば、それは私にとって視野矯正の糸口にもなるだろうと考えております。

カルテットの録音評で、アマデウスSQをあげられておりましたね。
現代の技術完璧主義の演奏と比べれば、彼らは圏外かもしれませんが、
「現代の弦楽四重奏団のようなキレの良い演奏ではありません。今では顧みられることのほとんどない全集だとは思います。でも音楽的な魅力は十分に備えています。」
とのフレーズに、密かにかれらに本能的愛着を感じ続けている私メは、船影見えぬ海原で一艘のボートに出会った感慨を味わった者です。

芸術は多数決で良否を採決するものではないはずですね。
仮令、一本でも心の中の共鳴弦が震えるなら、それはその「個」にとっては棄て難い貴重な邂逅の意味をもつものと私は思っております。

私も音楽は「自己満足の趣味」でしかなく、されど残されたあと僅かの人生で、語り難い銘酒の味のように生きているイミを感じるものなんです(笑)

蛇足ですが、私の兄弟は殆ど「狂」の付くオーディオ店の一人オーナーなんです。オッシロやスペクトルアナライザーと睨めっこの商売抜きの変人です。
勿論根っからの音楽好きですが、音の嗜好はまるっきり反対向きで、共存はしているもののどちらも譲歩、譲歩でなりたっております。

長文になりますので又の機会とさせていただきます。
懲りずに今後ともゆるりとお付き合いください。
土竜 拝
2014/08/18(月) 14:44 | URL | mogura #-[ 編集]
大変失礼しました...

ご要望についても意図を理解いたしました。確かにもう少しはっきりと嗜好を述べても良いかもしれません。どれだけご要望に添えるかはわかりませんが,今後少し意識して書いてみようかと思います。

以上,取り急ぎお礼まで。
2014/08/19(火) 02:01 | URL | T.S. #-[ 編集]
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