好録音探求

 『演奏者の存在を身近に感じられる録音』を求めて・・・
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
レイチェル・バートン・パイン Rachel Barton Pine (Violin)
16-18 April, 28-30 May, 29 & 31 August 2015, St. Pauls United church of Christ, Chicago
AV2360 (P)(C)2016 RBP Music, LLC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 淡々としていますが,現代的,クールで洗練された美しさを感じます。 曲によっては装飾も積極的かつ大胆に取り入れ,変化に富んでいます。 技術的にも大変上手く,隅々まで神経が行き届いており,ニュアンスの豊かで爽やかな音楽に仕上がっています。 素晴らしい出来です。

録音ですが,背景にふわっと広がる残響が取り入れられていますが, 直接音主体に明瞭感と透明感ある自然な音色で捉えられています。 残響のまとわりつきがわずかに気になるものの,楽器の質感も良く感じられる好録音です。

レイチェル・バートン・パインは米国のヴァイオリニスト。 公式Webサイトがあります。 2004年にソナタ第1番とパルティータ第2番のディスクをリリースしています。 この録音の時にはバロック仕様のヴァイオリンを使用されていました。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
堀米ゆず子 Yuzuko Horigome (Violin)
2015年3月9日,7月21-22日,2016年1月5-6日 神奈川・相模湖交流センター
EXTON OVCL-00587(P)(C)2016 Octavia Records Inc. (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 1986-87年にソナタ集のリリースはありましたが,全集はこれが初めて。 まさに満を持しての全曲録音というところでしょう。 情熱ほとばしる渾身の演奏が素晴らしいですね。 特にシャコンヌの高揚感に胸が熱くなります。 技術が優れているのはもちろんですが,綺麗にまとめようとせず, ぎりぎりまで挑戦する意欲的演奏に感動!

ただ一点惜しいのは,パルティータの二部形式の楽章で,後半のリピートが省略されていることです。 私にとっては心底からこのバッハ演奏を楽しむための基本条件が欠けています。 素晴らしい演奏だけにこれは残念でなりません。

そして録音なのですが...残響が直接音よりも支配的で, 心地よい響きを演出するよりも楽器音を濁し,明瞭度と質感を低下させる効果しか感じられません。 残響の取り入れ方,残響の質とも良くないと思います。 楽曲によって録音の質に若干のばらつきがあり統一感がないのも全集としてあまり良い印象ではありません。

まあここまでは録音のポリシー,好みの問題なのである意味諦めざるを得ない面はあるのですが, この録音には私にとっては許容し難い欠陥があります。 少なくとも数カ所,クリップによる「ジャ」という異音が発生するところがあります。 たとえば,ソナタ第2番フーガの4:57,ソナタ第3番フーガの6:45のところです。 一瞬なのと元々録音があまり綺麗ではないので気がつきにくいのですが, 気になり出すと安心して音楽に身を委ねることが出来ません。

これは録音の善し悪し以前の製品の基本品質の問題です。 一瞬のことだからええやんと思われるかもしれませんが,私にとっては傷のあるダイヤモンドと同じです。

そもそもこのレベルのクリップに編集段階で気がつかないということはあり得ないと思います。 それをこのまま何の断りもなく知らん顔してリリースするというのはあまりに音楽愛好家に対して不誠実ですし, 演奏家にも失礼だと思います。 もし気づかずにリリースしているとしたら,品質に対する意識が低すぎてそれはそれで問題だと思いますが...

と,いろいろと文句を垂れてしまいましたが,素晴らしい演奏であったが故に, 落胆も大きかったということで...失礼しました。 世界標準の使い方から外れるこの変なパッケージにも文句を付けたかったのですが,そんなことはどうでも良くなってしまいました。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番
アンネグレット・ベルンシュタイン Annegret Bernstein (Violin)
録音データなし
(P)2013 a-b.violin (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Apple MusicAmazon.co.jp
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,第3番
アンネグレット・ベルンシュタイン Annegret Bernstein (Violin)
録音データなし
(P)2013 a-b.violin (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 落ち着いたテンポで一つ一つのフレーズを丁寧に,丹念に表現をされているところが好印象です。 技術的にものすごく上手いというわけではありませんが,全く破綻をきたすことなくしっかりと仕上げています。 心に染み渡るような柔らかく優しい表現が良いと思います。 押しが弱くいささか印象には残りにくいのですが。

録音ですが,残響自体はそれほど多くはないのですが,全体に残響が被り気味で明瞭感が良くなく,音色も今ひとつ冴えません。 音像も遠めで楽器の質感も感じ取りにくいです。 少々残念な録音です。

音源はまだApple Musicが始まる前のiTunes Storeで購入したのですが, パルティータ第3番のPreludioの音声がブツブツと途切れます。 現在のApple Musicでもそれは変わらず,Amazon.co.jpで公開されている試聴音源でも同様の途切れが見られますので, 元々の音源に問題があるものと思います。 こんな欠陥がある状態で放置されているとはちょっと信じられません。 品質に対する意識が低すぎると思います。

公式Webサイトがあります。 ディスクでの発売があるかどうかは不明です。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ユリア・ベリンスカヤ Yulia Berinskaya (Violin)
録音データなし
GTVS1302 (P)2013 Classica Viva (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 オーソドックスですが,程よいテンポで淀みなく音楽が流れていくのがとても気持ちの良い演奏です。 技術のキレが素晴らしく,そして,控えめながらも気遣いの行き届いた情緒豊かな表現が良いと思います。 一部の楽章(パルティータ第1番のDoubleなど)でリピートが省略されているのが惜しいです。

録音ですが,残響が少し多めで,残響の被りによる音色のくすみがわずかにあるものの, 直接音成分とのバランスはぎりぎり取れているので,印象は悪くありません。 楽器の質感も感じ取ることが出来ます。 もう少しクリアでヌケ良く録って欲しいとは思いますが。

公式Webサイトがあります。 ディスクで発売されているようにも見えるのですが,見つけることが出来ず,以前にiTunes Storeで購入しました。 現在はApple Musicで聴くことができます。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
クシシュトフ・ヤコヴィッツ Krzysztof Jakowicz (Violin)
録音データなし
(P) MTJ (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple MusicAmazon.co.jp

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 どちらかといえば旧世代の伝統的なスタイルですが, 長い間弾き込んで年輪を重ねてきたような味わい深い演奏。 しかも,とても意欲的,前向きで推進力があるのが素晴らしいです。

録音ですが,残響の量が多く,また残響時間がものすごく長い環境下で録音されているのですが, 直接音の比率が高いので,楽器音の音色への影響は少なく,明瞭感もそこそこあって印象は悪くありません。 残響時間が長いので響きの混濁がものすごいのですが,意外に残響の質も悪く感じません。 残響のまとわりつきはやはり気になり,これが最良とは思いませんし,肯定するつもりもありませんが, こういう残響ならまだ許せる範囲です。

クシシュトフ・ヤコヴィッツは1939年生まれのポーランドのヴァイオリニスト。 この全集,ディスクでの発売があるのかどうかわかりませんでした。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番

マリア・シャルギナ Maria Shalgina (Violin)
録音データなし
Alberich Music Production (P)2013 mariashalgina.com (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Apple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 力強く,また,速めのテンポで上品に淡々と弾き進める様が気持ちの良い好演奏。 印象の強い演奏ではありませんが,こういうサラッとした癖のない演奏も良いものです。 技術的にも安定感があります。

録音ですが,残響時間が長めで量もやや多めですが,直接音との比率が適切に取られているので, 比較的聴きやすくまとめられています。 ただやはり響きの影響で音色に癖が出て透明感を失っています。 惜しいと思います。

マリア・シャルギナはロシア出身のヴァイオリニスト。 公式Webサイトがあります。 本ディスクのタイトルは“Bach, Volume I”となっており, 公式WebサイトのShopではVolume IIが coming soon... となっているのですが... (Webサイトの別のページでは2015年1月のリリースとも書いてあるのですが...) どうなっているのでしょう???
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マルック・ルオラヤン=ミッコラ Markku Luolajan-Mikkola (Baroque Cello)
Church of St Catherine, Karjaa, Finland, 9-12 September 2013 and 5-8 May & 16-19 June 2014
CKD 548 (P)(C)2015 Linn Records (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon

CD試聴記」からの転載記事です。

バロック・チェロによる演奏(a'=415Hz)。 原曲より五度低い調に下げて弾いています。 チェロで低い音にシフトしている上に五度低い音程で弾いているので,ものすごく重心が低く沈み込んだ音楽に聴こえます。 かなり健闘されてはいるのですが,早いパッセージでのキレの悪さ,不安定さがあるのは楽器のハンデでしょうか。 パッセージによってはモゴモゴとしてよくわからなくなるところもあります。 バロック・チェロの発音の立ち上がりの遅さにも起因しているのかもしれません。 聴き慣れてくるとだんだんおもしろさがわかってくるのですが...それでもやっぱりちょっと苦しいですね。

録音ですが,残響がかなり多く,楽器音に被って音色を大きく損なっていますし,明瞭感もかなり落ちています。 モゴモゴして混沌としてしまう原因はこの録音にもあると思います。 そして少し歪みっぽいようにも感じます。 Linn Recordsらしい雰囲気があるのはわかるのですが,こういう演奏ほどくっきりと録って楽器のハンデをカバーすべきと思うのですが。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ジェームズ・スターン James Stern (Violin)
Recorded in Deklboum Concert Hall, Clarice Smith Performing Arts Center, University of Maryland, August 2013
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jpApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器によるオーソドックスな演奏。 生真面目で手堅く,真摯な演奏であり,アクセントを効かせた引き締まった演奏ながら,あまり遊びや挑戦的なところはありませんが, たとえばソナタ第2番の終楽章では独特のアクセントでシンコペーションのような効果を出したり, ちょっとした仕掛けがみられる曲もあります。 技術的にも安定感があり安心して聴くことが出来ます。 しかしやっぱりちょっとお堅いかな,とは思います。

録音ですが,残響が多めで付帯音としてやや音色に影響を与えているものの, 直接音を主体に捉えているために,楽器の質感もニュアンスも感じられ, 十分我慢の範囲であり,良好な録音と言えると思います。

ジェームズ・スターン氏はメリーランド大学音楽学部の教授とのこと。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
フリフ・スィグリョンスドーティル Hlíf Sigurjónsdóttir (Violin)
Recorded in the Church of Reykholt, Borgarfjörður, Iceland, in December 2000 [BWV1006], June 2001 [BWV1004], September 2002 [BWV1002], and October 2007 [BWV1001, 1003, 1005]
MSR Classics MSR 1605 (P)(C)2015 Hlíf Sigurjónsdóttir (輸入盤)
好録音度:★★★
参考: Amazon.co.jp

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自主制作 HSB03 (輸入盤)
※上記と同じ内容のディスク

CD試聴記」からの転載記事です。

正直なところ,技術的には相当苦しいと言わざるを得ません。 特にソナタ。 フーガなど止まってしまいそうですごくスリリングです(^^;。 一方,パルティータ第2番だけは他の曲に比べるとかなり出来が良いです。 この出来を考えると他の曲は明らかに弾き込み不足ではないかと思ってしまいます。 ただ全体を通して奏者の技量の範囲で丁寧に演奏をしておられるとは思いますので, 大きな破綻はなく持ちこたえているという印象で,それはそれで楽しめました。

録音ですが...すごい残響です。 しかし,楽器音の輪郭はそれなりに感じられ,質感もそこそこ伝わってくるので, 残響量の割にはマシかなと思います。 もちろん私の好みではありませんが。

フリフ・スィグリョンスドーティルはアイスランドのヴァイオリニスト。 名前の日本語表記は自信なしです。 公式Webサイトがあります。 2010年頃に自主制作のディスクを公式Webサイトから購入し,レビューしていました。 2015年にMSR Classicsより再発売されたようです。 内容は同じでした。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ワンチ・ホワン Wanchi Huang (Violin)
June 4, 5, and July 15, 2013 at WFMT Studios, Chicago
CRC 3419/3420 (P)(C)2015 Centaur Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 こんな書き方をして本当に申し訳ないのですが,お世辞にも上手いとは言えません。 破綻こそしていないものの,フーガなどの難しい楽章ではたどたどしさが拭えません。 安全運転に徹して楽譜を正確になぞり,その中で精一杯の表現を試みる, 誠実さの感じられる,微笑ましい演奏なので好感は持てるのですが, やはり技術面での不満は大きく残ってしまいます。 音程はそんなに悪くないので,それでかなり救われているとは思います。

録音ですが,残響は背景にふわっと広がる程度であり,直接音を主体に録られています。 距離感も適度で,音色も自然,高域の伸びもあります。 生々しさもあり,楽器の質感もニュアンスもしっかりと聴き取れます。 まずまずの好録音と言えます。 時々音像がフラフラと移動したり,質が若干落ちるように感じるところがありますが,気になるほどではありません。 オーディオ的なクオリティもまずまず良好です。

演奏に若干の難はあるものの,結構楽しく聴くことができました。 録音が良好だからだと思います。 鑑賞する上で「良い録音」であることはとても大切ですね。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
パヴェル・シュポルツル Pavel Šporcl (Violin)
2015年4月16-18日,5月20-22日,6月15-17日 プラハ,チェコ兄弟団福音教会
SU 4186-2 (P)2015 Supraphon (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 ブルーに塗装されたヴァイオリンでどんな演奏を聴かせてくれるのかと興味津々で聴きましたが, 至極真っ当,正統派の立派な演奏でした。 技術レベルも高く,整然と隅々までコントロールが行き届いていますし, 和音の響きの透明な美しさなども特筆できます。 大きな特徴はありませんが,秀演だと思います。

録音ですが,残響が多めでしかも楽器音に被って音色をくすませています。 楽器の質感はそれなりに感じられるのでぎりぎり許容範囲というところです。 残響が気にならない方には問題ないかもしれませんが, 私としてはあまり良い印象ではありません。 スプラフォンは比較的好みの録音が多いレーベルなので期待していたのですが,この録音は少し残念に思います。

シュポルツル氏は「チェコが誇る奇才ヴァイオリニスト」とのこと。 クラシックのみならず民族音楽なども演奏するそうです。 個人的にはその多様な音楽性を生かしたバッハが聴きたかったかなと...
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
五嶋みどり MIDORI (Violin)
2013年8月13日-17日 WDRフンクハウス,クラウス・フォン・ビスマルク・ザール(ケルン,ドイツ)
ONYX 4123 (P)2015 WDR (C)2015 PM Classics Ltd. (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music

CD試聴記」からの転載記事です。

この達観した演奏,いきなりその境地に行ってしまわれましたか... 人間的な温かさ,謙虚で優しさに溢れた音楽。 真摯でありながら,何事にもとらわれず自由に音楽と戯れる,そんな喜びが滲み出ています。 技術的にはもちろん完璧ながらそれが前面に出てこない柔らかなタッチがこの演奏を印象づけています。

ヴァイオリンという楽器は本当に難しいと思います。 どんな手練れであってもその難しさからどうしても音楽に「歪み」が生じます。 名手はそれを完璧な技巧で,研ぎ澄まされた演奏で乗り越え消し去ろうとします。 しかし彼女はそれを遙かに通り越し,さらにその上のステージでの音楽表現を試みようとしているように思えます。 ヴァイオリンという楽器の制約から解放されたこのような音楽は滅多に聴けるものではないと感じます。

彼女は2005年にソナタ第2番を録音していますが,それは静寂の中に静かに鳴り響く内向的な演奏でした。 どちらかといえば寒色系。 しかし,今回の演奏は暖色系に思います。 2005年の録音の延長線上で突き詰められた演奏を想像していたので, 最初聴いたときは「あれっ?,あれっ?」と戸惑い,肩すかしを食らった感があったのですが, 何度も聴くうちにこの演奏にどんどん惹きつけられました。 2005年にあの路線で全集を残してくれていたら,という思いは残るものの, 今ここにこの素晴らしい演奏に巡り会えたことを本当にうれしく思います。

録音ですが,やや残響は多めで楽器音への被りが気になるものの, 素直に捉えていてニュアンスも聴き取ることができるので,良好とまでは言わないまでもまずまずというところです。 空調なのか,低域の雑音レベルがかなり高く,聴く装置や環境によってはかなり気になります。 もう少し配慮が欲しかったところです。

解説書には“Artist's note”として五嶋みどりさん自身による文章が3カ国語で載せられています。 全くの蛇足ですが,日本人ヴァイオリニストなのですから,オリジナルの解説書に日本語も載せて欲しかった...
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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番,第3番
マリー・カンタグリル Marie Cantagrill (Violin)
Saint-Serge Church, Angers, France
(a)Ref. AB1/1 (P)(C)2009 ABP Musique Classique Productions (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考:Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,パルティータ第1番
マリー・カンタグリル Marie Cantagrill (Violin)
Combelongue Abbey, Rimont, France
(b)Ref. AB1/2 (P)(C)2011 ABP Musique Classique Productions (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考:Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番,第3番
マリー・カンタグリル Marie Cantagrill (Violin)
Malliac Castle, Montreal du Gers, France
(c)Ref. AB1/3 (P)(C)2014 ABP Musique Classique Productions (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考:Tower RecordsHMV OnlineiconApple Music
CD試聴記」からの転載記事です。2015年に(c)が発売され,全集として揃ったので再レビューします。

(a)(b)については比較的遅めのテンポでじっくりと演奏されています。 特にパルティータ第二番。 シャコンヌだけでほぼ18分,パルティータ第二番全体で約37分あります。 一方(c)は全体にもう少し速めのテンポで前向きです。

いずれにしても丁寧で真摯なところが良いと思いますが, 音色は若干固めで無機的な感じもあるので,もう少し色が欲しいかなと思います。 技術的には安定感がありまったく不安はありません。

録音ですが,3枚のディスクは全て違う場所で録音されたようですが,いずれも教会のようです。 (a)(b)は残響が少し多めです。 (c)は響きはあるもののドライな感じがします。 いずれも残響や響きによって音色はくすみがちですっきりせずあまり良いとは言えません。 中では(a)がややマシかなと思いますが, 全体通してやはり少々残念な録音です。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番,第3番
ジェニファー・コウ Jennifer Koh (Violin)
November 13 & 16, 2011(No.2), January 4 & 5, 2012(No.3) at the American Academy of Arts and Letters, New York City
CDR 90000 134 (P)(C)2012 Cedille Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: HMV OnlineiconAmazon.co.jpTower RecordsApple Music
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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番,パルティータ第1番
ジェニファー・コウ Jennifer Koh (Violin)
June 4-5, 10-12, 2014 at The Perfoming Arts Center, Purchase College/SUNY
CDR 90000 154 (P)(C)2015 Cedille Records (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
CD試聴記」からの転載記事です。

小気味よいのですが,一方で,美しく,優しく柔らかい印象を残す演奏でもあります。 線がやや細く弱々しい面が感じられなくもないですが,技術的にも優れキレと安定感がありますし, 音色や和音の取り方も美しく,欠点になっていません。 強い個性の主張がなく大人しい演奏ですが,自然体であり,そこが美点と言えるかもしれません。

録音ですが,少し残響を伴っているものの,直接音を主体に楽器音を透明感ある音で捉えていて好ましいです。 音色も自然で美しいです。 もう一歩寄って質感を強めに出してくれるとなお良かったと思いますが,これでも十分に良好です。 中ではパルティータ第1番の録音状態が最も良いと思います。

コウは1994年のチャイコフスキーコンクールで1位なしの最高位を獲得した実績を持つ実力者で,最近ではN響との共演もあるとのこと。2001年にもパルティータ第2番を録音されていました。このディスクは“Bach & Beyond”というタイトルでPart 1が2013年にリリースされ,2015年の6月にPart 2がリリースされました。Part 3で完結するのが楽しみです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番,他
ティボー・ノアリ Thibault Noally (Violin)
2013年6月 サン・レミ教会(ベルギー)
AP068 (P)2013 Aparté (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV OnlineiconApple Music
CD試聴記」からの転載記事です。

ティボー・ノアリは,指揮者のマルク・ミンコフスキ率いるルーヴル宮音楽隊(レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブル)のコンサートマスターで, 「マンゼやオノフリの後世代で最も期待できるバロック・ヴァイオリンの若手」とのことです。バッハ以外の併録曲は次の通りです。

ヴィルスマイヤー/パルティータ第5番ト短調
テレマン/幻想曲ニ長調TWV40:23,TWV40:25,TWV40:15,TWV40:17
ヴェストホーフ/組曲第5番ニ長調
バルツァー/前奏曲ハ短調 アルマンド ト短調
ビーバー/ローゼンクランツ・ソナタ~パッサカリア

バロック楽器による演奏で,粘りのある弓遣いがいかにもバロック楽器ですが, 淡々と整然として揺るがないテンポ感で淀みなく流れる音楽が気持ちよく, この点ではあまりバロック的ではないかもしれません。 音色も透明感があり美しく,技術的にも隙がなく大変優れています。 これは素晴らしい出来だと思います。 いずれ全集を出してくれることを大いに期待したいです。

録音ですが,残響がものすごく多く,しかも残響時間がかなり長いです。 しかし,直接音比率が結構高く,残響成分は広がり感があって楽器音とある程度分離して聴こえるため, 「豊かな残響」として何とかぎりぎり鑑賞に堪えうるというところです。 残響の質は良い方で,残響が許せる方なら優秀録音かもしれませんし,雰囲気に浸りたい方には好適と言えそうです。 残響のまとわりつきが気になるので私としてはもちろん好きな録音ではありませんが。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
パオロ・ギドーニ Paolo Ghidoni (Violin)
Pieve dei Campi Bonelli, Mariana Mantovana, 2012
OC125BrM (P)2015 OnClassical (e-onkyo音楽配信 2015年発売)
好録音度:★★★☆
参考: OnClassicale-onkyoApple Music
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 乱暴とも思える思い切りの良い意志の強さを感じる強い弓遣いで大胆に攻める演奏です。 緩急はそれほどでもありませんが,時折強烈なアクセントがあったり聴こえないくらい弱音で弾いたり,起伏に富んでいます。 音色は全体にキツめで刺激的であり美しくはありません。 技術的にはかなりしっかりとしていると思います。 受け入れがたい部分も多々ありますが,聴き慣れると芯のしっかりした,筋の通った演奏に思えるようになってきました。 これはこれでアリだと思います。

録音ですが,残響は多めで,残響時間はそれほど長くありませんが,音色の濁りがかなりあります。 残響の広がりも感じられず楽器音にまとわりついて音を濁すだけです。 そしてその割にキンキンと刺激的な音色が残っています。 少し遠めの音像で明瞭感も不足しています。 残念ですが全く良くありません。

パオロ・ギドーニは1964年生まれのイタリアのヴァイオリニスト。 この全集は音楽配信のみでディスクでの販売はないのではないかと思います。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
横山奈加子 Nakako Yokoyama (Violin)
2014年10月15-16日,12月9-10日,2015年2月3-4日 横浜・かながわアートホール
OVCL-00561 (P)(C)2015 EXTON (国内盤)
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

横山奈加子さんは,第60回日本音楽コンクール第2位,第10回チャイコフスキーコンクール第5位などのコンクール入賞歴を持つ実力者です。

モダン楽器による,甘さのない引き締まった演奏です。 癖がなくオーソドックス,良い意味で教科書的, 緊張感と躍動感のバランスの良さが心地よさを生んでいます。 技術のキレも素晴らしく,一音たりとも気を抜かず隅々まで気が配られている点も良いと思います。

録音ですが,残響がかなり多く,残響時間も長め,直接音比率が低く,残響の被りによる音色の濁りがかなりあります。 残響の質も悪く,ワンワンと洞窟のように響くだけで,録音空間の広がりも感じさせず,音楽的な寄与も感じません。 明瞭感も良くなく,ニュアンスも失われてしまっています。 音色のバランスも崩れ,変にキンキンうるさいです。 全く良くありません。 ソナタ第3番,パルティータ第3番はさらに一段悪くなります。 残念です。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番,第3番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番
島田真千子 Machiko Shimada (Violin)
2014/5/1,7/2,12/2 所沢市民文化センター キューブホール
ALT318 (C)2015 Altus Music (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 緊張感が高く,淀みのないテンポで突き進む潔い音楽が実に気持ちが良く, また彫りが深く起伏に富んだ思い切りの良い表情が印象的です。 そしてヴィブラートがコブシのように利く「泣きのヴァイオリン」というイメージが強く残る演奏です(それはちょっと違うだろ!と突っ込まれるかもしれませんが...(^^;)。

大変細かい話で恐縮ですが,パルティータ第3番 Gavotte en Rondeauの最初のリピートが省略されています。 そういう版もあるのでしょうか?

録音ですが,残響がかなり多く,残響時間も長めのため,楽器音に大きく被り音色が混濁しています。 高域の伸び,輝きも今ひとつでモゴモゴしているほか,強く演奏される部分での音の潰れが気になります。 やや歪みっぽく,オーディオ品質もあまり良いように思えません。

また録音会場の「ドーン」とか「ゴワーン」とかいう低いノイズが結構入っていて気になります。 少々配慮が足りない気がします。

さらに編集されているのではないかと思わせるような不自然な音のつながりもあるような気がして, 今ひとつ落ち着いて聴けないのが残念です。

さらに... パルティータ第2番 Gigueの3:33あたりで左chから小さな子供の「かあちゃん!」という叫び声が聞こえるのですが... 空耳だとは思いますが... ちょっと怖いです(^^;。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
イ・ボギョン Bokyung Lee (Violin)
LEEVÉ ART HALL, June & December 2014
LVAP-15K1404 (P)(C)2015 LEEVÉ Production (輸入盤)
好録音度:★★★★
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏。 丁寧ですっきりと整った演奏で,緩急や強弱は控えめですが,速い楽章での淀みのない軽快なテンポ感, 自然な呼吸感に沿った細やかな表情付けが好印象です。 強い印象を残す演奏ではありませんが,技術的にも安定感があり, 無難に上手くまとめていると思います。

録音ですが,残響は控えめですが,音に伸び,精彩がなく,くすんでややモゴモゴした音色です。 高域のヌケ,輝きが感じられないのが残念です。 そんなに悪くはないとはいえ,どっちつかずの半端な音作りで損をしていると思います。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
タマラ・スミルノヴァ Tamara Smirnova (Violin)
録音データなし
Croatia Records iTunes Storeダウンロード販売 (1995/5/23リリース)好録音度:★★★
参考: iTunes Store
CD試聴記」からの転載記事です。

モダン楽器による演奏で,力強く自信に満ち推進力があります。弓遣いに迷いなく鋭く切り込んでいくところが良いと思います。技術的にも優れています。

しかし,この全集には重大な欠陥があります。パルティータ第1番のSarabandeのDoubleのところで,こともあろうかCouranteのDoubleがもう一度入っているのです。つまり,SarabandeのDoubleが抜けているのです。これは完全な編集ミス。いつダウンロード公開されたのか知りませんが,こんな状態で放置されていることが信じられません。

録音ですが,とても残響が多く,しかも楽器音に被って音色が大きく損なわれています。明瞭感も悪く,ニュアンスや楽器の質感も失われています。残響を入れれば良いというものではありません。全く良くありません。

ヴァイオリニストについては詳細がよくわかりません。クロアチアのレーベルのようですので,そのあたりの出身のヴァイオリニストだとは思います。

iTunes Storeのダウンロード販売で購入(AAC 256kbps)。ディスクでも販売されていたようですが,現在は入手困難のようです。上記のような欠陥があり,また録音も良くありませんので,演奏は良いと思うのですが,お薦めできません。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マルコ・リッツィ Marco Rizzi (Violin)
録音データなし
iTunes Storeダウンロード販売 (2012/9/19リリース)
好録音度:★★★★
参考: iTunes Store
CD試聴記」からの転載記事です。

オーソドックスながら,卓越した技術と高い集中力で,緊張感の持続する隙のない音楽を築いています。 速めのテンポで淡々としていますが,力強く引き締まっていて,かつ隅々にまで神経が行き届いているのが素晴らしいです。 これは思いがけないところで優れた演奏に出会いました。

録音ですが,やや残響が多くまとわりつきがやや鬱陶しく感じられます。 音色のバランスはあまり崩れていないものの,ヌケの悪さにつながり,楽器の質感も弱めています。 それでも直接音が感じられるのでまだ聴ける方ですが,もう少し直接音比率を上げて明瞭でクリアに録って欲しいところです。

マルコ・リッツィ氏はイタリア出身のヴァイオリニスト。 エリザベート王妃国際音楽コンクール(1993年)第8位,チャイコフスキー国際コンクール第10回(1994年)第3位,などのコンクール受賞歴があるようです。

iTunes Storeのダウンロード販売で購入(AAC 256kbps)。 日本のAmazonでは扱っていないようですが,海外のAmazonではダウンロード販売していました。 ディスクメディアが販売されているのかどうかは確認できませんでした。

ところでこのダウンロード販売には重大なエラーがあります。 といいますのも,ソナタ第3番の終楽章の曲がパルティータ第3番の前奏曲に入れ替わり, その後の曲が全て前に1曲ずつずれて収録されており, パルティータ第3番の終楽章にソナタ第3番の終楽章が入っているのです。 こんなエラーが見過ごされて放置されているとは,管理がずさんというのにもほどがあります。 海外のAmazonもエラーは同じでした。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
マッツ・セッテルクヴィスト Mats Zetterqvist (Violin)
録音データなし
Amazon.co.jp ダウンロード販売 (2015/1/9リリース)
好録音度:★★★★☆
参考: Amazon.co.jp
CD試聴記」からの転載記事です。

セッテルクヴィスト氏の公式Webサイトがあります。 セッテルクヴィスト氏はスウェーデン出身のヴァイオリニスト。 2009年よりヨーロッパ室内管弦楽団の第2ヴァイオリン首席奏者とのことです。

隅々までコントロールが行き届いた技術のキレが抜群に良い演奏です。 速めのテンポで颯爽としていますが,ニュアンスも豊かです。 音色は固めですが雑味のない美しい輝きを放っています。 モダン楽器らしい好演奏で,水準も高いと思います。

録音ですが,残響は少しあり楽器音へのまとわりつきと音色への影響がわずかにありますが,直接音が主体であり, 明瞭感も高く,楽器の質感もよく感じられる良好な録音です。 曲によって少しチリチリという付帯音が聞こえます。 録音時に入ったものか圧縮時のエラーかはわかりませんが,これは少し残念に思います。

AmazonでのMP3(256kbps)ダウンロード販売の他にディスクメディアの販売もあるようですが, 気軽に買えそうなサイトではなかったため諦めてダウンロード購入しました。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番,第3番,他
クリスティアン・フェラス Christian Ferras (Violin)
1956年2月29日(No.2), 1960年2月3日(No.3) フランクフルト,ヘッセン放送
MC 2001 (C)2013 Meloclassics
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

メニューインコーガンのディスクと同様,放送用音源から復刻されたものです。バッハ以外の併録曲は,タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル」, モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.526。ここではバッハのみコメントします。

アクセントを付けながらキチッと弾く折り目正しさが印象に残ります。 重音を正確に半拍前からリズムに合わせて弾くスタイルもその印象を強くします。 特にソナタ第3番のフーガは過剰なくらいで,ここまで徹底しているともう立派としか言いようがありません。 この楽章がこのディスクの白眉です。 ソナタ第3番が優れていると思います。

1956年と1960年の録音(いずれもモノラル)で,スタジオで放送用音源として録音されているため,残響がなく極めて明瞭で,この点では間違いなく好録音です。 古い録音なのでクオリティは年代相応で,緻密さに欠けるのは仕方ありません。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番,他
レオニード・コーガン Leonid Kogan (Violin)
1964年5月25日 ボルドー 大劇場
MC 2012 (C)2013 Meloclassics
好録音度:★★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

メニューインのディスクと同様,放送用音源から復刻されたもので,最初に曲の説明のナレーションも入っています。バッハ以外の併録曲は,ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタHWV370, ブラームス:スケルツォ, ファリャ:スペイン民謡組曲, ラヴェル:ツィガーヌ, ドビュッシー:美しい夕暮れ, サラサーテ:サパテアード。ここではバッハのみコメントします。

力強くキレの良い演奏ですが,(意外にも)冷静で落ち着いています。 オーソドックスで,どちらかといえば綺麗にまとめることに重きを置いた守りの演奏のように思えます。 正直なところもう少し推進力が欲しかったなと思います。

1964年の録音(モノラル)なのでそこそこ良いクオリティがありますが,中低域は薄めでやや軽い音質です。 また,高域側も帯域が不足しているということはありませんが,やや伸びが足りないかなと思います。 放送用ということでスタジオで録音されていて,残響がほとんどないためとてもクリアで明瞭です。 この点ではまさに好録音と言えます。 私の好きな録音ではありますが,客観的にみてオーディオ的には年代相応というところだと思います。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番,他
ユーディ・メニューイン Yehudi Menuhin (Violin)
1952年8月25日 アスコーナ(ライヴ)
MC 2003 (C)2013 Meloclassics
好録音度:★★★
参考: Tower RecordsHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

放送用音源から復刻されたもので,最初に曲の説明のナレーションも入っています。バッハ以外の併録曲は,タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル」, フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調, サン=サーンス:ハバネラ,序奏とロンド・カプリチオーソ。ここではバッハのみコメントします。

ものすごい勢いに圧倒される演奏ですが,一方でかなりせっかちに聴こえます。 そして昨今の演奏と比べると相当荒っぽいです。 そういった点で大いに時代を感じさせる演奏ですが,それがまた良いのだとも思います。 かつては音楽はもっと自由で大らかだったんだなと。

録音ですが,1952年の録音なのでさすがに古くクオリティは良くありませんが, 放送用の音源のためか,残響は全くなく楽器音が極めてクリアに録られているため, 1952年の録音とは思えないほど鮮明です。 音色のバランスは大きく崩れているのですが,高域が比較的きちんと出ているため,あまり不満に感じません。 ある意味好録音と言えるかもしれません。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番,第2番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
ドミトリー・マフチン Dmitri Makhtin (Violin)
L'Arsenal (Metz) salle de L'Esplanade 19-21 fevrier 2007
2564 69813-3 (P)(C)Lontano (輸入盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

伝統的なスタイルの引き締まった演奏。 オーソドックスで大きな特徴はないものの,インテンポで淀みなく淡々と弾き去る技量は大したもの。 技術的には隙がなく相当上手いです。 今風の演奏ではありませんが,充実度の高い好演奏です。

録音ですが,残響はそれほど多くありませんが,響きが結構あるため楽器音がやや濁り気味です。 楽器音自体はしっかりと録っているのですが,この響きのために高域の伸びが損なわれ,ニュアンスも失われています。 また,背景にブーンというノイズがかすかながら入っているのも気になります。 惜しい録音です。

ドミトリー・マフチンは,ロシア,サンクトペテルブルク出身のヴァイオリニスト。 本ディスクはVolume 1と記載されていますが,Volume 2が一向に発売される気配がありません...
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
アルベルト・コチシュ Albert Kocsis (Violin)
録音不明(リリース 1963年)
好録音度:★★★★
Hungarotonのサイトよりダウンロード購入
CD試聴記」からの転載記事です。

恐ろしく気合いの入った力強く実直な演奏。 およそ50年前の演奏で,当時としてはこのようなアプローチが主流だったのではないかと思います。 技術的にもかなり上手く,この点はほぼ不満がありません。 リピートの省略が多いのが残念です。

録音ですが,残響はほとんどない極めて明瞭な録音で,この点で不満はありません。 古い録音のため高域の伸びが今ひとつであり,音色が古臭いです。 これは仕方ないところです。 明らかに編集されたとわかるところが何カ所かあり,これも残念なところです。 また,FLAC配信にもかかわらず,時折低ビットレートのMP3でエンコードしたときに発生するような音の歪みが感じられます。 配信のクオリティはあまり良いとは言えません。

デネス・コヴァーチュの全集と同様,ブログ読者様から教えていただいたフンガロトンのサイトでこれを見つけた演奏です。 やはり同じくMP3とFLACで販売されており,FLACは44.1kHz/24bitのデータでした。 価格は2015年5月現在2,899フォリント,日本円換算で1,300円ほどです。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
コンラッド・フォン・デア・ゴルツ Conrad von der Goltz (Violin)
録音不明
iTunes Music Storeにてダウンロード販売
“よくばりクラシック 100min.×100 vol.96” より
好録音度:★★★
CD試聴記」からの転載記事です。

至極オーソドックスなアプローチです。 奇を衒うことなくじっくりと真摯に取り組りくんでいる様が伝わってきます。 この点に関しては好印象です。 しかし,残念ながら技術が伴っていません。 音程が悪くしかも不安定,緩急も曲想で変化するというよりは左手の難易度で発生しているように聴こえます。 ただ,それに対して右手の技術はしっかりしているので,技術に不安を覚えながらも結構聴けます。 また,パルティータ第二番の出来が図抜けて良く,上記の弱点はほとんど気になりませんでした。

録音ですが,まるで銭湯の中で録音したような音です。 楽器音が響きに埋もれてニュアンスや質感がよく伝わってきませんし,当然音色もかなり影響を受けています。 特にソナタ第一番がひどいです。 他の曲は幾分マシで,息づかいが聞こえてくるような距離感をもった録音ですが,それでもやっぱり響きが多すぎます。

以前,「クアドロマニア」という廉価盤4枚組のシリーズに収録されていた一部の曲をレビューしていました。その全曲セットです。演奏,録音とも以前レビューしたときと変わらない印象でしたので,その記事をほぼそのまま引き継いでいます。

iTunes Music Storeの“よくばりクラシック 100min.×100 vol.96”はクラシック入門用のシリーズだと思われます。2015年5月時点のダウンロード販売価格が900円と安いのは有り難いのですが... 入門用としては(入門用だからこそ)演奏,録音とも,もう少しクオリティの高いものを選んで欲しいものです。

それほどゆったりした演奏とは感じないのですが,全曲でCD 2枚に入りきらない演奏時間でした。 このためクアドロマニアでは全曲を収録していなかったものと思われます。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲
ギル・シャハム Gil Shaham (Violin)
Studio 2, Bayerischer Rundfunk, Munich, Germany in June and July, 2014
CC14 (P)(C)2015 Canary Classics LLC (輸入盤)
好録音度:★★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

上手い! 本当に上手いです。 技術のキレは抜群で,技術的制約からくるもたつきは皆無です。 優れた技術による演奏でしか得られない快感がこの演奏にはあります。

そしてとても個性的。 どの曲にも彼流の仕掛けが仕組んであります。 曲を完全に支配し,変幻自在に操る。 彼の世界に強引に引きずり込まれてしまいます。 それがまた楽しいのです。

録音ですが,残響は少し多めですが,直接音もしっかりと明瞭に質感豊に捉えられています。 音の伸びもあり,ヌケも悪くありません。 高域が少し刺激的なところはありますが,私にとっては問題ありません。 残響が多くてもこの録音ならまずまず納得出来ます。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
(“藤原浜雄/ヴァイオリン・リサイタル2012”より)
藤原浜雄 Hamao Fujiwara (Violin)
2012年10月11日 東京 紀尾井ホール
SONARE1016-7 (P)(C)2013 Sonare Art Office (国内盤)
好録音度:★★★☆
参考: Tower RecordsAmazon.co.jpHMV Onlineicon
CD試聴記」からの転載記事です。

渾身のバッハ。 熱く濃い,人間味あふれる,演奏者の個性が色濃く反映された,そして巨匠的風格を備えた堂々とした演奏です。 実直でブレのない音楽が素晴らしく思います。

録音ですが,ホールの残響をかなり多く取り入れていますので,そのまとわりつきがかなり鬱陶しく, 本来の音色や質感,ニュアンスが感じ取りにくいです。 ピアノとのデュオの他の曲では少し残響が抑えられていて聴きやすいのですが, このソロだけこのような録音の仕方をされていて,余計に残念に思います。 録音レベルも若干低めです。

“藤原浜雄:ヴァイオリン・リサイタル2012”と題された2枚組のライヴCDで,ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第4番,バルトーク/ヴァイオリン・ソナタ第1番Sz.75, ラヴェル/ツィガーヌ,ラヴェル/ハバネラ形式の小品,パガニーニ~リリアン・フックス編/カプリス第24番,が併録されています。

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